(1)メルコスール首脳会合出席及びブラジル訪問について
【松本外務大臣】本日からメルコスールの首脳会合及びブラジルを訪問いたす予定でございます。本件については、与野党の国会の関係の皆様方にも累次にわたってご説明を申し上げてまいりました。昨今の状況から、ご了解を得るという形には至りませんでしたけれども、累次にわたってご説明を申し上げ、出張の意義そのものについてはお伝えすることができたのではないかと判断をして出張させていただくことにいたしたいと考えております。
内容を一応申し上げると、パラグアイのアスンシオンで開催されるメルコスール首脳会合への出席を行います。また、その後、ブラジルを訪問いたします。外務大臣の南米訪問は3年ぶり。メルコスール首脳会合でスピーチを行います。メルコスールの加盟国は、アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイでありますが、ASEAN以上の経済規模を有しているということもありますし、関税同盟でありますので、こういった関係の強化について考えを伝えてきたいと思っています。また、ブラジルでは、パトリオッタ外務大臣との会談等を予定しております。また、日系社会代表者の方々とも懇談をしたいと思っております。
(2)日・インドEPAの発効に関する外交上の公文の交換について
【大臣】本日の閣議決定を受けて、30日に日・インド包括的経済連携協定の発効に関する外交上の公文の交換が行われ、8月1日に協定が発効する運びとなりました。両国の戦略的グローバル・パートナーシップが一層強化され、経済関係が活性化されることを期待したいと思っています。
(3)復興経済外交担当官会議(アジア大洋州)の開催について
【大臣】復興経済外交担当官会議(アジア大洋州)を開催いたします。6月30日に行います。日本からの輸出、また訪日外国人の観点から、主要な国・地域の在外公館等の担当官、そして国内の関係省庁・機関が出席をする予定で、冒頭は山花政務官が出席して訓示する予定であります。いわゆる輸入規制の問題、他方でジャパン・ブランドの発信、日本がビジネスにも渡航にもオープンであるということをしっかり伝えていくということを議論をして、実りあるものにしていきたいと思っています。
【共同通信 斎藤記者】2+2の共通戦略目標と今後の中国への対応に関連してお伺いしたいと思います。共通戦略目標ではご案内のとおり、「中国」という文言がペーパーの中にも明記されています。それと、「南シナ海」という言葉そのものはありませんが、共通戦略目標の中にはシーレーンであるとか、あるいは航行の自由といった観点から日米協力の強化をうたっているわけです。こうした日米のスタンスと日本が今掲げている日中の戦略的互恵関係強化、ここに論理的な矛盾が生じる可能性があるのかないのか、そして、中国側に対して、もし説明をする機会があるとすれば、今回の2+2の基本的な立場をどう説明するのか、この点について大臣のご見解をお聞かせ願いたいと思います。
【大臣】2+2においては、基本は日米関係の深化であり、また安全保障面については日米安保体制でありますし、安保体制の根幹は我が国の防衛ということになるわけですけれども、さらにその上に地域の安定、ひいては国際社会の平和安定に資するというのも日米の使命であるという共通の認識があると思います。そういう中でアジア太平洋地域にあっては、いろいろな面で中国は大変大きな存在に既になってきているということは事実でありますので、この中国と建設的で前向きな関係を築くことが重要であるというのが日米双方の認識でありますし、そのことが2+2にはその趣旨で記載をされていると私(大臣)は考えております。今、航行の自由であるとか海洋安全の話がありましたけれども、これは海賊の問題なども含めて、あらゆる分野で全ての国に当てはまることではないかと考えているということです。
【共同通信 斎藤記者】2点確認させていただきたいのですが、そうすると共通戦略目標にでてくる、今お話のありました「航行の自由」、あるいは「シーレーン」は具体的に南シナ海をイメージした文言ではないということなのかどうかという点。もう一つは、「両岸関係」という言葉がでてきます、中国側は従来から「両岸関係、台湾問題というのは我が国の問題だ、主権だ」というように言っておりますが、この点について日本側の立場を併せてお聞かせ願いたいと思います。
【大臣】一つは、「航行の安全」というのは、その意味では広く海洋全体の問題であるというようにご理解をいただいていいかと思います。航行の自由、海上の安全ですね。さまざまなその中で、海域でいろいろな国がいろいろな問題提起をされるということをしっかり先ほど申し上げたように日米として受け止めることも含めて記載をさせていただいていると考えております。
それから、両岸関係についてでありますけれども、先ほど申し上げたように、日米においては地域及び国際の平和と安全ということは先ほどお話をさせていただきました。また、安保条約においては、「両国は極東における国際の平和及び安全の維持に共通の関心を有する」と書いておりまして、その極東の範囲に台湾地域が含まれるということは、これまでも国会などでも説明をしてきたとおりでありまして、今回の発表における言及については、これまでの我が国の安全保障に対する政策、台湾に対する立場というものを何か変えたというものでは全くないということであります。その上で、今回の2+2では近年の両岸間の対話の進展という状況を歓迎をしつつということを申し上げて、引き続き対話を通じて平和的な問題の解決を促すとしたものであります。
【NHK 稲田記者】大臣は、冒頭でこのような国会状況とおっしゃいましたけれども、その厳しい国会状況の一つというのが、自民党の浜田さんを総務政務官として迎えたということが一つあると思われます。今回、人の懐に手を突っ込んでと自民党が言っていますけれども、非常に野党は反発していますし、与党内でも異論はありますけれども、今回のこの人事は松本大臣としてはどのように見ていらっしゃるのか。
また、それによって政権、そして、国会に与えた影響はどういったものがあるとお考えでしょうか。
【大臣】人事そのものについては、人事権者が常に適材適所でおやりになるというのが人事である以上は、人事権者でない、また、政務官の人事は私(大臣)のあれではありませんので、政府の一員としては、何かそれについてコメントをするというのは、差し控えたいと思います。
その結果については、少なくとも私どもが承知をしている限り、国会運営などを担っておられる私どもの与党の国対委員長のご発言もありますし、また、野党の方々が公開の席でいろいろおっしゃっておられるということは、国会の対策は与野党の協議で進んでいくわけでありますから、一方の当事者である少なくとも野党側の受止めが、結果として厳しい内容になった人事であったことは間違いないと考えざるを得ないのではないかと思っています。
【NHK 稲田記者】昨日は浜田さんの人事と併せて、総理は会見で若い世代に引き継ぐためには、いわゆる3つの案件が通ることは一つの目途だと発言されました。これに対して野党側はそれが通らないと辞めないという事実上の延命であるという指摘もありますけれども、松本大臣としては総理退陣という大きな問題になっている中で、どういう状況になったら総理は退陣されるとお考えなのか。
また、昨日の一つの目途であるという総理の発言が与えた結果について、どのように見ていらっしゃるでしょうか。
【大臣】私ども閣僚は総理に任命されていますので、総理の退陣を云々する立場にはないと考えていますが、この場でも何度か繰り返しお話をさせていただきましたように、私どもは基本的には国民の皆様の付託を受けて、いわば政治の立場を行使できる立場にありますので、この発言をもって国民の皆さんがどう受け止めるかを我々は素直に考えることが一番重要だろうと。これは6月2日の発言のときもお話をさせていただいたとおりであります。
その意味で、国民の皆さんが今どうお感じになっているかということを私(大臣)なりに考えれば、総理がおっしゃった3つの案件は、復興や我が国の未来のためにいずれも必要なものであるというように政府としても考えて提出をされたものであると思います。私(大臣)自身も提出、もしくは提出する予定と言うべきなのかもしれませんけれども、そうなるだろうと考えておりますので、延命云々ということよりも速やかに、そして必要があれば国会で協議していただいて実現をすることが重要だと。また、政府の一員としてはそのような方向で努力をすると同時に、それぞれ日々動いている行政の所掌事務というのがありますので、これに遺漏なきように努めるのが我々の使命だというように考えて努力をしたいと思っています。
【NHK 稲田記者】今、松本大臣は、速やかに通すことが重要とおっしゃいましたけれども、それは必ずしも菅総理でなくてもこの法案を、場合によっては菅さんでない人を総理にしてでも通す必要があるというようにお考えでしょうか。
【大臣】私どもとしては、必要なことは復興のためにできることを一つひとつやっていくことでありますし、総理は今総理の職にあっておやりになれることをおやりになろうとしているのだろうと思います。私(大臣)は外務大臣の職にあってできることをやるということだろうというように思います。
速やかに通すというのは、先ほどの国会での協議を経た上でと申し上げたつもりなので、そこは是非加えていただきたいと思います。
【毎日新聞 西田記者】大臣が冒頭おっしゃいました、今回の南米の海外出張ですけれども、与野党の合意を得ていくという形が国会の慣例ですけれども、2+2のときと今回と連続して崩れています。今回の場合は昨日の人事というものも影響しているかとも思われますが、今回相整わなかった理由をどうお考えになってどう受け止めておられるか、また野党は今後も態度を硬くしていますけれども、今後の出張も政府の判断としてやっていくのか、一方では慣例自体をなくしたらどうかという考えもあるとは思うのですけれども、それとも含めて大臣の見解をお願いします。
【大臣】閣僚の海外出張と、与野党国対の了解と議運の了解の関係というのは、了解なのか報告なのか理解なのかということについては相当膨大な時間を要する議論が必要であるということは議運委員長を経験した者としてよく承知をしていますので、今の点については少しお時間をいただかないといけないので、本日はここではコメントは差し控えたいと思います。
【NHK 稲田記者】では、要旨だけでも。
【大臣】これは一度ゆっくり皆さんと懇談の機会でも設けて、歴史も含めて相当長い経緯がありますので。
【ニコニコ動画 七尾記者】首脳外交についてお伺いします。日中首脳の相互訪問、李明博大統領の訪日、そして9月上旬の訪米などについてですが、昨日、総理が退任時期を明確にされなかったことによる首脳外交停滞の懸念の声がありますが、この点についてのご見解をお願いいたします。
