記者会見

外務大臣会見記録(要旨)(平成21年10月)


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外務大臣会見記録(平成21年10月30日(金曜日)16時30分~ 於:本省会見室)

冒頭発言

(1)政務三役会議

(外務大臣)私(大臣)から、一つは政務三役会議のご報告です。私(大臣)からは今日の閣議についての若干の報告、貨物検査特措法案の閣議決定でありますとか、あるいは独立行政法人の役員の候補に関する手続きでありますとか、そういった点について報告をいたしました。
 それから、もう一点、先般在京のアフリカ各国の大使から、アフリカ議連について配慮してもらいたいというお話がありましたので、昨日、自民党のアフリカ議連会長である森元総理をお訪ねして、今後の議連の在り方についてご相談したことを報告いたしました。ご相談した内容は、今まで自民党のアフリカ議連、民主党にも実はある訳ですけども、自民党のアフリカ議連が中心になって活動してきた訳ですが、政権交代が行われたということで、この際に超党派のアフリカ議連をつくってはどうかということで、ご相談させていただき、そういう方向で話を進めていただけるということでありました。本来、議連の話ですから、大臣とは直接関係がないのですが、各国大使からも言われ、特にアフリカ議連というのは、小さな大使館でやっておられる各国に対し、或いはアフリカの国々にとっては、かなり重要な役割を果たしますので、私(大臣)としても森元総理にご相談をさせていただいたということでございます。あとは、自民・民主両党を中心に、関係者が相談していただければ結構だと思っております。
 武正副大臣から、税制改正要望について報告がありました。特に、私(大臣)としては、国際開発連帯税の新設について、先般、政務官にパリまで行って頂いたということもありますが、是非これはしっかり大臣レベルまで上げて、最終的な交渉ができるようにしてもらいたいということを申し上げました。
 福山副大臣から、鳩山イニシアティブ、地球温暖化タスクフォースの中間報告についての報告がありました。

(2)臨時国会本会議

(外務大臣)今日で本会議の質疑が終わった訳であります。もうちょっとあるかと思っていましたけれども、私(大臣)への質問はあまり多くありませんでした。鳩山総理は非常に丁寧にお答えになっていたというように思います。その結果、時間が若干超過気味であったことは事実ですが、しっかりと丁寧にお答えになっていたというように思います。私(大臣)自身もなるべく分かりやすくということを心掛けて、かつあまり長くならないように答弁をさせていただきました。かなり野次が多くて、今日などもそうですけれども、特定の人が何度も野次っている状況ですが、もう少ししっかり冷静に議論できる状況になればいいのではないかと思っております。

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米軍再編問題

(NHK 岡崎記者)普天間基地の移設問題についてです。大臣が検討されている嘉手納基地への統合案について、今日の国会の代表質問の答弁の中で、その前提条件として現在の騒音問題を軽減することが前提だという発言がありました。これは具体的に米国にどのような方法でそれを求めていくのかをお願いします。

(外務大臣)そういうことも含めて今検討しているところです。あまり途中の経過のことは申し上げるつもりはありません。ただ私(大臣)自身、嘉手納統合になった結果として騒音レベルが上がるということでは、これは(移設問題の)答えにならないと思っております。

(朝日新聞 内田記者)米軍再編について、米国側の軍の事務当局者からお話を聞かれていると思いますが、どういうご感想をお持ちでしょうか。

(外務大臣)軍の関係者、もちろん大使館の関係者を含めて、お話を聞いております。まだ、検証作業の一環として行っている訳ですけども、特に今、感想を申し上げる段階にはございません。

(朝日新聞 内田記者)嘉手納統合案が難しいというのであれば、その説明も聞きたいというお話を記者会見で大臣はされていましたけども、その部分で納得できるような材料は示されているのでしょうか。

(外務大臣)途中の経過を申し上げるつもりはありません。

(毎日新聞 須藤記者)途中経過ということだと思いますが、今の嘉手納の件ですが、既に十分に検証された結果、嘉手納(統合)案については、米側は、今までの説明でも、ゲイツ長官の来日でも難しいということを基本的には言っていると思います。従って大臣が(嘉手納統合案は)難しいということに納得された場合は、また大臣は年内ということを仰っておられるのですから、選択肢としては現行案しかなくなるのかと思いますが、そういう考え方でいいのかどうか、仮定が含まれていて申し訳ありませんが、お答えいただければと思います。

(外務大臣)まさしく仮定が含まれている訳で、そういう議論にお答えするつもりはありません。

(朝日新聞 鵜飼記者)普天間の関連なのですが、閣内で対立する意見がいろいろ表に出てきておりますけども、これが米国に対して伝わるときに、とまどいとか、混乱を引き起こしているという意識はお持ちでいらっしゃいますか。

(外務大臣)具体的に対立しているという意識はありません。もちろんそれぞれの閣僚がそのプロセスで、今どういう状況にあるかと、自分の意見が現時点でどうかということを述べるということは、これは間違っていないし、私(大臣)は当然のことだと思います。今日も野党の方からご質問いただきましたが、政府で決まるまで発言してはいけないとなると、こういう記者会見もできなくなる訳であります。ですから、そのプロセスでそれぞれの閣僚が、プロセスであるということを断った上で意見を言うことは、私(大臣)はむしろ情報公開という意味からいっても、間違った選択だとは全く思っておりません。

(共同通信 上西川原記者)普天間の関係ですが、米軍再編、普天間の移設というのは、「沖縄の負担軽減」と「抑止力維持」という難しい2つのテーマがあると思いますが、沖縄の負担軽減という趣旨から見て、大臣が今検討されている嘉手納統合に関して、仲井眞知事が本日の会見で「受け入れられない」という趣旨の発言をされておりまして、防衛技術上かなり問題があるということと、地域の人々の負担も大き過ぎると、許容限界をはるかに超えると言っております。そういう意味で、沖縄からはあまり肯定的な意見が出てきておりませんけれども、その点についてはどのようにお考えでしょうか。

(外務大臣)知事は現行案がいいというお考えですから、そういう答えになるのではないかと思います。しかし、私(大臣)としてはもちろん負担を増やさないという前提の下で今の案より良い案として何があるか、しかも時間的な制約ということを考えたときに、今の嘉手納統合(案)というのは一つの選択肢ではないかということで、私(大臣)自身が納得するまでしっかりと検証したい。知事も含めて途中のプロセスをきちんと内容まで含めて把握しておられる方は、本日も国会で言いましたが、それは日米両国政府の限られた人であります。我々はそれを知りません。ですから、そのことを今再検証している、それは外務大臣として当然の責任であると思っています。

(共同通信 西野記者)大臣は普天間基地の現状を一刻も早く危険な状態から取り去るという観点で、事実上、県内移設と。県外移設ではなくて県内でないといけないだろうというふうに考えられたといった経緯だと思っております。

(外務大臣)「一刻も早く」という表現は使っておりません。

(共同通信 西野記者)ただ「早く」ということで。次に、嘉手納統合案というのが選択肢の一つと言われた中で、今度は地元合意がどういうことになるのかということで、負担増があるようなことでは答えにならないと今仰いました。そうなると、負担増がないような嘉手納統合案となれば、米軍の運用の問題に踏み込んで米側と話をしないと、どのような騒音とか色々な(問題が)、普天間の部隊が嘉手納に入ってくることによってどうなるのかということの答えが出てこないのではないかと思うのですけれども、プロセスというのは今度は、嘉手納における統合した場合の運用について、こうならないかというような話を今後やっていくということになるのでしょうか。

(外務大臣)日米間での話の中身を私(大臣)は申し上げるつもりはありませんが、様々なことを議論しております。

(琉球新報 仲井間記者)普天間について伺います。昨日、沖縄県選出の国会議員が北沢防衛大臣に普天間の移設先として硫黄島はどうかと提案したのですが、岡田大臣はこの硫黄島移設案について、どのようにお考えでしょうか。

(外務大臣)私(大臣)の時もその話は出ました。私(大臣)は特にコメントしませんでした。

(琉球新報 仲井間記者)コメントしなかったのは何故ですか。

(外務大臣)それぞれ、いろいろなご意見があると思いますが、硫黄島という場所から見て、果たして米軍の要請に応えられるだけの地理的位置にあるかというと、私(大臣)には疑問だと思えたからです。

(時事通信 高橋記者)普天間問題ですが、与党の中から、嘉手納統合案に関して、嘉手納への統合は恒久的なものではなく、暫定的なもの、嘉手納に統合するのは一時的なものにして、将来的には県外・国外移設を目指したらどうか、具体的に15年にしたらどうかと、年数を仰っしゃる方もいらっしゃいますけれども、この案は検討に値すると大臣はお考えでしょうか。また、今米国と話をされているにあたって、嘉手納統合案と、今の辺野古を比較して、辺野古の案は大臣として、ここは良くないといいますか、嘉手納に比べて辺野古はここが劣るのだというような、比較の文脈でお話をされているのでしょうか。

(外務大臣)あらゆることを議論しております。ただ、そのように期限をつけるという発想は新たな発想で、私(大臣)の念頭には今までありませんでした。それから、現在の案と嘉手納の統合案と比較しているかということですが、私(大臣)は今、嘉手納統合案というのが案になるのかということを検証している段階です。それが案になるということになれば、今の案とどちらがいいか悪いかということは、より明確に比較することができると思います。ただ、一般的にそのメリット、デメリットというものについて議論したことはあります。

(読売新聞 村尾記者)昨日、総理が代表質問で、日米同盟について日米地位協定・普天間問題に加えて思いやり予算をあげて、レビュ-というお言葉を使われましたが、これも解釈によっては米国側から思いやり予算の削減という受け取られ方をされると思いますが、大臣の評価を伺えないでしょうか。

(外務大臣)思いやり予算という表現がいいかどうかという問題もあります。どんな予算であっても、米軍に関わらないものも含めて、常に効率的な使用ということは必要なことで、無駄使いをなくすということは必要なことだと思います。具体的に来年度予算にあたって、一般論として検証するということはあるかもしれませんが、一部に言われるような根っこからこれを見直すという作業に、少なくとも外務省としては入っておりません。物事には順番がありますので、まず期限が切られている問題を優先的にやっていくべきだと考えております。まだ予算の話は、一年もう一年という意味では余裕があると思っています。

(ロイタ-通信 久保田記者)一部報道で、外務大臣は訪米なさってクリントン国務長官とお会いになって普天間の件で意見調整するという話がありますが、それに関して何か決まっていることがあれば教えてください。

(外務大臣)決まっていることはございません。

(ロイタ-通信 久保田記者)今検討中でしょうか。

(外務大臣)前もここで申し上げましたが、月曜日から始まる予算委員会の日程はかなり厳しい状況です。

(日本テレビ 小栗記者)先程大臣は、嘉手納統合案は、果たして案になるのかどうか検証しているというふうに仰いましたけれども、前の会見では「私(大臣)としては、嘉手納になるのではないかと思っている」というふうに仰っていたと思います。そういう意味で、ご自身では嘉手納がいいかと思っていたけれども、政府の案としては嘉手納が案として浮上しない可能性があるということなのでしょうか。

(外務大臣)そう精緻に私(大臣)も言葉を使い分けているわけではなく、この間も言いましたように限られた時間の中で実行できるということになると嘉手納統合というのが浮上するわけで、その嘉手納統合案について、しかもそれはかなり絞り込みの段階でも残った案ですから、もう一度何故これは駄目だったのかということについて検証したいということです。その上でその検証結果について必ずしも納得できないということになれば、これは案になるということになる訳です。

(NHK 別府記者)今回の普天間の議論とマニフェストの関係を確認させてください。マニフェストでは在日米軍再編について見直しの方向で臨むということになっていますが、今行っている検証を含めた一連のエクササイズというのはそのことに当てはまると考えてよろしいのでしょうか。つまり、公約は今実行中であるというように考えられるのでしょうか。

(外務大臣)その前段階と言ってもいいかもしれません。ですから、まず事実関係を把握しなければなりません。今日の自民党の質問者で「もう嘉手納統合は案にならないことを確認している」との話がありましたが、それでは誰が確認しているのかということです。それは一部の政府関係者、或いは大臣とか事務次官とか、防衛省も含めた更に限られた人が分かっているのであって、全体にその情報が共有されている訳ではありません。しかし、今や政権が変わって、私(大臣)は外務大臣ですから、当然、前回にどういったことが行われたかをきちんと把握した上で、判断しなければいけない。それを把握するための検証作業を懸命にやっているということです。外務大臣としての責任を果たすためには、当然のことだと思います。

(朝日新聞 内田記者)今、「事実関係の把握」ということを仰いましたが、この問題で方向性を出す前に大臣自身が沖縄に行って基地の状況を見るとか、住民等関係者のお話を聞く考えは今のところおありでしょうか。

(外務大臣)なかなか日程的に難しい部分もありますが、大体の状況は、沖縄に何度か行っており、キャンプ・シュワブ沖も行きましたし、普天間にも行きましたので、ある程度分かっているつもりです。もう少し方向性がきちんとしたら、私(大臣)も沖縄に行って率直に意見交換させて頂きたいと思っています。

(朝日新聞 内田記者)方向性が決まってから、その説明に行くというお考えでしょうか。

(外務大臣)私(大臣)自身の方向性が決まった上で、それがはたして沖縄の皆さんに受け入れられるのかどうかということを自ら行くことによって、確認したいということです。政府の方向性が決まるということではなく、私(大臣)自身の方向性が決まったところでということです。

(共同通信 西野記者)嘉手納統合案ということになりますと、空軍と海兵隊が一緒になるということで米軍の運用というか、米軍の中でも大きな力を持つ海兵隊と空軍がまた調整するということになると思います。対等な日米関係、いろいろな話ができる日米関係ということで、もし実現したらすごいことだと思いますが、それなりに大きな話だと思っており、嘉手納統合案と言うからには、そこまで話を持っていく、まさに再交渉に入るという位置づけだと思いますが、そういうことを視野に入れて、今、検証作業を進めているということでよろしいのでしょうか。

(外務大臣)言葉遣いを気をつけないと、再交渉に入るということに私(大臣)が「YES」と言えば新聞の見出しに直ちになりますから、私(大臣)はそういう表現は使いません。「検証をしています」です。

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アフガニスタン支援

(毎日新聞 野口記者)アフガニスタン支援ですが、先日、カブールの国連施設が襲撃されるなど戦闘状態が続いておりまして、非常に治安が悪くなっております。こういう状況で、政府が打ち出そうとしている農業の支援や食糧支援といったものをするのが困難になっているのではないかと思われるのですが、そこの認識はどうなっているのかということと、今度オバマ大統領が訪日されるので、それに合わせて日本としてできる策を表明したいというお考えか、二つお願いします。

(外務大臣)アフガニスタンの復興支援ということは極めて重要なことであって、もちろん最近のカブールの状況は、私(大臣)がカブールにいた時間帯もそうだったのですが、かなり厳しい状況にあることは間違いありません。だからと言って、何もしないなどという選択はないと思っています。アフガニスタンの中でも地域によってかなり状況が異なります。活動できる分野もありますし、現に今も活動しています。ですから、アフガニスタンの復興支援を極めて重視する立場から、もちろん安全を確保した上でですが、できることはしっかりとやっていくということだと思います。

(毎日新聞 野口記者)支援を発表する時期についてはどうでしょうか。

(外務大臣)現時点では決めておりません。

(共同通信 斉藤記者)引き続きアフガニスタンについてお伺いしますが、ゲイツ国防長官は、このアフガニスタン支援を巡って、警察分野での財政支援、日本の財政支援に期待感を示したと理解しておりますが、実際に今、民主党政権はなるべく無駄を削減していくと一つの大きな課題を負っている訳ですが、そうした中でどういった角度から、一つはどういった観点から、もう一つはどの程度、この財政面での支援を推していくのか、その点についてのご見解をお伺いしたいと思います。

(外務大臣)私(大臣)の記憶では、ゲイツ国防長官は別に警察、そして財政支援に限って言った訳ではないというように思います。そして、どの程度の規模かとか、無駄との関わりで言われましたけれども、少し質問の趣旨が良く分からないのですが、もちろん無駄なことはしてはいけません。必要なことをきちんとやるということです。その規模はまだ現在決めておりません。

(時事通信 水島記者)アフガニスタンの話なのですが、オバマ大統領の訪日に向けて検討している現在の支援パッケージというのは、基本的には資金援助を中心とする民生支援が中心だというような理解で現時点ではいいのでしょうか。つまり、本日、総理もアフガニスタン本土に自衛隊を派遣することは念頭にないということを仰っていましたが、現時点での支援策は資金援助が中心だという理解でよろしいのでしょうか。

(外務大臣)自衛隊か、資金支援かという二者択一というのは、私(大臣)には良く理解できません。例えば、農業支援などは現にJICAから人が行ってやっている訳ですし、それから、日本人がやらなくても、例えばこの前のポリオなどは国際機関が活動している訳ですけれども、これに対して日本がお金を出している。それは資金支援ではないかと言われればそうかもしれませんが、私(大臣)はそれはそのお金をもって国際機関がやっている訳ですから、そのことが何か問題があるとか、そういうふうには思えない訳です。いずれにしても、自衛隊を出すかお金を出すかという問題の立て方を私(大臣)はいかがなものかと思います。

(NHK 別府記者)アフガン支援の関係でお願いします。支援が強化されれば当然支援を行うNGO関係者や援助関係者、大使館職員、それを報道するプレス等も増えていくと思うのですが、危険な地域で活動していく中で、いざという時には現地に展開している国際部隊などに頼る場面があろうかと思われますが、そうした観点から自衛隊を出す、出さないという議論とは別に、そうした人道支援にあたる人たちの安全確保という観点から、例えば連絡要員をISAF(国際治安部隊)に配置するようなことは検討されるのでしょうか。

(外務大臣)そういった具体的な話まで議論しておりません。ご存知のようにアフガニスタン政府は大統領選挙の決選投票をやっている最中です。誤解を招くといけませんので念のために申し上げますが、今、そのようなことを念頭においている訳ではありません。

(日本インターネット新聞 田中記者)アフガン支援についておうかがいします。私は、元マスード派の兵士と農業生活をしながら、向こう(アフガニスタン)の復興を見てきたのですが、米国のペースにのせられて支援すると、国民感情に火をつけるだけなのです。一番いいのは大臣が常々仰っているように日本だからできる支援が良いと思います。それは今後ゲイツ長官とかとお会いして要請があっても、日本だからできる支援という姿勢を貫かれるおつもりでしょうか。

(外務大臣)どの範囲が日本だから支援できるというのか、よくわかりません。米国自身も変わってきていますから、オバマ政権になって、従来日本が得意としてやってきたそのような分野に近づいている部分もあると思います。ですから、線引きが非常に難しいと思います。

(日本インターネット新聞 田中記者)警察支援とDDR(旧国軍兵士の武装解除・動員解除・社会復帰)はやらない方がいいです。これは向こうの怒りに火を注ぐだけですから。

(外務大臣)警察に対して、今でも給与の半分を日本政府が負担をしているという事実はあります。

(日本インターネット新聞 田中記者)アフガンでは犯罪者を刑務所に送っても、刑務所はお金を積めば、強盗殺人の犯人でも逃げられるのです。仕組み的に。

(外務大臣)今、そのような状況かどうか分かりません。だいぶ政府のカバナンスも上がってきていると、私(大臣)は理解をしております。

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対北朝鮮政策(貨物検査特別措置法案)

(朝日新聞 東岡記者)本日、閣議決定されました、北朝鮮に関する貨物検査特措法案についてお尋ねします。今回政府が提出された法案には、自衛隊の関与の情報は削られています。一方で、自民党などが先日提出した法案には(自衛隊の関与の情報は)入っています。大臣として、万が一、対象船舶が銃武装するなど、自衛隊の関与が必要になった場合、或いは銃武装している対象船舶が出てきた場合、どのように対処するべきだとお考えでしょうか。

(外務大臣)状況がどのように想定されるかということですけれども、現在の海上保安庁で対応できないような重武装した艦船が現れて、今予想しているような行動をするということは考えにくいことだと思います。仮にそのようなことがあれば、自衛隊の自衛隊法に基づいて自衛隊の義務としてカバーできると考えております。

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天皇陛下のお言葉

(J-CASTニュ-ス 亀松記者)お言葉問題に関連してお伺いします。2ちゃんねるに架空のやりとりが掲載されたということで削除要求をされたということであり、それをホ-ムペ-ジで公開されたということですが、そのことについてお聞きしますが、名誉毀損的なことに関しては、いわゆる対抗言論の論理ということがありまして、いわゆる政治家の方はこういう記者会見の場で反対の事実を明確に述べることもできるので、ある意味削除要求する必要がないのではないかという意見があるのですが、何故今回あえてされたのかということをお伺いしたいと思います。

(外務大臣)今のご質問については、内容によると思います。あきらかに捏造されたものをネットの世界で放置しておくということは、それを(真実であると)信じる人が出てまいります。そういった事は、私(大臣)は政治家として排除すべきだと、多くの誤解を招くと考えて削除要求をいたしました。当然のことだと思います。

(J-CASTニュ-ス 亀松記者)今後もし事態が改善されない場合は、何か他の措置も考えられるのでしょうか。

(外務大臣)今後もし、事態が改善されない場合の対応については、今後検討していきたいと思います。そういうものを放置するということになると、それだけ信頼性というものが問われるということだと思います。

