記者会見

外務大臣会見記録(平成18年2月)


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外務大臣会見記録(平成18年2月28日(火曜日)9時21分~於:本省・会見室)

閣議・閣僚懇

(外務大臣)閣議の方から、中川農林大臣の仏訪問についての報告がありました。その他、タウンミーティングに関して、小坂大臣、川崎大臣、小池大臣。これが今日の閣議の主な内容です。閣僚懇では、トリノオリンピックの話が出て、オリンピックの、陸上の方はナショナルトレーニングセンター等々がきちんと対応できていますが、冬のオリンピックの方に関しては、長野以降、いわゆる設備の維持等々ができなくなってきて、急激に落ちてきている、選手のほとんどが国内で練習できる機関が限られていて、海外遠征する、その海外遠征をするスポンサー等々が非常にきついことになっているので、大いに問題である等々、それは事実ですが、その通りの話がありました。

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ODA改革

(問)ODAですが、この在り方を巡る検討会が今日報告書を出す方向みたいですが、一元化ですとか統廃合ですとか、外務省内的にも大臣が発表されたように、改革を今後されていくみたいですが、組織的な動きが見えるのですが、機能的に結局、改革前と改革後ではODAというものがどういう風に変わるのか、これについての大臣のご認識をお聞かせください。

(外務大臣)ODAについてどう変わるのか。ODAに関して、JICAという新しい組織の下に、いわゆる旧OECF、円借の話、JBIC、いわゆる旧輸銀と旧OECFは別々になっていたのを一緒にしていたわけでしょう、今まで。片方はいわゆる輸銀の話ですから、お金を担保取っていくら貸すという話。片方は円借の話ですから、10年据え置き25年の返還等々、これはいわゆる、今時10年据え置き25年なんていうのは金融かという話が良く出るところですが、それが今まで一緒だったものを、OECFというものは、これは政府のODAみたいなものじゃないかと。それでOECFの部門をJICAの方にくっつけて、早い話が、政府開発援助等々、技術的なところはJICAなんてことになるでしょうが、そういったものを一緒にして一元化して、いわゆるODAを使った外交等々の一元化を図る。外務省の中もそれに対応できるように組織を変える。加えて、これは政府の外交の基本に関わるような部分もいっぱい出てきますので、そういった意味では、日本の安全保障会議と同じようなものを内閣の中に作って、ほぼ同じようなものを、防衛庁長官のところに外務大臣が座るというような形にする。ODAの一本化というのを基本的に図ったということだと思いますが。

(問)それによって、要するに、例えば戦略性が向上するですとか、そもそも何が出てくるのかという、そこのところはどうですか。

(外務大臣)基本的には、各省でかなりばらばらにやっている部分というのはいくつもあると思いますが、そういったものに関しては、日本にとって戦略性というのは、はっきり戦略は立てられやすくなると思います。それから、現地に行っているJICAの人たちも、相談して決定をしてもらう相手が、いわゆる財務省に行ったり外務省に行ったり、いろいろお伺いを立てないといけないというところが一本化されてくるというのは、現場の側からすると極めて効率が良くなるというのもはっきりしていると思います。事実、現場はそれを非常に望んでおられたところ、緒方貞子さん以下、非常に望んでおられるところだと思います。

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イランの核問題

(問)昨日の、イランのモッタキ外相との会談なのですが、イラン国内での濃縮を停止させられるかどうかというのが会談の一番の焦点だったかと思うのですが、今回の会談でどういう成果がありますか。

(外務大臣)核技術を開発するという話というのは、平和利用に関しては、日本も原子力発電所等々、いろいろなところで日本の技術含めて先端的なものを持っているのは事実だと思います。日本はできてなんでイランはできないんだとか、これはいろいろ意見はあるところなのだと思っています。日本のように資源のない所と違っておたくは確認石油埋蔵量世界第2位なのになんでとか、いろいろこれまでもIAEAに対する報告は、何年間かにわたってやってたのにやってないかのような話で、申告していなかった部分でやっていた等々、信頼関係がないというところが今、イランを取り巻いている条件なのではないのかと。EU3なんかとやり、中でもロシアとやっている件であるのですが、そういったところは、少なくとも、今このままいくとどう考えても国連安保理に上げられることになると。今回はロシアもフランスも賛成ですから、そうするとこれはいわゆる常任理事国全会一致ということになると、非常に話は込み入りはしませんかと。だからそういった意味では、少なくとも今ロシア案というのが出てきているはずですが、そういうロシアの話については、おたくらとしてはもう少しこれを検討されないと、こっちは他の国と違ってイランとはそれなりの付き合いを長い間にわたっていろいろやってきたところですが、安保理全員敵に回してなんていうことになると、我々も限度がありますという話です。簡単に言えば。向こうとしては、研究開発等々いろいろなものをやる権利を有している、これは間違いないと思いますが、小さなリサーチ・アンド・ディベロップメント、研究と開発の技術は維持するだけの権利を有すると言うから、それはもちろん有しているのだと思いますが、研究開発の遠心分離器の数、おたくがいくつでやってるんだか知りませんけども、遠心分離器の数を足したら大型部門になっているわけですから、そういったことに関して、それはガラス張りで日本みたいに外に見せているというようなことが約束できないと、なかなか難しいですよと。そこのところの、ちゃんとIAEAと話をというので、いろいろなものがありまして、その後の話、細目にわたってどうすべきかにつきましては、1対1の会談だったので、そこから先はちょっと言うわけにはいかないところですね。

(問)そのIAEAの報告書が理事会、各国に出まして、平和利用と断定はできないというような報告書の内容で、あと1週間で来週理事会ということになったと思うのですが、このタイミングで日本としてはある程度の妥協をイランから促したかったのではないのかなと思うのですが。

(外務大臣)妥協というか、向こうの提案は出ています。そこまでは言えますがその内容までは言えません。

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地方制度改革

(問)自民党総裁候補のお一人としてお聞きしたいのですが、今日、地方制度調査会が、道州制の関係で答申をなされるようなのですが、基本的には道州制を推進する趣旨の内容です。これについて大臣、道州制の是非とですね、今後の総裁選の争点、その2点を。