【大臣】もちろん、人間のやることですから、人と人との要素があらゆる面であるわけですけれども、基本的にはやはり国と国の関係でありますので、今お話があったような米国、そして韓国、中国といったような、我が国にとって極めて重要な国とは、ある意味では、完全に定期的という言葉がぴったり当てはまるかどうかは別にして、かなり近い中で首脳が相互に行き来をするというのが、これまでの例でもありますし、例えば中国はお話があったように、今年は私どもの方から行く番だということでありまして、これは是非維持をされるべきだと思いますし、そのことは個々人の約束ではなくて国と国との約束でありますので、国内の政治情勢にかかわらず実現をされることになると思いますし、また、されるように努めるのが私ども外交の役割だろうと思っております。
もちろん、その上で申し上げれば、先ほど申し上げたように人と人との関係がありますから、一定期間長く務めることによって、人と人との関係が生まれてくるということは事実でありますけれども、ものには限度がありますけれども、他方で民主主義というのは余りに長期の政権というのも予定してないわけでありますから、そこをどういうふうに考えるか。特に変革期にあっては、やはり一政権一内閣にかかる負担というのは大きいので、なかなか長く政権を維持するということは、過去の歴史を振り返ってみても変革期の政権というのは、大変大きな重荷を背負うということだろうと思いますので。 外交の方については、今まさにおっしゃったような停滞とならないようにすることが我々の務めだと思って努力したいと思います。
(1)フィリピンから医療支援チームの受け入れについて
【松本大臣】フィリピンから医療支援チームを受け入れることになりました。6月28日(火曜日)から7月13日(水曜日)までの期間で、被災された在日フィリピン人のご家族を含めた被災者の心のケアなどを目的としてフィリピン政府の派遣による医療支援チームが来日をいたします。同チームはフィリピン人の医師3名からなり、日本人の医師、臨床心理士とともに岩手県大船渡市及び陸前高田市などで被災者の方々に巡回医療支援活動を行う予定であります。かねてから、フィリピンのアキノ大統領及びデル・ロサリオ外務大臣などからお見舞いと支援の申し出を受けていたところでありまして、フィリピン政府の協力に改めて深く感謝を申し上げたいと思います。
(2)仙台におけるAPEC緊急事態ワークショップの開催について
【大臣】このたび8月1日(月曜日)から3日(水曜日)にかけて、仙台市にてAPECの防災に関するプロジェクト、民間部門の緊急事態対応に関するワークショップを開催することにいたしました。これはAPECの枠組みの中で我が国と米国が共同で開催するプロジェクトでありまして、民間企業の災害時の事業継続のための備えの重要性について、APEC21ヵ国・地域の防災専門家の約70名が議論を行う会合です。この会議は、大震災以降で仙台市で初めて開催される政府レベルの国際会議ということになります。東北の復興を世界に伝える機会となることを願っております。
【共同通信 斎藤記者】竹島問題についてお伺いしたいと思います。6月16日に大韓航空のエアバスの新型機が竹島の上空をデモンストレーションで飛行したという事案があったと聞きました。本日の自民党の部会で、外務省の方からは「この件について申し入れをした」というような説明がありました。この申し入れがあったのは、ペーパーによれば21日ということで、発生から5日経った後に申し入れをしているということのようです。この申し入れは、私の記憶が確かであれば、参事官レベルで申し入れたというように聞いております。違ったらまた指摘をお願いします。この5日経ってから申し入れをしたということ、それから、参事官レベルで申し入れをしたということ、この点について誤りはなかったかどうか、適切な判断だったのかどうか、どのような経緯でこのように対応したのかについてお伺いしたいと思います。
【大臣】まず、我が国の領空である竹島の領空を侵犯をしたということは、我が国の竹島の領有権に関する立場に照らして、到底受け入れられない、極めて遺憾であるということを申し上げたいと思います。今お話がありましたが、私どもとしては、17日の報道において、この情報に接して、その後、事実関係の確認を行って、確認が取れた上で申し入れの準備をして申し入れを行ったということで、最終的に21日になったというように考えております。申し入れのレベルについては、正確に今、私も手元持っておりませんが、外交ルートのレベルで申し入れをさせていただいたと承知をしております。どのレベルでどのようなルートで申し入れをするかということについては、事案に応じて判断をして対応をさせていただいているというようにご理解をいただきたいと思います。
【共同通信 斎藤記者】今回の問題のポイントというのは、この航空機が竹島の上空、これは日本の領空と呼んだらいいのでしょうか、日本の領空を侵犯したという、この辺にあるということでいいのかどうかと、この点の確認をしたいと思います。本当に実際に領空侵犯したのかどうかという、事実関係も含めてこの点の確認をお願いします。それと、今後、こうしたことが起きないように、どのように韓国側に働きかけていくのか、この点も併せてお願いします。
【大臣】事実関係を確認という趣旨はそのようにご理解をいただいてよろしいかと思います。であるが故に、逆に言えば申し入れを行っているわけでありますから。それから、これについては申し上げてまいりましたけれども、申し入れを行うなど、韓国側に対しては、我が国の立場をこれまでも伝えてきているところでありますけれども、しっかりとこれに対応をしてもらうように引き続き働きかけを行っていきたいと申しあげたいと思います。
【NHK 稲田記者】日本政府は竹島についても領土問題はないという、先ほど大臣がおっしゃたように、我が国の領土であるという認識だと思うのですが、領空を侵犯したことについて韓国側からはどのような説明があったのでしょうか。
【大臣】韓国側の反応について、全て私どもから申し上げることはできないと思いますが、基本的に我が方からの申し入れに対して、韓国側は韓国側の立場を述べるというのが韓国側の対応であるということだけは申し上げておきます。
【フリーランス 上出氏】先般行われました2+2の共同発表について質問したいのですが、この中に次世代迎撃ミサイルSM3の問題が出ています。これについては、実は去年12月にウィキリークスなどで、これをヨーロッパに体制を構築したいために、日本を通してそういうことをやるために武器輸出三原則を解除せよというようなやり取りがあったという報道もあります。
現実に私どもはこういう会見に来てみた段階でも、いろいろな方たちが武器輸出解禁のような発言もされています。今回こういう形で出てきたのは、2006年に事前の日本政府の了解があれば、こういうことをやってもいいということになっていますが、国民から見たら、余りよくわからないうちにどんどん事が進んでいます。言葉は悪いですが、国民の目を欺く的な、そういう指摘もあるわけですが、これについて、自民党政権でそのままやるならともかく、せっかく政権交代をした民主党がそのままこういう形でSM3のこういう問題をやっているということに対してのご所見をお聞かせいただきたいと思います。
もっと国民の議論があって、本当はこういうものが出てくるべきものだと思います。何かすっと出てしまったという感じがするのですが、いかがでございましょうか。
【大臣】今おっしゃったように、これについては厳格な管理の下で対応するということで既に定められてきた中で、もちろん我々としては、これまでの政策というのを、一般論で申し上げれば、何ら無原則に引き継いでいるわけではありませんけれども、それぞれ引き継ぐべきものは引き継ぐと同時に、これまでの国と国との関係の中での議論も踏まえながら対応しているわけでありますが、今回の件については第三国に関する厳格な管理の内容を具体的に明確にするということで、むしろきちんと透明な形で政治を行っていきたいという民主党の基本的な考え方にかなったものではないかなと思っております。国民を欺くとか、そういうような言葉は私どもとても全く考えておりませんので、是非そういった言葉は誤解を招かないようによろしくお願いしたいと思います。
【フリーランス 安積氏】2+2についてお伺いしたいのですけれども、防衛大臣が2+2の辺野古案に戻ったことについて、「政権交代による民主主義のコスト」とお話になっていると思うのですけれども、これについて、松本大臣も同じ認識でいらっしゃるのかどうなのか。このコストというのは、沖縄の県民が多大な負担になるということを意味すると思うのですけれども、これを甘受すべきという意味なのかどうなのか、お伺いいたします。
【大臣】時間がかかったことが沖縄県民の負担になっているということでしょうか。
【フリーランス 安積氏】1回、県外・国外とかいう話になって、それで期待していたというところが、結局、また辺野古案になったというところの意味だと思います。
【大臣】その間の経緯については、政権としては沖縄の皆様におわびをしていると私(大臣)は理解をしています。
【フリーランス 安積氏】それが政権交代による民主主義のコストということは、大臣はあってしかるべきとお認めになるという意味なのでしょうか。
【大臣】私(大臣)も同席していましたけれども、どういう質問に対して、政権交代のコストと答えたかというのは正確に記憶をしていないのですが、今ご質問があった、今回の普天間基地の移設の問題について、結果として5月に辺野古でお願いをするということになった、そして、その間の経緯については、政権としては沖縄の皆様におわびを申し上げなければいけないことが一つです。もう一つは、引き続き大変大きな負担をしていただいていることで、それについては負担軽減の努力をしていきたい。この2点を沖縄の皆様については、私どもとしてはおわびを申し上げたいと思いますので、今おっしゃったような二転したというような表現もお使いになられているのかもしれませんけれども、結果として辺野古で5月にお願いをした、そして、それまでの経緯については、おわびをしているというのが政権としての考え方だと思います。
【日経ビジネス 森記者】2+2後の会見でゲイツ長官が来年の間に具体的進展が得られることが重要であると強調したということですが、今後1年以内にいついつまでにこれこれの進展をさせるという、何かしらの合意はあるのでしょうか。
【大臣】私どもが理解をしている限りは、我々としては、沖縄の皆様に誠意を持って、これからも説明をしていく立場でありますので、それに対して何かの期限を区切ってお話をするというような性格のものではないと考えていますし、その日本政府の立場は貫かれているとご理解をいただいていいと思います。
【フリーランス 上出氏】新しく基地の問題で鹿児島県の馬毛島が候補として出てきています。これについて報道によりますと、地元では相当反発しているという話でありますが、これに対しては大臣、どのように今後、地元の説得を含めて対応していかれようとしておられるのか、お聞かせいただければと思います。
【大臣】今おっしゃった話は、自衛隊の基地を建設し、それをFCLPで使用することもすべて検討で、建設することも検討し、それもFCLPとして利用することも検討するという話であったかと思いますので、自衛隊の建設の基地にまでは、私(大臣)がコメントするのは差し控えさせていただきたいと思います。