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日米同盟

(ニコニコ動画 七尾記者)今日もユ-ザ-の皆さんのほうから頂きましたメ-ルを代読するという形で質問させて頂きます。日米関係について、民主党のマニフェストの外交の項目に、「日本外交の基盤として緊密で対等な日米同盟関係を作るために主体的な外交戦略を構築した上で米国と役割を分担しながら日本の責任を積極的に果たす」という51番目のマニフェストがあると思いますが、現在の日米同盟は米国が攻撃を受けた場合等、日本は米国を守る義務はないため、対等な同盟関係とはいえないと思います。このような対等ではない不平等な関係はやめるということでしょうか。

(外務大臣)時々そういう議論が出ます。例えば夫婦対等と言うときに夫婦は同じでなければいけないかと、もちろん違う訳で役割分担がある訳です。ですから、日米安保条約に関して言っても、日本は基地を提供しています。そして、その基地は安保条約に定められている日本及び極東の平和と安定だけではなくて、より幅広いアジア太平洋地域、或いはさらに広い範囲でその米軍基地は活用されている訳で、その基地を日本は提供していると、米国にとっての大きなメリットだというように思います。そういう文脈で見たときに、私(大臣)は対等といいますか、お互いがきちんと役割分担しているということは言えると思います。それから、同盟関係というものを軍事的なものだけでみる必要もない訳で経済もありますし、文化もあります。例えばアジア地域においては日本はかなりの知識と経験がありますから、米国に対してさまざまな助言もできるということがあります。そういう意味で外交に関しても米国と比べて日本はより密接な関係といいますか、より深い関係を持っているのが、例えばイランとか、或いはミャンマ-とか、いろいろなご意見がありますけれども、なかなか米国にできないところを日本がカバ-していると言えると思います。全体で物事を判断しなければいけないと思います。

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外務大臣会見記録(平成21年10月27日(火曜日)15時00分~ 於:本省会見室)

冒頭発言

(1)EPA・WTO推進本部の設置

(外務大臣)まず、私(大臣)の方から2点です。第1点は、EPA・WTO推進本部を省内に設置をしたというご報告です。経済連携協定WPA交渉、WTOド-ハ・ラウンド交渉について、政治主導で物事を動かしていくために、省内にEPA・WTO推進本部を設置することに致しました。第一回会合を本日開催する予定であります。いろいろな話を聞いておりましても、どちらかというと具体的な問題を各省庁あるいは各部局の担当者レベルで積み上げて問題を解決していくという手法が採られていますが、そういう手法を100%否定するつもりはありませんけれども、やはり政治主導でやっていかないと前には進まない。特に日本のEPAやFTAに対する取り組みの遅れをいうものは、非常に目立つ訳でありますので、省内でまずそういう組織を創ることを決定いたしました。
 併せて今日、閣僚懇で、閣僚懇の中身を話してはいけないと言われているのですが、こういうことを、言わないと何も言えないものですから、その場合には本来こういう問題は、4省庁で進めてきた訳です。外務省と財務省、それから農林水産省と経済産業省、この4大臣からなる閣僚委員会を設置して、具体的な運営はこれから話し合いますが、月に一回程度集まって、進捗状況をお互い検証していこうと、いうようなお話をさせて頂きました。その上でこのことについて、異論は出ておりませんので、近々そういったことを官房長官に申し入れて、委員会を設置したいというように考えております。

(2)政務三役会議

(外務大臣)第2点目は、本日の政務三役会議のご報告ということですが、細かいことは除きまして、西村政務官が、パリに出張いたしまして、国際連帯税についての国際会議に出席をして参りました。国際連帯税というのは、民主党の従来からの主張でもあり、これを何に使うかということは別途ある訳ですけれども、今日もNGOの皆さんと温暖化の問題を議論いたしましたが、温暖化の問題に使うべきだといった意見もあります。あるいはODA、途上国の貧困の問題に使うという意見もあります。その辺も含めてのことになりますが、国際連帯税について、既に税調には提議をしてありますが、これは、外務省としての重点事項としてしっかりとやっていこうと、確認をさせて頂いたところでございます。

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EPA・WTO推進本部

(朝日新聞 東岡記者)EPA・WTO推進本部についてお尋ねします。このEPA・WTO推進本部では、民主党のマニフェストに掲げていた日米のFTAについて議論するのかどうかという点と、先程、大臣が仰られていたように、日本はEPAが非常に遅れています。その原因について、よく農林水産物が障害になっている等といわれていますが、大臣はこの遅れの原因についてどのように分析されておりますでしょうか。

(外務大臣)本部で何を議論するかということは、これから本部を設置した後のことですけれども、当面議論すべきは、すでに現在交渉が始まっていて遅延しているものについて交渉を前進させるための議論を行っていきたいというように思います。もちろん将来的に戦略的に日本としてEPAのどこに重点をおいて絡んでいくことが望ましいのかというようなことも課題としてあると思いますけれども、今すぐそういう議論をするという予定はございません。遅れている理由はいろいろあると思います。どこがというよりも、私(大臣)はやはり、前の交渉のスタイルがどうしても積み上げ方式になって、そして現場の担当者になれば、EPAを進めることの意義というよりは、やはり目の前の利害関係にとらわれがちでEPAを進めることが日本の国益に叶うというメッセ-ジが十分に共有されていなかったことが原因でないかと思います。もうすでにEPAを締結している例があるのにその近くの国で、またゼロベ-スで議論するということは、私(大臣)はあってはならない事だと思いますし、もちろん「真実は細部に宿る」という言葉がありますから、細部も大事なのですが、大きなEPAを推進するという基本的な方向性が十分に浸透するように進めていきたいというように思います。

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核セキュリティ・サミットの開催

(毎日新聞 須藤記者)今日、核安全保障局のダガスティ-ノ局長が来られて、オバマ大統領が来年2月に開くといっている核サミットの件について、我々に対して日本で12月に開きますと仰ったのですが、(同会議を)開くという前提で日本で開くことについて位置づけや目指すところをお答えいただければと思います。

(外務大臣)何を開くのですか。

(毎日新聞 須藤記者)核セキュリティ・サミットを来年2月にワシントンで開くことになっていると思うのですが、その準備会合を本年12月に日本で開くということです。

(外務大臣)その話は、私(大臣)は初めて聞きましたけれども、いずれにしても準備会合ですから、そのこととサミットそのものの位置づけは全く違うと私(大臣)は思います。

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インド洋給油問題

(時事通信 水島記者)今日、北沢防衛大臣がインド洋の給油を行っている補給艦をソマリアの海賊対策に転用することを検討していると表明されたのですが、本件は政府内でどの程度、具体的に検討されているのかということと、ソマリアの海賊対策は国際貢献という意味もありますが、日本の船舶を守るというのが主目的であるのに、このようなことが国際的にどの程度評価されるかということについて、大臣はどうお考えになっているのでしょうか。

(外務大臣)後半は私(大臣)は理解できなかったのですが、どういう意味ですか。

(時事通信 水島記者)アフガニスタンで、米は支援の上積みを求めていると思いますが、それに代わるものとしてソマリアに転用するということは何か意味があるのかということです。

(外務大臣)(アフガン支援に)代わるものという位置づけは特にないと思います。インド洋への補給艦の問題とソマリア沖の問題は別の問題と理解しています。国際的に評価されるかどうかということについては、日本の艦船に補給する訳ではありませんので、それは現在でも既にやっていることですから、おそらくいろいろな国に補給することを想定して、防衛大臣は考えておられているのだろうと思います。国際貢献として、一つのあり方であると思いますし、私(大臣)自身もそういう検討を防衛省で行っていると承知しておりますが、まだそれが法律改正その他も必要になることだと思いますし、現実のニ-ズとか必要性についてまとまった説明を受けておりませんので、私(大臣)自身がコメントすることは控えたいと、話は承知をしております。

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米軍再編問題

(毎日新聞 須藤記者)普天間の問題ですが、先日、岡田大臣は、県内移設が望ましいと仰ったと思いますが、それとの関係で鳩山総理が衆院選中に沖縄で県外移設、最低でも県外移設と言及していますが、そうなりますと沖縄も含めて国民に対してどういうふうにそのことを説明されるのかお聞きしたい。

(外務大臣)マニフェストには県外とか国外という表現はないですが、発言としては当時の鳩山代表の発言があるということは、私(大臣)も十分に認識をしております。もちろん選挙期間中の発言は100%実現しなければならないのかと言えば、多くの国民の皆さんが「必ずしもそうではない」というふうにお答えになると思います。
 いずれにしても、重要なことは、我々は、沖縄の負担をなるべく軽減したいという思いで今やっている訳ですから、我々の努力をこれから更にしっかりやることで、最終的に多くの沖縄の皆さんのご理解、納得を得ていくことだと思います。併せてこの問題を先週申し上げたときにも強調した訳ですが、移転が遅れていいのかというと、それは現在の普天間の状況が続くことになる訳で、それをなんとかしたいということが議論のスタ-トですから、いたずらにそれが遅れるようなゼロベ-スでの検討というのは、私(大臣)は避けるべきだと先週申し上げたところであります。

(TBS 樋口記者)再び普天間についてお聞きしたいのですが、先週金曜日に大臣は記者会見で、県外というのは事実上、選択肢として考えられないというふうに仰ったのですが、何故金曜日のタイミングで仰ったのか、例えばこれまで米政府とともに、過去の色々な今の合意に至った経緯を検証されてきたわけで、そういうものを受けてのものなのか、或いは来日時にゲイツ国防長官は北沢大臣との会見で普天間がなくなったらグァム移転もなくなるし、兵力削減もなくなると、そういったことを対外的な発言以外で、大臣として米側の決意をメッセージとして受け取ったからなのか、どうして金曜日のタイミングだったのかをお聞きしたいと思います。

(外務大臣)別に理由はありません。ただ、かねがね考えてきて、今具体的に県外で、ここが可能性があるということがある訳ではありません。そういう中で、白紙でこれから議論するということであっては、これでは時間がかかることは間違いありません。それから、過去に検証したものを今再度検証しているということは、かなり前からご説明してきました。勘のいい人なら、その時に県外はないということを、すでにお気づきになっていたのではないかと思っております。間接的に実はそういうことは言ってきた訳です。ただ、明らかに県外はないという私(大臣)の考え方をたまたま申し上げたのが金曜日だということです。大臣になってから、色々な可能性を自分なりに頭の整理をしてきて、そして過去に検討されたプランというものを一つ一つ見ていく中で、県外というのは、時間が、例えば長期間、3年とか5年とかを与えられるのであれば別ですけれども、限られた時間の中で答えを出さなければいけないとすれば、限られた時間の中で答えを出さなければいけないという理由は、日米の合意があるということと、もう一つは沖縄の普天間の問題を早く解決しなければいけない、それが沖縄のためでもあるという観点から見れば、県外はないということです。あのタイミングでやはり申し上げるべきだと思いました。あまり引き延ばすことは良くないというように考えました。

(TBS 樋口記者)関連なのですが、今のお話ですと、過去の色々な経緯ですとか、過去に検討されたものですとか、そういうものをいろいろと検討されたと仰いましたけれども、米側からのメッセージというのは何か影響はあったのでしょうか。

(外務大臣)米国のゲイツ国防長官が色々とお話になりましたが、それは私(大臣)の想定内のお話でした。

(日本テレビ 小栗記者)引き続き、普天間についてお伺いします。今日、北沢防衛大臣が閣議後に現在の日米合意をそのまま履行したとしても、民主党がこれまで言っていたような県外・国外を目指すというその方針に変わりない、整合性があるというふうに仰っていたのですけれども、岡田大臣も同じようにお考えでしょうか。

(外務大臣)これは、なかなか難しい話だと思います。数年前ならそういうことは言えたと思います。岩国に移すとか、グアムに移すとか、そういうことが決まった段階で一部は県外、一部は国外ということが実現したと言えると思います。ただ、我々が色々言ってきたことは、そういう現在のパッケージがきちんと出来て、発表された後も言ってきておりますので、そういう意味では論理的に言うと、ちょっと苦しいところがあるかなというように思っております。北沢さんが仰りたかったことは、県外・国外と言ってきたが、今のパッケージの中にも、グァム移転とか或いは岩国その他に移転するといった中身が含まれていることを思い出してくださいという趣旨で仰ったのだと思います。

(共同通信 上西川原記者)普天間を引き続きお願いします。今大臣の仰られてた、「普天間を一刻も早く移設しなければいけない。そのために県内移設だ。」という、この論理というのは、実は自民党政権がずっと言ってきたことではないかと思います。1995年以降、ずっと県外を求める声を沖縄等から出ても、県内という自民党政権が一貫して言ってきたのが、普天間の危険状況だったと思うのですけれど、そうすると今回、民主党政権になって、同じ論理で県内移設ということになると、沖縄の人たちにとって、政権交代した意味をどのように受け止めればいいのかというところが非常に気になるのですけれども、その点についてはどうでしょうか。

(外務大臣)それは全然違う訳で、白紙で議論する場合と、すでに合意があってその上で短い期間で答えを出さなければいけないというのは、全く違う状況だというように思います。白紙で議論できるなら我々だって県外で議論したいです。だけど、ここまで来ている話ですから、それは白紙で議論していた数年前の状況とは全く違うということです。

(共同通信 上西川原記者)先週、嘉手納(基地への統合)ということも言われましたけれども、これももうずっと議論されている話で、地元の三市町の拒否の姿勢が頑なであり、更に米も明確に拒否している。先ほど大臣は、これまでの発言を聞けば、勘の良い人ならば、県外はもうないということは分かっていたのではないかと言っていましたけれども、そういう話を想定すると、勘が良いか悪いかは別にして、(普天間基地を移設する先としては、)もう(キャンプ・シュワブのある)辺野古しかないのではないかと言う声も出ているのですけれども、その点についてはどうでしょうか。

(外務大臣)それもあるから今検証している訳です。北沢大臣も検証が終わったと、防衛省は言われるので、それなら、私(大臣)は、防衛省からも是非、話を聞かせていただきたいと言うふうに思うのですが、私(大臣)はまだ検証をしている、外務省としては(その検証の)最中ですし、米側からも意見を聞きたいというふうに思っている訳です。嘉手納(基地への統合)はあり得ないというのは、地元の反対というのは一つの大きな要素だということに間違いありません。しかし、その他のことについては、私(大臣)は必ずしも納得をしておりません。ですから、そういうことをもう少し詰めたい。例えば、緊急時において非常に運用が難しくなるという主張がありますけれども、本当にそうなのかということは、もう少し具体的に議論しなければならないというように思っておりますし、海兵隊と空軍は一緒に同居することはいかがかという話もありますけれども、それはどこまで受認できない話なのか、ヘリコプターと飛行機が同居するのはいかがかという話もありますが、しかし、そういう前例はありますから、もう少しその辺をきちんと詰めたいということが、私(大臣)の思いです。もしその辺をお詰めになったのであれば、教えていただきたい。

(毎日新聞 野口記者)また普天間ですが、先週の金曜日に大臣のお考えとして嘉手納統合ということを仰った訳ですけども、そういう考えを表明したということで、今週になって時間が経った訳ですが、嘉手納基地への統合に向けて政府内で考えをまとめるように今動いてらっしゃるのかどうかと、地元の説得を進めているのかどうか。また、嘉手納基地への統合という考えはいつぐらいから大臣の考えとして進めていこうとお考えになったのか。お願いします。

(外務大臣)いつからかという質問にはお答えする必要はないと思いますが、中身は今検証している最中です。私(大臣)なりに、行けるというふうに思えば、今はまだ候補に過ぎませんから、検証している最中ですから、嘉手納(基地への統合)の方がいいと考えれば、政府の中で働きかけをしていきたいと思います。そういう意味で、前回、「私(大臣)の考えでは」と申し上げたところです。

(中国新聞 荒木記者)普天間の関連ですが、米軍再編には普天間以外にも、神奈川県厚木基地にあります空母艦載機部隊を山口県の岩国基地に移転させるという計画も入っておりまして、それには地元にはまだ根強い反対があります。民主党のマニフェストとか、連立政党の合意には見直しの方向と書いてありますが、岩国基地への移転についても見直しの方向になるのでしょうか。

(外務大臣)岩国基地の問題は、先般、平岡代議士がお見えになって、大分お話も聞かせていただきました。私(大臣)も、以前から岩国の現場も見た経験もありますし、いろいろなそういった基地の集約の問題が、どこまで市民にきちんと説明した上でやっているのかということを私(大臣)は非常に疑問に思います。岩国の場合には、市役所の建設途中であるにもかかわらず、突然補助金が断ち切られて、言わば、賛成しなければお金は出ないよと、市役所の建設費は出ないよと、いうやり方がなされた訳で、そういう意味では、日米で合意はしたものの、地元に対する説明とか説得とか、そういうことがなされないまま放置されて、我々政権が交代した後、そういったことについて、今汗をかいているという状況です。岩国については、今すぐという予定はありませんが、最終的にはきちんと説明をして、ある程度ご納得を頂くということは当然必要だと思います。

(中国新聞 荒木記者)沖縄の後に検証するという意味ですか。

(外務大臣)後にと言うつもりはありませんけども、申し訳ないですが、今はそこまでなかなか手が回っていないというのが実態です。

(共同通信社 西野記者)先程、米側からも意見を聞きたいと、それから、具体的に議論をしなければならないというふうに大臣は仰いました。どういった機会に米側と、こういったかなり詰めた話、米軍の運用に関わるような話ですし、これは電話でやるような話ではないと思うのですが、どういった形でやるのでしょうか。

(外務大臣)すでに局長クラスではそういうことはある程度やっているのですが、もう少しレベルを上げるということも考えられると思います。いつどうやってということは、お答えする必要はないと思います。

(共同通信社 西野記者)もう一点、逆に、岩国の件について説明、納得がなされていないということだったのですが、例えば県外移設に関してですが、勘のいい人うんぬんという話もありましたけども、やはり選挙で掲げたことについてできないこともあるというのは、それはあると思うのですが、それであれば、何故できなくなったのかということをきちんと説明するということがセットになっていると思うのです。そういったことを沖縄の方々にすると、大臣自ら政治活動を行うというお考えはあるのでしょうか。

(外務大臣)最終的な答えが決まる段階ではそういうことは必要になるでしょう。ただ今、抽象的に県外はないのですと言っても、そこで終わってしまいますから、最終的にこういうプランでいきたいと思うと言うときに、沖縄の皆様のある程度の納得が必要だということは、それは当然必要だと思っております。

(NHK 別府記者)今検証中だということは理解しています。その上で、この段階ですでにこの問題について見直しの方向で臨んだのだ、あるいは臨んでいるのかという認識で大臣はお持ちなのでしょうか、また、嘉手納基地への統合は一つの考え方として出てきているということですが、沖縄の人の負担の軽減という視点で見た場合に、辺野古案よりどういった点でメリットがあるというふうに今の時点でお考えでしょうか。

(外務大臣)私(大臣)は、「見直し」という言葉は使っておりません。「検証」です。検証作業を行っているということです。嘉手納はなぜだめだったのか、そのことを検証して、そしてその上で嘉手納は案になるのかならないのかということをきちんとつめたいと、私(大臣)は、嘉手納は案になると考えていますが、それはより詳細な検証が必要であるというのが私(大臣)の先程の説明です。それから、どういうメリットがあるかということは、これもこれから検証していく訳ですが、少なくとも沖縄にある2つの大きな基地が1つになるということは、私(大臣)は大きなメリットだと思います。今の案ですと、2つの基地が固定化することになりかねないという問題があると思います。

(テレビ朝日 川村記者)今の普天間のことに関連して、かつて小泉政権のときにブッシュ政権の方から、嘉手納の統合案を日本側に提起してきたことが、非公式にせよあって、そのときに二度ほど米側は嘉手納でもいいよということを防衛当局と話し合っているという記録があるわけですが、そのことをかなり含めて、今大臣が仰っていることは、局長クラスでつめていると、米側もこういうことを過去に言ってきているではないかと、それについてきちんとつめたいということは、米の経緯もすでに検証した上でこれから交渉しようということでよろしいでしょうか。

(外務大臣)かつてどちらが言っていたかということは闇の中で、別に書いたものがあるわけではないと思います。ただ、嘉手納統合ということが議論されたことがあるということは事実です。しかし、そのときはそれよりも今の案がいいということになって、そして、今の案が具体化してきた。その辺も、私(大臣)としては検証したいと思います。現在の案であっても、最初は沖合に浮かすという案だったと思います。それから丘の上に作るという案もありました。私(大臣)自身まだよくわからない、納得できないところもあります。当時中心になってやっておられた方は政治レベルを別にすると、防衛省で長く次官をやられた方ですから、彼自身に聞くべきかどうかはわかりませんが、どうも私(大臣)は流れがまだしっかりとは把握できておりませんので、もし北沢大臣が防衛省の方で、かつての検証をきちんとしたということがあれば、そういうことも含めて是非聞かせていただきたいと思っております。