(外務大臣)道州制の話というのは、地域によってずいぶん差があると思いますね。同じ東北でも、青森県で津軽と南部が一緒になるかと。岩手県の人は南の方の人のことを「あれは伊達じゃろうが」と言い、なんとなく、盛岡と青森の八戸の人が一緒になって「青森の奴等はあれは津軽じゃ」って言って、どこが違うのですかと、言葉が違うって言う。言葉なんてほとんど聞いてても違わないと思いますが。総務大臣のときに、何回かあの辺の知事さんやら市長さんやら来たことありますが、なかなか文化歴史のあるところほど、話はなかなか難しい。私ども福岡県にいますが、筑前と豊前と足して筑豊と言うのですが、その同じ筑豊でも「あれは豊前じゃろうが」と言ったらだいたい差別用語に近いような意味で使っていますもんね、皆。豊前は豊前で「なに言ってんだ」と、もう全然違いますから、なかなか難しい、感情論としてはあるので、道路が通って交通網が便利になって外の地域は、筑前・豊前以外の人が入ってくると、外地が道に入ると、何となくその人の話は通じなくなってくると、なんとなくこう薄らいでくるのかなという感じはしますが、歴史のあるところほど難しいというような気がしますし、同じ佐賀県でも唐津は天領、片方は鍋島藩という、そこらもまた同じように大分の下とか、皆そういうところは天領だったところは、そこだけまたちょっと違う等々、いろいろやっていくとものすごく面倒くさくて、そこに県会議員の選挙区が絡んできますから、この話をするときには県会議員の方々の諒解がないとなかなか難しいという面も、現実論としては考えておかなくてはいけないのだと思いますね。そこでたぶん、北海道ならその種の話がないだろうというのでたぶん北海道、今でも道ですから、そういう話で北海道でスタートしたのだと思いますが、その北海道もなかなか難しいんでしょ、知らないけど。ちょっと僕は北海道そんなに詳しくないのですけれども、なんとなく、道庁の話と北海道開発庁の話と、なかなかそういった役人の縄張りの話以外にも、北と南、いよいよ北海道も大分違いますので、大変なんだなとは思いますけど。いずれにしても、県というのはもう少し大きなものに取りまとめていく時代になっていっておかしくないんじゃないですかね。仮に上海市を例に引くと、3300万、上海市だけど、面積からいくと熊本と福岡と足したものよりちょっと小さいくらいで上海市ですから、そういう規模の大きな所と接触をして「くという意味では、熊本・福岡一緒になって上海市とあたるみたいなことになってくと、やはり県というのは少し小さいのかもしれませんね。だからなんとなく、話の合う風土、知事の話があっても、知事が替わったら意味がありませんから、なんとなく、風土みたいなものがあると思いますから、どうでしょう、九州でも北と南と大分違いますし、いろいろな意味でまとめ方がなかなか地図だけでここだけがというようなものじゃないんじゃないかなという感じはしますけれども。いずれにしても、こういったもう少し大きな県、地方分権は国から地方という、その地方というのはたぶん市町村か道府県かという差はこの分権をする初めから出ていた話なので、市町村の方に主が移っていくということになると思いますので、そうなってくると道府県との関係と市町村との間の関係は同じ地方分権の中にあっても違う部分がある。これは現実問題として、なかなかまた難しい調整の話が残っているのは事実なので、そこらのところを、どっちにするんですかというところをきちんと決めていくということをしないといかんので、たぶん今の地方制度協議会のところは、市町村に直接という話になりつつあるようで、総務大臣で2年いたときはそういう雰囲気が強かったと思っていますので、そこらのところを、ちょっとこれは時間をかけて調整しないと、気分的な問題という、理屈とは全然違う話が出てきますからね。とにかく、安倍晋太郎が福島県知事の応援に行ったら応援に来られた方が負けるわけですよ。会津の奴は許さないという、それだけですから、会津の人たちにしてみれば長州の者を寄越してって言って、結論その人は落ちたわけですよ。そういうところまでちょっと知っておかないと、なかなか難しいんですよ、この種の話は。現実問題ですから。ですから、そんな理屈に合うって、理屈だけで世の中通らないというのははっきりしていますから、数字の上だけだったらこっちは合理的といってもなかなか難しいなというのは、その当時、印象が僕にはすごくありますので、総務省に2年ほどいましたので、いろいろ知事やら市町村の話というのは、こんな頭の良い合理的な人でも引っかかるところはそこかというぐらい、難しいですから。明治維新からもっと昔に遡って言われますから、なかなかこの種の話は手間暇かけていかないと、市町村合併で3226あった市町村を1821まで減らすのには成功しました。ただ、これもいろいろぎくしゃくしているところは確かですから、雛形を作るところをよく見てみないと、ちょっと一概には言えないところですね。これは本当に、1億2000万、長い歴史の中から作り上げられてきた話ですから。都会から見てて何とかという話ではとてもいかんと思います。

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外務大臣会見記録 (平成18年2月24日(金曜日)8時53分~於:院内・議員食堂)

ODA改革

(外務大臣)外務省としてはODAに対するいろいろな御批判をいただいておりましたので、党における真剣な議論を踏まえて、私の方から次のような抜本的改革を検討していきたいと指示をしています。二つあります。ODAを担当した経済協力局廃止。その上で、国際社会協力部の中のODA関連課室と併せて新たに国際協力局とする。これによって二国間のODAと国際機関を通じたODAの連携体制というものを一層強化して、外交戦略に沿ったいわゆる総合的なODAの企画立案というものの実施を実現させます。次に、外務大臣の下に、新たな国際協力総合政策本部(仮称)というものを作って、全省一丸となって企画立案に取り組むということです。また、外交政策とODAの整合性を一層確保するために、総合外交政策局を中心とした責任体制を強化するということで、外務省としては、今回、ODA外交を重要な契機と捉えて、国民の期待に応えられるように全力で努力していきたいと思います。