【アジアンタイムズ ダニエル記者】私は、日本のエネルギー政策を1%とか2%しかわからないのですけれども、大臣にお聞きしたいことがございます。
日本はこれから将来まで原子力のエネルギーを減らしたら、化石燃料の海外からの輸入が増える可能性がございます。どこの国から輸入するのでしょうか。それはオーストラリアなのでしょうか。またはインドネシアなのでしょうか、ロシアなのでしょうか。大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
【大臣】全体として、従来以上に我々としては再生可能エネルギーの利用を高めることに全力を尽くしたいと、大きな力を注ぎたいということは、これまでも申し上げてまいりましたし、改めて我が国として再生可能エネルギーの割合を増やしていく、絶対量としてもそれは増やしていくことになると思いますけれども、そういうことをまず行うということは政府内で考えが固まっています。
その上でエネルギー全体については、省エネを進めるということはいろいろな需要が増えていったとしても総量として本当にエネルギーの需要がどこまで増えるのかということは、これから見積もらなければいけないと思います。その中で現在、原子力を使っていますけれども、将来原子力をどういう割合にして、化石燃料の需要がどれによって賄われるのかということについては、まさに今、検討をしているところだと思っています。
原子力発電所の今回の事故については、引き続き収束に努力をしつつ、検証と調査は既に始まっていると考えていますが、恐らくこの検証と調査もある程度関連性がないとは言えないと思いますが、併せてエネルギー政策についても、まさに今議論をしていかなければならないと思っています。
その上で申し上げれば、今、たしかインドネシアとかオーストラリアの名前を挙げられたと思いますが、我が国においても石油、天然ガス、特に石油については比較的中東に供給先がかなり集中をしている面がありますので、多様化する必要があるということは、これまでも進めてきた政策でありますし、これからも進めていく必要があると思います。既に今おっしゃったような国々から我々もエネルギー資源の輸入をしていますけれども、今後どこを増やしていくことになるのかということは、全体量をどのぐらい増やすのかということも含めて総合的に考える話で、今の段階で個別の国とか場所などは、私(大臣)からまだ申し上げる段階ではないと思っています。
【NHK 稲田記者】松本龍防災担当大臣を、本日施行された復興を担当する閣僚に任命する意向を菅総理が決められました。
復興というのは今回の震災を受けて非常に重要な役割だと思いますけれども、松本剛明さんとしては松本龍さんに対して、どのようなお仕事を期待されるでしょうか。
また、それに併せて環境大臣というポスト等をめぐって改造が行われると思いますが、国民新党は大幅な改造を求めています。一方で外務大臣は総理も夏ごろまでだというのが一般理解だろうとかつて発言されていましたけれども、復興に臨むにあたり、改造の幅というものはどういったものがふさわしいとお考えでしょうか。
【大臣】まず1つは、復興担当大臣の人事については、正確なNHKの報道以来、私(大臣)も見ていませんので何とも申し上げようがないのですが、もし松本龍復興担当大臣がお引き受けになるとすれば、それは十分にその任をこなしていただける方だということは確信を持って申し上げられるというように思っております。
閣僚としての能力に加えて、やはり人物としての、復興にはやはり人としての温かみが必要だと思いますので、ふさわしい方ではないかなと思います。
他方で、外交においては地球環境の問題というのも大変重要なテーマでありまして、この間、昨年の生物多様性に関する名古屋のCOP10であるとか、カンクンにおける気候変動に対応するCOP17などにおいて、松本龍環境大臣には大変大きな役割を国際的な面でも果たしていただきましたので、このような震災復興という重責の中で両方やってくれというのは大変難しい注文だと思いますが、環境大臣という意味でも松本龍大臣は大変すばらしい実績を残してこられただけに、私どもとしては、もし離れられるのだとすれば、大変惜しいというか、残念な気持ちがするというように申し上げたいと思います。
その上で、かねて申し上げてまいりましたけれども、やはり1日も早く復旧・復興を推進することが私どもの使命だろうと思っていますので、速やかかつ円滑に進めていくために、今、それぞれの閣僚がそれぞれの持ち場で努力をしているというように思いますので、大幅に変える必要があって、そのことによってかえって円滑性が増すのかどうかといえば、私(大臣)は必ずしもそうではないのではないかなというように思います。
【NHK 稲田記者】松本龍さんについて、環境省を離れられるのは大変惜しいというようにおっしゃっていますけれども、それは松本外務大臣としては兼務してでもやっていただきたいということなのでしょうか。
【大臣】これ以上は人事に携わることですから、私(大臣)としてもなかなか申し上げにくいところがありますが、どちらの仕事も相当な負担であることは確かだろうと思いますので、個人的にはどちらでも大変な仕事をしていただきたいという思いがありますが、両方かけ持ちしてくれというのが適切なお願いかどうかということについてはコメントを差し控えたいと思います。
【共同通信 斎藤記者】昨日の中国の海洋調査船の件について、フォローアップでお伺いしたいと思います。もう既に具体的な事案については報道されておりますので、省略いたしますが、この事案については、これまでに以前よく散見された、例えば沖ノ鳥島近海での事案とか、数年前にありましたが、あるいは尖閣とか東シナ海周辺でこういった事案があったわけですが、果たしてそれと同じような性質のものなのかどうか。若干性質が違う事案にも思えます。いわゆる海洋権益をめぐる、日本と中国の立場の違いから出てくるトラブルなのか、若干違うような印象も受けます。
この辺について、今回、どういった背景でこの問題が起きたのか。そして、現在把握されている、中国がなぜこうしたことに出てきたのか、把握されているものがもしあれば紹介していただきたいということと、今後、この地域について、どのような対応をしていくべきなのか。この点についても、併せてお願いします。
【大臣】私どもとしては、既に皆さんもお聞き及びのとおりだろうと思いますが、当該船舶が我が国のEEZ内において海洋の科学的調査と思われる活動を行っていたということでありまして、これはその後我が国のEEZの外に移動したということも確認したと聞いておりますが、我が国のEEZ内では、我が国の同意のない海洋の科学的調査は認められていないということでありますので、現場海域でその旨警告をして、外交ルートでも申し入れを行ったということであります。
これについて、その背景とか事実関係については、私どもとしても特に私どもの方から中国側の意図とか背景を申し上げる立場にはありませんので、これについては具体的に申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
それから、今後どうするのかという話でありましたけれども、今回の件でも、いわば私どもの海上機関というのがしっかりと、そういった必要な職務に当たっていただいて、排他的経済水域における活動は確認をして、無線でその旨を現場でも警告をしていただいて、その後外に出たわけでありまして、EEZ内における我が国の対応についても、政府としてはしっかり行っていきたいと思っております。
【共同通信 斎藤記者】2+2でお伺いします。2+2、実際に実現して訪米することになれば、この会議の場で何をお決めになるのか。この会議の目的・課題について大臣のご所見をお願いします。
【松本外務大臣】今、斎藤さんがおっしゃったように「2+2に行くことになれば」ということでお話しをさせていただきたいと思いますが、実現をすれば、4年ぶりに実際に4者が揃う2+2ということになると理解しておりますので、これまでの日米間のさまざまな協力等も振り返った上で、今後の日米間の同盟のあり方について、しっかりと協議をして、またその方向についてお示しができるものについては、しっかりお示しをしていきたいと思っています。共通の戦略目標について、適切な形で発出をしたいと思っております。また、今回の震災や原発、事故対処も踏まえた今後の日米安保協力、また在日米軍の再編についても、しっかり議論をして、その段階で発出できるものは発出できるようにしなければいけないと、そのように考えております。
【琉球新報 仲井間記者】日米両政府は、今回の2+2で辺野古につくる予定の代替基地で運用する米軍機の飛行経路を、これまで沖縄県側には台形の形で飛ぶというように説明をしていたのですが、その経路を楕円形に変更することを確認するお考えだと思いますけれども、この飛行経路の変更によって、アセスの追加、もしくはアセスのやり直しというのは必要だとお考えでしょうか。
【大臣】2+2において、何を協議するかという意味で、今、飛行経路そのものが議題になっているかどうかも含めて、2+2の内容としてお話をできるものはないと思いますけれども、機種が変更になった場合の代替施設におけるアセスについては、今、私どもの理解では、アセスを一からやり直さなければいけないということになるとは考えていないということであります。
【琉球新報 仲井間記者】「アセスを一からやり直す必要はない」とおっしゃいましたけれども、やり直しではなくて、追加的な調査ということについては、どのようにお考えでしょうか。
【大臣】法令に従って、必要なことはしなければいけないと思いますが、今申し上げたように、アセスをそういった形でやり直す必要があるというような制度になっていると理解していないということで、そのように話をさせていただきました。
【NHK 稲田記者】2+2では震災・原発を踏まえたというようなご発言をされましたけれども、4年ぶりということでそういったことも踏まえて、どういう形の日米のあり方について、特に松本大臣としては今回打ち出したいとお考えなのでしょうかということと、それから、先ほどの参議院の議運の理事会で自民党側は2+2については出張を認めたくないということになり協議が決裂しましたけれども、仮に議会の同意がなくても2+2には行かれるということをお考えなのでしょうか。
【大臣】1つ目は先ほど4年ぶりと申し上げましたが、政権交代をして民主党政権になって初めての2+2であります。その意味で民主党は日米同盟を基軸とするということは、これまで野党時代のマニフェストも含めて政策の基本を表明するにあたっては、必ずそのように申し上げてきたところでありますけれども、改めて政府・与党となって、そのことを基軸にこれまでも日米関係、政策を展開してきたわけでありますけれども、まさに外務・防衛の両国の4閣僚が揃うところでその基本の確認をすると同時に、それが我が国の防衛、さらにはアジア太平洋地域の安全、平和と安定、さらには国際社会への貢献における日米同盟のあり方というものを、これまでの日米同盟の協力を、それは震災対応も含めて踏まえつつ、これから先に向かって安全保障環境などもよく協議をして分析をしながら、そのあり方を示していきたいと考えております。