(読売新聞 村尾記者)普天間の関連ですけども、キャンプ・シュワブ沿岸部か嘉手納統合案か、ほぼ2つに大臣は絞り込まれていると思われるのですが、お聞きしている限りでは、嘉手納の方に前向きではないかと推察されるのですが、検証作業が終わった結果、嘉手納案がだめだった過去の理由や地元の反対にご納得されるのであれば現行のキャンプ・シュアブ案はやむなしということもあり得るという認識でよろしいでしょうか。

(外務大臣)そういうご質問に不用意に答えると、「外務大臣容認」と見出しに書かれてしまいますので、今のご質問にはお答えしません。

(テレビ朝日 新堀記者)オバマ大統領の来日が来月近づいておりまして、外務大臣としては、例えばクリントン国務長官と事前にもう一度会われるとか、何か普天間の関係での調整を事前にされるというご予定は一切ないと考えてよろしいのでしょうか。

(外務大臣)今仰ったのはクリントン国務長官との間でという意味ですか。現時点では何か予定しているということはありません。

(テレビ朝日 新堀記者)まだ日にちがあるということで、可能性もありうるのでしょうか。

(外務大臣)それは、わかりません。先般、どこか(のメディア)が報道されて、断られたとか、そのように書かれたところもあるのですが、相手もたいへん忙しく世界中を回っておりますので、日程が合わなければ会えない訳ですから、そういうこともあるかと思います。決まった段階で、もしそういうことが決まれば、お話したいと思います。現時点では私(大臣)は何も聞いておりません。私(大臣)も予算委員会とか国会を控えておりますので、なかなか隙間はそうはないというのが現実です。

(琉球新報 仲井間記者)普天間の質問で申し訳ないのですが、先日金曜日の会見で、県外移設は難しいと仰った時に、これまで日米間で検討されてきた案の中から移設先を考えると、今検証の最中で、これまで日米間で検討されてきた案というのは、そこには県外移設というような案はあったのでしょうか、なかったのでしょうか。大臣が把握しているものとしてはどのような内容なのでしょうか。

(外務大臣)私(大臣)が把握している限りは、もちろん岩国とかそういうものはあったとしても、全体を特に今の普天間基地を県外にという案は、私(大臣)はなかったと記憶しています。

(琉球新報 仲井間記者)私どもの取材では北海道や九州に移転するという話も検討されていたというものが、日米双方の交渉担当者への取材で明らかになっているのですが、既に報道もされていますけれども、そのような情報は把握されていないということでしょうか。

(外務大臣)それは、かなり具体性をもって検討されたものではないと私(大臣)は理解しております。

(読売新聞 石川記者)本日、北沢(防衛)大臣が鳩山総理とオバマ大統領が会われる際にはどういったメッセージを鳩山総理が出すかについて、閣内で統一的な方針を出した方がいいということを仰っていますが、北沢大臣は本日、現案を容認するような発言をされていて、一方、岡田大臣はまだ現在納得できる検証ができていないということで検証されている訳ですが、オバマ大統領の来日までほとんど2週間くらいしかありませんが、それまでの期間に検証を終えて、統一的な閣内の方向性を出せるようにしたいとお考えでしょうか。

(外務大臣)この件は私(大臣)自身、何度か申し上げてきたと思いますが、オバマ大統領訪日時に現案でいくとか、或いは違う案でいくとか、そういう結論を出せるような状況ではないということを米国側にも言ってきておりますし、現に沖縄の皆さんに対して、どの案でいくにしろ、きちんと説明をして、ある程度御理解をいただく必要がある訳ですから、それだけの時間的な余裕はないと思います。オバマ大統領訪日時にどういうテーマで議論するかということは、これから議論していかなければなりませんが、ある程度の概略は外務大臣として総理と少しお話を始めさせていただいております。北沢大臣の御発言を十分に理解していないところがありますが、普天間の話が議論になってその答えが出るというのは普通は考えにくいことだと思います。

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長井健司氏の遺品に関する報道

(朝日新聞 五十嵐記者)ミャンマーで2年前に、反政府デモを取材中に射殺された長井健司さんの遺品を写したとみられる写真が報道されています。こういう写真が出るということは、遺品がまだ存在するという蓋然性が高くなったということだと思えるのですが、これをもってミャンマー側に日メコンの首脳会議の際に首脳会談などもあると思うのですが、更に強く返還を求めるというご意向があるのかということと、写真を取り寄せるなどして、この信憑性を検証したり、調査したりするお考えはあるのかということをお聞かせ下さい。

(外務大臣)長井カメラマンの問題は、私(大臣)も日メコン外相会議の際に行われたバイの会談の折りにかなり相手方に対して厳しく申し上げた訳ですが、なかなか具体的な答えとしては返ってこないという状況でした。これから日メコン首脳会議もありますので、そういうところでも、特にバイ会談が実現した場合に話題になる可能性はあります。ただ、ここは私(大臣)としてはあまり断定的に言いたくないと。言えば、バイの会談そのものが流れてしまうリスクもありますから、申し訳ないけれども、そこはもう少し柔らかい言い方に敢えてさせていただきたいと思います。見つかった写真について、私(大臣)が聞くところによると、あれは返された遺品の範囲のものであると。ですから、(長井カメラマンの死亡現場で)無くなったとされるビデオカメラと、その写真に写っているビデオカメラは製造元が違い、既に一部カメラやビデオカメラは返ってきており、(写真に写っているのは)その時に返ってきた時のビデオカメラの写真と思われると聞いております。もし、その情報が確かではないという何か証拠があれば更に調べる必要があると思いますが、私(大臣)はそのように聞いております。

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吉野文六元局長の証人尋問

(テレビ東京 柳川記者)現在東京地裁で係争中の、沖縄返還を巡る密約問題の訴訟で、外務省として吉野文六元局長の証人尋問を認める許可を出したということですが、そちらの許可を出した理由と、その証人尋問にあたって吉野元局長にどのような証言の姿勢を求めているのか、期待するのかということをお聞かせ願えますか。

(外務大臣)どういう姿勢で行うかということは、ある意味では吉野元局長ご自身の問題だと思います。外務省としてできることは、本来守秘義務のかかるものについて、それを解除するということだろうと思います。裁判で現に争われ、事実関係について吉野元局長の意見を聞きたいということですから、その範囲においてご協力下さいと、裁判に出ていただくことについては我々はやめろというつもりはありませんということです。中身については、我々がこうしろ、ああしろという話ではないと思います。

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「密約」問題に関する調査

(Jキャストニュース 亀松記者)密約の調査命令についてお伺いします。調査命令を出してから一ヶ月半が経とうとしていますが、11月末目途に調査報告を上げるようにというお話だったかと思いますが、現時点で中間報告のようなものは受けられているのでしょうか。もし、受けられているとしたら、その内容はどのようなものでしょうか。

(外務大臣)必要に応じて報告は受けております。内容は中間段階でお話しすることはありません。

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天皇陛下のお言葉

(読売新聞 川崎記者)開会式での天皇陛下のお言葉の話ですが、開会式では今回も恐らく大臣が毎回繰り返しで申し訳ないというような内容の挨拶になってしまったと思われますが、岡田大臣の発言に対して与野党からいろいろな反応があったということと、鳩山総理もタイ訪問中に記者団に対して「岡田大臣の発言は適切でなかった」ということも言われていますが、それに関して大臣のお考えと今後も引き続き大臣として改善を求められていくのかどうか、その姿勢についてお伺いします。

(外務大臣)まずいろいろと誤解があると思います。私(大臣)が陛下に対して何かものを申したように誤解されている方が結構たくさんいらっしゃいます。もちろん、そういうことではなくて、お言葉というのは国事行為ではありませんが、それに準ずる公的行為として、本来、内閣官房で案を作り、閣議でそれを承認するという性格のものであります。勿論、その間、宮内庁には当然協議をしていると思います。そういう事実関係の中で、私(大臣)はその原案作りを内閣官房がやり、閣議で了承する訳ですから、我々は閣僚ですから、非常に責任がある訳ですけれども、ほぼ同じ言葉がずっと毎年繰り返されることについて、私(大臣)は陛下に対して申し訳ないという気持ちが非常にあります。もちろん、それが陛下のご意思であれば構わない訳ですが、国事行為に準ずる行為ですから、政治的な匂いがしてはいけないという大きな制約があるのを十分に分かった上で、それにしても、毎回毎回とは言わずとも、内閣官房で案を作るときに、もう少し違う表現というものが少なくとも案として検討されてもいいのではないかというように申し上げた訳であります。

(読売新聞 川崎記者)総理から適切でなかったというコメントが記者団に対してあった訳ですが、この件に関して、総理と大臣の間でお話になられたのか、或いは総理から何らかの言葉があったのかを教えてください。

(外務大臣)多くの誤解を招いた訳ですから、そういう仕組みが十分に共有のものになっておりませんので、まるで私(大臣)が陛下のお言葉に異を唱えたように受け取られたと、そのように誤解されたということに対して、総理にご迷惑をかけたと思っておりますので、総理のコメントは閣僚として真摯に受け止めなければならないと思っています。

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日露次官級協議

(共同通信 斎藤記者)本日、日露次官級協議が行われましたが、これは今世紀になって初めての次官級協議だということですが、平和条約等、いろいろと課題がある訳ですが、今後の対ロシアについて、今日の会議を踏まえて、どのような展開を考えておられますか。

(外務大臣)本日の会議で何が主たるテーマになったのかの報告をまだ聞いておりません。先般ニューヨークで行われた日露首脳会談で様々な議論がなされました。そういう中で、恐らくお聞きになりたいのは北方四島の帰属の問題だと思いますが、これについては大臣レベルでも議論するというか、場合によってはそういうことになると思いますので、ロシア側がどういった反応をしたのかを見極めたいと、つまり議論に値するだけの議論があったのかないのか、そもそも北方四島の帰属についてテーマになったのかを含めて確認したいと思います。

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日韓歴史認識

(共同通信 斎藤記者)日韓の歴史認識問題です。今年は初代総理の伊藤博文が暗殺されて100年ということで暗殺した側の安重根氏をあらためて称える式典が韓国で開かれました。また、北朝鮮も北朝鮮メディアを通じて北朝鮮の立場から、旧日本帝国への思いを新たにし、歴史問題を反省しない日本への抗議の意志を示すという趣旨の談話も出ています。現在、外務大臣を務められる岡田大臣の立場から改めて、この100年前の事件は歴史的にどういう意味があったのか、そして日本人としてここから何を学んで何を考えればいいのかについてお話をお伺いしたいと思います。

(外務大臣)ご質問にきちんとお答えするのは難しいと思います。私(大臣)の感想を述べればいい話ではなく、外務大臣としてお答えするということであれば、それはそう簡単に一言で片付けられる問題ではないと思います。最近、私(大臣)はアフガニスタンやインドネシアへの機中で「李朝崩壊」という本ををかなり興味深く読まさせていただきました。やはり歴史を語る時にそれぞれの立場によって、ものの見方が全く異なる訳で、今仰った伊藤博文殺害についても日本で考えられている、或いは多くの(日本)人が受け止めている見方と韓国や北朝鮮で見られていることは全く違うということです。どこが真実であったかというのは、私(大臣)は歴史家ではありませんので、確信を持ってこうだということは避けたいと思っています。

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その他

(ニコニコ動画 七尾記者)質問用のマイクをご用意していただいて、記者の皆さんにも使っていただいて、視聴者の方へのご高配感謝致します。本日は、視聴者から事前に電子メールで募集させていただいた質問を、ニコニコ動画の方で代読させていただいて質問とさせて頂きます。
 「大臣は野党の時代の早くから、自らのサイト内で動画配信をされてきたということですが、ニュース、報道という点においてテレビとネットの大きな違いはどういったものだとお考えになられますか。」

(外務大臣)私(大臣)自身が配信をしてきたことは、私(大臣)の主張を多くの方に知って頂くため。他の媒体を通すと必ずしも私(大臣)の本意と違う伝えられ方をすることがありますけれども、映像ですとそれがそのままということになりますから、非常にそういう意味で非常に有り難い。政治家にとっては自分の考え方をより広く発信するための非常にいい手段だと思っています。

(ニコニコ動画 七尾記者)大臣ご自身は、インターネットをどのように使われていますか。

(外務大臣)自分のホームページを見るくらいです。なかなか時間もありませんので。

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外務大臣会見記録(平成21年10月23日(金曜日)17時00分~ 於:本省会見室)

冒頭発言

(1)閣僚の資産公開

(外務大臣)私(大臣)からは三点申し上げます。第一点は、今日、国務大臣の資産公開を家族も含めてさせていただきました。この点につきましては、ご質問があれば後程お答えしたいと思います。

(2)政務三役会議

(外務大臣)それから第二に、政務三役会議についての報告です。私(大臣)の方から、閣議、緊急雇用対策会議の報告をいたしました。それから、武正副大臣の方から、前回も私が申し上げたと思いますが、在勤手当の精査について、在外公館課、会計課、人事課の3課からなるプロジェクトチームを立ち上げ、武正副大臣と吉良政務官が中心となって作業をするということの報告がありました。そして吉良政務官から外務省所管公益法人の精査についても報告があり、所管する241法人について、補助金支出の契約関係にある36法人を中心に、11月半ばを目途に作業をするとの報告がありました。なお、内閣官房専門調査員、つまり民主党の元政調職員ですが、1名が外務省担当ということで机をおくことになりました。

(3)核不拡散・核軍縮に関する国際委員会

(外務大臣)それから、三点目ですが、今朝、川口参議院議員とともに、総理をお訪ねをして、そして川口さんとオーストラリアのエバンズさんとが中心となって検討してまいりました、いわゆる川口・エバンズ委員会の最終報告書について総理に御説明を、川口さんからしていただきました。中身は川口さん自身が記者会見でお話になっていますので、皆さんもよくご存じのことだとは思いますが、私(大臣)はこの中で、特に2025年に向けて、核保有国の核弾頭総数を2000以下に削減すること、そして2025年に向けて、核の先制不使用のコミットメントを検証可能な形でそれぞれの核保有国が行うことを決めたことは、非常に評価できると思います。そして前の段階として、短期的行動計画、2012年までの中では、核兵器の目的を核兵器使用の抑止のみに限定する宣言をすべての当該国に要請すること、そして、NPT非核兵器保有国に対する消極的安全保障の供与。つまりNPT非核兵器保有国に対しては核を使用しないということを、核保有国が約束をする。ここでは安保理決議によって法的拘束力を付与すると書いてある訳ですが、これは具体的な核廃絶に向けた手順をかなり明確に書いたもので、私は評価できると思っています。もちろん、これは政府ではなくて、第三者委員会で、ある意味で政府よりも二歩三歩先を行くものでありますから、こういった報告書を踏まえて、政府としてどういった政策をとっていくかということはこれからよく議論をしていきたいと思っております。

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米軍再編問題

(毎日新聞 須藤記者)改めて確認の意味でお尋ねしたい。普天間の件ですが、大臣ご自身は年内の結論が望ましいと発言されていまして、北沢防衛相もできれば年内に結論を出すことを目指したいと仰られています。一方、総理は、来年の1月の名護市長選等を例示しながら、必ずしも年内ということは明言されていません。内閣不一致という訳ではないですが、総理、外相及び防衛省の違いを米国や国内に対して、時期の問題ではあるのですが、そもそも違いがあるのないのか、そのあたりの説明をして頂きたいのですが。

(外務大臣)違いがあるとは思っておりませんが、いろいろ聞かれるとそういう答えをしている中で、表現が違う場合が出てくるのかもしれません。いずれにしてもこの問題は北沢大臣と外務大臣である私が一義的には責任を負いますから、二人でよく意思疎通をしながらしっかりと対応して行きたいと考えております。

(共同通信 斉藤記者)先程、鳩山総理のぶら下がりがありまして、その場で、鳩山総理は時間的な問題はあるが、だからと言って、オバマ大統領の11月の訪日にどうしても間に合わせるという考え方は持っていないという趣旨の発言を繰り返し繰り返し、強調されています。この点について岡田大臣は支持されるか、或いは違う考えがあるか説明して頂きたいと思います。

(外務大臣)私(大臣)は、総理の発言に何か支持するとかしないとかいう性格のものではないと思います。ただ、オバマ大統領の訪日が11月であり、時間が余りありません。沖縄県民の皆さんにある程度、納得頂くような答えを見つけていくとすれば、常識的に考えて、オバマ大統領訪日時に「これでいきます」という答えがあるというのは、私(大臣))は少し理解に苦しみます。民主主義国家である以上、私(大臣)は、当然のことだと思います。

(共同通信 西野記者)予算編成の時期が念頭にあるというのは、大臣もずっとこの間、指摘されてきたと思います。予算編成の時期までに一定の最終的な方向性を見つけたいという考え方に変わりはないでしょうか。

(外務大臣)一義的な責任を負う立場の私(大臣)としては、できるだけそうしたいと思っています。

(時事通信 水島記者)ゲイツ長官の訪日を受けて、米国のメディアで日米関係を懸念する論調が非常に強まっていると思うのですが、外交を所管される大臣として、こういう状況をどのように受け止めていらっしゃいますか。

(外務大臣)いろいろな意見があるのは当然ですが、そのうちどれを取り上げるかということでもあると思います。私(大臣)もこの間、ルース大使ともお話をしましたし、それから先ほどマレン統合参謀本部議長ともお話を致しましたけれども、それぞれじっくりお話をする中で(日米関係について)何か意見の齟齬があるとか、重大な問題があるというふうには認識しておりません。私(大臣)が申し上げておりますのは、我々は長年野党として、普天間の問題については反対をしてきたと、そして、我々は選挙で国民に支持されて政権を担うようになった。したがって、その国民が、特に沖縄の皆さんが、ある程度納得できるような状況を作り出すということは、我々にとって責任であるということを申し上げている訳で、何かそのことが米側に理解されていないとか、そういうことは私(大臣)はないと考えております。あまり過剰反応する必要はないと思っています。

(TBS 樋口記者)今週、ゲイツ長官が来日した際に、現在の合意案が唯一の今実行可能な案であるということと同時に、早期に決断するように求めてきた訳です。一方で大臣は今しがたも、そして、その後のTV出演等でも合意があるのはお分かりになっているけれども、選挙があった訳で、合意があるからすぐ決めて下さいというのはなかなか難しいというふうに反論されています。民主党はずっと「対等な日米関係」ということを訴えてこられましたが、これがその考えに沿ったものなのかどうか、その関係をご説明下さい。

(外務大臣)その考え方に沿ったものかどうかということは、「対等な日米関係」をどう定義するかという問題ですから、私(大臣)はそういうご質問にはお答えしません。但し、お互いに民主主義国家として、政権が変われば、政策が変わるということは当然ある訳だし、そして、ある意味で考え方の継続性ということも、ある意味では当然のことですから、現時点で前政権で合意していることだから、そのまま全部受け入れるというところに無理があるということは、米側も十分分かっていると思います。だから、お互い検証しようということになっている訳です。私(大臣)は当然のことだと思っております。

(琉球新報 仲井間記者)昨日、大臣が出演されたテレビ番組で「辺野古に代わる移転先について、これから移転先を探すことはあり得ない。これまで日米間で検討されてきたいくつかのプランの中で辺野古に代わるものはないかというアプローチだ。」という発言されています。大臣の認識を伺いたいのですが、日米間でこれまで検討されてきたプランには、沖縄県以外、つまり、県外または海外の移転先も含まれているとのご認識でしょうか。

(外務大臣)色々な検討はされたと思いますが、私(大臣)の知る限り、それは沖縄の中の問題です。ですから今、普天間の現状を考えて、あまり時間をかけるわけにはいかないと私(大臣)は思います。時間をかければかけるほど、普天間における危険は持続する訳です。そういうことを考えると、私(大臣)は、事実上、県外というのは選択肢として考えられない状況であると思っています。

(琉球新報 仲井間記者)確認ですが、普天間の移設問題については、辺野古、または沖縄県内の他の場所での解決策を今後模索していくということでしょうか。

(外務大臣)これは内閣の見解ではありません。私(大臣)としてはそう思っています。

(AFP通信社 伊藤記者)先ほど表敬を受けられたマレン米統合参謀本部議長ですけれども、先方からどのようなメッセージがあり、大臣からはどのようにお答えになったのか少しご紹介いただけませんでしょうか。

(外務大臣)会談の中身、特に相手に発言については、私(大臣)は言わないことにしております。ざくっと申し上げますと、日米同盟の重要さということをお互い確認し合い、そういう中で現下の問題をお互いの信頼関係に基づいて、しっかりと乗り越えていく必要があると。そういう中で、普天間の問題も出ましたし、インド洋の問題も少し出ました。後は核の問題、密約の問題、先制不使用に関わる問題、そしてアフガニスタン・パキスタン(の問題)。私(大臣)の方からそれに加えて、イラクの状況なども話題にさせて頂きました。会談としては、かなり弾んだ会談だったと思います。

(産経新聞 笠原記者)普天間の話をもう一度確認したいのですが、県外という選択肢はなかなか難しいというようなお話なのですが、今後政府間の調整にあたって、外務省及び外務大臣として、官邸及び防衛大臣等とそういう見解で調整に入りたいというお考えなのでしょうか。