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日・印租税条約

(外務大臣)本日、日・印租税条約改正議定書の署名のご承認をいただきました。これを受けて、今日の午後、トリパティ駐日インド大使との間で改正議定書への署名を行う運びとなっています。議定書は、投資所得に対する源泉地国課税の引き下げ等に関する例の話ですので、この議定書が締結されると、日・印間の経済的交流や人的交流等の一層の促進が図られることになりますので、国会に図った上、一日も早い議定書の締結を目指す考え方です。
 後は、閣議報告だけです。

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外務省人事

(問)中国大使に宮本氏が決まった理由をお聞かせ下さい。

(外務大臣)優秀な人材だからだと思います。

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外務大臣会見記録(平成18年2月21日(火曜日)9時35分~於:本省会見室)

閣議

(外務大臣)閣議の方から、皇太子殿下がメキシコでの「世界水フォーラム」の開催に際し、メキシコ政府からの招へい、招待したい旨の申し出を受けられて、3月15日御出発、21日御帰国という予定で、カナダ経由で寄られます。
 文部科学省、運輸多目的衛星2号を搭載したH2Aロケット9号機を所定の軌道に投入、打ち上げ成功。1ヶ月間で連続成功。宇宙開発の水準の高さを示すものです。18年度以降も情報収集衛星などの衛星の打ち上げを続けていくということであります。同じく科学技術政策担当大臣からも同様の報告がありました。
 中馬大臣の大学と地域再生についてのタウンミーティングの報告がありました。閣議に関しては以上です。

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ODA改革

(問)ODAの一元化についてですが、JBICの分割化に伴って、新しくできる組織の所管を巡って外務省単独にするのか、あるいは複数の省庁の所管にするのかというあたりで、かなり意見が分かれていますが、今後の進展状況と外務省の考え方を改めて教えてください。

(外務大臣)報道がいろいろなされているということは知っています、内容に関しては。しかしこの話はODAの実施部門というものを統合して、早い話が国際協力銀行(JBIC)の中のOECFの部分を外して、それをJICAと統合する。そしていわゆる旧輸銀部門、国際協力銀行のいわゆる金融部門。OECFを金融という人もいらっしゃいますが、10年据え置き、25年返済というものが金融なのかね。35年も先の話が金融とはとても思えないと昔からそう思っていました。少なくとも輸銀の部分については、いわゆる「新政策金融機関」と統合するということで大きな方向性は決まった。今の質問の内容は、新しいJICAに関しての話なのだと思います。すなわち今ある二つの部門プラスOECFいわゆる円借款の部分がくっついてくるという話のそこをどうするのかという話なのだと思いますが、これは外交の一元化一点ですから、外務省ということになります。細目につきましては、「行政改革推進法案(仮称)」というものが出てきますので、その過程でいろいろされるのだと思います。

(問)財務省なども指向していますが、複数の省庁で所管するという考え方について、大臣は認められないということですか。

(外務大臣)新JICAを複数の省庁で。それは外交を複元化させた方がいいと言いたいのですか。

(問)そういう議論もあります。財務省の権限を残すという考え方は。

(外務大臣)ありません。

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イラン核問題

(問)イランの核開発問題ですが、今ロシアでイランとロシアの協議が行われていますが、ロシアはロシア国内で合弁会社を作り、共同でウラン濃縮をという提案をしています。まだなかなか結論が見えない状況が続いていますが、ロシア側の提案というものを日本政府としてはどのようにご覧になっていますか。

(外務大臣)20日にモスクワでイランの核問題に関する協議がイラン政府とロシア政府、IAEAではなくロシア政府との間で行われたということになっていますが、これは公式発表があったわけではないので、正確な内容を承知しているわけではありません。ただ、協議がなされた結果どうなったかというと、交渉は継続ということになったという点が一番大きいと思います。少なくとも高濃縮にしていくという部分はロシアの方でやろうというので、それはオープンにしない、IAEAがそこを査察出来ないというのであれば、ロシアでは出来るわけですから、ロシアにおいてやるというのは建設的な関与を行っていると考えるべきだと思いますから、私は前向きな展開が得られるというのを期待するというのが、他の国の立場なのだと思います。

(問)モッタキ・イラン外相は今ヨーロッパを訪れていて、来週日本に来て大臣と会談されますが、そこでこのロシアの提案というのを日本としても語りかけていくのでしょうか。

(外務大臣)日本としてはこの話は悪くないという話を当然するので、私共はこのロシアの話を評価していますということで。これに限らず濃縮関連活動の停止というものは国際世論になっていますから、そういったところでいろいろやっておられる行動というものに関しては、世界中からいろいろな御意見が出ているところなので、国際世論というものにもう少し耳を傾けて聞かれてみないといけないのではないかというのが私共の立場ですから。なかなかどれくらい国際世論というものが耳に入っているかわかりませんから、そういった意味では是非そういった話に率直に耳を傾けられた方がよいのではないかという話は、この間の電話の時にも言いましたが、今回も言うことになるのだと思います。

(問)国際世論は欧米を含めてかなり厳しいのですが、勿論その世論というのが国際スタンダードなのですよということは伝えられると思うのですが、日本というのは他の国と比べて若干立場が違うというか、ある程度厳しい世論を伝えながらもイランとの関係というのをしっかり保っていかなければいけないという難しさもあると思いますが。

(外務大臣)こっちが欲しいからこっちの方は遠慮しておこうというのは長期的にはあまり上手くいかないものです。やはりその国の事を考えているのなら、長期的に見て少々耳の痛い話でもきっちり話すのが友達というものです。私はそういった意味では少々今おもしろくない話であろうとも長期的に見てそっちの方がいいのではないですかという話をするのが、信頼関係のある、人間関係の中における一番大事なところだと思います。おいしいところだけ言ってもという感じはしますから。モッタキ外相という人はそれ位のめないような、わからないようなそんな程度の人ではないと。大使の時に日本に5年くらいいたと思いますが、私はその頃つきあいがあるわけではありません。しかし会った人の話によるとけっこうななかなかの人物だと聞いていますから、そんな人に話が通じないとも思えません。また今の話は、日本は石油をイランからかなり輸入している。イランというのはいわゆるクルード・オイルの中でも質のいい石油を輸出している国でもありますし、埋蔵量も2番目か3番目に大きいと思いますので大きい条件。他の国はイランから輸入している絶対量がすごく少ないと思いますが、日本の場合はその点結構多い。だから問題なのかもしれませんが、この核の問題について日本の都合だけで核の濃縮技術をどんどんおやりになったらどうですかとは、他の国との関係もあり、日本だけの都合でそれを容認するかのようなことをするつもりはありません。