議運の方の協議というのが現段階で与野党で、いわばよく言われる相整った形にまだ達していないと私(大臣)もお聞きをしております。その上で最終的にはどのような形で、できれば与野党のご理解をいただいて行かしていただくのが望ましいと思う気持ちは今でも変わりませんけれども、他方では政府にとりましても、また我が国にとっても、この2+2を行うことは大変重要であると考えておりますので、最終的には私(大臣)のみならず政府として総合的に判断をして結論を出すと考えております。
【共同通信 斎藤記者】先ほどの質問の1点目に関連するのですが、今回の2+2の意義づけです。この時代における意義と言ったらいいのでしょうか。4年ぶりということですから、安全保障環境も変わってきていると思います。改めてこの段階で2+2をやるに際して、一体日本として、あるいは日本の外務大臣として安全保障を守る上でどういう意味があるのか、4年前に比べてどのように変化しているのか、情勢は危険になってきているのか、それとも平和に向かっているのか、この辺の状況について大臣のご認識をお伺いしたいと思います。
【大臣】大変残念ですけれども、昨年の北朝鮮の挑発行為なども含めて、東アジアの安全保障環境はこの3年、4年間で良くなっている、改善をしてきているとは言えないと申し上げざるを得ないというように思っております。
そのような中で、新しい政権として、民主党政権として、日米同盟と今後の日米協力のあり方を確認するということに意義がある。そういう意味でも、是非今回2+2を、しかもしっかり4人そろった形で開催したいということでこれまで調整を続けてきたものが実現するということでありますので、政権交代以降1年半以上経過していますけれども、ある意味では民主党政権にとっての日米同盟のある種全体を基軸とすることを確認する一つの基礎になるような2+2だというように位置づけたいと思っています。
【NHK 稲田記者】先ほどの震災・原発を踏まえたところというのが非常に大きな要素になると思うのですが、踏まえたところというのはもう少し具体的にどういったことを打ち出したいとお考えなのかということと、民主党政権にとってということを先ほどから大臣は繰り返してらっしゃいますが、具体的に何がどういうように違うという形で出そうとお考えなのでしょうか。要するに、民主党政権になって初めてということを先ほどから強調してらっしゃいますけれども、前回、前々回、これまでの自民党政権下と違って何が特徴的、どこが民主党政権らしさだということをやろうとお考えなのでしょう。
【大臣】1つ目は、やはり震災の原発事故対処というのは、これまでも日米の協力というのはさまざまな形で行われてきておりますけれども、ある意味で災害対策対応でありましたけれども、実際に大規模な日米の協力が行われた一つの実績であると思いますので、そこから多くのものが得られたことを踏まえて、改めて今後の協力の可能性など、その辺でも確認をされてきていると思いますので、そういうことも踏まえて、日米協力の今後について確認をした形で今後の日米協力というのを具体的に文書にして発出できればということを申し上げたつもりであります。
それから、2つ目は、外交安全保障についてはむしろ日米同盟を基軸ということは、民主党においても日米同盟は基軸であるということを申し上げてきたことを改めてこれによって確認をし、それを基礎として今後の外交展開をするという意味で、そこに何らかの何か変わったことをしようと私(大臣)は思っていないということをあえて申し上げたいと思います。
【日本経済新聞 田島記者】中国についてお伺いします。新華社の報道ですけれども、中国の国家海洋局が沖ノ鳥島の周辺海域に海洋調査船を派遣したとの情報があります。目的は、原発事故による影響を調査するためということですが、外務省として事実関係についてどこまで把握してらっしゃるでしょうか。
また、もし仮にEEZ内に調査船が入ることになれば、事前通報が必要となりますけれども、中国側から日本に対して事前通報があったのでしょうか。
【大臣】新華社の報道によれば、中国国家海洋局が西太平洋に放射性物質の海洋環境に関する影響調査のために調査船を派遣したという報道がありますが、その対象海域については西太平洋と書いてあるのみで、沖ノ鳥島という言及があるとは、新華社の報道については、私どもは承知をしておりません。それに基づく記事にはあるやにはお聞きしておりますけれども、新華社の報道に沖ノ鳥島という言葉が入っているとは私(大臣)も確認をしておりません。
EEZについては、おっしゃったとおり、我が国のEEZで海洋調査を行うのであれば、6か月前までに条約に基づく通報を行うことになっているということでありますが、現在、私(大臣)のところにそういう通報が来ているという報告は受けておりません。
【日本経済新聞 田島記者】外務省としてこれから事実関係を確認する意思があるのかということが1点と、最近、日本の近海で中国艦船による海洋活動が活発になっていますけれども、また昨日は仲井眞知事が大臣に対して、漁船の安全操業の確保について要望を出されましたが、今後、日本の海洋安全の向上に向けて、政府としてどのような取組みを進めるお考えかお聞かせください。
【大臣】これまでの取り極め、ないし条約等も含めた国際的なルール、ないしは二国間の約束というのは、いずれの国にも守っていただかなければいけませんので、もしそれに反することであれば、外交ルートを通じて申し入れをすることになろうかと思います。
先ほどお話がありました、昨日も漁船の安全操業ということでありましたけれども、これまでも必要な申し入れは中国を始め関係国に対しては申し入れを外務省としても行ってきており、今後もしっかりと対応はしたいと思っています。
【NHK 稲田記者】海洋の安全については、東シナ海、南シナ海を特に中心として、今このアジア近海では非常に大きなテーマになっていると理解しています。今回の2+2で同盟国の米国と、その点については何らかの形でメッセージを発するお考えはあるのでしょうか。
【大臣】2+2の協議については、これから行っていくわけでありますから、それによってどのような形で発出するかということも、最終的に決まってくると思っておりますけれども、安全保障について、我が国の防衛と地域の安全、そして国際社会における課題ということで取り組んでいくことは、これまでも申し上げてきたとおりであります。これは海賊の問題なども含めて、海上の安全確保というのは広く国際社会の関心事であるということは共通の認識だろうと思っておりますが、今回それについて特にメッセージを発出する必要があるかどうかということも含めて、議論の対象にはなろうかと思いますが、最終的にはまたこれから協議の上、ご報告したいと思います。
【毎日新聞 西田記者】政権と反体制派の内戦が続いているリビアの件ですが、日本政府は反体制派についてリビアの唯一正統な代表だと認める方向で検討に入ったという報道もあります。既に米国、フランスなどが国民評議会ですか、唯一正当な代表と認めていますけれども、日本政府としてはどのような方針で今いらっしゃるのか。また、7月にはトルコで会合がありますけれども、それまでに何らかの方針、承認するとか、そういった手順になるのでしょうか。
【大臣】現段階で、反カダフィ政権側の国民評議会と言ったらいいのかもしれませんが、そちらを政府承認しているところは、まだたいへん限られた数だと理解をしています。私どもとしても、これまでも人道的な観点も含めて、是非双方の暴力は停止をしていただきたいということは強く申し上げてきておりますし、民主的な国家が成立をすることが望ましいという意味で国連の決議に則った行動も含めて、私どもとしても国際社会と共に連携をしながらリビアについては対応をしてきておりますので、各国との連携も進めていきながら情勢をしかりと見極めて政府承認などの対応をとっていきたいと思っていますが、現段階でいわゆる国民評議会側に政府承認を行うという結論を出しているということはないと理解をしております。
【共同通信 斎藤記者】日・インドネシア首脳会談・外相会談の関係でお伺いします。ASEANでは南シナ海情勢というのが一つの大きなポイントになっていて、日本側はマルチの場での解決を求めていると認識しておりますが、今回の議長国インドネシアとの間で海の安全、航行の自由、そして南シナ海周辺海域を含めた平和構築に向けた問題が一つの議題となり得るのかどうか、そして、日本の基本的なスタンスについてお伺いしたいと思います。
【大臣】南シナ海における航行の自由、海上の安全の確保は我が国にとってもきわめて重要なテーマであると思っておりますし、我が国にとどまらず国際社会全体にとっても大変関心の高いテーマではないかと思っております。そういう意味では、これからASEAN、ないしはASEANに関係をする会合において、そういったことに関心を有する多くの国が参加をする場合には、そういったことも議論になり得ることもあり得るのではないかと考えます。そういう意味で議長国のインドネシアについての役割は大変大きいということは、既にインドネシアの首脳、大臣ないし当局はよく理解をされておられるのではないかと思っています。
(1)ヘンリー・プナ・クック諸島首相の来日について
【松本外務大臣】6月15日から19日までクック諸島のヘンリー・プナ首相夫妻が外務省賓客として来日されます。本年3月に我が国は国家承認をいたしておりまして、今回の来日に際してプナ首相との間で書簡を交換して、外交関係を開設するということになる予定であります。滞在中に、プナ首相は菅総理との会談も行いまして、外交関係開設を受けた二国間関係の強化、それから来年5月に太平洋・島サミット、沖縄で予定されておりますが、これについての協力などについて意見交換を行いたいと思っております。首相は菊田真紀子外務大臣政務官とも懇談の予定であります。
【朝日新聞 大島記者】北朝鮮の核開発問題について、韓国の六者協議代表の魏聖洛(ウィ・ソンナク)韓国通商代表部朝鮮半島平和交渉本部長が今、外務省にいらっしゃっていますが、その関連でお伺いします。これまでの日韓外相会談等で、この問題については、六者協議の再開にあたっては、まず南北の対話というのが行われるべきこと、それから、北朝鮮の非核化に向けた具体的な行動というのを求める、こういった方針をこれまで日韓両国間で確認していると思うのですが、こうした立場については、現在もお変わりないのか、引き続きこの点については日韓連携して対処していくのか、その点を改めて教えていただけますか。
【大臣】昨年の北朝鮮の挑発行為といったものも看過できない訳でありますから、そういったことも踏まえて、日米韓は、南北の会談を優先させるべきだという立場を取ってまいりましたし、その立場については、もちろん何ら変わるものでもありませんし、これについての日米韓の連携はしっかりしたもので続いていると理解しています。
【共同通信 斎藤記者】日本政府はこれまで拉致・核・ミサイル、包括的解決というのを一貫して掲げてきたと思いますが、改めて、包括的解決というのは如何なるものなのか。すなわち、これは核問題が解決する、ゴールに入るときには、併せて拉致もゴールインする、全面解決すると同時に日朝間の過去の清算も終わらせると。同時決着を意味しているのか、あるいはそうではない、もっと別の枠組みなのか、この点、大臣、どのようなイメージをお持ちなのか、改めてご説明願います。