(外務大臣)私(大臣)自身はまず仰られた認識でおりますし、なるべくそういう認識を共有化したいと思っています。

(読売新聞 中山記者)外務大臣は、嘉手納統合案については、どのように評価されていますでしょうか。

(外務大臣)これは一つの案だと思います。より詳細を詰めなければいけませんが、時間的に早いという意味では、現在のキャンプ・シュワブ沖よりも、早い可能性もあります。そいういう意味で一つの案だと思いますが、ただ、米側からは、難しいということも聞いておりますので、より詳細にそういう説明も聞いていきたいと考えております。

(読売新聞 中山記者)時間的に早いというのは、実現する時間が早いということでしょうか。

(外務大臣)既存の滑走路がある訳ですから、そういう意味では一から造るというものではありません。そういう意味では時間的には余りかからないというメリットはあると思います。

(朝日新聞 鵜飼記者)普天間の関連ですが、現在の辺野古の案には問題があるというふうに依然として大臣はお考えになっているのでしょうか。例えば、米国の国防総省の高官が沖合への50メートル程度の移動であれば認めるということも仰っていますけれども、これも選択肢の一つというように考えていらっしゃるのでしょうか。

(外務大臣)どれがダメかということを頭から決めるつもりはありません。ただ、さまざまな問題がキャンプ・シュワブ沖、たとえ50メートル程度ずらしたとしても、ある意味では埋め立てのボリュームが更に大きくなる可能性がある訳ですから、メリット・デメリットがあるのだろうと思います。その中で何が一番良いのかということを考えていかなければいけない。嘉手納統合案の問題は米国側の指摘は、とにかくあまりにも忙しくなりすぎると、つまり、既存の空軍機とヘリコプター、特に有事の際に対応できないのではないかというご指摘もあります。その辺も検証する必要があります。それから、地元の市長、町長が反対してるという問題もあります。どれが絶対良いとか悪いという状態ではなくて、よりどちらがマシかという判断だと思います。放置しておけば、現在の普天間の状況は続きますので、そのような意味では、私(大臣)はあまり時間をかけるべきではないと思っています。

(西日本新聞 齋田記者)県内での移設という話になりますと、当然連立を組む社民党との関係が出てくるかと思いますが、その辺りの対応というのはどのようにお考えでしょうか。

(外務大臣)そのようなことも含めて、まだこの案だと決めた訳ではありませんけれど、連立与党ともよく相談していかなければいけません。ただ、県外ということになると、現在の普天間の固定化に繋がりかねないという問題もあるということは事実だと思います。そういうことも踏まえて考えていかなければいけないと思います。

(NHK 祢津記者)普天間の件で二点お伺いしたいのですが、先ほど大臣が仰られた県外への移設が難しいというお考えは、既に何らかの形で米国側にお伝えしているのでしょうか。もう一つは、一部報道で米国訪問することをご検討されているというのがありましたが、これについてお考えをお聞かせいただけますでしょうか。

(外務大臣)既に伝えているかは別にして、ここで言ってしまえば伝わります。ですから、時間の問題だということです。時間をかけるべきではないことは、繰り返し米国側、ゲイツ長官にも言いましたし、ルース駐日大使にもマレン統合参謀本部議長にも申し上げました。米国に行くという話は、何かそういう報道があったようですが、今そういうことを考えている訳ではありません。国会も開会中ですから、なかなかそういう隙間を見つけることは難しいというのが現状です。

(ブルームバーグ 廣川記者)昨日のテレビに出演した際に、ゲイツ長官について、「ゲイツ長官は強く言うことが役割だ」という発言をされているんですが、これは米国政府内でゲイツ長官は強硬論を言うけれども、実は妥協する余地があるというようなメッセージを米国政府から得ているのか、そういった根拠があるのでしょうか。

(外務大臣)具体的にそういうことがあるわけではありません。米国が、日米が合意した案をそれをそのままやるように言ってそれで終わるような日米関係ではないと思いますので、やはりそこに何らかのネゴシエーション(協議)があるということは当然だと思います。

(読売新聞 中山記者)普天間問題ですが、県外が難しいということになりますと従来の民主党の主張と、例えば「沖縄ビジョン2008」との整合性が問われることになると思いますが、この方針転換をするにあたって、どうして方針転換をするのか説明責任が問われると思いますが、どのような判断があったのでしょうか。

(外務大臣)沖縄ビジョンでは確かに「県外・国外」と書きました。しかし、マニフェストにはこの表現は使っておりません。勿論、使っていないから、それを否定したのかというとそういうことではありません。しかし、表現が変わっているということは、それなりの方向性も秘められているということであります。できれば、沖縄の負担を減らしたいとの思いでやっている訳ですから、県外というのがベターだと思います。しかし、時間をかけていい問題ではなくて、限られた時間の中で解決していかなくてはならない。そうでない限り、普天間の危険な状況が持続するということを考えた時に、沖縄の負担を減らすという趣旨からいっても、これから一から議論しなくてはならない県外ということではなくて、いままで議論されてきたいくつかのプランというのは全て沖縄に関わるものでありますから、その中で議論していくということが結果的に沖縄の負担を減らすことにつながると、つまり普天間が続かないという意味において、そう思っています。

(朝日新聞 鵜飼記者)先程の大臣のお答えの中で、キャンプ・シュワブ沖と嘉手納の二つに触れられた上で、よりどちらがマシかという判断であると仰いましたが、この二つの案に最終的に絞られてきていると、年内に方向性を出すにはこの二つの内のどちらかだということなのでしょうか。

(外務大臣)そこまではっきりとは言っていません。私(大臣)の頭の中ではこれに近いのですが、それはそれぞれ、いくつかのアイディアをお持ちの方もいらっしゃいますから、それに尽きるものでは必ずしもないと思います。

(琉球新報 仲井間記者)マニフェストには書いていないが、県外・国外(移設)を目指す気持ちは変わらないと大臣に就任されて仰ってきたと思いますが、その言葉に沖縄県民は期待を持っていたのは事実だと思います。今回、県外という選択肢はない状況だと先程仰いましたが、気持ちが変わったのはいつなのでしょうか。そして、なぜなのでしょうか。

(外務大臣)今でも気持ちは変わりません。そして、今まで申し上げてきたことは、大事なことは沖縄の負担を減らすことですと申し上げてきました。沖縄の負担を減らすという観点から見た時、さすがに時間が増えることは負担を減らすことにはならないと考えています。

(琉球新報 仲井間記者)気持ちと政策は別ということで理解してよろしいでしょうか。

(外務大臣)県外・国外という気持ちの根本にあるのは、沖縄の負担を減らしたいということです。現時点で考えられる沖縄の負担を減らす道というのは、県外で一から議論して、何年も何年も普天間の現状を固定することではなくて、今までに検討されたいくつかの案を、私(大臣)は嘉手納への統合だと思っていますが、また他にも意見があるかもしれませんが、その可能性を検討することしか残された道はないと思っています。

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PKO五原則の見直し

(日本インターネット新聞 田中記者)大臣が21日にご発言されたPKO五原則の見直し検討ですが、私も紛争地域に取材へ行く機会が多いので、大臣のご提案には賛成です。確かに、米国に頼らず自前の情報を取るには、ある程度自衛隊を出さなければいけないと思います。ですが、社民党との関係、日本国憲法との関係からいくと結構難しいところがあって、その辺りの大臣の中長期的な展望と本気度をお聞かせください。

(外務大臣)憲法の枠内というのは当然のことであります。その中で何ができるかということを検討しなければなりません。勿論その過程で、まだ検討はこれからなので、ある程度まとまってくれば社民党、国民新党の皆さんとも協議をしなければいけないことは当然です。

(日本インターネット新聞 田中記者)PKOの五原則、どれをいじっても憲法と抵触してくるのですが。

(外務大臣)そのように断言できるかどうか、分かりません。

(朝日新聞 五十嵐記者)先程のPKOの関係ですが、日本の参加が少ない理由として、PKO5原則が問題なのではなくて、それ以前に防衛省の対応であるとか、そういうところに問題があるという指摘もあります。実際、スーダンには5原則の範囲内で行けると思いますが、実際には2人しか行っていないという問題もあります。この点について、大臣はPKOが日本から出ていない理由を5原則に問題があると考えているのか、それ以外のところに問題があると考えているのでしょうか。

(外務大臣)率直に言って、双方だと思います。

(朝日新聞 五十嵐記者)双方というと、その5原則以外に、例えばどのようなことでしょうか。

(外務大臣)理由はわかりませんが、どうしてこんなに少ないのだろうと誰しも思うのではないのでしょうか。もっともっと日本は貢献できるはずだと思います。

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天皇陛下のお言葉

(朝日新聞 五十嵐記者)今朝の閣議の後の閣僚懇談会の中で大臣が天皇陛下の国会開会式でのお言葉について「天皇陛下の思いがもう少し入った形になるように工夫できないか」と発言をされたということですけれども、この発言の真意についてもう少しご説明いただきたい。あとこの発言に対してですね、例えば参議院の西岡武夫参議院運営委員長は批判をされております。こういった批判についてどのようにお答えになるのかについてお聞かせ下さい。

(外務大臣)批判については、どういう理由で批判されているのか、私(大臣)は承知をしておりませんので、特にコメントは控えたいと思います。朝、申し上げたことと同じですが、天皇陛下の国会開会式にあたってのご挨拶というのは国事行為ではありませんが、それに準ずる行為であります。従って、内閣の助言と承認が必要ということだろうと思います。従って、我々は内閣の一員ですから、助言と承認をする立場にある訳ですが、今までの開会式の挨拶をみると殆ど同じ事が繰り返されている。これはやはり、準国事行為であるということで、あまり政治的にならないようにという配慮が行き過ぎた結果、同じ言葉を繰り返すことになってしまっているのではないかと思います。そしてそれはある意味では内閣の責任です。もっと陛下の思いが伝わるような挨拶が内閣の助言と承認をもとに、本来工夫されるべきではないかと思っております。つまり、我々が責任を負っているわけですから、助言と承認という、そういう中で、同じような挨拶が繰り返されているとすれば、それはある意味での官僚的対応になってしまっていると、私(大臣)は思っています。もう少し自由度があっていいと思っています。

(フリーランス 畠山記者)国会開会式での天皇陛下のお言葉について伺いますが、助言と承認について何か具体的なイメージをお持ちでの発言だったのでしょうか。

(外務大臣)国事行為に準ずることであり、どうしても無難に対応しようという、ある意味での官僚的な発想から、同じ表現が毎年ほぼ続いてしまうことになっているのではないかと。開会式で陛下のご挨拶を聞かせていただいて、あれだけの時間もかけ、わざわざ国会までお出かけ頂いているにもかかわらず、同じ挨拶を毎回のように繰り返しているということは、率直に言って、私は陛下に対して申し訳ないという気持ちがいたします。従って、我々が内閣の一員になった以上、もう少し陛下の思いがでるようなご挨拶をお願いしてもいいのではないかと思っているところです。

(フリーランス 畠山記者)陛下の思いというのは、どのような思いでしょうか。

(外務大臣)普段の陛下や皇后陛下のご挨拶は、非常に国民の気持ちを打つご挨拶をされておられます。もちろん、国事行為に準ずる行為ですから、全く普段のご挨拶と同じではないのですけれども、しかし、「それにしても・・・」という感じが私はしております。毎年毎年の開会式の陛下のご挨拶を比べていただければ、私(大臣)は多くの方がそう思われるのではないかと思います。

(フリーランス 畠山記者)ブラッシュ・アップされてきたから、今の形に落ち着いているというお考えはございませんか。

(外務大臣)同じ挨拶を毎年するということが、本当に陛下の気持ちに沿ったものなのかどうかということを考えるべきだと私(大臣)は思います。一定の限界があることは、もちろん、そうです。

(読売新聞 川崎記者)今の関連でお伺いします。西岡参議院運営委員長が批判されたということなのですが、運営委員長は記者会見で批判について具体的にこう言っています。「陛下の開会式の言葉のスタイル、お言葉自体については、政治的にあれこれ言うことはあってはならないことだ。政治的中立の立場からすれば、陛下のお言葉というのは、政治の側がどうこうあってほしいと言うのは、軽々な話ではない。」そういう意味で批判をされたわけですが、これについての大臣のご意見はいかがでしょうか。

(外務大臣)もちろん、国事行為に準ずる行為ですから、一定の制約があることは事実です。しかし、制約があるということと、同じ言葉を繰り返すこととは、私(大臣)は違うというように思います。具体的にこういうふうに言うべきだと私(大臣)は言ったのではありません。もう少し陛下の気持ちや思いが伝えられるような表現というものを、内閣の助言と承認で工夫できないかということを申し上げている訳です。もちろん、陛下のご意思として、従来と同じような挨拶をお続けになるというのであれば、それは陛下のご判断ですが、それがそうかということも良く分かりませんので、助言と承認という責任が我々にある以上、我々がもう少し考えていいのではないかと考えております。

(毎日新聞 野口記者)関連なのですが、これまで同じような挨拶を続けてきた原因は、宮内庁の役人の方に態様があるのか、それともそれを毎回毎回承認してきた歴代の内閣にあるのか、どちらにあるとお考えでしょうか。

(外務大臣)私(大臣)はそれを知る立場にありません。

(読売新聞 石川記者)天皇陛下のお言葉の件ですが、準国事行為として内閣の助言と承認が必要なものと仰いましたけれども、天皇陛下のお言葉というのは閣議決定をされているものと聞いているのですが、閣議決定の際に内閣の助言と承認という形で何か変更、若しくは改訂みたいなものを求められるお考えでしょうか。

(外務大臣)私(大臣)は、今回の国会について言ったのではなくて、(臨時)国会も始まりますから、いつも気になっていたことですので、閣僚懇談会で発言をさせていただいた訳です。出てきたものを閣議の場で助言と承認ということではなくて、やはり、基本的には内閣に出てきたものはそれに対して、余程の事がない限りそのまま承認するということが普通だと思いますが、その前段階として、どのくらい自由度を持ってお言葉を作るかと、そこの心構えの問題だと思います。それが、少し狭くなりすぎてはいないか、あまりにも安全、無難に流れる。そのことが結果的に陛下のご意思と離れてしまっているのではないかと、想像ですが、もしそのようなことがあれば直した方が良いと思っております。

(読売新聞 石川記者)今、逆に想像というお話が出ましたけれども、事前にそういった問題意識を持っているということは、宮内庁の側には何か伝えてらっしゃったのでしょうか。

(外務大臣)宮内庁に問題があるのか、それとも、内閣の側にあるのかもよく分かりませんので、それは私(大臣)が問題提起をさせて頂いて、後は官房長官のところで少しご検討頂ければ良いと思います。

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閣僚の資産公開

(朝日新聞 梅沢記者)閣僚の資産公開で二つほどお伺いしたいと思います。できる範囲でお答え下さい。住宅ローンが4586万円公開されておりますが、これは新宿の市ヶ谷にご購入されたマンションに伴う住宅ローンで良いのかが一点目。二点目については、三人のお子様の預金に関することですが、大臣ご自身は預金がなしというふうになっているのですけれども、お子様は三人合わせて4700万円ほど公開されております。お子様は中学生から大学生となっておりまして貯金額が多いかなという気持ちがあるのと、ご自身に預金がなくて、お子様には預金をさせているというところに、何か主義とか、考え方が父親としてあるのであればお話を頂けないかと思います。

(外務大臣)先ず、私自身の預金は、三重県四日市市のマンションを購入したことで、全て無くなりました。そして、東京の自宅を購入する際に住宅ローンを4586万円、もともとは5000万円でしたが、多少返済をいたしまして、こういう数字に、確か12月末でしたか、資産公開の期限に合わせるとこういう数字だということです。子供の預金が多いことは、別に何か立派な考え方に基づくものではなく、これは子供の祖母からの法律の範囲内での贈与であり、その蓄積です。私(大臣)が(贈与)したものではありません。

(朝日新聞 梅沢記者)東京の自宅というのは、マンションとは別にあるのでしょうか。

(外務大臣)マンションです。

(日経新聞 山本記者)閣僚の資産公開について尋ねします。今回公開されたご自身の資産の全般的なご感想と、制度についてどのようなご感想をお持ちなのかお聞かせください。

(外務大臣)資産公開制度は必要だと考えています。ただ、どうしても資産の水準に関心が行きやすい、資産公開制度の意味というのは、そういった公職に就いている間に理由のつかない資産を増やすことをチェックするためにある訳で、そもそも資産の流用がどうかというのは、本来、個人に関わる問題で、それ(水準)のみを強調して多いとか少ないとか、そこに光が当たるのは、私(大臣)はちょっと違和感を感じます。やはり、閣僚になった時に資産を公開して、終わった時にどう変わったかをきちんと検証されるべきだというふうに思っています。

(日経新聞 山本記者)ご自身の資産について公開されましたが、どのように感じますか。

(外務大臣)どうですかね。平均的な議員よりは多いと思います。借金も多いですけど。

(読売新聞 川崎記者)制度的なことについて、例えば、他の閣僚の方は、今回この制度で普通預金が対象になっていないので、結局、普通預金が沢山あっても定期預金がゼロだとゼロとカウントされてしまうと、そういうところに問題点があるのではないかということを具体的に仰っていて、福島瑞穂議員はそういうふうに仰っているのですが、この制度の問題点、改善すべき点があるかについては、大臣はいかがお考えでしょうか。

(外務大臣)資産公開制度は、閣僚のものというよりも議員の資産公開制度もできて時間が経っており、今回、いろいろと資産のあり方も変わってきていますので、もう少し現実にあわせてしっかりと中身を把握できるような、そういうことを考えたら良いのではないかと思います。

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日米関係

(共同通信 西野記者)現段階で日米関係のことですが、オバマ大統領の訪日までにあらゆるチャネルを使って、日本側の立場、米国側の考え方をお互いに理解するために情報交換なり、或いは会談することは必要な状況だと考えておられますか。それともゲイツ長官が来られてある程度の線が見えたので、特に必要はないというでしょうか。それから最後に弊社は自信をもって書きましたけど、(11月中旬の大臣の)訪米について一度も検討されたことはない、頭に浮かんだことはないのでしょうか。

(外務大臣)現時点ではそういうものはないと申し上げている訳です。機会があれば、なるべくコミュニケーションをとっていった方が誤解が少ないというのは当然のことだと思います。

(共同通信 西野記者)この会見の段階では(訪米はない)ということですか。

(外務大臣)そうです。

(ロイター シーグ記者)普天間についてですが、今の状況が続けば、オバマ大統領の訪日が失敗に終わって、日米同盟にかなりのダメージを与えるという見方が現在あると思いますが、そうならないようにするには何が大切なのでしょうか。

(外務大臣)そういう見方があるというのは承知しておりませんが、いずれにしても、ニューヨークで培われた鳩山総理とオバマ大統領の信頼関係を更に深めるような訪日になってもらいたいと考えています。

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対北朝鮮政策

(朝日新聞 東岡記者)北朝鮮問題について二点お尋ねします。貨物検査特別措置法案ですが、一転して今回の臨時国会に提出するとの方向のようです。ただ、自衛隊の関与をなくす方向のようですが、この点についてどのようにお考えになるのかというの第一点。あとは中井拉致担当大臣が訪韓し、ファン・ジャン・ヨプ氏の日本への招致を検討しているようですが、この点について大臣としてどのようにお考えでしょうか。

(外務大臣)前者の話は、まだ最終的に出すことになったと確認しておりません。法案の中身も協議を受けておりませんので、今の段階でコメントするのは控えたいと思います。実質的に内容は変わらないというように理解しております。
 それから、後者の話は、まだ中井大臣からの話も聞いておりませんので、今、軽々にコメントすることは控えたいと思います。

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外国人参政権

(読売新聞 村尾記者)外国人の方に参政権を付与する法案のことですが、公明党が臨時国会への法案提出を検討されているようですが、昨日、政府民主党首脳会議で、公明党が出すなら、政府与党としても対応を決めなければいけないのではないかとのやり取りがあったやに伺っているのですが、大臣は党の議連の会長もなさっているということで、改めてこの法案の提出に対するご見解をお聞きしたい。

(外務大臣)昨日、どういう議論があったか私(大臣)は承知しておりません。議連というのは、私自身が今、大臣になったことによって、恐らく休眠状態になっていると思っています。法案をどうするかは、内閣と党が判断することですので、私(大臣)からあまり感想を申し上げるべきではないと思っています。これはなかなか難しい問題だと思います。

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外務大臣会見記録(平成21年10月20日(火曜日)15時05分~ 於:本省会見室)

冒頭発言

(1)政務三役会議

(外務大臣)本日、政務三役会議を行いました。そのご報告を簡単にします。私から閣議、そして閣僚懇談会についての報告を致しました。その中で、ハーグ条約に関して、閣僚懇談会で法務大臣からもう少ししっかりと体制を組んでやった方が良いという話が出ましたので、外務省からは西村政務官、法務省からも政務官が出て意見交換をしながら検討を進めていくということに致しました。
 先日この場でお話をしましたが、来年度予算案を検討していく中で、限られた時間の中で十分な検討が進まなかった問題として、一つは在外勤務手当の問題があります。これについては、ここで申し上げましたがチームを作って対応するということで、武正副大臣、吉良政務官、そして役所の側からも担当の課長が出て検討するということに致しました。
 もう一つは国際交流基金をはじめとする外務省所管の公益法人についても、もう一度洗い直しをしようということで、武正副大臣、吉良政務官が中心になって特にチームということではないようですが、検討を進めてもらうということにしたところです。