(問)今の話の中でロシアの提案について悪くない、評価していらっしゃるとありましたが、これは今日のドイツのシュタンマイヤー独外務大臣との会談の中で、そのロシア提案というものを支持していこうという話はされますでしょうか。

(外務大臣)この種の話題になりますかね。その場次第ですが、他にもいろいろありますので、もしそういった話題まで行けばこの種の話をドイツはどう考えているのかなど聞いてみる必要はあるでしょう。

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その他

(問)中国国内で外務省が民間人に金を払って、情報収集活動を行っていて、その民間人が収監されていたという一部報道がありますが、事実関係は。

(外務大臣)これは新聞社と同じで守秘義務というのが、特定の個人に関する情報を答えることはないのです。この情報収集活動というのは極めてインテリジェンスの高い話ですから、その種の話についてこういう話でした、ああいう話でしたということはありません。

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外務大臣会見記録(平成18年2月17日(金曜日)9時35分~於:本省会見室)

閣議

(外務大臣)閣議では、地域構造改革、再生基本法の一部変更について、中馬大臣から。同じく地域再生基本方針の一部変更について松田大臣から地域の知の拠点再生プログラムが盛り込まれたことを受けて、同じく文部科学大臣から地域再生基本方針の一部変更について。地域の知の拠点再生プログラムを受けましてという話と、文部科学大臣の人事に関する一連の話。閣議はそれだけです。

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竹島問題

(問)竹島の問題ですが、島根県が「竹島の日の条例」というものを作ってまもなく1年が経ちますが、これに関して日韓の話し合いというか、なかなか韓国の批判が強まる一方なのですが、これに対して外務省としては今後どのように対応していくのですか。

(外務大臣)外務省の対応は終始一貫していますから、特に取り立てて付け加えることはありません。

(問)これに向けた、具体的に何か話し合いを進めることは。

(外務大臣)対応については今までも一貫しているのではないでしょうか、この話は。

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国連次期事務総長選

(問)国連の事務総長選挙ですが、韓国の潘基文外交通商部長官が立候補なさいましたが、日本としての対応は。

(外務大臣)潘基文氏が立候補するという話は結構前から、正式に発表したのはつい最近ですが、昨年からこの話があったことを私は直接知っていましたので、別に今言われてということはないのですが。ビルマのウ・タントという人が国連の事務総長でした。任期が5年で2期しているから1961年から1971年までしていたのですが、そのウ・タント氏が出て以来、アジアから国連事務総長が出たことは、多分ないと思います。ですからアジアから出るということに関しては歓迎されることで、私共としてはいいことだと思っています。他にもアジアから出ると思われますので、そういった方達との関係からいって、能力、経験、国際機関、そういったものから受ける評価などを考えて総合的に判断したいと思っています。

(問)その判断時期というのはあるのですか。

(外務大臣)まだまだまだです。3人とも会ったことあります。

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中国のインターネット規制

(問)大臣の所管を離れるのかもしれませんが、米国で中国のインターネット規制に関する話がいろいろ問題になっていますが、大臣のご見解は。

(外務大臣)総務大臣の時に聞いて。あれはどんどん減らして、10億の中のいろいろなんとなく都合が悪そうなやつを潰していって、今、40ぐらいになっていると思います。だから結構規制は中国の中で厳しくなっているのが最近の傾向。暴動に関する報道やら何やら随分デリートしているという話は聞いています。なかなか紙による情報統制や放送によるのと違ってインターネットというのは情報が極めて広がりやすい。モバイルフォンとかそういったものは政府の統制、規制がかかりにくい分野の通信機器だと思いますから、それが急激に広がる。特にこれから第3世代の携帯が入ってくることになると動画が入りますから、更に情報はリアルに広がりやすい。今、携帯電話は3億3000万台いったかな。そういった状況ですから、いろいろ情報が早くなる分だけ統制はしにくい。それは自由に対する制限などいろいろな話になるのだとは思いますが詳しく知りません。

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外務大臣会見記録(平成18年2月14日(金曜日)9時47分~於:本省会見室)

閣議/シュタインマイヤー独外務大臣の来日/日本・チリ経済連携協定交渉第1回会合/モッタキ・イラン外相の来日

(外務大臣)閣議の方から。アフリカにおける平和の定着のための緊急無償資金協力ということで、私の方から、今、平和の定着に向けて、努力の継続が見られるアフリカ5カ国、スーダン、コンゴ、ブルンジ、リベリア、シエラレオネに対して、それぞれ国連難民高等弁務官事務所、地雷対策サービス部、国連児童基金、赤十字等々に3,300万ドル支援の決定という話をしております。
 サミットの財務大臣会合について、モスクワの財務大臣会合の話が谷垣大臣の方からありました。閣議は以上。私の方から発表が三つあります。
 フランク=ヴァルター・シュタインマイヤー・ドイツ連邦共和国外務大臣が来日します。2月20日、来週の月曜日から水曜日まで、外務省の賓客として来日します。去年、シュタインマイヤー外相との電話会談の際に、私の方から訪日の要請をして、今回の訪日が実現することになったものだと思っており、両国の友好のためにと思っています。ちなみに、この人はメルケル首相のCDUではない方、SPDの方です。
 次に、日本とチリの経済連携協定(EPA)の交渉の第1回会合を来週の2月23日、24日に東京の外務省で開催。正式交渉をスタートすることにいたします。予定等々協議をする予定であります。
 モッタキ・イラン外務大臣が2月27日、再来週の月曜日から3月1日まで外務省の招へいで来日します。今回の来日は、日本・イラン間でのハイレベルな交渉の一環として、昨年来調整を行ってきたものなんですが、二国間関係、最近の地域及び国際情勢等々についての意見交換をする予定です。モッタキ外相は1995年から1999年までの5年間、東京のイラン大使を務めておりますので、この間電話で話をした時にも、久しぶりの来日という話をしていました。私の方からは以上です。