【大臣】運び方については、いろいろな議論があろうかと思いますし、交渉でありますから、今、一様に言える訳ではありませんけれども、一つはやはり、いろいろな議論がありましたけれども、日朝平壌宣言というのが一つの考え方という形になると思います。それについては、私どもとしては、そこには拉致の問題、ミサイル、核の問題というものを解決をして、国交正常化をしていくということをその中には含めていると理解をしておりますので、今お話がありました点、私どもとして解決をしなければいけない問題をしっかり包括的に解決をすると、その先に新たな日朝の関係を築いていくということを申し上げてきていると考えていますし、解決というのは、そういうことを指していると理解をしています。
【共同通信 明石記者】オスプレイ配備についてお尋ねします。本日、大臣は参院外交防衛委員会で、米政府が沖縄の普天間飛行場に配備を表明したオスプレイについて、「米国でも同機などの配備計画でハワイの基地で環境アセスの更新がなされたことを承知している」という発言をされました。それを踏まえて、オスプレイが配備される普天間飛行場においても環境アセスを行う必要があると考えるかどうか。あるいは代替施設として予定されている辺野古で新たに環境アセスをやり直しする必要があると考えるか必要がないと考えるか、その理由と共に教えてください。
【大臣】環境アセス・環境影響評価というのは、どこの国でも法に基づいて、また規則に基づいて行われるものであると理解いたしております。そういう意味では、一つは普天間において機種が変更された場合に環境影響評価を行うという日本の制度になっているとは承知をしておりません。また、新たな代替施設の環境影響評価についても、私どもが現在承知をしている限りでは、いわゆる一からやり直さなければいけない仕組みになっているとは承知していないというのが、今の環境影響評価に対する認識であります。ハワイにおいては、米国における法制度に基づいて必要な手続きとして行われていると、それが「環境影響評価調査」というものとして言われるものになっているのだろうと思っていますけれども、そういうものが行われていると理解をしているということです。
【琉球新報 松堂記者】オスプレイの件ですが、本日の参院外交防衛委員会で大臣が「日米安全保障条約の6条で事前協議の対象ではない」ということをおっしゃっていたと思うのですが、事前協議の対象は具体的に米側と取り決めがあるのかということが一点と、もし取り決めがあるのなら、日米間でいつ、どのような場で具体的に何を事前協議の対象としたのか、教えていただけないでしょうか。
【大臣】日米協議の対象については、本日、参議院でご答弁を申し上げたとおりでありまして、在日米軍の配置であるとか、装備であるとか、もしくは第5条に該当しない戦闘行為について我が国における区域・基地を使用する場合についてなどの三つの点になっていまして、また、装備や配置の変更というものは、今、手元に(資料が)ありませんので、正確ではありませんが、例えば、配備では一個師団クラスの変更を指すといったような了解が、これは兼ねてから両者の間にあると理解をしております。
【共同通信 斎藤記者】今のオスプレイの関係ですが、確かに今、大臣がおっしゃるとおり、米国は米国の国内法がありますし、日本は日本の国内法に基づいてやっていると。これは当然なのですが、現地の住民の立場に立って考えると、米国は必要があるから、そういう国内法を設けたのだろうと。つまり、オスプレイを配備するときには、やはりそのアセスが必要なのだという発想があるから、ニーズがあるから、そういった法律があるのだろうと。ならば、我々も同じような条件ではないかと思ったとしても、全くそれは不思議ではないですし、若干その辺は政府として配慮する部分があってもいいのではないかと思いますが、その点についてはいかがお考えになりますでしょうか。
【大臣】先ほど申し上げたのは、環境影響評価調査というようなアセスという話でありましたので、これは法制度に基づいて行うものであるとすれば、それぞれの法制度が違うのでということでお話をさせていただきましたが、丁寧に情報を集めて、どういうことになるのかということも含めて、ご説明をしなければいけないという趣旨であるとすれば、私(大臣)もそれはそのとおりだろうと思っています。
本日の参議院の委員会でも時間が限られていましたのであれですけれども、これまでもオスプレイについては、海兵隊のいわゆる飛行計画の中では、沖縄のヘリコプターも順次更新をしていくのだという計画になっていることは承知をしているということを申し上げてきたわけでありますけれども、海兵隊の計画というものであったわけですが、政府として、これは更新をしていくということが先日、国防省の副報道官の発言であったということで、我々としても政府として、これはこの計画にあるとおり更新をしていくのだなというように受け止めているということであります。
そのことを受けて、我々としても情報収集をしっかりしていきたい。米側からは既に北澤大臣がお話をさせていただいていますが、新しい機種への更新ということで、騒音についても、必ずしも大きくなるというわけではないし、安全性は老朽化したヘリコプターに比べれば、向上するのだというような更新の趣旨を聞いているわけですけれども、こういったことを具体的に、先日、私どもも基地に私どもの職員を派遣したように、直接確認をして、確認が取れたものについては沖縄側にお伝えをさせていただいて、我々としても、また理解をしていくという形で、どういうものであって、どういう状況で、どんなことが起こるのか、騒音なども含めて、できるだけの情報を収集してお伝えをする。そういう意味での説明なりはしていきたいと思っています。
【NHK 稲田記者】野党自民党が国会の会期延長については認めないという方針を固めました。ただ、そうなると当然ながら、今、総理が検討している2次、もしくは1.5次補正とか、そういった震災対応はどうするのかという議論になってくると思うのですけれども、このようなデッドロックをどのようにすれば回避することができるかというように大臣はお考えなのかということをお聞かせください。
また、更に予算が通らないということも念頭に入れながら、与党や内閣官房の中からも、菅総理は1日も早く退陣するべきだという意見が高まっていますけれども、大臣としてはどうすべきというようにお考えでしょうか。
【大臣】復興を進めるために国会は開き続けておくべきだと言っておられた党もあったなというような気持ちもありますが、そのときそのときの党のご判断というのが多分あるのだろうとしか申し上げようがないというようにこれについては思っています。ただ、私ども政府・与党としては、何よりも引き続き震災のための対応というのは最優先であるべきであるし、先ほど申し上げたように、党によってはいろいろなことをおっしゃいますけれども、それを乗り越えてでも、政権与党・政府というのはやはり震災対応ができるような状況をつくり出さなければいけないという責任があるというようには思っております。
そういう意味では、どのようにしたら震災対応が進むのか。残念ながら、昨年の参議院選挙で参議院において、私(大臣)も与党が主導権を失ったということも含めて、主導権というのか、与党として過半数をと言った方が正確でしょうが、失ったということも含めて、事態にどう対応するのかということについて、一番いい選択を与党として、政府として、政権としてし続けるようにしなければいけないということを申し上げたいと思います。
【NHK 稲田記者】政府・与党として一番いいというのは、政府というのは、菅内閣としてという理解でよろしいのでしょうか。菅総理の下でということなのでしょうか。
【大臣】日本の政府としてという理解で結構です。
【NHK 稲田記者】そうすると、一部閣僚なり党幹部が言っている、とにかくまず菅総理を下ろしてということについては、大臣はどのようにお考えなのでしょうか。
【大臣】先ほど申し上げたように、残念ですけれども、いろいろな要求がある中で、必ずしも適切でないと思われる要求もいろいろ来ているというように私(大臣)自身は率直に言って思いますけれども、それでも復旧・復興のためには、まさにあらゆる選択肢を考えた上でいろいろな協力を仰がなければならない。ただ、本日はメディアの皆さんがおられる中でありますから、復旧・復興のためにも我々もいわばあらゆる選択肢も含めて、自らの党であるとか立場を超えて努力したいというように思っておりますので、ご協力をいただくところは是非ご協力をいただいて、筋の通った要求をしていただいて我々もそれを受け入れていく中で前へ進めていきたいと思っているということであります。
【朝日新聞 松村記者】大臣ご自身は法案を通すために国会の会期延長というものが必要と考えていらっしゃいますでしょうか。また、参議院の自民党の方から、その場合、閣僚の外遊を認めないという方針を示されているわけですけれども、国会の会期が延長された場合、会期にもよりますけれども、かなり外交にも影響が出てくるのではないかと思いますけれども、外遊を認めないという方針についてもいかがお考えでしょうか。
【大臣】私(大臣)自身がまだ直接お聞きをしたわけではないのですが、そういった話があるということは報道等でお聞きをいたしました。
基本的には国会が開会中は、閣僚は国会において対応するのが原則であることは申し上げるまでもないことでありますが、その中で各党にご理解をいただいて、私(大臣)も外国の出張をさせていただいているというのが今の仕組みになっております。これまでのところは、ご理解をいただくのがぎりぎりになった時もないわけではありませんけれども、何とかご理解をいただいて、外国への出張には支障がないようにすることが、ご協力もいただいて、出来てきておりますので、これからもそういう努力をしていきたいと思っています。
(1)インドネシア共和国大統領スシロ・バンバン・ユドヨノ閣下及び同令夫人の来日について
【松本大臣】インドネシア共和国のユドヨノ大統領ご夫妻が6月16日(木曜日)から18日(土曜日)まで日本政府側の招きにより来日されることになりました。滞在中、天皇皇后両陛下との御会見、総理との首脳会談などが予定をされております。また、大統領ご夫妻は大震災の被災地である宮城県気仙沼市を訪問される予定になっております。今回の訪日で、我が国とインドネシア共和国との親善関係、そして、戦略的パートナーシップが一層深まることを期待しているところであります。
【日経新聞 永井記者】この数日、中国の海軍の艦船が沖縄近海の公海上を通過するという事件が二日続けてありました。公海上の出来事ですので外務省として抗議をするといった類のものではないと思いますが、安全保障上は何もしないわけにはいかないという事象ではないかと思いますが、外務大臣として海洋安全についてどう対応されていくか、お考えを教えてください。
【大臣】私どもとしては、これまでも中国の国防政策や軍事力については、その透明性を高めることが望まれるということは申し上げてまいりました。そういった観点からいたしますと、今回の中国艦艇の動向につきましても、私どもとしては、大変強い関心を持って注視をしていかなければいけないと考えております。