(2)大臣発言関連の報道ぶり

(外務大臣)私(大臣)の発言が正確に受け取られていないことが最近いくつかありまして、私(大臣)は相当考えながら発言をしておりますので、それをどう受け止めるかというのは、それぞれお考えがあっていいのですが、私(大臣)の発言は発言として正確に引用していただいた上でそれをこのように判断すると、それは書いた記者の判断ですから、そのことは分かるようにして頂きたい。私(大臣)が言った趣旨とは違うように勝手に解釈をして書くようなことは是非止めて頂きたいと思っております。例えば、京都で私(大臣)が申し上げた「核の先制不使用」について、私(大臣)が申し上げたのは正確には忘れましたが、「先制不使用というのは大きな流れであると、その流れの中で具体的に何が出来るかということを日米間で議論していきたい」と申し上げたのですが、「その流れの中で具体的に何が出来るか」というところが中飛ばしになって、私(大臣)が先制不使用そのものを協議したいと言ったと書かれていたメディアがいくつかありました。それは私(大臣)の趣旨とは違います。
 もう一つは、パキスタンで私(大臣)が、「インド洋の補給活動の単純延長はしないということは変わっていない」と先ず申し上げた上で、しかし質問がありましたから、「次の国会に出すことにはなっていない」ということだけを申し上げたのですが、「給油は断念」と言ったかのような表現とか、或いは社説によっては「断念した」と、しかし、その理由がこの国会に間に合わないということでは根拠薄弱ではないかと、そのように書かれた社説もありますが、私(大臣)自身は「断念」という言葉を使った訳ではありません。「単純延長はしないということは変わっていない」と申し上げた上で、「この国会には出しません」ということを言っただけです。その後に記録を確認しますと、「しかし、1月半ばまではまだ時間がありますから」とも言っている訳です。判断されるのは自由ですが、それを勝手に断念というように判断したのであれば、私(大臣)が言った訳ではありませんから、記者の判断であるということをきちんと断って頂きたい。私(大臣)の発言とそれを記事にされる時に若干の齟齬が最近目立ちます。私(大臣)はいろいろ考えた上で発言をしておりますので、このことはきちんと正面から受け止めて頂いて、それをどう解釈するかは皆さんの自由ですが、その解釈を加えたということは読者に分かるようにしていただきたいと思います。

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米軍再編問題

(毎日新聞 須藤記者)普天間問題についてお聞きします。外相は就任当初の記者会見で「100日以内に目途をつけたい。」つまり年内に目途をつけたい問題の一つとして普天間を上げられていたと思います。しかし、鳩山総理大臣は最近になって、来年の名護市長選挙や知事選の話を上げて「状況に変化がある」ということを仰って、来年まで結論は待とうというような言い方もされています。一方、来日中のゲイツ米国防長官はインタビューなどで「合意通り進めるべきだ」と、遅れれば、それに関連するグアム移転も難しくなるので、かなり早く決めて欲しいというニュアンスを出しているのですが、岡田大臣として今の時点で結論を出す目途というのを年内にすべきなのか、年内に拘っていないのかについてのお考えをお聞かせください。

(外務大臣)あの時申し上げたのは、予算の要求ということが絡むとすれば、それまでに方向性を見い出したいと申し上げました。そのことは変わっておりません。

(毎日新聞 須藤記者)今の質問を詳しく聞きたいのですが、予算が絡むならばというのは、最初発言された時はそういうことだと思うのですが、今の時点では予算がどうこうという問題ではなくて、普天間問題全体をいつ頃までを目途に結論を出すべきかということが、おそらく総理、ゲイツ国防長官も問題にしておられるのだと思いますが、そういう観点から言うと別に年内に拘る必要もないと思うのですが、これについてはどのように思われますか。

(外務大臣)勿論、補正(予算)で対応するとか、予備費で対応するという道もあります。ただ、やはり予算にきちんと計上するというのが普通ですから、そのことはやはり意識して考えていかなければいけない。但し、場合によっては、最初に申し上げた予備費的なものもあるとは思います。

(毎日新聞 須藤記者)ということは、出来るだけ年内に結論を出したいという意味で、方向性はいいのでしょうか。

(外務大臣)方向性として、私(大臣)はそう思っています。

(共同通信 上西川原記者)普天間の話で一点確認したいことがあります。難しい交渉になると思いますが、民主党は2008年の沖縄ビジョンで県外・国外移設というのを言及しています。選挙中も鳩山首相が最低でも県外だという発言をされておりまして、確かにマニフェストには書いてないのですけれども、沖縄の人たちに希望を持たせたのは間違いないと思います。しかも県知事は沖合いとするとは言ってますけれども、希望としては県外ということも言っておられます。民主党時代から国外や県外とかいった発言や記述を作るに当たって、具体的にリサーチとか裏付け作業をこれまでされてきたことがあるのでしょうか。

(外務大臣)私(大臣)は沖縄ビジョンに関わっておりませんので、その時にどういった作業をしたかは承知しておりません。一つ言えることは白紙から議論していけば時間はかなりかかります。それは結局普天間の危険な状態が続くということでもあります。そのことを考えていかなければいけないので、そういう意味であまり時間がかかるような答えではダメだと思っています。

(共同通信 上西川原記者)そうすると、現段階で具体案を持っていない、非常に現行案を中心に考えざるを得ないのではないかと思うのですが。

(外務大臣)これ以上のことにはコメントいたしません。基本的な考え方だけ申し上げました。

(NHK 別府記者)普天間の関係ですが、現在、日米の間ではこの問題について 協議に入っているというように理解していいのかということと、先程の話で年内に方向性を出していきたいということでしたが、(方向性を)出していくためには相手がいる話ですので、アメリカ側と協議を終えた上で方向性を出したいのか、あくまで日本側としての協議を臨む姿勢を取りたいということなのか、どちらかでしょうか。

(外務大臣)後の質問でいえば 12月に間に合うかどうか別ですが、12月になるべく方向性を出したいと私が言っているのが、最終的な方向性です。それから、協議に入っているのかどうかですが、協議とは何かという定義にもよりますので、あいまいになりがちで言葉を選びたいと思いますが、見直しということを言ったつもりはありません。現時点でやっているのは、今までやってきたことについて検証しているということです。なぜ今の案になったか、日米それぞれが検証しているということです。

(共同通信社 西野記者)先程、12月末までに方向性を出したいと、それは最終的な方向性なんだというように仰った訳ですが、来年1月には名護市長選が予定されておりまして、鳩山総理はそういった沖縄の意向というものを見極めたいというお考えだったと思いますが、最終的な方向性というのと沖縄の民意というものは、どのような関係になるのかというのが一つ目、二つ目は全然話しが違いますが、アフガン・パキスタン支援について いろいろと検討されていると思いますが、スピード感についてお願いします。

(外務大臣)アフガン・パキスタンについては、できるだけ早くということで今検討しています。一番目の質問をもう一度お願いします。

(共同通信社・西野記者)最終的な方向性という大臣の御発言と、鳩山総理は来年1月の名護市長選での沖縄の総意というものに言及されています。スケジュール感でいくと年末までに最終的な方向性と(大臣が)言われると、総理が仰っている沖縄の総意とはどういう関係になるのでしょうか。

(外務大臣)勿論、最終決定するときには 沖縄県が、或いは沖縄県民が受け入れ可能なものとなるのは当然です。

(時事通信・高橋記者)普天間の案件で確認したいと思います。先程の大臣の御発言で何故今の案になったか検証しているところだと、見直しと言ったつもりはないと仰いましたが、大臣が見直しと仰らなくても与党三党の連立合意では、米軍再編について見直しの方向で臨むという文言がしっかり入っているわけですが、それとの整合性はどうなるのでしょうか。今やっている検証作業が終わってから見直しに入るということなのか、そこの連立合意との整合性を説明してください。

(外務大臣)今、仰った通りです。検証の結果として、それを踏まえて見直し作業に入っていくことになります。

(時事通信 高橋記者)補足ですが、それでそういう段階を踏んで、年内に間に合うとお考えですか。

(外務大臣)基本的な方向性を年内に決めたいと思っていますが、それは結果的に間に合わないかもしれません。

(琉球新報 仲井間記者)普天間についてですが、先ほど大臣は最終決定するときは、県や県民が受入れ可能なものというのは当然のことだというのは、当然のことだという発言をされていましたが、沖縄県や県民が受け入れ可能かどうかというのを伺うということは、辺野古を見直した結果のある案があったとして、それは結局、沖縄県民に判断を尋ねるということは、県内での移設ということに理解できるが、県外、国外への検討はされないということでしょうか。

(外務大臣)いや、そういうことを言っている訳ではありません。ですから、普天間をどこかへ移すということによって雇用が失われているという面も、当然出ますよね。ですから、沖縄の中にもいろんな声が当然あると思いますから、その沖縄の皆さんが、ある程度納得、理解できるそういうものを目指していかなければいけないというふうに申し上げた訳です。

(琉球新報 仲井間記者)県外、国外を目指すというお気持は変わりないのでしょうか。

(外務大臣)私はその点については、三党合意に書いた以上のことを申し上げるつもりはありません。

(NHK 別府記者)先ほどの普天間の話ですが、まず検証を行うと、これは日米で行われているということを理解しているのですが、見直し作業に入っていくというのは、相手がいるということだと思うんですよね。それで、そのことについては、日米間で合意ができているのか、あるいは、むしろ、正確には検証作業を日米で終えた後、日本側としては見直し作業に入っていきたい、あるいは、入っていくことをアメリカにその場で提起していくのだという段階を踏んでいくのでしょうか。

(外務大臣)これは全て検証の結果次第です。検証の結果納得できるものであれば、それはそれで、そこで終ってしまうということは論理的にはあるわけだから、今は余り憶測を呼ぶようなことは言いません。現時点は検証作業だということです。

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ゲイツ米国防長官の訪日

(朝日新聞 鵜飼記者)本日、ゲイツ国防長官が来日されますが、米国サイドから現行計画の普天間の移設先について、現行計画の沖合い移動だったらいいのだけれど、大幅な変更は受け入れられないという立場を示されていますが、これについて大臣はどのようにお考えでしょうか。本日のゲイツ国防長官との会談の中でどのような問題提起をなされるおつもりでしょうか。

(外務大臣)会談の中身についてはコメントするつもりはありません。ゲイツ長官がどう言われたかについては、いろんな意見があります。かなり何回も質問されて、その末に答えたという話もありますし、現状がよく把握できておりませんので、私(大臣)はゲイツ長官の公に向かっての発言についてコメントするつもりもございません。

(NHK 岡崎記者)ゲイツ長官との会談の中で、大臣が先般仰っていた、次の国会で給油を延長するための法案は出せないという状況になっているということを説明される予定でしょうか。

(外務大臣)個別の会談について、今は皆様に言うつもりはございません。

(朝日新聞 五十嵐記者)先程岡田大臣は、北沢防衛大臣と官房長官と官邸で協議を何がしかなされたとのことですが、ゲイツ米国防長官の来日に絡んでの協議なのか、差し支えのない範囲でどのような話だったのかをお聞かせ願いたいのですが。

(外務大臣)ゲイツ長官が来日されますので、会うのは私(大臣)と北沢防衛大臣と総理ですから、お互いがきちんと意志疎通をよくしてやらないといけないということで、少し意見交換をさせて頂きました。内容はお話しできません。

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外交文書の情報公開

(フリーランス 岩上記者)大臣は核の「密約」問題など、過去の情報公開に熱心に取り組まれると仰っておりますけれども、日朝間の拉致問題に関しての交渉の経緯と、これについて情報を公開されるご予定、或いはお考えはあるでしょうか。特に2002年の小泉総理訪朝、この際に最初のボタンの掛け違いなのか分かりませんけれども、拉致問題の解決ではなくて安否、消息を明らかにした段階で100億ドルのお金を支払う、経済協力をするというようなことを約束したという話が伝わっています。昨年の段階でも家族会のシンポジウムで脱北者の張哲賢(チョウテツケン)さんという方が来日されまして、その場でそういった話があるという証言をされております。ボタンの掛け違いがもしあったら、膠着の一つの原因になっているのかも知れませんので、政権が変わったというとでこういうことが明らかになるかどうか、お考えをお示し頂きたいと思います。

(外務大臣)いろいろな噂は飛ぶのだと思いますが、それがどれだけ根拠があるのかということはあります。その脱北者の方が政権中枢で小泉元総理と金正日総書記の会見の場にいたのなら別ですけれども、噂が噂をということで、それをいちいち私は取り上げる積もりはありません。情報公開については、基本的には密約の問題について、これは1950年代から1960年代の問題ですから、そのことについて精査をしている訳です。その上で「密約」があるかないかということを明らかにしたいと思っています 一般的に外務省のルールは確か30年経過すれば原則公開です。しかし、その原則公開のルールがかなり制限的に運用されているという問題はあると思います。30年以内の物については一般の情報公開法に基づいて求めがあれば適を判断して出しますが、基本的にはやはり相手方もある話であり、外交上の信頼関係もありますから、30年以内の物では出せない物もかなりあるということはやむを得ないと思っています。

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対北朝鮮政策(貨物検査法等)

(産経新聞 笠原記者)貨物検査法案で改めて大臣のお考えをお聞きしたいのと、政府内でなかなか意見が纏まってないような印象があるのですが、臨時国会招集まであと一週間と迫っている中でどのように政府内の調整を進めていくのか、この二点についてお聞かせ下さい。

(外務大臣)私は外務大臣として、(国連)安保理決議で約束されたことを実施するための法案ですから、速やかにこれを成立させたいと思っております。ただ、官房長官に申し上げていることはこの場で以前も申し上げましたが、次の国会でどれだけの法律をあげるのかということは、それは大きな政治判断なので最終的には官邸にお任せをするということを申し上げております。ただ我々としては早く成立させる必要があるということです。一部に、今は北朝鮮が少し軟化の兆しがあるので先送りにしたらどうだという議論もあるように聞いていますが、外務省としてはそれは違うと、これは(国連安保理で)決まったことを実現するだけのことですので、軟化しているかどうかわかりませんが、北朝鮮の今の態度を見て次に送るという選択は理由としては違っているのではないかということは申し上げています。

(NHK 山口記者)日本外交はこれまで、非核化に取り組んできたのですが、なかなかそれが実現しておりません。大臣はその理由をどのようにお考えでしょうか。

(外務大臣)なかなか難しい質問ですが、相手がどう考えているかということを想像する訳ですから、外務大臣としてあまり軽率にものが言えません。ブッシュ政権の時には体制を変えるのだということも声高に言われた議題もあります。そういうことであれば、これは交渉ということにはならない訳で、やはり北朝鮮に対して核の放棄をすれば基本的に国際社会の中で受け入れると、勿論日本の場合には核だけじゃなくて、ミサイルもありますし、拉致もありますが、そういうことであればそれなりの見返りはあるということをきちんとメッセージとして伝えながらやっていかなければいけないと思います。もう一つは、ブッシュ政権が変わる間際だったり、そういうことはあったと思います。そういう意味では、それまでは待つ価値が北側にあったと思います。オバマ政権が成立して、そして様々な健康問題も伝えられる中で、今、時間との競争になっているのは北の方だと思っておりますので、私は焦らずどっしりと構えて交渉していけばいいと思っています。

(NHK 山口記者)今まで、ややもすると日米の連携が今ひとつというところがあったと思うのですが、オバマ政権とはどのように手を携えてやっていこうとお考えでしょうか。

(外務大臣)これは、米朝協議の話が出てますけれども、あれは六カ国協議の枠内であればかまわないということを言っています。米国からも北に関しての様々な情報が伝えられていますし、コミュニケーションは非常にとれています。したがって、コミュニケーションが欠けて、北の思うツボといいますか、米国と日本をそれぞれマニプレイトするということには絶対にならないようにしたいと思いますし、現時点では非常によくコミュニケーションがとれていると思っています。

(共同通信 斎藤記者)北朝鮮貨物検査関連について、一つ質問させて頂きます。この関連法案が、早期に成立しない場合、そして早期に貨物検査が実施できない場合、日本、アジア、そして国際社会にどのような不利益があるとお考えでしょうか。

(外務大臣)具体的な問題というよりも姿勢の問題として、やはり(国連)安保理で日本もかなり中心的な役割を果たして決めたことですから、それが実施できない状況にあるということは望ましくない状況であるということは間違いないことです。

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アジア太平洋経済協力会議(APEC)

(シンガポール・プレス フー記者)岡田さんが大臣になる前にシンガポールにいらして、シンガポールの外務大臣とも会いました。我々としては、来月のシンガポールAPECを重視していると受け止めていますが、日本としては来年が議長国ですので、再来年は米国が議長国で、日米の間に何かできることとか、来年の議長国としての狙いは何でしょうか。

(外務大臣)先日、東京でシンガポールの首相にお会いした時に、是非APECの議長としての経験を次の議長国である日本に伝えてもらいたいということをお願い致しました。今年はシンガポール、来年は日本、再来年は米国ということですから、この間にAPECの場でいろいろなことができるだろうと思っています。そのためにも連携をよくしていかなければいけないと感じています。

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アフガニスタン支援

(テレビ朝日 新堀記者)昨日、外務副大臣の福山さんが、講演それから記者会見でもおっしゃていたんですけれども、アフガンの支援に関して、防衛省とも検討を一緒にしているというふうなことをおっしゃっていたんですけれども、これは先ほどの単純延長の話もそうですけれども、給油の再開ということも含めて、防衛省あるいは自衛隊が関わるような支援というようなことも今後視野に入ってくると考えていいんでしょうか。大臣の考えをお聞かせ下さい。

(外務大臣)アフガニスタン支援の問題は、外務省だけではなくて、防衛省も一緒に検討しております。そのことをもって、自衛隊が具体的にかかわるかどうかと、そこまで読むとしたら読み過ぎだと私は思います。

(テレビ朝日 新堀記者)具体的な検討は始めているのでしょうか。

(外務大臣)おりません。

(北海道新聞 佐藤記者)アフガン支援について、先ほどちょっとお話が出ましたけれども、北沢大臣が民生支援だけで十分だと思えないとの趣旨の発言をされて、「自衛隊の活用について個人的に検討をしたい」旨のことを表明されていますけれども、大臣は以前、テレビ番組ですとか、G8外相会合等で、自衛隊の派遣については否定的というか消極的、いろいろ難しいというような発言をされていますが、現時点で給油を別とした活動に自衛隊を派遣することついて、大臣のお考えはどうでしょうか。

(外務大臣)具体的な案を北沢さん、あるいは、防衛省からお聞きしたことはありません。

(北海道新聞 佐藤記者)大臣個人としては自衛隊の派遣というのは、選択肢としてはあり得るとお考えで しょうか。

(外務大臣)今、具体的なものはありません。

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ハーグ条約

(毎日新聞 工藤記者)ハーグ条約の子の人権の問題のことですが、子供を連れ去ったり、連れ去られたりする例というのはあるのではないかと言われていますが、まだ実態については分かっていない状態だと思います。当事者にお伺いしますと、在外公館とか外務省に再三相談しているが、ほとんどまともに対応してもらえなかったということを言う方がいますが、そういったことも踏まえて、そういった機関等を利用して実態等を調べるお考えがあるのかどうかを教えて下さい。また、もしされるのであれば、具体的にどのような方向になるのか教えて下さい。

(外務大臣)国によりますが、ハーグ条約に加盟している国であれば、日本に連れて帰れば、それは違法ということになります。それは大使館が関与したとしても変わりません。それが法律です。

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ODAの実施方針

(日本インターネット新聞社・田中記者)ODAについてお伺いいたします。あえて国名はあげませんが、ノーベル平和賞受賞者を軟禁、或いは拘禁して、核開発疑惑がもたれている国だとか、少数民族タミール人を25万人も難民キャンプと称する強制収容所に入れている国において、日本が最大のODA供与国なのですが、これを見直すとかいうおつもりはございませんでしょうか。

(外務大臣)それぞれの状況を踏まえなければいけませんが、例えば後で仰ったのはスリランカの話だと思いますが、もちろんそのスリランカの和平について途中はいろいろありましたが、現時点で避難民はたくさん発生していますが、それを早く帰さなくてはいけないということはありますけれども、日本がこの間にとってきた明石さんを中心とする調停行動というのは、私は意味があったと思っております。
 そして、ようやくそういう意味でひとつの結論が出たわけですから、これからそういった難民を支援するということも含めて、日本が経済協力をしていくということは私は必要なことだと思っております。
 個々の国々の案件について 再検証は不断にしていかなくてはなりませんが、なんと言いますか、スリランカのことを仰ったですけれども、もちろん今までやってきたことが全て正しいとは言いませんが、それぞれ必要性をわきまえてやってきていますので、一概に見直すというつもりはありません。

(日本インターネット新聞社 田中記者) ミャンマーはいかがでしょうか。

(外務大臣)ミャンマーに関して言うと、日本はインフラに対する支援等はやっていないわけです。欧米はいろいろと批判していますけれども、基本的にはNGOを通じた民生支援ということで日本は進めております。そして、欧米はミャンマー政権に対して非常に厳しく批判をしてきましたが、ここに来てアメリカを始め、だいぶトーンが変わってきました。むしろ日本のやり方に近づいてきたと私は理解をしてます。つまり、追い込んでいくだけではなくて、そこに対話というものの意図を繋いでいくというのは必要なことで、私(大臣)は、ミャンマーについて日本が粘り強くやってきたことが一つの成果を出したというように思っています。