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イラン核問題

(問)一部海外メディアの報道で、ウラン濃縮作業を再開したというような報道があったり、おととしの11月から凍結しているウラン濃縮作業が再開される兆しが見えているのですが、こういったイランの現状について大臣はどのようにお考えですか。

(外務大臣)イランで濃縮作業を再開したということについて、新聞ではそう書いていましたが、IAEAでは事実を今調査中というのが正式なところだと思いますので、この確認が終わらないとなんとも言えないところです。4日でしたか、IAEA理事会の決議がありましたので、これは少なくともこういった機関で決定されていますから、この問題に関してはなんとなくなめた話ではないのであって、これは真摯に受けとめてもらわないと話が更に込み入り、イランが国際社会から孤立していくということにならないようにいろいろな意味で努力をしていかなくてはいけないのだと思っています。

(問)そういった状況の中でモッタキ外相は来日されるわけですが、EU3や他のP5がいろいろイランと交渉しているわけですが、日本としては歴史的にも友好な関係を持ってきたというところがあると思うのですが、今回の来日で大臣なりに日本の立場として、イランと込み入った話をしたいというような何かお持ちでしょうか。

(外務大臣)米国の場合はイランからほとんど石油を輸入していないのだと記憶しています。最近はよく知らないけど。日本の場合は総石油輸入量の1 4%くらいが多分イランからの輸入だったと記憶しています。イランから輸入していない他の国は、いろいろ言い方も、あまり影響がないからという感じかもしれませんが、こちらはけっこう影響があるところだと思います。それから逆にペルシャという国は、ペルシャとは今のイランのことですが、この地域と日本とは正直言って、今まで取ったり取られたり、そういう利害関係とか戦ったりという歴史のないところでもありますので、日本という国に関して、固定観念というものがないという意味においては、我々としてはお役に立てるところはそういうところでしょうかね。アザデガン油田の石油開発は日本もしていますので、いろいろな意味でここはごたごたならないような努力というのは日本の国益にとっても、中近東の安定のためにも非常に大きな要素だと思っています。具体的に何をどうできるという話が手の内に全部あるわけではありませんが、丁寧に対応していく必要があるのだと私はそう思っています。ここは人口も多いですし、石油の埋蔵量も。イラクに比べれば人口だけでも3倍くらいあると思います。石油の埋蔵量も中近東の中でも大きなところでもありますので、そういった意味では非常に大きな影響力が出てくると思っていますので、日本としては丁寧に対応していく必要があるのだと思っています。

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NYタイムズ社説

(問)NYタイムズが13日に大臣の天皇陛下の靖国参拝における発言などで、扇動的な発言からは誠実さも賢明さも伺えないなどとする社説を掲載しているのですが、この件についての受け止めをお聞かせ下さい。

(外務大臣)読んでいないから何とも言えません。既に訳しましたか?

(問)私は訳していませんが、現地の記者は読んでいます。

(外務大臣)読んでないから何とも言えません。

(問)NYタイムズの社説というのは「日本の攻撃的な外務大臣」と題して、大臣のこれまでの靖国神社に関する発言ですとか台湾の発言、あるいは中国の軍事情勢に対する発言について触れて、大臣の外交センスについても批判しているのですが、それについての受け止めをお聞かせください。

(外務大臣)貴社が批判するのと同じ程度で、批判は自由ですからそれに対していちいち全部全てコメントするなどということはしません。ただ、よくよく読んでみないと、間違っている部分があれば間違っているとしなくてはいけないところもあるのかもしれません。現実、それを読んでいませんし、あなたの訳だけを頼りに全てを対応するわけにはいかないでしょうから。

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沖縄返還協定

(問)先週も出た話ですが、吉野元アメリカ局長が沖縄返還協定について、日本が支払った3億2000万ドルの中に土地の原状回復費用400万ドルが含まれていたと認める発言を最近されていますが、政府側の答弁はもちろん今までずっと否定されてきたわけですが、改めて大事なことは何が事実だったのかということで、34年経つ中で改めて外務省として説明を検討されることはないのでしょうか。

(外務大臣)吉野元アメリカ局長は87歳になっておられると思いますが、昔、河野外務大臣の時に一回その話が出て、聞いたその時は「ない」という話だったと伺っています。それから更に10年近く経ってもう一回聞いたら今度は「あった」と言われても、こちらも今度はあったと言うわけには行きませんし、一回調べた話でもありますし、そういった意味で今改めてそれをもう一回調べるつもりはありません。

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ODA改革

(問)昨日、ODAの検討に関する政府の有識者会議がありましたが、国際協力銀行の円借款の実施部分をJICAに一体化するという話で進んでいたかのように見えたのですが、やはり経済界あたりからはJBICを分割すべきではないという意見も結構強いようですが、大臣は議論の推移をどうご覧になっていますか。

(外務大臣)OECFという話はよく出ますが、OECF、JICAという話は合併した当時にさかのぼっていろいろよく言われます。JBIC(旧輸銀)の方はいわゆる昔の輸出入銀行ですから、担保を取って金利を取ってきちんとというルールになっているのだと思いますが、OECFについては、10年間据え置きで25年返済といったら金融かね。10年据え置き25年返済といったら、それを借りて払い終わる時に生きている人はあまりいないのではないかと思うくらい先の話です。そういうのは金融ですか。これは当時合併する時から意見が分かれたところだったと思います。僕の記憶ですと確か橋本内閣の時にやったのだと記憶しています。そういう時代の話ですから、私は基本的に今、OECFと旧輸銀がやっている内容はかなり違うのではないかと。遮二無二、金融だと言い張ると今のような話になるのだと思いますが、ただ旧輸銀というものを借りているのはほとんど日本の企業ですから。旧輸銀の対象の9割は日本の企業。かたやOECFの方はこれはまるまる外国の政府ですから、相手が全く違うというのが現実なので、旧輸銀を止めたら相手の国が困るのではなくて、日本の企業が困る比率が高いのです。旧輸銀とOECFというのはかなり本質が違っているものだという観点に立つのか、いや両方とも金融で一緒なんだという観点に立つのかという違いなのだと思います。私は緒方貞子理事長が言われるように、あっちこっちにいろいろ行かなくてもいいように命令系統は少なくともきちんと一本にしてもらってわかりやすくすっきり一元化した方が対応は早く、効率は高いといういわゆる緒方貞子説という、現場の一番責任者の方の話の方が理解が得やすいところだと私自身はそう思っています。