【日経新聞 田島記者】本日、発効した日韓図書協定についてお尋ねします。協定上は対象となる図書の引き渡しについて6ヶ月以内というように定められていますが、今後、どのようなスケジュール感で、どのような形で引き渡すことを想定されているのか、お考えをお聞かせください。
【大臣】引き続き国会の承認をいただいたので具体的に実務的にどういう準備が必要ということを、今、我が方で詰めると同時に必要に応じて先方と連絡を取り合ってもらうという段階に入ったのだと考えておりますけれども、貴重な1200冊以上の図書を、しっかり送れるようにしていくと。その手前の準備については記録の保存とか、そういったことについては大分進んでいるというように思いますけれども、送るということの段取りだけでもかなりかかると思いますので、そういった実務的な手順をよく見ていきながら、今後先方と連絡を取り合う中で、どういうスケジュールで進めていくのか、協定の定められた範囲の中でしっかり見ていきたいと思っています。
【日経新聞 田島記者】今、大臣は「送る」というようにおっしゃられましたけれども、かねてから引き渡しについては、李明博大統領が今年後半に来日する予定だと、その場を活用して引き渡すこともあるのではないかというように言われてきましたが、大統領の訪日というのを一つの目途として考えていらっしゃるのでしょうか。
【大臣】新聞では、なるほどと思って拝見しましたというのが率直なところでありますけれども、大統領の訪日についても、私どもとしては是非大統領には来ていただくということは日韓の関係を深めるのに有意義だと思いますから、そのこと自身は前向きな話だと思いますけれども、具体的に大統領がどういう形で訪日をされるということが決まっているわけではないと理解をしておりますので、さらに言えばその中身が何ら決まっているという状態ではないと思います。
【毎日新聞 西田記者】米国の次期国防長官に指名されているパネッタCIA長官が公聴会で、キャンプシュワブ沿岸部への移設などについて、最善で費用対効果の高い方法を決定していくため、議会側とという意味ですが、共に協議していくことを楽しみにしていると。この発言については議会の歩み寄りの姿勢を示した発言で、計画見直しにも柔軟な姿勢ではないかという受け取り方もあるのですけれども、一方でレヴィン軍事員長らが言っている、「嘉手納統合案については何ら言質を与えなかった」という見方も出ています。この発言を政府としてどのように見ているか、米国の姿勢として柔軟というように受け止めているかどうかお願いします。
【大臣】議会での公聴会で姿勢を述べられたというように考えておりますので、パネッタ長官もかつて議会にも籍を置かれておられたと思います、私も議会人としては、議会で問われればこう答えるだろうなと率直に言って思いますので、そのこと自身を取り上げて何か新たなことがあったというようには受け止めておりません。もちろん、以前からお話しさせていただいているように、議会の有力な議員が、ある意味で長官もお答えになっていますけれども、財政的な問題であるとか進捗について、さまざまなご意見をいただいているということは理解をしておりますけれども、今、米国の政府が何ら変わったというようなことになるというようには理解していないというのが率直なところであります。
【琉球新報 松堂記者】パネッタ長官の発言ですけれども、何が最善策で、最も費用対効果のある方策を検討していきたいとおっしゃったそうですが、これまで日米で現行案を進めるということで確認していたと思うのですけれども、それとちょっと趣旨が違うのではないかと思いますが、その辺、ご意見をお願いします。
【大臣】政策を決めるに当たっては、例えば最善かどうかとか、費用対効果がどうかとかというアプローチは当然行われるアプローチであろうと思っておりますので、新任のパネッタ長官が政策に対してこういうような表現をされるというのは極めて常識的なお話だろうと思っております。
その上で、私どもが申し上げてまいりましたのは、この普天間基地の移設・返還についても、もちろん、常に議論をされることについては私どももオープンでありますけれども、政府としては、これまで累次の議論を積み重ねてきた中で、現在、昨年5月の合意というのが私どもの政策として1つあるわけでありますから、それを推進する、実現を目指すのが今の私どもの使命であるというのが今の政府の立場であるということには変わりがありませんし、そのことについて米国政府の立場が何ら変更があったというようには承知をしていないということであります。
【琉球新報 松堂記者】米政府の意図、パネット長官の発言をどのように日本政府として確認したのか教えていただけないでしょうか。
【大臣】確認をしたというのは公開の場の発言でありますから、それは我々もそのように発言されたと聞いております。
【琉球新報 松堂記者】その後で何か外交ルート確認したというのはないですか。
【大臣】そのような発言があったということは聞いておりますが、その中身を確認するという作業をして、私(大臣)のところへ今、報告が上がってきているとは聞いていませんが、まさに議会での承認、公開の場でありますから、何らかの確認が必要な発言だというようには理解をしておりません。
【共同通信 橋本記者】民主党の次期代表選について3点お尋ねいたします。
1つ目は、今、次の代表戦に出るのが野田佳彦さんと鹿野さんではないかと目されているのですけれども、そのお二人についての人物評価をお聞かせください。
あと、2点目ですけれども、お二人は一応現職の閣僚ですが、同じ閣僚として大臣は出馬などを検討されていることはありませんか。
3点目は、大臣は樽床グループに所属されていますけれども、樽床さんの出馬への動向などをどう見てらっしゃいますか。
【大臣】今の段階で私(大臣)が承知をしている限り、次の民主党の代表選挙というのは来年の9月だと思いますので、それの準備をされるとしては少し早いというように思いますが、いずれの方もすばらしい方だと思います。今、決まっている代表選挙はそれしか私(大臣)は承知をしておりませんので。
【読売新聞 白石記者】民主党の代表選は来年9月ということですけれども、今、菅総理が退陣を示唆したことを受けて、自民党と民主党による大連立政権について一定の理解を求める意見というのも与党幹部も含めて出ているのですけれども、大連立について、取り組むべき課題については東日本大震災からの復旧や復興だけに限るべきでしょうか。それとも大震災の復興に加えて、税や社会保障の一体改革やTPPの問題、それから安全保障、選挙制度改革、そういった問題についても取り組むべきだとお考えでしょうか。その点について大臣のご見解をお聞かせください。
【大臣】多分前提が全然異なっていると思いますので、今、私(大臣)は閣僚としてはこの外務の仕事に日々専心をさせていただいて、しっかりと一日も日本外交がゆるがせになることのないように努めることに全力を傾けることが私(大臣)の使命だと思っています。
その上で、政府全体としては、今は大震災からの復興というのが最大の課題である。これは政府にとどまらず、国としての最大の課題であるということは申し上げるまでもないと思いますし、これについては与野党間でできる限り、できることであれば協力をしていくという話であります。本日、復興基本法も衆議院の本会議で採決をされましたけれども、党派を超えて多くの方の提案と賛成によって衆議院を通過したと理解しておりますので、そのような形で政策についてしっかり議論して協力をするということで、特に復旧・復興に関する政策は前進をするということが大変望ましいことだと思います。また、私(大臣)自身はそもそも政権交代を国民が求めた時点で、我が国には社会保障においても、経済においても、さまざまな課題があるというのが国民の認識であればこそ、新しい勢力・政権に期待をしたのだろうと思いますので、これが課題であるという認識は現在の与党である私たちも、また今の野党の方々も認識を持っておられると思いますから、これについて国会において良い議論をしていただいて、早く結論が出るということが望ましいと思いますが、それを推進する体制がどうあるかというのは、政党間でご協議をいただければといい思います。
【NHK 稲田記者】重ねて代表選に関してですけれども、松本大臣は来年9月だからまだ早いというようにおっしゃっていますが、北沢大臣などはネズミの運動会ではあるまいしというように、非常に強い不快感を示していらっしゃいますが、このように多くの方々の名前が取りざたされる現状というものについてどのようにお考えなのかということと、代表選等に関わらず、今、非常にねじれがあって、震災という大きな課題を迎えている中で、この国のリーダーの資質として必要なものはどういったことが必要というようにお考えなのかということをお聞かせください。
それと、菅総理の退陣の時期について、菅総理は本日の国会で改めて仮設に入るのはお盆を目途にというような発言をしていらっしゃいますけれども、玄葉大臣などは、それえあり得ないと、もっと早くすべきだということをおっしゃっていますが、松本大臣は、こうした現状を打開するという名目も含めて、菅総理の退陣というものはいつになるのが好ましい、もしくはなるべきだというようにお考えなのでしょうか。
【大臣】自由な国ですから、いろいろな方がいろいろなことをおっしゃったり、それを自由に報道されることというのは、民主主義にとって必要なことだと基本的には思いますけれども、今、政府・与党で責任ある立場にある者は、国民に対する責任をまず果たすことが最優先であって、その先の話を今、責任がある方々が語るというのは、まず職責を果たすということを優先されるべきだというように思います。
それから、リーダーたる者、求められる資質はさまざまな種類の資質があるというように思いますが、私(大臣)は個人的には、何らかの立場をいただいて、物をなそうとするときには、どういうチームを組むかということが一番重要だと思っていますので、チームを組む力と、チームをまとめる力ということが使命を果たすためには必要だというように思っています。
3つ目については、私(大臣)もこの場で少しお話をさせていただきましたけれども、復旧・復興の作業に目途というもの、復旧・復興そのものは、やはり我々の阪神・淡路の経験からいっても、大変な時間がかかる部分があることは否定できません。できるだけ早くしなければいけないことは事実でありますけれども、しかし、目途をつけるという言葉をどう解釈するかですが、今の状況は、先日も申し上げましたけれども、大きな局面というのでしょうか、場面の中でのご発言というものを国民の皆さんがどう受け取ったかということで、先般、たしか私(大臣)は、あの時点で6、7、8月ぐらいかなということをお話しさせていただいていますが、本日、衆議院を基本法が通ったということで、一つひとつ目途がつきつつあるという意味では、少しずつ目途がつくといっても、国民の皆さんが納得する時期は近付いてきているのではないかなと思います。