(日本インターネット新聞社 田中記者) スリランカでは民家に泊まりながらずっと取材を続けてきたのですが、決して日本のODAは、要するに少数民族の役に立っていません。日本のゼネコンだとか、特定の人しか儲けないようになっているのですが。

(外務大臣) いろんな見方があると思いますが、もちろんODAについて今までのものが是とされるわけではありませんから、不断の見直しが必要だと思っています。

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北方領土問題

(北海道新聞 佐藤記者)北方領土問題についてお聞きします。先日、前原沖縄北方担当大臣が、根室から北方領土視察された際に不法占拠が続いているという発言をされて、それに対してロシアの外務省が批判する声明を出しました。外交を所管する大臣として前原担当大臣の御発言、或いはいロシア外務省対応についてどのように受け止めていらっしゃいますか。

(外務大臣)これは非常に微妙な問題です。もちろん、我々は日本の領土であると、日本に法的根拠があるということで返還を主張しているということです。ただ、ロシアから見るとそうは思っていないわけで、そういう意味で見解が異なるのはやむを得ないことだというように思います。後は そのことをどのくらい強く言うかという問題です。私は外交の責任者ですから、そこのところは交渉を進めるために何が必要かということを考えながら、進めて行きたいと思います。

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核不拡散・核軍縮に関する国際委員会

(毎日新聞 須藤記者)川口・エバンズ委員会の件なのですけれども、核先制不使用の件なのですが、委員会の中でもですね、先制不使用については、2つ意見が主にあって、ひとつは短期目標の中で最大の核保有国である米国にきちんと先制不使用を宣言してもらうべきだという意見もありますし、25年という長い目標を目処に、全ての核保有国に先制不使用してもらうことを求めるという2つの考え方があると思いますが、大臣として、これは言葉は似ているようですけれども、2つの実際に起きる効果は大分異なってくるわけで、大臣に就任される前はきちんと米国に言うべきだということをおっしゃられていた気がするのですけれども、今現在の立場として、そのあたりを正確におっしゃられるとしたら、どういうふうになりますでしょうか。

(外務大臣)まず私(大臣)が主張してきたことは、米国にいうべきだという主張ではありません。私(大臣)が言ってきたことは核の先制不使用ということについて、それを一つの規範にすべきだと、別に米国だけではありません。核保有国に対してそれを求めていくということと、それから米国に対して、核の先制不使用宣言をしないでくれと日本が頼むようなことはいかがなことかということを、私(大臣)は大臣になる前に言ってきたということです。そして、川口・エバンズ委員会の問題はまだ報告書が途中の段階ですから、今、おっしゃったことが正しい報告書の読み方かどうかも含めて、私が今コメントすることは適切ではないというふうに思っております。川口・エバンズ委員会に関して私が申し上げてきたことは、これは政府の委員会ではないと、第三者が作ってきた委員会だと。従って、政府の見解から離れて議論をしてもらいたいと、そのことは川口さんに申し上げました。外務省として干渉はしませんと。自分の意志で議論に参加してもらいたいし、取りまとめもしてもらいたいということを申し上げたところでございます。それから、もう一つはこの前、私が主催の夕食会がありましたが、その時に皆様に申し上げたことは、今の政府と比べて2歩3歩先を行くような、そういう内容のものにしていただきたいと。各国政府が考えていることと同じことであれば、それはあまり意味がないと思うと申し上げました。それが全てです。

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その他

(フリーランス 岩上記者)提案というかお願いがあります。この記者会見録が外務省のウェブ・サイトで全文起こしが上がっているのですけれども、質問者がどなたか分からないような形になっています。今までの慣例があるのだと思いますが、どこの誰が質問しているのか分からないのではなく、やはり、名乗りたくない人もいるかもしれないのでしょうから、その場合は選択制にでもして頂いて、どこの誰が質問しているかを明示してそれで記録に残していただけるようにして頂けないかと思います。

(外務大臣)それは、質問自身も本来オープンなはずですから、当然どこの社の誰がどのような質問をしたかということはオープンにすべきだと思います。

(日刊スポーツ 中野記者)柔らかい質問で恐縮なのですが、明日からプロ野球のクライマックスシーズンの第二ステージが始まりますが 楽天ファンとして大臣からどんな戦いを期待されているかということと、今後、日本シリーズも含め、もし進出した場合に応援に行かれるような予定はあるのか、また野村監督が今期限りで勇退されますが、監督にもちょっと一言お願いします。

(外務大臣)私(大臣)は、あまり野球詳しくないのでよく分かりません。三本柱もありますし、しっかりと投手を中心に頑張ってもらいたいと思います。切符がありませんので、見に行く予定はありません。

(日刊スポーツ 中野記者)野村監督に一言。

(外務大臣)あれ(契約問題)は結論がでましたから、本当にご苦労さまでしたと、よくここまで楽天を立派なチームにしたと、そのことは敬意を表したいと思います。私は、来年も楽天ファンかどうかわかりません。毎年春に決めますから。

(女性自身 大森記者)ちょっとすみません。一般的な質問になってしまうのかもしれないんですが、大臣が以前会見の中で、英語力を勉強されるためにカセットテープを使われているとおっしゃってたと思うんですが、それは因みにどんな種類のどなたかの演説集なのか、海外のニュースなのかということと、その後に外国に行かれる機会もあって英語を使われる機会もあったと思うんですが、そこでその勉強の成果はどのように出でられたのか、あるいは、不足されていると思ったら、どのような場面で出られたのか。

(外務大臣)まず、外務大臣になってから英語はあちこちで聞く機会がありますので、テープを聞く気がなかなか起こらなくて、暫くさぼっているということを申し上げておかなければなりません。もう少し努力が必要ですね、全体に。

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外務大臣会見記録(平成21年10月16日(金曜日)15時50分~ 於:本省会見室)

冒頭発言

(1)スーダン共和国における選挙プロセスに対する無償資金協力

(外務大臣)まず私(大臣)の方から二点だけ申し上げます。第一点目は、本日の閣議において申し上げたことですが、スーダン共和国における選挙プロセスに対する無償資金協力についてです。来年4月にスーダン共和国において行われる総選挙の実施を支援するため、国連開発計画(UNDP)を通じて、約1000万ドル(10億3千万円)の支援を実施するということを閣議で発言させて頂きました。これは我が国によるアフリカにおける選挙支援としてはこれまでで最大規模のものです。
 スーダンは南北和平合意の履行、極めて重要な段階に入りつつありますので、我が国はこれまでも同和平合意の着実な履行のために、積極的な役割を果たしてきましたが、今回の選挙支援もその一環です。

(2)政務三役会議

(外務大臣)もう一点は政務三役会議が本日行われましたので、そのポイントだけお話をしたいと思います。先ず私(大臣)からこの間、日中韓首脳会議、或いはその間行われた私(大臣)と中国側とのバイの会談、アフガニスタン・パキスタン・インドネシアへの訪問について報告をしました。それから、本日の閣議の私(大臣)の発言として、概算要求の取りまとめをした訳ですが、公務員人件費の抑制についてはやはり、内閣としての統一ポジションを出して欲しい。人数の問題、或いは一人あたりの人件費の問題ということを発言致しましたので、仙谷大臣の方でお答えをいただいた訳ですけれども、そのことも合わせて三役会議で報告をしました。
 武正副大臣の方からは、日曜日にキャンベル国務次官補と会談をしたその結果を、それから福山副大臣からは政策会議、或いは温暖化中期目標達成チーム、補正予算の報告を頂きました。その中で私(大臣)の方から武正副大臣に対して、概算要求は取りまとめした訳ですが、今後の課題として在外勤務手当、或いは国際交流基金を始めとする外務省の関連団体について更に精査をするようにと指示を致しました。それから、来週19日月曜日に、外務省内では初めてですが、第四回外務省政策会議を開催をすることに致しました。
 本日の閣議決定で設置されました緊急雇用対策本部の事務局員、各省副大臣か政務官となっておりますが、西村政務官を任命致しました。

(3)福山副大臣の訪米

(外務大臣)福山副大臣が10月20日(火曜日)から23日(金曜日)までの日程で、環境・気候変動分野の関係者と意見交換を行うため、米国ワシントンDCを訪問する予定です。 ワシントンDCにおいては、トッド・スターン気候変動特使、あるいは議会関係者など要人との意見交換を行う予定です。

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核不拡散・核軍縮に関する国際委員会

(問)先程、川口順子元外務大臣とエバンズ元豪外相とお会いになったと思いますが、エバンズさんの方から核の先制不使用宣言について提言があったと思うのですが、岡田大臣は幹事長時代に米国に対して核の先制不使用を呼びかけるべきだという考え方を表明されておりましたけれども、先ず一点は川口さんとエバンズさんとの会談の中で、それについてどのようなやりとりがあったのか、岡田大臣の方から申し上げたのかというのが一点です。もしなかったとすれば、今の岡田大臣としての立場で核の先制不使用を、米国が宣言するということについてどのようなお考えをお持ちなのか、この二点をお話しください。

(外務大臣)「核不拡散・核軍縮に関する国際委員会」の最終的な報告書が、どのような形になるか決まっておりませんが、私(大臣)の理解するところ、第一段階、第二段階に分けて、第一段階としては核を持たない国に対する核使用ということに対して一定のたがをはめていこうということだと理解をしております。第二段階で先制不使用とステップを踏んでやっていこうと、基本的にはそのような考え方だと理解をしております。私(大臣)からはこの問題について、従来から核の非保有国に対する核の使用の問題でありますとか、核の先制不使用の問題でありますとか、このような問題は従来から私(大臣)は関心持ってきたということを申し上げました。エバンズさんもよくご存知な訳ですけれども、その上で今後政府として、或いは外務省としてこの問題について更に議論をしていきたい。何れにしても、今回の報告書は政府を離れて提出されるものなので、是非一歩二歩先を行く積極的なものを出してもらいたいと申し上げました。本日は核の先制不使用について申し上げなかったのですが、核を保有しない国に対する核使用というのは倫理的にも、或いは将来核のない社会を目指していこうという考え方からいっても、個人的には核の非保有国に対して核を使用しないというのは個人的には当然のことと思うと申し上げました。

(問)今の段階で、核の先制不使用についてはどのようなお考えなのかについては話されなかったのでしょうか。

(外務大臣)ステップを踏んでいく話なので、本日、私(大臣)が核の先制不使用について外務大臣として申し上げることは特にありません。中でよく議論をしている段階です。

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国連平和維持活動(PKO)

(問)国連PKOについてお伺いしたいのですが、月曜日から幹部要員の養成コースというのを日米共同で外務省で開催されると思いますが、これはシーアイランド・サミットで決めたものであるということですが、民主党もPKOについて積極姿勢をマニフェストで出しているのですが、岡田大臣としてPKO参加についてどのようにお考えでしょうか。

(外務大臣)現状を言えばかなり残念な状況です。PKO法を作った時から見ても、カンボジアのPKOではかなり成功を収めたと私(大臣)は思いますが、現状は人数も非常に少なくなっておりますし、もう少し積極的に日本も参加をするという方向に持っていくべきではないかと思っています。

(問)先程PKOの話が出ましたので、その関連です。スーダンの選挙支援もお金ということで、ダルフールにおける人道危機においても、司令部や首都には数人いますけれども、結局日本はPKOを派遣していません。今後スーダンの選挙支援活動で、例えば選挙監視団等を派遣するお考えがあるのかと、国連で、アフガニスタンでPKOではありませんが、ISAF(アフガン国際治安支援部隊)というのは、「不朽の自由作戦」とは異なって、国連の安保理決議に基づいた平和維持に近い活動をしていますが、そちらへの人的支援というのは非常に難しいというお考えをされているようにTV等で聞いていますが、何故アフガニスタンには陸上自衛隊も含めて人的貢献をすることは難しいとお考えなのでしょうか。

(外務大臣)ISAFというのは、それほど従来のPKOと変わらないような活動をしているというご認識でしょうか。かなり亡くなる人も出るという状況で、私(大臣)はかなり踏み込んだ活動をしていると思うのですが。

(問)勿論、PKOにもいろいろな種類があると思いますが、PKOの中でコンゴなどではたくさんの隊員が死んでるようなPKO活動も行われております。

(外務大臣)先ず、PKOの定義を議論した上で、議論した方がよいと思います。私(大臣)の言っているPKOは日本のPKO法に基づくPKOです。ISAFの活動はそれに当てはまるとはとても思いません。

(問)ISAFへの日本の派遣が難しいのは危険だからということでしょうか。

(外務大臣)法律がありません。PKO五原則に当てはまるとお考えなのでしょうか。

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アフガニスタン支援

(問)アフガン訪問についてお伺いします。大臣がご提案された職業訓練は、2003年の国連のDDRで一度失敗をしています。にも関わらずもう一度それをご提案されたということはどういうことでしょうか。仮に国連のDDRは失敗ではなかったという認識が仮に大臣になかったにしても、先週末、大臣の出発直前に専門家が外務省に来て、「今となっては職業訓練は遅すぎた」と忠告しているはずなのですが、それにも関わらず、ご提案された理由をお願いします。

(外務大臣)遅すぎたと言われた方がどのような立場の方で、どういう理由で言われたのか私(大臣)は承知しておりません。やはりアフガニスタンで武力でもってタリバンと対峙するだけではなくて、専門性を身につけて、職業に就ける仕組みを作るということはかなり意味のあることだと思っていますので、提案させて頂きました。

(問)アフガン支援の具体策の肉付けのスケジュール感覚ですが、オバマ大統領が来月に来日しますが、そういうものをにらんで具体化していくというスケジュール感覚でよろしいのでしょうか。

(外務大臣)なるべくそうしたいと思います。他方、日本だけで作る訳ではありませんので、相手の感触も踏まえながらやっていかなければなりませんので、どこまで詰められるかという問題もありますが、オバマ大統領の訪日に合わせて作る訳ではありませんが、その時に有益な意見交換ができるようなある程度纏まったものにしておきたいと思っております。

(問)アフガンの支援策について、来月のオバマ大統領の訪日までにはある程度の具体策をとりたいということですけれども、今カルザイ大統領にご提案された、元タリバン兵士の職業訓練プログラムについては日本政府としてはほぼ行っていくという方針で検討されているのでしょうか。もう一点、今月にゲイツ米国防長官がいらっしゃいますけれども、ここではインド洋での給油活動をどうするかということもテーマになろうかと思いますが、大臣はそこでも1月15日で一旦撤退させると、給油活動をストップさせるということをお伝えするご予定でしょうか。

(外務大臣)前者は相手もある話ですので、どこまで話が煮詰まるかということはまだ現時点では申し上げられない状況です。2番目の話は、いろいろな報道があるのですが、私(大臣)がパキスタンで記者の皆さんから質問を受けて申し上げたことは「単純延長はないと言う方針は全く変わってない」ということを申し上げた上で、しかし、「次の国会に法案を出すということはなかなか難しい状況だと認識している」と、それ以上のことは言っておりませんので、今ご質問の前提となったことも含めてお答えするつもりはありません。「単純延長はしない。次の国会に(法案を)出すのは難しい」この二つだけを申し上げておきたいと思います。これ以上のことは私(大臣)は言っておりませんし、いろんな記事や社説を想像力逞しくして書かれた新聞社もありますけれども、私(大臣)が言ったのはこの二つだけです。

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東アジア共同体

(問)キャンベル国務次官補が北京で東アジア共同体に関して「米国は外されるべきではない」というコメントをされたのですが、大臣のお考えをお願いします。

(外務大臣)いろいろな議論がありますが、東アジア共同体で固まったものがある訳ではありません。将来のビジョン的な考え方でありますので、あまり国(名)を固定的に言う必要は必ずしもないのかもしれませんが、米国の心配は私(大臣)にはやや杞憂にすぎないと思います。例えばAPECもある訳ですし、いろんな形で或いは日米同盟もあるわけですから、今の段階で米国が入っているか入ってないのかということを心配するのは過剰なような気が致します。

(問)具体的な構想を発表する目安はあるのでしょうか。

(外務大臣)具体的にいろいろな協力を積み上げていく中で出来上がっていくものですから、最初からあまり固定的なものを作る必要がないと思います。例えば、今のEUが最初にスタートした時に今のEUの姿を想像した、或いはそれが先ずあって、それを目指していくということになった訳ではありません。個々に協力して行く中で出来上がってきたものなので、メディアの中でも具体性が乏しいとか、もっとはっきりさせろという声もありますが、それは一つのやり方かもしれませんが、これだけ大きく変わっている状況の中であまり固定的な絵は書かない方がいいと私(大臣)は思っています。

(問)東アジア共同体についてですが、先週末の日中韓首脳会議の共同声明で、三カ国の安全保障の対応を強化して防衛当局者の交流を強化するいう文言が盛り込まれていますが、おそらく二国間で防衛の関係を強化するというのはこれまでもあると思いますが、三カ国で強化するというのは初めてではないかと思われるのですが、東アジア共同体について、経済だけでなく安全保障についても地域の安全保障というのを想定されているのかどうかについてお願いします。

(外務大臣)対話をするということですから、そのこと自身は今の二国間でやっていることを3カ国やるということなので、何か今までと全く違うことをやる訳ではありません。

(問)東アジア共同体について、経済協力だけでなく安全保障についても東アジアでの独自の安全保障というのを将来的にはするということですか。

(外務大臣)お互いに意思疎通を良くするというレベルでは可能だと思いますが、何かNATOのような条約を作るとか、そういうことは現状では非常に考えにくいことだと思います。

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国連での核軍縮決議

(問)日本が国連総会に提出した核軍縮決議に米国が初めて共同提案国として加わりました。また同時に核保有量を2012年までに2001年水準で半減させることも政府の代表が述べました。このようなオバマ政権の核軍縮への積極性について改めてどのように評価されるのかをお聞かせ願いたいのと、米国が加わった軍縮の決議について、各国に与える影響についてどのような期待を持っているのかお聞かせください。

(外務大臣)米国が半減させるというのは規定路線の中で言われたことで、何か新しい話が必ずしもある訳ではないと認識をしております。日本提案の決議案に賛成をして加わって頂けたことは、今までにそうではなかった訳ですから、意味のあることだと思っています。何れにしても、オバマ大統領のプラハ演説以降、核のない世界に向かって協力していこうという雰囲気が出ておりますので、今回のこの決議の件もこの大きな流れを更に強くしていく役割は果たせたのではないかと思います。

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北朝鮮問題(貨物検査法、拉致問題)

(問)北朝鮮問題ですが、鳩山政権は貨物検査法案について、北朝鮮の情勢を見極める必要があるということで臨時国会に提出しないということですが、大臣はこれまで核、拉致、ミサイル問題に前進がなければしっかりとした制裁を続けていくべきだというお考えでしたが、今はどのようにお考えでしょうか。

(外務大臣)この件では官房長官と話をしました。伝えられているような、北朝鮮が今融和的な態度を見せるかもしれないからという理由は外務省としては「ノー」だと、これは国連で決まったことを実施することに過ぎないので、それ以前の問題として考えてもらいたいと申し上げました。最終的には官邸の判断でこの法案を今国会で先送りするといういうことは官邸の判断として尊重されるべきだと思いますが、理由として今の北朝鮮が云々という理由をあげるのはやめてもらいたいと申し上げました。

(問)前政権では全閣僚が出席されていた拉致対策本部ですけれども、先日の閣議で外務大臣を含む4人の大臣に改組されたということですが、この改組の狙いと、今後拉致問題の解決に向けてどういったことが期待できるかということと、中井大臣が訪韓するという話がありますが、どういった前進に向けた話し合いができるのか、どういったことを期待されるのかをお聞かせください。

(外務大臣)中井大臣(国家公安委員長)は積極的に動かれていますし、拉致対策本部の構成もよりコンパクトで自主的な議論をできるようにしようとご提案されましたので、私(大臣)も了承をさせて頂きました。韓国に行かれていろいろな関係者と意見交換をされて、拉致問題の解決に少しでも前進が見られるのであれば、それは非常に幸いなことだと思います。何れにしても中井大臣には少しでも前進できるように是非頑張って頂きたいし、外務省としても私(大臣)としても、それに対して協力していきたいと思っています。

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和歌山県太地町のイルカ漁

(問)和歌山県太地町のイルカ猟についてお伺いしたいのですが、大臣は「The Cove」という映画をご覧になったかどうかというのを聞きたかったのです。ご存じだと思いますが、今話題になっており、今度は来週にも東京国際映画祭で上映することになっていますし、外国では、特にヨーロッパでは日本の評判が少し悪くなっていますが、それについて、大臣は個人的、私(大臣)的意見は持っていますか。

(外務大臣)まず映画そのものは見ていませんけれども、若干事実と違う所も散見されるようですので、東京国際映画祭で上映されるということであれば、その後に何か意見を申し上げることはあるかもしれません。現時点ではまだ決めていません。それから中身も私(大臣)は承知していませんが、いろんな議論があると思います。それぞれの国の文化ということもやはり考えて頂かないといけないと思います。国によって様々なものが食糧になる訳で、日本の中の一部の地域ですけれども、イルカを食べるという習慣があるということそのものを批判されるとしたら、それはもう少し多様な文化があるということも理解して貰いたいと思っています。鯨と共通した議論があると思います。