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外務大臣会見記録 (平成18年2月10日(金曜日)9時47分~於:本省会見室)

閣議・閣僚懇談会

(外務大臣)閣議では、日本放送協会の平成18年度収支予算、同じく平成16年度の収支決算について総務大臣からありました。
 中馬行革担当大臣から行政改革推進法(仮称)の作成方針についての話がありました。同じく総理大臣の方から中馬大臣のことについて、協力、改革の推進の話がありました。
 閣僚懇談会では、総人件費改革の推進について中馬大臣から話があり、同じく総人件費の改革について総務大臣の発言がありました。同じく法務大臣のところからこの話について、今刑務所等々の定員の抑制については、極めて増えてきている犯罪者増加の中にあって難しいものがありますということで、登記等々は戦前は裁判所で行っていたのですが、今は法務省でやることになっているのだが、いろいろなものをアウトソーシングする等、根本的なところまでやっていかないととてもじゃありません等の話がありました。

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日朝関係

(問)北朝鮮への経済制裁を含む「圧力」を求める声が強まっているようですし、閣僚からも「圧力」について声も出てますが、大臣としては対北朝鮮の圧力強化という観点ではどう考えているのか。また具体的にどういったものを想定されているか聞かせてください。

(外務大臣)「圧力」をかける時に「今からこういう事をやりますよ」と最初から手口をしゃべる人なんかいませんよ。

(問)ではお考えを。

(外務大臣)今このままいくと「圧力」をかけますといって何もかけないままで終わったら「なんだ、かけないじゃないか」という話になると全然話が進まなくなるという結果を招かないようにしておかないといけないというのは確かです。その手口についてはこれとかあれとかいろいろ案が出ていることは確かです。でも今は話す段階ではありません。

(問)政府部内ではいろいろ検討に入っているのですか。

(外務大臣)政府部内という表現が正しいかどうかというのはちょっと難しいところです。役所の中ではと言った方がいいかもしれません。

(問)今回の日朝対話は一定の意義があったと交渉団などが発表されておりますが、大臣から見て今回の意義というのは一番どこにあると思いますか。

(外務大臣)新しいものは何も出てこなかったという事は確かです。しかし、5日間にわたって協議がずっと続けられたということも確か。そして、前回は次はいつあるかわからないという話で、物別れみたいな感じでしたが、今回は少なくともこういった対話をしないとどうにもならないということもわかったし、日本側の一連の拉致の問題、核・ミサイルの問題等々が解決しない限りは、いわゆる正常化交渉が全然進まないということもこの5日間で、ずっとそれしか言ってませんから、かなり激しかった部分もありますが、そう言い続けてますから、これはとにかく何とかせねばいけないということになってきている。また、「何もないと世論としてはなんだということになってきますよ」ということも伝わってますから、その意味では持ち帰ってということになっていますので、いろいろな意見が率直に言い合えたということと、次同じく話し合いをということになっていく兆しが感じられる。ああいう国ですから兆しだけ感じられてまた1年放っておかれるという、気だけ持たせて話が前に進まないという話は十分にありえますから、そこのところは過度な期待をするつもりはありませんが、いろいろな意味で、前回1年数カ月前に終わった時と、今回の終わり方とは少し違ったものだったというところは成果として言えるのではないでしょうか。

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皇室典範

(問)先日皇室典範の改正について、大臣は「遮二無二に今国会でやるのは」との趣旨の話をされました。その後、秋篠宮妃殿下が懐妊されたということで、自民党あるいは民主党内でもより慎重論が強まってきましたが、大臣も今国会で提出あるいはその議論についてはより慎重であるべきとお考えになりますか。

(外務大臣)前にそう言ったじゃないですか。

(問)状況が更に変わったということで。

(外務大臣)状況が変わったから私の意見も変わるのかと言いたいのですか。何を期待して聞いているのかよくわかりません。

(問)妃殿下が懐妊されたということで、この議論は更にどうあるべきかということを聞いています。

(外務大臣)妃殿下が懐妊されようがされまいと、この種の話は慎重であるべきです。

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沖縄返還協定

(問)当時、アメリカ局長をしていた吉野氏が一部メディアの単独会見に応じて、密約があったと。つまり、米国が払うべき原状回復費用400万ドルを日本が肩代わりしていたという密約があったと吉野氏が認め、しかも日本政府が未だに密約を認めていないということについて米国からは公文書が公開されているのにおかしいという批判まで出されているのですが、その点について大臣の見解を率直にお聞かせ下さい。まず、密約があったのかどうか。

(外務大臣)これは今までも答弁は一貫してます。河野外務大臣の時に確か密約はあったのですかと吉野局長に聞かれて、当時はないと答えられたということをもってこの話は終わっていると思います。従って外務省の態度に変化はありません。

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日中関係

(問)昨日、戴秉国中国外交部副部長と会談されましたが、首脳外交が途絶えている中で、特に中国の経済成長を歓迎するとおっしゃる一方で、軍事力の透明性ということもかねて指摘されていましたが、会談の中ではそういった話は具体的にあったのでしょうか。

(外務大臣)私は戴秉国中国外交部副部長という方と私は初めて会いましたので有意義だったのだと思います。いろいろな日中間など冷戦が終わった後の国際情勢についての見解というものを聞かれましたので、そういった全体的な意見交換をしたというのが主たる話だったと記憶しています。