【NHK 稲田記者】そうすると、例えば本日は基本法という1つの目途が衆議院を通りましたけれども、物事の進み方によっては、6、7、8月よりも早くということもあり得るというように考えるのでしょうか。
【大臣】これは、復旧に目途は早くつけなければいけないことです。復旧・復興のためにやっているわけですから。ですから、当然できるだけ少しでも早くそういう作業を進めて、結果として、それは目途がついたというように見られる時期になるということだと思いますので、まさに我々も、政府の一員としては、復旧・復興に速やかに目途をつけていくということが大事だというように思います。
【朝日新聞 鶴岡記者】先ほどの米軍再編に関連して、オスプレイの配備について伺います。正式な接受国通報がまだないのは承知していますけれども、政府は日米安保条約上、米国との事前協議の対象外だと防衛大臣が言い、恐らく装備などの重要な変更には当たらないと解釈しているのだと承知しています。
一方で、民主党が野党時代、事前協議制度の明確化を主張していました。そこで今回、沖縄の反対にもかかわらず、どうして米国と協議しないで、拒否しないで受け入れるのか。民主党の外務大臣として理由をご説明願います。
【大臣】事前協議の対象でないということは、もう既によくご理解されているとおりですので、私(大臣)から重ねて申し上げる必要はないのかというように思います。
これについては、もちろん、制度上協議をすることができるものとできないものということと、実態として、緊密な日米関係の中でいろいろ話し合うということと分けて申し上げるとすれば、それは日米の関係ではさまざまな連携をさせていただくという中で、今後も進めていくということになるだろうというように思います。情報提供も求めていくということになるだろうというように思います。
このオスプレイについては、まず、私どもとしても情報収集をしたいということをお話しさせていただいていますけれども、適切な情報を収集して、沖縄の皆様にもご説明をしっかりさせていただくということが、今、何よりも重要だろうというように考えているということであります。
(1)ミレニアム開発目標(MDGs)フォローアップ会合の開催について
【松本大臣】昨日からの、ミレニアム開発目標(MDGs)フォローアップ会合が無事終了いたしました。
この会合では、我が国が昨年の国連総会で保健、教育等についてコミットした、MDGs達成に向けた「菅コミットメント」を始めとする国際的なコミットメントを誠実に実現させていくということを、改めて表明をさせていただきました。私(大臣)から、日本が提唱している「母子保健」や「基礎教育分野」の支援モデルについても改めて提起しました。多くの国々、地域、そして多くの国際機関の方々に集まっていただいて、MDGsの目標達成に向けて、具体的にどういったものが効果があるのかという、大変有意義な議論をしていただいたと報告を受けています。
議論を踏まえて、「議長ステートメント」として結実したと報告を受けておりまして、MDGs達成や2015年以降の取組にも繋がっていくものと思っております。
また、この会合が終わりまして、参加者の方々を対象とした被災地視察がアレンジされておりまして、既に東北地方に向けて出発をいたしました。復興の取組や日本の現状を見ていただくということでも、意義があるのではないかと思っています。
(2)アジア欧州会合第10回外相会合出席について
私(大臣)は、ASEM(アジア欧州会合)の第10回外務大臣会合に出席するため、5日から8日までハンガリーのブダペストを訪問することになりました。
会合のテーマは、防災・災害管理、エネルギー・食料安全保障、また、グローバルな課題や地域情勢等について議論が行われることになります。日本は、ハンガリー、ラオス、EUとともに調整国という立場で会合に出席いたします。
ブダペスト滞在中には、ハンガリーのマルトニ外相との会談を行うほか、出席する各国の外相とも意見交換して参りたいと思っております。
(3)ASEAN青年親善キャラバンの来日について
本日から5日まで、ASEANからの青年及び留学生約70名の「ASEAN青年親善キャラバン」が、被災者を激励するために被災地の一つである宮城県石巻市を訪問して、避難所の清掃、ASEAN各国料理の提供、歌や踊りの披露等を行うことが予定されています。
これは、4月9日に私(大臣)が出席した日ASEAN特別外相会合で提案があって決まったものでありまして、今回の訪日をまさにASEANからの友情の証ということで、心から歓迎をしたいと思います。
【共同通信 斎藤記者】昨日の代議士会で菅総理がご発言されました。それをメディアだけでなくて、鳩山前総理も含めて野党は退陣表明と受け止めたということで、海外メディアを通じてキャリーされて、おそらく各国にそういうニュースが伝えられて、首脳陣にもそういう認識を与えている可能性があると思います。問題は、これが事実かどうかだということだと思うのですが、本当にお辞めになるという意味で、あの発言をされたのかどうかと、その点についての大臣のご認識と、もしそうでないとするならば、これは大変な誤報といいますか、間違った情報が世界を走り回っていることになります。
これについてどう対応するお考えなのかどうか、この二点についてお願いします。
【大臣】私(大臣)も昨日は現場で総理のご発言をお聞きしておりました。我々も話をするのが、ある意味で大変重要な仕事である立場にあるというように思っております。そういう中で、総理のご発言を私(大臣)も注意深く真剣にお聞きをしておりまして、言葉を選びながら話しておられるなというのは率直に言って思いましたけれども、やはり全体の流れ、そして昨日の会における、そこまでの環境というものを考えれば、総理のご発言はやはりご自身の仕事は震災復興に目途をつけることであって、そこを一つの区切りとするというように受け止めるのが素直な受け止めであろうと思います。その意味で、私たちも必ずしも発言をしている言葉が真意、本意通りにメディアの皆さんを通じて伝わっているかどうかというのは、我々の力不足もあって、いろいろなケースがあります。メディアの皆さんによって受け止めが分かれるケースがこれまでもありましたけれども、大きくは、やはり発する言葉と同時に、それがどのように受け止められて伝わるのかということも含めて、最終的に政治に携わるものはその責任から免れることはないと思いますので、昨日の発言はそのように受け止められる発言を総理が責任を持ってお引き受けになられることになるだろうと思っております。
【共同通信 斎藤記者】松本龍防災担当大臣が本日の定例記者会見で、「総理の退陣時期はいつが望ましいですか」という記者の質問に対して、「目途をつける時は、私としては6、7月には目途をつけないといけないと思いますね。6月いっぱいというのは、私の中にあります」とこのように述べられております。一方で、与謝野さんは全く違う認識を示されています。「時の総理の座にある者が、続投に意欲を示すのは当然である」と。この発言を巡って閣内でかくも大きな認識の違いが出ているわけですが、この現状をどう思うのかということと、大臣ご自身、(総理の)退陣時期について具体的にかくあるべきだというお考えが松本大臣におありになれば、その点についてもお伺いしたいと思います。
【大臣】時期について、先ほど申し上げましたように総理自身のご発言の中では、「震災に目途」という以上の時期についての発言はなかったというように、私(大臣)自身は記憶をいたしております。その上で、まさにこれまで復旧・復興を担ってこられた松本龍防災担当大臣が、そのようにおっしゃったということは私(大臣)も大変重いなと思ってお聞きをいたしておりますし、何をもって目途というのかというのはさまざまな議論があろうかと思いますけれども、例えば仮設住宅もやはりお盆までには何とかしなければいけないということが、総理自身も現場に行って現地の方々とお話になられたように、3月からでありましたら、数ヶ月という、3、4ヶ月ということであれば、6、7、8(月)、そういうところが常識的にはでてくるというのも一つの考え方ではないかなと思います。
【朝日新聞 松村記者】大臣は、夏が一つの目途だというお考えをおっしゃって、確かに昨日も二次補正ですとか基本法案が目途だというお考えをおっしゃっていましたけれども、総理ご自身は、冷温停止までというような、もう少しロングスパンのお考えをおっしゃっているのですけれども、このあたり総理との認識の違いというか、総理のそういったお考えについてもう一歩どのようにお考えか、お聞かせください。
【大臣】私(大臣)自身もそうですけれども、それぞれの職を意欲を持って取り組もうと思えば、やりたい仕事というのは常に目前にたくさんあるわけですので、思いはやりたい仕事、やらなければいけない仕事に意欲が向くというのはそれぞれだろうと思います。その上で、しかし、先ほど申し上げたように代議士会で何よりお話があったこと、これを多くの国民の皆さんが直接見ていただくことができるわけでありますから、どう受け止めるかということでありますし、常識的に震災の目途ということが遅くなっていいというはずはないと思いますので、一定の範囲で最終的にはそういうような受け止めというのが大きなものとなるのではないかと思いますけれども。
【NHK 稲田記者】2点お聞かせください。今回の菅総理大臣の発言と代議士会前の鳩山さんとの発言をめぐっては、現職の総理と前職の総理の間の認識が非常に開いています。鳩山さんは菅さんのことを「ペテン師」だと今朝言っています。そういった政治の現状について、大臣は政治家として、どのように思っていらっしゃるのか。
また、そうした現状が当然ながら、海外にも発信されています。大臣は先ほど、6、7、8(月)の受け止めが大きなものとなるのではないかとおっしゃいましたけれども、そのような状況で首相が期限を区切って、どういうように受け止められると。そうした中で、その外交を進める中で、今回の発言の影響というものをどのように見ていらっしゃいますでしょうか。
【大臣】1つ目は、私(大臣)自身も総理と鳩山前総理との間でどういう話があったのか立ち会っておりませんので、承知をしておりません。情報は伝聞になればなるほど不正確になるのは、これはお互いやむを得ないことでありますので、私(大臣)は直接お聞きをした総理の言葉を基に判断をしたいと思いますし、基準はそこにあると思います。国民の皆さんにとっても、総理がまず代議士会の場所でおっしゃったことが直接伝わるわけでありますから、そのことを素直にどう受け止めるかということが一番大きいと思っています。
2つ目の外交でありますが、日本は必ずしも解散というのもあるからあれですけれども、多くの国ではトップというのは常に任期がありまして、任期が近づくとその人はトップでなくなるかといえば、やはり任期満了まではトップなわけでありますから、また、そのことがどういう形で引き継がれるかということはあると思います。それから、外交に限りませんけれども、確かに個人的な面識があるかどうかというのも大事なことであろうと思いますけれども、日本という国が、また、とりわけ今回の震災でも助け合いの精神が発揮されたように、政府としてチームプレーでやってきた日本という国に対する評価は、一定程度いただいていると思いますので、我が国とそれぞれの国との外交という意味では、大きな影響は出ないと思いますし、また、しっかり出ないようにやっていくのが我々の務めだと思います。