(問)では例えばイタリアでは、マタンサというマグロ漁のやり方が同じになりますが、食文化であれば、マグロとイルカは別に違わないという意見ですか。

(外務大臣)いや。ですから、いろんな国にいろんな文化があるということです。そういうことはある程度尊重されるべきだと私(大臣)は思います。

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大臣就任1ヶ月後の印象

(問)鳩山政権成立から1ヶ月が経ちます。この1ヶ月のご自分の仕事ぶりだとかいろんなものを振り返られて、どのような感想をお持ちでしょうか。

(外務大臣)あっという間に1ヶ月経ったのか、もうそんなに経ったのかという思いです。日本にいることも少なかったので余計そう思うのかもしれません。やるべき事は沢山ありますので、当面、全力でしっかりとやっていきたいと思います。今日までは自分なりには全力でやってきたつもりですが、足らなかった所が沢山あるのだろうと思います。

(問)大臣に就任される前とされた後での印象の違いだとか、新たな発見だとか、そういったものは何かありましたでしょうか。

(外務大臣)少し海外に行くことが思っていたより多いなという、つまり、こちらにいることが少ないという印象はあります。

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ハーグ条約

(問)国際的な子供の奪取、連れ去りに関するハーグ条約について、福岡でアメリカ人男性が拘束されたという事件もありまして、国際的に日本も加盟をしてもらいたいという声が高まっていますが、大臣のご見解を教えて下さい。

(外務大臣)今、ハーグ条約については検討中です。日本も同じような立場に立つ事もこれから増えて来るだろうと思います。今問題になっているのは、多くは国際結婚したカップルが破綻して、そして日本人女性が日本に子供を連れて帰ってくる、その事が問題になってしまうということですが、これからは同じようなケースで子供が日本からいなくなってしまう、親の片方が取り残されてしまうと、アクセスもできないというようなことが、これから増えて来る可能性もあります。しかし一方で、子供を育てるということについて国毎のいろんな事情もありますので、そういうことも含めて、どうすべきかということを今検討している状況です。

(問)ハーグ条約についてもう少しお聞かせ下さい。鳩山総理が政権をとられる前の7月の段階でこの条約の加盟に関して積極的な発言をされていますが、新政権として検討中というのは前向きに検討中という理解でよろしいでしょうか。

(外務大臣)私(大臣)の思いとしては 前向きに検討したいと思っています。ただ、日本全体の受け止め方かどうかということもあると思います。例えば、アジアの国々がこの条約に加盟していない中で、日本が加盟した時に世論がどう受け止めるかということもあると思います。逆に日本が加盟することでアジアの国々も加盟することに繋がるという見方もあると思います。そういった事も含めて、先ずしっかり政治レベルで議論していきたいと思っています。

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会見のオープン化

(問)内閣発足から1ヶ月ということで、9月18日にオープン化された最初の会見で、私が大臣に他省庁の大臣会見がオープンにされていないことについての見解を伺ったところ、大臣は「私(大臣)が全ての省庁の大臣になればオープンになるのではないか。」とにこやかに仰っていましたが、同時に、「この取り組みで問題がなければ、他省庁にも広がっていくのでは。」とも仰っていました。実際に1ヶ月間オープンにしてみて、何か問題を感じてらっしゃる所はございますでしょうか。

(外務大臣)私(大臣)自身は感じておりません。ただ、日本にいなくてやっていないこともありますから。まだ4回目くらいではないですか? もう少し試運転をした上で、例えば副大臣会見を話題にするとか、いろいろな事が考えられると思います。

(問)他省庁に広がっていないというのは、まだ大臣の発信力が弱いということですか。

(外務大臣)他省庁に特に今話をしているということはありません。もう少し試運転をした上で、そういうことも場合によっては必要かと思います。

(問)海外の取材に関して、(フリーランスの)私がコペンハーゲンで開かれた先般のIOC総会で、そこに申し込んで出席して取材をしたのですが、海外では個人で申し込んでも、国連総会もそうなのですが、取材することは可能なのですが、不思議なことにそこで日本の政治家に接触することはできません。端的に言えば、例えば、岡田外務大臣はずっと外遊に出られていましたが、今後外遊等にフリーランスとか雑誌とか、それからネット、海外メディアが同行して取材することは可能になるのかどうなのかということを現時点でお考えをお聞かせ下さい。

(外務大臣)この前のアフガニスタンの場合は、行くこと自身が極めて秘密といいますか、広がっては困るということでありましたので、特に霞クラブの皆さんも人数を限定して抽選で行ってもらったという現実でした。もう少し一般的に普通に行く場合にどうするかということは、検討課題だろうと思います。あまり増えすぎても困るということもあるかもしれませんが、既に登録されたメンバーに広く声をかけるということは私(大臣)はあってもいいのではないかと思っていますので、少し検討してみたいと思います。

(問)その登録ですが、現時点でこのような形で登録証を下(一階)で入館証を書いて入ることができる訳ですが、非常に煩雑で何度もチェックを受けて、そして下から30分前に集合して囚人のように連れられてくる訳ですが、そのような形だと確かにあまり気分は良くないので、海外のように登録証のパスとか、個人でのセキュリティチェックを受けた人間に対しては徐々に普通の世界のジャーナリズムと同じ形でのオープン化というのを検討して頂くということをあわせてお考え願えればと思うのですが如何でしょうか。

(外務大臣)まだ試行段階ですので、もう少し簡易な手続きで登録された方が一定の期間後に、例えば簡易な手続きで入れるような工夫はしてみたいと思います。

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米軍再編問題

(問)米軍普天間飛行場について、大臣就任から1ヶ月経ったということで改めて伺いたいのですが、就任からこれまで米国との話し合い等を度々されていると思いますが、現時点でこの問題への解決への道筋、感触というのは、どのように受けていらっしゃいますでしょうか。県外・国外を目指すというのはマニフェストには書いていないけれども気持ちとしては変わらないという発言をずっとされてきていますが、それへの思いも含めて伺いたいと思います。

(外務大臣)私(大臣)が申し上げているのは、沖縄の負担を減らすためにはどうしたらよいかという気持ちを常に持ちながらこの問題に取り組んでいるつもりです。そういう中で今やっていることは、過去にどういう経過で現在の案になったのかということを日米双方がそれぞれ検証するという作業を今進めているところです。その検証作業を進めていく中で今の案以外の答えがあるのかないのかということについて、米国側と話をするという機会が来るかもしれませんが、まだそこまで話はいっていません。まずは検証という段階にあります。

(問)普天間問題ですが、オバマ大統領来日の地ならしという意味もあると思いますが、ゲイツ米国防長官が21日及び22日と訪日して岡田外相と会談されると思います。向こうは普天間を含めた米軍再編の話が当然テーマになると思うのですが、日本の政府の中で確固たる具体案がない中で、ゲイツ長官に対してこの問題に対してどのような姿勢で会談に臨まれるのでしょうか。

(外務大臣)日米がそれぞれ検証作業を行っているわけですから、そのことを踏まえながら意見交換をすることになると思っています。

(問)具体案はない訳ですけども、当然、いつまでにとかは議題になるのでしょうか。

(外務大臣)検証作業をやっている最中ですので、先の話にはならないだろうと思います。私(大臣)としては、今のプランを進めていく時にどのような問題があるのかと、また(どのような問題が)あると我々が考えているのかと、例えば政治状況とか、環境問題とか、或いはコストの話とか、そのようなことはきちんと伝えたいと思います。

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日中歴史共同研究

(問)日中歴史共同研究に関してお伺いします。大臣は外国人特派員協会の講演で、将来的には日中韓歴史教科書を作ってもいいのではないかと仰っていたのですが、2006年に始まった日中共同研究は何回か延期されて、最終報告が出されていない状況です。大臣はこの状況をどのように見ていらっしゃって、そして、最終報告を発表できるような時期はいつ頃だとお考えでしょうか。

(外務大臣)これは早く出してもらいたいと思います。中国側にもそういう話は致しました。政府が出すものではなくて学者の研究の成果ですので、発表して困るような話ではないと考えております。ある程度まとまっている訳ですから早く明らかにした方がいいと思っています。中国側にはその旨を、なお働きかけていきたいと思います。

(問)日本側として年内に発表する可能性はあるとお考えでしょうか。

(外務大臣)年内に発表しなければ、むしろおかしいと思います。まとまっている訳ですから。

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国会対応

(問)国会の質問取りのことでお伺いしたいのですけれども、民主党政権になっても従来どおり野党議員から質問を官僚たちに取ってきてもらうことのようですけれども、質問取りをすることで、役所の人たちの労力もかさむし、或いは残業がふえて残業代もかさみ、深夜のタクシー料金もかかってくるような場面が出てくると思いますが、外務省としてはこれは従来通り続けるというお考えでしょうか。それとも、そういうことはもう出来るだけ省力化してその場その場で直球勝負していくというお考えをお持ちでしょうか。

(外務大臣)今議論されているのは、質問取りを役所の人間がするのか、政治家がするのかということだと思います。質問取りそのものをなくすという話はあまりないだろうと思います。あらかじめ、何を聞くかと知らせることで、より深い議論ができる場合もありますので、質問取りそのものがダメだということではないと思います。ただ、そういうことをしないとか、項目しか教えないとか、質問者によって違いますので、そのような考え方については尊重されるべきです。もう一つはあまり遅くならないようにするという、お互い良識をもって進めていくべきだと考えております。政治家がやるのがいいか、役人がやるのがいいかという話は、質問取りですから、私(大臣)はどちらでもいいと思います。但し、政務官がやるとなったら人数が限られてしまうので、逆に遅くなってしまい、深夜残業が増えるという結果にもなりかねないので、私(大臣)は官僚がやっていいのではないかと思います。

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その他

(問)今日はスポーツについてお伺いしたいのですが、楽天についてブログに書かれていたと思いますが、今日からクライマックスシリーズが始まりますが、野村監督に対して何かメッセージをいただけないでしょうか。もう一点は折角クライマックスシリーズまで出たのですが、解任ということで酷いじゃないかという意見もありますが、どう思われますか。

(外務大臣)解任ではなくて、契約期限が切れる訳です。再任しない、再々任しないということだと思います。それぞれの球団には球団のお考えがあると思いますが、私(大臣)も残念に思っている者の一人です。本日は夕食会がありますので、リアルタイムで試合が見れないのは残念に思っています。

(問)野村監督に何かありますか。

(外務大臣)巨人と戦って優勝して下さい。

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外務大臣会見記録(平成21年10月6日(火曜日)15時00分~ 於:本省会見室)

冒頭発言

(1)大臣の中国訪問

(外務大臣)私(大臣)の中国訪問についてですが、10月10日に日中韓首脳会議が北京で行われます。勿論鳩山総理がご出席でありますが、私も同席をさせて頂くということで、出席する予定にしております。さらに、その前にこの機会に中国要人の若干名の方と会談をする予定にしておりますので、私自身は9日に訪中と考えております。

(2)政務三役会議

(外務大臣)政務三役会議の中身につきまして、簡単にご報告したいと思います。大きく分けて三点あります。一つは先般問題になりました、閣議に大臣が出席できない場合の対応について。この点は本日の閣議、或いは閣僚懇談会で話題になった訳ではありませんが、先般松井副長官の方から連絡がありまして、官房長官からということであったのですが、なかなか閣議、或いは懇談会の場に代理の者が出席するということは今迄もあまり例がなく難しい。具体的な議題がある時に出席することは可能であるが、そうでない時に一般的に出席するのは難しいということでありましたので、ご提案として当面、官房長官が私の代理を務めるということでありますので、その官房長官の意を受けて副長官が私に報告をするということで当面やってみようということで合意をしたところです。
 それから、(第二点目は)外務省政策会議につきまして、明日に第1回と第2回を開催するということにいたしました。第1回は全般的な話でありますので、私も出席をして議員の皆様にいろいろ報告をしたいと考えております。第2回については予算の話の中心になりますので、これは副大臣以下で対応をしたいと考えております。
 第三点ですが、来年度予算の概算要求の大枠について議論しました。当初予算と補正予算の関係とかです。ご案内のように外務省はかなり補正で計上するケースが多い訳ですけれども、そのようなものをどうすべきなのか。結論的に言えば、補正というのは組まれるかどうか分かりませんから、当初予算の中で従来補正で計上していったようなものを含めて要求に入れていくべきだろうというような方向になりました。そうするとかなり、当初予算ベースでは昨年と比べて膨れあがってしまいますので、その辺りをどうするかという問題もある訳ですが、分かりやすくという意味では当初予算に必要なものは計上していくという考え方でやろういうことに致しました。後は、国民に分かりやすいコスト削減の具体例等というものも入れていくべきではないかということも確認されました。
 今夕刻、政務三役会議を引き続き行いまして、来年度予算についての詰めの作業をする予定です。

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温家宝首相訪朝

(問)中国の温家宝首相が訪朝されて、北朝鮮の金正日総書記と会談をしました。その中で金正日総書記の方から、米朝協議の行方を見ながらという前提付きでありますが、六者協議を含めた多国間協議への復帰を考えるという発言がありました。これについてどのように分析されていますでしょうか。

(外務大臣)今迄、(北朝鮮は)六者協議に対して明らかに否定的な見解を述べていた中で、六者協議という言葉が明示されたことは歓迎すべきことだと思います。米朝協議が先行しますが、あくまでも六者協議の枠の中でということでありますので、早い機会に六者協議を開くことができるようになることを期待したいと思います。

(問)米朝協議の関連ですが、大臣も出席される北京での日中韓で当然日本側として詳細な報告をお聞かせ頂くということになるのでしょうか。また、その中での北朝鮮問題については、どのような話し合いをすべきだと考えていらっしゃるのでしょうか。

(外務大臣)情報としては、中国側からも事前によく中身を聞くということは当然あると思います。それを踏まえて日中韓の首脳会談、或いはバイの会談も行うことになると思います。しかも、温家宝首相は当事者ですから、かなり詳細な説明、そしてそれに基づいた今後についての議論を当然行うことになります。

(問)六者協議については、従来薮中事務次官が核兵器の廃棄に向けた取り組みを後戻りさせない、新しいアプローチが必要であるという考え方を述べておられました。これについては、中曽根前大臣も同様の見解を示されておられましたが、岡田大臣は六者協議の進め方の見直しについてどのように考えでしょうか。

(外務大臣)見直しというよりも、一つは中身の話だと理解をしますが、前提となる米朝協議がどのような展開になるかというのを見ないと現時点では何らかの具体的なことは言えないと思います。私としてはいろんな場で申し上げていますが、今まさしく北朝鮮の核が既成事実化するかどうかという大きな局面にあるので、非常にここは六者協議を通じて核の放棄というものを迫る大事な局面であると思っております。

(問)温家宝首相の訪朝に関して今回の成果をどのように評価され、そして中国に更に期待する具体的なことがあれば教えて下さい。

(外務大臣)温家宝首相が行かれて、米朝協議を前提に六者協議という具体的なことに金正日主席が言及されたことは、温家宝首相の訪朝がそれだけ意義があったということだと思います。それ以上のことは具体的に話を聞いた上で(考えることですので)、今返事をするのは早いかと思います。それ以上の情報は我々も持っていません。

(問)米朝協議ですが、常に「六者の枠の中で」と仰られていますが、これは具体的には米朝協議が行われた後、速やかに六者が行われる必要があるとか、どういった意味で「六者の枠内で」という言葉を使われているのでしょうか。

(外務大臣)米朝で話したとしても、基本的に重要なことは六者の中で決めるということです。六者は当事者ですから。

(問)朝鮮中央通信、あくまで朝鮮側報道ベースの話ですが、金正日の発言は、必ずしも六者協議を完全に前提とした上で米朝協議に応じるというニュアンスではなく、あくまでも多国間協議に前向きな姿勢を示したと。その一つに六者協議も含まれると。このように伝えたと理解しているのですが、ということは、六者協議というのはあくまでも一つの選択肢であって、それ以外の多国間協議も有り得ると文脈上は読めるのですが、日本政府として六カ国協議以外の枠組み、例えば米中朝であるとか、それ以外の枠組みで議論されることについて、どのように考えられますか。

(外務大臣)北朝鮮の報道は、いろんな国内的な配慮もあってなされているものですから、それを前提に議論しないほうがいいと思います。

(問)先程の「六者の枠内で」という話ですが、六者協議が再開されるまでに米朝が複数回に渡って協議するという展開も有り得ると思うのですが、日本政府としてはどこまでが許容範囲かと。

(外務大臣)大事なことは、米国との間に緊密な連携が行われ、その状況を日本政府がきちんと把握出来るということが大事だと思います。必要に応じてその間、米国に対しても米朝協議の進め方についても意見を言うこともあるかもしれません。

(問)中国政府から今の時点で公式・非公式で、温家宝首相の訪朝についての連絡は、ないということで宜しいでしょうか。

(外務大臣)通常は中国に、まず国内に報告した上で、必要に応じて日本に対しても何らかの説明があるものだと考えています。

(問)多国間協議ということですが、大臣の理解としては、それはすなわち六者協議の事を指していると読むのが正しいという見解なのでしょうか。

(外務大臣)「六者協議」という単語が出たというように聞いています。

(問)北京で中国の要人とお会いになるというお話でしたが、楊潔?外相は勿論ですが、戴秉国国務委員とか或いは李克強副首相との会談も調整されているのでしょうか。

(外務大臣)現時点では、まだ何も決まっておりません。

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インド洋における補給支援活動

(問)インド洋の給油について防衛省の長島政務官が国会での事前承認をつけた上での延長もあるのではないかという考えを示していますが、それに対する(大臣の)お考えはどうでしょうか。

(外務大臣)私は、単純延長はないと言っています。

(問)単純延長はないという意味は、大臣はいろんな選択肢をポケットに入れておきたいという表現をされていたと思いますが、長島政務官の仰る事前承認もつけた上での延長も一つの選択肢としては有り得るということでしょうか。

(外務大臣)単純延長はありません。

(問)北沢防衛相が延長という選択肢は有り得ないと明言されていますが、政府のメッセージとしていろんなメッセージが出ていますが、これについてはどのようにお考えですか。

(外務大臣)政府のメッセージは、単純延長はないというものです。

(問)防衛省は、大臣としては延長はないと言いましたが。

(外務大臣)それは、現場に対して説明を聞かれて率直な感想を述べられたものと聞いています。これは選挙の最中から鳩山代表、そして私、幹事長は、単純延長はないという言い方で表現を統一しているつもりです。

(問)今の話は普天間の話では。現場で見られてという。

(外務大臣)そうかもしれません。

(問)今回は給油の話で、大臣が単純延長はないと政府として仰っているのは分かるのですけれど、政務官も訪米される予定があるように聞いていますが、これから話し合いをされる前の今の段階で、政府の一員たる大臣、或いは政務官が個別具体的な方法について言及されるという自体については、どのようにお考えになりますか。

(外務大臣)基本的には防衛省の中の話なので、北沢大臣と長島政務官との間でよく意見調整されたら如何かと思います。

(問)もう一点、給油の関係でお願いします。今日、連立与党の社民党党首でもある少子化担当相の福島大臣がいろいろ条件をつけても給油を延長することには反対であると仰っているのですが、つまり、与党内、それから閣内でこの問題で、不一致が今生じているのですが、この不一致をどのように解消して行かれるのかお伺いしたい。

(外務大臣)現時点でいろいろな意見がでることは、ある面やむを得ない部分もあると思います。ただ、三党で政策の合意をいたしましたが、その中に給油の話は入っておりません。一般的に書いているだけで、具体的に書いている訳ではありません。

(問)その関連なのですけれども、もうじきゲイツ米国防長官も来られる訳ですけれども、そうしますと閣内や与党内の意見調整というのは、スケジュール感としてはどれくらいでまとめられる予定でしょうか。

(外務大臣)なかなかこれは単独で論じられない話だと私は考えますので、全体の状況を見ながら考えて行くしかないということです。いつまでと切っているわけではありません。

(問)何か閣僚委員会というようなものを作っていくというか、何かそういう場を作るということはないのでしょうか。

(外務大臣)閣僚委員会は作っておりませんけれども、非公式に国土交通大臣、沖縄担当も含めて四者で先日意見交換をしたところです。そういう場で更に意見交換をしていきたいと考えております。

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日米局長級協議

(問)梅本北米局長が防衛省の高見沢局長と共に訪米されていて、先方の国務・国防のカウンターパートとお会いになっていると思いますけれども、その訪米の目的、話し合いの内容というのはどういったことでしょうか。

(外務大臣)もちろん定期的に米側関係者と協議するということは従来からやってきたことであります。そのことに加えて今回、ここでもお話をしましたように過去の検証を行うということで、日米共になっておりますので、そういったことも含めて議論をしているものだと思っております。まだ、報告は聞いておりません。

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日中韓首脳会議

(問)日中韓首脳会議についてお伺いします。具体的にどういったことがテーマになり、どのような会議にしていくべきだと大臣はお考えですか。それと当然、日中のバイ会談があると思いますが、これに対する抱負も合わせて聞かせてください。