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外務大臣会見記録 (平成18年2月6日(月曜日)17時55分~於:院内大臣室前(ぶら下がり))

第4回日中総合政策対話/韓国人に対する短期滞在査証免除措置

(外務大臣)2月10日及び11日、谷内事務次官と戴秉国・外交部副部長との間で、日中総合対話第4回会合を開催します。もう一つ、韓国人に対する短期滞在査証免除の期限なしというのを3月1日に実施します。以上2つが私からの報告です。記者会見だからはっきりさせておいた方がいいと思うので、もう一つ言わせてもらいたいのですが、報道を読ませてもらいましたが、日本語の内容と中国語の内容がかなり違う。中国語の読める人に聞いて。これは中国人から教えてもらった内容がかなり違う。意図的にしているのかね。以上です。

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韓国人に対する短期滞在査証免除措置

(問)今の関連ですが、3月1日から韓国に対する査証の免除ですが、これは恒久的な免除ということでしょうか。

(外務大臣)基本的にはそうです。よほど途端に一挙にまた問題が増えたとか何とかいうようなことではなくて、今のような状態であれば基本的にはそういう方向でいきたいと思います。

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日朝包括協議

(問)北京で行われている日朝包括協議ですが、これまで拉致問題、今日は国交正常化についての協議が行われているかと思いますが、現在までの進展について大臣どのようにごらんになっていますか。

(外務大臣)拉致問題についてかなり激しかったですね。厳しいやりとりをやっていますので、もう一回これをやることになりましたので、もう一回やるという以上、ここで言うわけにはいかないということだと思います。

(問)日本政府としては拉致問題の進展がなければ他のテーマについても進めるわけにはいかないという立場だと思うのですが、少なくとも今回の協議で拉致問題で進展したというのはどの程度の内容ですか?

(外務大臣)これは交渉をやってるんだから、こっちからオープンリーチかけてるわけじゃないので手の内を相手に知らせることはありません。

(問)現状ではまだ拉致問題について納得できる状態ではないと。

(外務大臣)ない。ないからもう1回やるわけですから。

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麻生大臣の台湾に関する発言

(問)先ほどの台湾の発言についてなのですが、中国のメディアが大臣が台湾を一つの国と発言したとしていることに対して何か。

(外務大臣)そこのことに関しても現場にいた中国人の人が 台湾を国と発言したこと1回もありませんと、現場にいた人が書いた。

(問)大臣は、台湾は国という発言をされていると思うのですが。

(外務大臣)いいえ、1回もありません。台湾は国と言ったら問題になるということくらい25年間新聞にやられてきてますから。そんなにあなたが思ってるほどばかでもないですよ。大丈夫です。この話は台湾という地域の話です。

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日ロ関係

(問)明日2月7日は北方領土の日で今年は2島返還を規定した日ソ共同宣言から50年という節目なのですが改めて解決にむけた決意の程は。

(外務大臣)そうですね、これは日ソが日露に変わりましたけど、日露両国の中で一番ひっかかっている最大の課題であることは間違いありませんので、去年ラブロフ外相とやり、プーチン・小泉会談があり、ずっとこれ、わだかまったままきてますので両方ともこの問題を解決してきちんとしたものにしないと更なる発展が難しいとなっておりますので、ずっとこのまま放っておくというのは両方にとっていいことはひとつもありませんから、何らかのかたちの解決が大事だと私たちは決意新たに頑張りたいと思います。

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韓国の外交文書公開

(問)73年の金大中さんの拉致事件に関して外交文書公開されましたけれども、それに関して何かご覧になられてコメント等は?

(外務大臣)1万7千ページを見たかと。

(問)閣議が1日繰り上がった理由についてご判断はどいういったもの?

(外務大臣)明日朝早いのが。

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外務大臣会見記録 (平成18年2月3日(金曜日)9時25分~於:本省・会見室)

閣議・閣僚懇談会

(外務大臣)閣議の方から、犯罪捜査のための通信傍受に関する法律に基づいて、成果が上がっているという報告が法務大臣からありました。
 沖縄・北方関係で、2月7日の北方領土の日の話で総理出席のもと北方領土返還要求全国大会が東京で開催されるいう話がありました。
 閣僚懇談会では、犯罪捜査の話などが沓掛国家公安委員長等々からありました。

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有馬中東和平担当特使の中東諸国訪問

(外務大臣)私の方から、有馬中東和平担当特使が2月4日から9日まで、エジプト、イスラエル、パレスチナを訪問します。1月25日に実施されましたパレスチナ立法評議会いわゆるPLCの選挙の結果を踏まえて、イスラエル政府とパレスチナ政府と平和の進展に重要な役割を担うであろうエジプト等関係者との間で、このプロセスの進展のための方法について協議をする予定です。私の方からは以上です。

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皇室典範

(問)皇室典範の改正についてお伺いします。今、女性及び女系天皇を容認する形の皇室典範改正が議論されていますが、自民党内でも本国会成立を図るべきだという意見と慎重に議論するべきだという意見が分かれているようですが、これに対する大臣のお考えをお願い致します。

(外務大臣)どうでしょうね。通常国会で遮二無二やらなければいけない法案でしょうか。

(問)自民党内では女系天皇は認められないという意見も結構あるようですが、大臣はその中身のことについてどのようにお考えですか。

(外務大臣)詳しく知りすぎてるから言わない方がいいと思います。

(問)先ほど通常国会に向けて遮二無二やらなければいけない法案でしょうかとおっしゃったのですが、小泉総理自身が通常国会での成立に非常に前向きだと受け取っていますが、大臣はもう少し議論が必要だとお考えなのでしょうか。だとすればどのような点についてもっと議論すべきだと思いますか。