【NHK 稲田記者】関連して、今回の一連の不信任提出から昨日に至るまでの間で、さまざまな有識者から日本政治の劣化、政治は一体何をやっているのか信じられないという声が上がっています。それは被災者からも同じです。そういった声が、政府が今、最も全力を尽くして救いたいとしていた被災者自身から上がっていることについて、どのようにお考えでしょうか。
【大臣】やはりこの時期に不信任案が出されたことは、大変残念だと思います。
【NHK 稲田記者】不信任案が出されたこと以降の総理の発言をめぐっても同じような声が上がっていますけれども、それについてはいかがでしょうか。
【大臣】最終的にはそれぞれの言葉の重みというのをそれぞれがしっかり責任を取ることになると思います。
【時事通信 西垣記者】先ほど大臣から6、7、8(月)という見解のお開きがあったのですけれども、それに関連してですが、今月中にやることになっている2+2であるとか、あるいは9月前半にやることになっている首相訪米。今の政局の混乱がこれに影響することはあり得るとお考えでしょうか。
【大臣】我が国の外務、防衛大臣と米国の国務長官と国防長官の会談でありますので、米国と日本の関係がある限り、どういう形であろうと、どういう人になろうと、必ず行われるものだと思いますし、行われるべきだと思います。
【時事通信 西垣記者】行われるのは間違いないとは思うのですけれども、開催時期が今の政局によって影響を受けることはあり得るのでしょうか。
【大臣】政局というのをどういうようにとらえるかですけれども、私どもとしては影響が出ないように進めていきたいと思っております。
【日本経済新聞 田島記者】二次補正(予算)についてお伺いします。
今朝の閣議で、総理の方から二次補正についての指示があったということですけれども、具体的にどのような指示があったのか、紹介していただけますでしょうか。
【大臣】閣議ではあれですし、閣僚懇のお話は、基本的には申し上げないことになっていますし、二次補正について総理が指示をされたというように。
【日本経済新聞 田島記者】片山総務大臣の会見で、「『補正予算を早く編成作業に入りたい。何が必要か各省それぞれ検討してもらいたい』というような話があった」という紹介をしているのですが。
【大臣】個別にあったのではないですか。
【日本経済新聞 田島記者】大臣としては、そういう話はあったとは記憶されていないということですか。
【大臣】もちろん、閣僚は全員、今後の復興のための課題として、基本法の取組であるとか、二次補正も含めた今後のスケジュールをどうするのかという認識はあると思います。
【日本経済新聞 田島記者】外務省として、是非この二次補正に盛り込みたいと考えているような事業があれば、紹介をしていただけますでしょうか。
【大臣】外務省の場合は、これまでも国際機関と、例えば決算とかのこういう関係で、補正と申し上げつつ、ほぼ恒常的にというのでしょうか、毎年お願いをしなければいけない補正というのも、相当な金額が実はありますものですから、こういったものについても、今後の予算編成の機会があるごとに、しっかり求めていくようにしていきたいというように思っております。
また、通常とは違って、復興に向けた予算という趣旨との兼ね合いも考えなければいけないと思いますが、私どもとしては、やはりODAの予算が削減をされた分について、どの段階で回復をしていただけるのかということは、我々からすれば、できるだけ早い段階に回復をさせていただきたいということで求めていくように、今後、財政当局とも折衝をしていくことになるのではないかというように考えております。
また、是非、開かれた復興に向けて、さまざまな活動を展開していきたいというように思っております。これまで経済外交として掲げてきた経済連携やインフラパッケージの推進や、ジャパンブランドのことや、また別の観点からすれば、エネルギー・食料安全保障というテーマで取り上げてきた問題。更には、これは関係の、ここまでもそうですし、次に申し上げる観光もそうです。関係府省との連携ということになりますが、風評被害対策も含めて、観光を取り戻すということも非常に大きなテーマになりますので、これに必要なものについての予算というものをどういうように求めていくかということも、早急にやっていかなければいけないというように思っています。
【NHK 稲田記者】先ほど2+2の開催時期についてはやるべきだとおっしゃられましたけれども、大臣は先ほど6、7、8(月)となると次に9(月)が来ます。9月は総理訪米が予定されておりますけれども、これは松本大臣としては菅総理が行くべきだとお考えなのか、それとも総理が代わってもそれは実現されるという認識をお持ちなのでしょうか。
【大臣】日本の総理大臣が、米国の大統領と話をするのは大変望ましいことだと思っております。そこまでにどういうような形になっているかというのは、先ほど申し上げたように今回のことも含めて、ある意味ではトップ自身の発言は、あとは国民の皆さんが判断されると思います。
【NHK 稲田記者】それは9月訪米というのが望ましいということなのでしょうか。会うことが望ましいということなのでしょうか。
【大臣】9月の上旬で今、日米間での首脳の訪米を予定しているわけですから、それは是非予定どおり行われることが望ましいと思っております。双方的に日米の関係をどのように組み立てていくかということで、6月の2+2、7月、8月、夏の副大統領の訪日の話があって、そして9月の首脳の訪米という話があるわけでありますから、是非やはりそこは全体の流れの中での訪米でありますから、しっかりとそれは予定どおり行われることを望みたいと思います。
【共同通信 斎藤記者】今の稲田さんの質問の関連ですけれども、今、大臣の方から総理の発言をどう受け止めるかという問題提起がございましたが、日本国民がどう受け止めるかという問題とは別に、海外の人たちがどう受け止めるかということが、また1つ異なる問題としてあるのではないかと思います。つまり、先方が日本の総理大臣がレイムダックになっていると思った場合には、当然レイムダックになっているリーダーと重要な取決めをやろうとは思わないと考えるのが、これは外交の常套ではないかと思います。
その点で総理のあの発言の真意がどこにあるかということを確認し、かつ、それを米国を含めて各国に正確に伝える必要があるのかどうか。この点について若干気になるのですけれども、大臣いかがお考えでしょうか。
【大臣】総理の真意は昨日、代議士会でおっしゃったことがすべてだとおっしゃっているわけですから、そのことをどう考えるかというのは、それは先ほど申し上げたように、やはり我が国の総理は国民の支持があっての総理でありますから、国民がどう受け止めるかということが最終的にはすべてになると思っております。
そのことは多くの民主主義国、もしくは民主主義を見ている、必ずしも制度が同じ国でない国もありますけれども、そういうように理解をされているだろうと思いますが、他方で確かにレイムダックというお話というのはよくあります。そういうことが全く影響がないかどうかというのは、それぞれの国の判断だろうと思いますけれども、これまでの日本の国として、今までも長い政権の間で総理が代わられたこともありましたが、我が国として今までお約束をしてきたこととか、今まで交渉経過を積み上げてきたものを全部白紙に戻してということをしたことが、承知をしている限りはほとんどないと思います。そういう意味では任期、もしくは何らかの期限が近いということと、我が国としての交渉というのができないということは、特に我が国の場合はこれまでのコミットメントに対する信頼なども含めたら、ないのではないかと思っています。
【時事通信 西垣記者】昨日だか本日だか、米国のマレン統合参謀本部議長が普天間移設問題について、「できるだけ柔軟である必要がある」という発言をされました。これに限らず、米軍関係者から現行計画の変更について柔軟ともとれる発言が相次いでいるような気がするのですけれども、この点を日本政府としてはどのように受け止めてらっしゃるかというのをお願いします。
【大臣】率直に申し上げて、やはり米国の上院の有力な議員の方々が、いわば一石を投じられましたので、米国においても少し議論がいろいろ出ておられるのかなというように思います。
他方で、私どもが承知をしている限り、米国の政府においては、これまでのロードマップを踏まえた昨年5月の合意を是非着実に実施をするのだというような立場を変えていないというように承知をしております。
私(大臣)自身も、国会のご答弁でも申し上げてまいりましたけれども、これまで普天間の移設、そして普天間の返還については、日米、そして、それぞれの国において相当議論がなされてまいりました。議論を重ねた結果、これが進むべき道だということで昨年の5月の合意があるというように私(大臣)は理解をしていますので、またこの辺については両国政府の認識も一致しているからこそ、両国政府としては、これまでの議論の積み重ねを踏まえて、今、示されている1つの道を着実に前進しようということで認識が一致をしているのだと思っております。
議論について話を聞くことについて、我々も常にオープンでありたい。何かシャットアウトをするとかクローズをするつもりは全くありませんけれども、今、我々がこれまで実施をしようとしているということを根本的に変えるようなことに米国での議論が至っているというようには、米国政府の立場が変わっていないので思っていないということであります。
【朝日新聞 鶴岡記者】外交関係で、日中の関係で、特に海洋分野について質問します。外交を振り返るには早いですけれども、昨年は尖閣諸島沖の事故などでぎくしゃくしましたけれども、最近では日中韓サミット時の首脳会談で海上の危機管理の連絡メカニズムについて温家宝総理から提案があり、また、それを受けて外相会談でも大臣から言及があったと承知しています。
ただ、このメカニズムというのは具体的にどういうものかわからないので、大臣のお考えをお聞かせ願えますか。
【大臣】海上について、やはり関係する当局がそれぞれコミュニケーションをとれるような仕組みをつくっていくというのがメカニズムと私(大臣)は理解しております。いきなりメカニズムになるのか、まずそういうお互いにコミュニケーションをとるような環境をつくるところから始めるのかというのは議論があろうかと思いますが、そもそも我が国の方から海上の関係当局が双方でいろいろな形で接点を持っていくことが望ましいのではないか、それを恒常的なものにすればメカニズムということになると思うのですけれども、そういうように申し上げてまいりました。そういったことも踏まえてだと思いますけれども、5月の上旬に北京において中国側からもそういうことを考えたいという趣旨のお話がありましたし、おっしゃったように日中韓のサミットにおいても、首脳会談、外相会談でこういったことについて前向きな双方の姿勢が示されたというように思っていますので、私どもとしてもしっかり内容を検討して、具体的な形というのをまた提案して話を前に進めていきたいと、そういうように思っています。