(外務大臣)日中韓の首脳会議は、この前の外相会議を踏まえて行われるものですけれども、三国間の協力の進捗状況を上げてこれからの展望、併せて北朝鮮を含む地域状況についての意見交換が行われると考えております。それぞれのバイの会談については、まだ具体的に決めておりませんが、よりそういったことについて日中間、或いは日韓間で突っ込んだ意見交換が行われることになると思います。

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「密約」問題に関する調査

(問)密約問題について、スクリーニングを今皆さん必死にやっていると思うのですけれども、中間報告というような形で報告を受けられる、それを国民に公表するということはあり得るのでしょうか。

(外務大臣)中間報告は受けるつもりでおりますけれども、結果を一般に明らかにするのは、一応結論が全部出揃った後でと思っております。

(問)関連ですけれども、密約問題については国会の方でもいろいろと取り上げれると思いますけれども、先日の政府答弁書ですと、調査中でそれを踏まえてというようなお答えでしたけれども、国会の方にはどのように事件の調査についてご説明されるおつもりでしょうか。

(外務大臣)現時点ではそれ以上説明できません。

(問)就任会見の時、密約調査命令をされたときに、現状の情報公開は不十分ではないかということで、新しいルールや運用について有識者に提言してもらうということを考えたいと仰られていますが、それについては具体的に着手されているのか。それとスケジュール感としては、どのような感じでしょうか。

(外務大臣)あの時に申し上げたかと思いますが、多少遅れる感じで、そういう有識者会議を立ち上げようと考えております。11月になってからだと思っています。そこではまず、現にある外交上の密約の問題について取り扱ってもらおうと思っておりますので、そういうものがひと通り終わった上で情報公開についてのルールの見直しと思っております。少し先になります。

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来年度予算・補正予算の見直し

(問)補正予算の見直しについて、今日が一次の取りまとめということになっておりますが、外務省の分については、当初からどの程度の見直しがあるのか、そのあたりを具体的にどうなっていますでしょうか。

(外務大臣)これはまだ言っちゃいけないことになっていますので、総理に仙谷大臣の方から報告をされた後にお話ができることになると思います。

(問)改めて会見のような形でのお話を伺えるのでしょうか。

(外務大臣)まだそこまでは考えておりません。これは外務省として出した数字にすぎないわけで、そこから更に今後、査定というのでしょうか、深掘りがある可能性があるということです。まだ、途中の段階です。

(問)何らかの形で途中の段階で最初ここまで外務省としては出したということを教えていただけますでしょうか。

(外務大臣)必要に応じて副大臣がぶら下がりか何かで対応することになるかと思います。

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英語力

(問)柔らかい話題ですけれども、英語力についてお話をお伺いしたいのですが、9月28日に更新されたブログの中で、日米首脳会談等のページの中で、もう少し英語力をつけなければいけないとお話になっているのですが、外相は英国留学もされていて英語が堪能ではないかと思われますが、どのようなところでそのようなことをお感じになられたかという点と、今実際に英語力をつけるために実践されていることはあるのでしょうか。

(外務大臣)忙しくてあんまりできないのですが、なるべくテープは聞くように心がけようと思っております。英語力の必要性を感じたのは、会議では私は通訳を使うべきだと思いますが、日米豪が終わった後、クリントン米国務長官とスミス豪外相が二人で立ち話をしていたので、私も行ったのですけれども、そういうときに会話にもっとうまく入れるといいなと思いました。

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外務大臣会見記録(平成21年10月2日(金曜日)11時56分~ 於:本省会見室)

冒頭発言-政務三役会議

(外務大臣)本日の政務三役会議について報告します。本日の政務三役会議で私からは前回の閣議の報告を行い、副大臣からは副大臣会議で出された各省政策会議について、どのように実施をしていくかについて報告がありました。例えば役所の建物の中で開くということでしたが、外務省の場合は時間的にも、例えば国会開会中であれば従来の民主党の部門会の時間は8時から開催していた訳で、外務省をその時間に開けて、しかも、議員だけならまだしもスタッフも建物の中に入るとなれば、セキュリティ上の問題もあり、チェックしていくことになると大変です。とりあえず第一回は議員会館の会議室で、従来と同じになりますが、そこで開くということで決定させていただきました。日程もほぼ決定しまして、第一回は私の国連総会への出席とか、日中韓外相会議への出席、本日からの日メコン外相会議への出席も含めて、そういうことで私も出席させて頂くことにいたしました。
 また、各副大臣、政務官の出張日程の調整についても話し合いをしました。一方で来年度予算案の概算要求の再提出が10月15日までとなっておりますので、それまでの間、可能な限り副大臣や政務官は外遊せずに予算の見直し作業を重点的にやっていくということで、調整をさせて頂いたところです。そして、来年度予算案の見直し作業ですが、今週、副大臣、政務官は、外務省の事務当局から様々な説明を聴取しておりまして、それを踏まえて来週私が帰国したところで、精力的に見直し作業を進めていこうということです。

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四大臣会議

(問)午前中、官邸で四大臣が集まって話されたと思いますが、一つは結論があるなら、その内容を教えて頂きたい。それに関連して同じことですが、普天間基地の移設問題は期限が迫っていて、今後今日やったような形で政府内での進め方、スケジュールについて、手順も含めてどうやっていくのかということのお考えがあれば教えて頂きたいと思います。

(外務大臣)四大臣、一部の副大臣、政務官が出席しましたが、政治家だけで情報交換というべきか、意見交換をいたしました。北沢大臣からは先般沖縄に行かれたことの状況の報告があり、私からは一連の米国側との意見交換の状況等を話をしました。これは正式な会議ではありませんが、必要に応じて非公式な意見交換会を当面続けていこうということにしました。

(問)スケジュールの話はどうですか。

(外務大臣)必要に応じて意見交換をしていこうとしたところです。

(問)外務省、防衛省共に普天間の移設計画について、何故こうなったのか検証作業を始めるということですが、この件については今日の会議で何か取り上げられたのでしょうか。

(外務大臣)当然、今進めているところです。

(問)今回の会議で正式に見直し作業に着手したということでしょうか。

(外務大臣)勿論、既にオン・ゴーイングとお考えいただければ良いと思います。見直しということではなくて、政権もその間に代わっている訳ですから、何故現在のプランになったのかについての検証作業をしようということです。

(問)今朝の会議で、大臣はどのような意見を述べられたのかをご紹介いただきたいのと、検証作業ですけれども枠組みであるとか、結論を出す目処は今のところ、どうお考えでしょうか。

(外務大臣)本日、私が申し上げたことは、日米間で意見交換をした概要を申し上げました。検証作業は急ぐ話ではありますけれど、特にいつまでと決めている訳ではありません。

(問)普天間基地の移設に関して、北沢防衛大臣は県外移設は難しいという考え方をこれまで示してこられた訳ですけれども、本日の意見交換の中で各担当大臣の間で意見の違い、見解の相違はありましたでしょうか。

(外務大臣)特にありません。北沢大臣の発言は、北沢大臣ご自身の意見をそのまま申し上げると「様々なところに行って意見交換をした、その意見について状況がよくわかる」ということをそれぞれ言ったわけで、決して自分の意見が矛盾している訳ではないし、何か一定の方向を示しているというよりは、その場での自分の率直な感想を述べただけだということです。

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米軍再編問題

(問)辺野古に決まった経緯ですけれども、20世紀に決まったという部分もありますし、この前のロード・マップ合意でV字型滑走路が決まったということもあります。そもそもキャンプシュワッブ沖に決まったところから検証していくということでしょうか。

(外務大臣)基本的に現在のプランになった経緯を調べるということです。

(問)それはロード・マップ合意になった経緯を調べるということでしょうか。

(外務大臣)そこは特に限定はしていません。

(問)普天間の話ですが、国と自治体とが共に参加して協議する場として「普天間協議会」というのがあるのですが、一部報道では廃止するという話も出ているようですが、大臣のご見解と地元との協議のあり方についてどうお考えですか。

(外務大臣)廃止するという報道がありますが、政府としてそういうことを何ら触れた訳ではありません。報道については、私は不可解なものだと思っています。

(問)今月下旬にゲイツ米国防長官が来日されますけれども、それまでにという目処をお考えでしょうか。

(外務大臣)具体的に期限を切って決めた訳ではありません。

(問)在日米軍の関係で過去の検証ということがありましたが、米国側も米軍を世界にどう配置していけばいいかということについては、日々検討していると思います。決して米国の姿勢というのは不動なものではなくて、動じないものに日本がどう合わせていくかということではなく、相手も変わっていくという面もあるかと思いますが、この間、大臣の米国側との接触の中で、日本側が米軍基地を移設していく協議とか話し合いや持ちかけをする中で、米国側の姿勢もこう変わってきているのではないか、或いは、こういう方向に動き出している兆しがあって、それが我が方にとって得なのではないかという印象を持たれた先方の変化というのをどう感じていますか。

(外務大臣)現時点では特にありません。私も過去の検証作業が必要であるということを言っているだけで、それ以上踏み込んでいる訳ではありません。見直せとかそういうことを言っている訳ではまだありません。まず事実をきちんと検証しようということですので、そういう踏み込んだ議論にはまだなっておりません。

(問)検証作業のイメージがよく分からないのですが、過去に携わった防衛省や外務省の職員の方とか、地元の沖縄の自治体の方々等に事情を聞くということも入るのでしょうか。

(外務大臣)事情を聞くというか、地元というより、これを意志決定した時のどういうメリット・デメリットがこのプランにはあって、つまり、最後に残った今の案が、どういうところが評価されてこうなったのかということ自身について、私も承知している訳ではありませんので、当時の携わった方を含めて、或いは資料で残っているものが当然ある訳ですから、検証してみようということです。

(問)事情を聞くということもある。

(外務大臣)事情を聞くということも場合によってはあるかもしれません。

(問)今日の午前中の米軍再編見直しの件ですが、先ほど北沢大臣のお話の紹介のところで、普天間の県内・県外移設のところで意見の相違はないというお話しだったのですが、その点について、相違がないということは何かの意見で一致しているということでしょうか。

(外務大臣)こうすべきだという意見を今日はお互いに開陳した訳ではありませんから、そういう意味での違いは出てこなかったということです。そういう結論を持っている訳ではありません。

(問)普天間の問題について、(10月)15日の概算要求が迫っていますが、15日までに何らかの政府としての方針が決められるとお考えなのでしょうか。それとも、15日は差し迫っているので、15日には拘らない、どちらをお考えでしょうか。

(外務大臣)15日までに普天間の問題について最終決着をするということは極めて厳しい状況だと思います。予算の話というのは国会に提出するまでの間に最終決着すればいい訳ですから。

(問)12月までにということでしょうか。

(外務大臣)はい。もっと言えば別な言い方もあると思います。

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スタインバーグ米国務副長官の訪日

(問)昨日、スタインバーグ米国務副長官とお会いになられましたが、会談の内容についても今日の会議でご報告されたのでしょうか。また、昨日の会談の中で米軍再編について「今後、日米で事務的に再協議をやりましょう」という話が出たのかをお願いします。

(外務大臣)スタインバーグ米国務副長官は、この米軍再編問題に関与してきた訳ではないという印象を私は受けました。特に突っ込んだやりとりをした訳ではありません。

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来年度予算の概算要求等

(問)概算要求の話ですが、今後10月15日に予算要求が締め切られ、その後ゲイツ国防長官の来日、11月になりますとオバマ大統領の来日ですけれども、目処としては一定の方向性はどの時期で示されるのでしょうか。

(外務大臣)なるべく速やかにと思っています。特に期限を切っている訳ではありません。

(問)概算要求の見直しと合わせてということでしょうか。

(外務大臣)別にそんなことはありません。概算要求の見直しはすぐですから、そういうふうに決めている訳ではありません。

(問)本年度の補正予算の見直しについてですが、今日の政務三役会議で話があったのか。予算はどれくらいになったのか。大臣からどのような指示があったのか、教えてください。

(外務大臣)外務省としての案は作成してあります。ただ、これは政府の方で各省がそれぞれ出さないようにということであります。我々の案としてはあります。これを今度政府全体で当然検討して政府全体の案として提出するということになると思います。

(問)概算要求見直しの中で大臣から具体的にどのような指示を出されたのでしょうか。

(外務大臣)こういったことは、申し上げない方が良いと思いますが、極力まだ執行していないものについては見直しをするようにと指示を出してあります。

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子の親権問題(福岡での逮捕・拘留事案)

(問)福岡の柳川の米国人男性が日本人女性と結婚をしていて、子供を日本へ連れ帰ったのを連れ戻しに行こうとして逮捕されたという事件があって、米国でかなり報道されているのですが、どうも両国の制度の違いから問題が起きているようなのですれども、それについて、外務省としては、外交問題かどうかも含めて対応されるおつもりはありますか。

(外務大臣)個別の問題に外務省が乗り出してということは今考えていません。ただ制度論として、この問題をどう考えるべきかということは、きちんと議論しなければならないと思います。現時点では外国人男性と結婚した日本女性が離婚して子供を日本に連れて帰るということが欧米で問題視されているということですが、逆のケースも当然起こり得る訳で、そういうことを考えれば日本自身も含めて、この問題にどう対応すべきかということをきちんと結論づける必要があるだろうと思います。

(問)では、その男性にはとりあえずは国内法に準じて対応するということになりますか。その男性の行為をですね。

(外務大臣)それは外務省が個別の案件について何か口を挟むようなことでは、基本的にないだろうと思います。

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韓国の対北朝鮮政策

(問)六カ国協議についてお伺いします。韓国の李明博大統領が提唱されているグランドバーゲン構想についての大臣のお考えと、北朝鮮がこれを拒否する構えを見せていることについてのご感想をお願いします。

(外務大臣)個別の外国政府のやり方について私がコメントすることは控えた方が良いだろうと思っています。

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日メコン外相会議

(問)日メコン外相会議についてお伺いします。メコン流域をめぐっては、非常に中国も積極的に経済協力開発に乗り出しています。以前は日本と中国の間で主導権争いをしているという見方が、世論や有識者の間でも出ていました。そうした中で、メコン開発を中国や韓国、他の国と連携してやっていくお考えはあるかどうか、そしてまた今回の外相会議で、大臣としてはどういった日本の立場を打ち出していきたいとお考えなのか、その点についてお伺いします。

(外務大臣)これは相手のある話、相手という意味は当事国の意向を無視して、或いは日中でこうやりましょうという話ではないと思います。当事国とよく意見交換をして、そして当事国の意見を聞きながらプランを作っていくということだと基本的にそう思っています。今回はそういう機会だと考えています。

(問)日メコンの会議の話ですけれども、参加国にミャンマーが入っておりますが、今回鳩山政権とミャンマーとの初めての正式の場になりますけれども、米国もミャンマーによる介入政策を打ち出す中、大臣としてはどのようなメッセージをミャンマーに対してお考えでしょうか。

(外務大臣)まだ、ミャンマーの外相とバイで会談できるかどうか最終的なセットは、昨日の夜の段階では決まっていなかったのですが、是非機会を作って、そしてミャンマーに日本の考え方をしっかりと伝えたいと思います。従来の日本の取り組みについて米国も含めて様々な意見もありましたけれども、認識としては米国の考え方が日本の対応に近づいてきたなという認識を持っております。

(問)岡田大臣から見てメコン流域関係国は、日本にとってどういう国々なのか、どういう重要性があるのか、大臣のご見解をお願いします。

(外務大臣)一つはASEANという括りで見ると、やはりASEANというのは重要な存在です。過去10年くらい、日本にプレゼンスが小さくなってきたという率直な感想を持っています。そういう中で、日本は期待されている訳ですから、もう一回しっかりと役割を果たしていきたい。ASEANの中でも特に今回のメコン流域は、ラオスありミャンマーもありということで、ASEANの中で経済格差があるとすれば、まだこれから発展を必要としている地域がこの地域にある訳で、日本としての果たすべき役割は非常に多いと思います。私はアジア内需ということを前から申し上げていますが、ベトナムも含めて、ラオス、カンボジア、ミャンマーは少し現状では違いますが、こういった国々にインフラ整備を含めて日本のかなりの役割が果たせるし、そのことが日本自身の成長にも繋がることだと思っています。

(問)最近日本のプレゼンスが小さくなってきたという印象をお持ちだというお話しでしたが、もしそうであるならば、その理由はどこにあるとお考えでしょうか。

(外務大臣)一つはやはり取り組みが遅れたということではないでしょうか。条約加入もかなり時間がかかりましたし、それから日中間で様々な緊張関係があったということがこの地域への働きかけを弱くした部分もあったと思います。そもそも関心が薄かったというか、政府全体としては関心が薄い訳ではないのですが、米国の方ばかりを向いていれば良いという総理もいましたから、そういうことも影響したのかもしれません。私は非常に惜しいことだと思います。これからしっかりやっていきたいと思います。

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「密約」問題に関する調査

(問)「密約」問題の調査についてですが、前回の会見の時に、翌日チームに対して改めて私の考えを伝えたいとおっしゃっていましたが、実際どのように伝えられたのかということと、また、スタッフの方から、資料が3千冊以上と膨大ですので、スケジュール的に無理であるとか、そのような要望というか不満とかはありましたでしょうか。

(外務大臣)そういうのはございません。私も先般、全員に集まって頂いて、とにかくしっかり検証して事実を徹底的に洗い直してもらいたいということを個別にお願いしたところです。この密約問題がいかに外交の手足を縛る結果になっているかということ、国民の信頼感を取り戻すためにしっかりやってもらいたいということを申し上げました。

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外務省記者クラブ

(問)前回の会見で質問した件ですが、外務省の省内にある記者クラブ、外務省記者会の部屋の賃貸契約はされているのかということと、外務省側で何か金銭的な負担をされているのかということを伺いたいと思います。

(外務大臣)そういった賃貸契約はございません。

(問)無償で提供されていると。

(外務大臣)そうです。

(問)その理由というのは。

(外務大臣)これは昭和33年の旧大蔵省官財局長の通達がございます。常時取材に当たる記者に対する活動拠点としての記者室及び最低限の取材活動の設備を提供しているということに対しては、昭和33年の旧大蔵省官財局長の通達「国の事務、事業の遂行のため、国が当該施設を提供する」対象の一つに新聞記者室を挙げ、庁舎の目的外使用に当たらないという判断をしていますので、それを踏まえたものです。

(問)見直すお考えは。

(外務大臣)現時点ではありません。

(問)財務省の通達が記者クラブに対してということなので、霞クラブと書いてある訳ではありませんので、例えば別の私達が記者クラブを作った場合は他の部屋を使わせて頂ける可能性もあるということですか。

(外務大臣)常時取材活動をするという実体があるかどうかという問題と、いろいろと複数が出てきた時に様々な混乱を生じますので、むしろそういう場合には現存のものに入って頂くことの可能性とかがまず追及されるべきではないかと思っています。

(問)要望なのですが、記者会見が毎回同じ時間であれば私達も外からやって来て、その時間に来ればよいのですが、急に会見があるとか待機していなければいけないといった場合、おそらくクラブ外の人間が非常に会見に出ることが難しくなっているという状況もありますので、そういう時に例えば少し待機する可能性とか考えて頂けると助かります。

(外務大臣)なるべく時間は早めに通知するようにしたいと思います。

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インド洋の給油補給活動

(問)インド洋の補給活動ですが、先日大臣はテレビ番組で、「基本的に延長はしないが、絶対ノーとは言っていない」と話されていましたけれども、撤収方針をですね、確か与党の幹事長級会談で、口頭で撤収方針が確認されているのではないかと思います。また、この発言に対して福島党首や北沢防衛相の方から「延長しないということでやっていくべきではないか」という発言も出ていますが、これについてどのようにお考えでしょうか。

(外務大臣)選挙の最中には、単純延長はしないという言い方で統一しています。それ以上でもそれ以下でもありません。マニフェストに延長しないと明記した訳ではありません。

(問)補給活動の話ですが、先日、夜のニュース番組で「基本的にはやらないが、絶対ノーということではない」と仰って聞き方によっては延長に含みを残したような、延長の可能性が少しあがってきたのかなと受け止められますが、何か変化はあるのでしょうか。

(外務大臣)選挙の後に変わったということはありません。選挙の時から申し上げている通り、単純延長はしなということです。

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鳩山総理のIOC総会出席

(問)本日お忙しい中、鳩山総理はIOC総会に出られてオバマさんと直接対決するということもあるようですけれども、出発前に何か鳩山総理とお話をされたかということと、何かこの件に関して大臣のコメントを頂けないでしょうか。

(外務大臣)総理と話したことは特にありません。総理も大変な激務の中で時間を割いて行かれるのは大変だと思いますが、東京オリンピックを実現するために是非頑張って頂きたいと思います。

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西スマトラ州パダン沖地震災害

(問)スマトラの地震の関係で、邦人の安否についていろいろと情報があるのですが、現段階で大臣の方で把握されていることはどういったことでしょうか。

(外務大臣)私のところにはまだ、邦人の安否についての報告は上がってきておりません。

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日中韓首脳会議

(問)来週の日中韓首脳会議ですが、外相としての関わりはどのようにありますか。

(外務大臣)一応、出席の方向で考えています。

(問)ソウル、北京とも。

(外務大臣)いや、日中韓の首脳会議に出席の方向です。それ以外の事は何も決めていません。

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