(外務大臣)いろいろな人にこの話を聞くと、すらすら答えられる方というのは正直言って国会議員でもあまり見ません。ですから、新聞もあまり難しく書かないでケーススタディとして、こうなったらこう、こうなったらこう、どちらを選ばれるのですかという具体例を聞くような形で、この皇室典範でいったらこうなります。今までのだったらこうと。少なくとも今の陛下から皇太子殿下になられて、その次の皇孫殿下が天皇になられるまで私は生きてるかな、その頃。何十年先なのではないですか。そう思うのです、私は。そういう状況になるといった段階でまだ男子皇族が全く生まれないかのごとき前提で話していますが、私みたいな奴も47くらいで2人目を生んでますから、まともな生活をしておられる方はもう少しお元気でしょうから、いろいろな事を考えられるのではないでしょうか。人様の家庭の話でもありますので、なんだか締め付けるような言い方で。天皇陛下の御意思はという話は、この話はどこかで聞いた話だなという感じが昔あったような気がしますから、もう少しいろいろな方々の話を聞き、いろいろな方々の意見をまとめつつ。「これは」と言われる方々も「それは違うのではありませんか」というと「あ、そう」と言うという話ですから、ちょっとどうかなという感じはしますので、もう少し議論をいろいろされるということも必要なのではないかと私自身はそう思っています。

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日朝包括並行協議

(問)明日から北朝鮮との政府間協議がありますけれども、大臣は前回は一年ぶりに再会されるという事を評価されてたかと思うんですが、次は三年三ヶ月ぶりに国交正常化交渉が始まりますし、日本が最優先する拉致の問題もあります。北朝鮮との交渉なのでどういう結果になるかわかりませんけれども、その協議が再開されるにあたって、それらの三つのテーマについて北朝鮮のどういう姿勢を期待しますか。

(外務大臣)国交正常化を求める優先順位が一番高いのが分からないわけじゃありませんけれども、それをするという目的を果たすためには日本の要求している拉致の話含めてきちんとした対応ができないと、三つ交渉しても一つまとまったからそれだけやりましょうかという話にはならない。再三、向こうには言ってありますので、拉致の問題含めてきちんとした解決が出来ない限りは、その他は無進展。仮に同時並行的に始めていっても、一つだけまとまって後は出来ませんとか。逆にこちらも拉致が解決してるのに日朝交渉には応じませんというわけにはこちらもいきません。それは双方同じ立場ですけれども、そういう形になるかと思います。

(問)辛光洙(シン・グァンス)元工作員について様々な新しい情報が出ています。明日からの協議でもこの件を北朝鮮に問い合わせる事になるかと思うのですが、この状況は拉致を巡る日朝協議を進める方向にテコとして機能するとお考えになりますでしょうか。

(外務大臣)相手がある話ですから、直ちにするとは言いませんけれども、これに関係されていた拉致されていた方々が日本に帰ってきて、今、口を開き始めるという事態はどういう意味なのかと思ったら、やはり日本に帰ってきてもまたされるかもしれないという恐怖感があったから喋らなかったとか、何か特別な事情があるとか、急にこの話をされるようになったという背景の方に私自身は興味があります。いずれにしても、そういった証言が一つ出てきたという事は一つの大きな圧力にはなるでしょう。

(問)明日から始まる日朝協議で、もし日本政府が最優先とする拉致問題で全く前進と受け取れる状況が北朝鮮から示されなかった場合に、三つの枠で協議するというこの形は今後同じように続けていくのか、それとももう前進が一つでも感じられなければ中断というか、そういう仕切りを止めるのか、どういう見通しで進めていこうとお考えですか。

(外務大臣)なかなかその状況を見ないと仮定の質問ですから答えにくいところですが、向こうが全然誠意のない対応であれば、こちらも他の正常化交渉も誠意のない対応ということに成らざるを得ませんから。それはお互い様、向こうのメリットというものも考えていろいろやってこられると思いますが。常識的に言えばそういう反応が出てくるのだと思いますけれども。

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イラン核問題

(問)イランの核問題ですが、IAEAの緊急理事会が始まり、安保理付託が確実な情勢なのですが、大臣はあくまでも外交的な解決を模索していくという発言をされていますが、日本として今後果たしていく役割というのは。

(外務大臣)米国の人も日本の人もイランとイラクは隣で同じようなアラブじゃないのかという程度の認識の人が圧倒的に多いと思います。米国人もそうですよ。しかし片方はチグリス・ユーフラテスの東と西では全然意味が違いますから。一緒になってシャトルアラブという川になるのですが、この川の東側にいるアーリア人系のペルシャ人と西側のアラブ人というのは生い立ちも違えば言葉も違うし、なかなか中近東とひとくくりに言うけれども全然違います。少なくともあちらの方は選挙で選ばれた人です。ちょっと勇ましいのではないかと言うかもしれないけど選挙で選ばれていますから。人口も7000万人くらいじゃないかな。そういった意味でちょっとイラクとは桁が違う。ハマスに対しての支援も公然としてきた。ハマスが132席中74席かを取って56%取ったということですから、それはイランにしては結構勢いのあるところだと思いますし、今、ロシアの提案や新しい提案が出てきていますから、こういったようなものがどういった形でイランの方も受け入れられるような話なのか。EU3としてもいろいろ今後やっていくのだと思いますけどね。ちょっとここのところはなかなか難しいと思います。日本の場合はアザデガンを始めいろいろ関係のあるところがあります。日本は直接今まで接したことのない地域ですから。イラク、パレスチナ、イスラエルを含めて、日本という国は中近東との縁というのはあまりないと私は思っています。日本にとって結構大きいのは1971年でしたか、オイルショックの時の石油の消費量というのは70何%。今は50%になってますから比率は下がった。しかし、中近東地域からの石油の輸入量というのはあの頃に比べて今の方が高い。インドネシアの石油とかメキシコの石油がなくなった分だけ中近東への依存度が高くなった。ということは中近東の平和と安定というものは通商を行っていく日本の立場としては非常に大きな要素だと思いますので、このイラン、イラク、パレスチナというところに関する安定とか平和というものに、日本はもう少し配慮をはらって。貴紙にこの種の記事が出た記憶はほとんどありませんから、しっかり書いて頑張ってください。関心があるということを聞いただけでも驚いたよ。素晴らしいことですね。外務省番になってよかった。

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