記者会見

外務大臣会見記録(平成17年12月)


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外務大臣会見記録 (平成17年12月27日(火曜日)11時48分~於:本省・会見室)

閣議・閣僚懇談会/麻生大臣のインド・パキスタン訪問

(外務大臣)今年最後の閣議ですが、官房長官から内閣特命担当大臣の発令に伴う各本部等の構成要員の変更についていろいろ具体的なことが上がっていました。三位一体改革の点について、正式に平成17年11月30日、平成18年度までの三位一体改革にかかわる与党協議会の合意を踏まえて、来年平成18年度までに確実に実施できるように協力要請というものが上がっています。高円宮久子殿下のカナダ旅行についての報告があり、同じく特命担当大臣共同参画の変更について話があり、犯罪被害者等の基本計画について特命担当大臣の方から話がありました。
 総務大臣ですが、完全失業率4.6。前月に比べて0.1の上昇となっています。同じく消費者物価についても報告が上がっています。
 厚生労働大臣ですが、有効求人倍率については、調整して0.99倍ということになっていますので、先月の0.98倍を0.01上回ったということになり、有効求職者も0.7%の増加になり、少しずつ雇用改善の方向に進んでいるという報告が上がっています。閣議に関しては以上です。
 私からは、来年1月3日から6日までインドとパキスタンを訪問しますのでご報告します。細目については報道課から説明があります。

(問)インド・パキスタン訪問の狙いについてお聞かせください。

(外務大臣)6年前、森喜郎総理のインド訪問というのが海部内閣以来十年ぶりだったと思いますが、ジャパン・インド・グローバル・パートナーシップというのを結んでいろいろ始まったのですが、それ以後あまり動いてなかったものが、今年4月末のゴールデン・ウイークに小泉総理が行かれ、その時に各閣僚レベルの定期交渉をしようという話をされました。8月に情報通信担当大臣の会議が閣僚セッションの一番目でスタートして、たまたま私は総務大臣でしたので、開催してからの話ですが向こうに行って、日本からもいわゆる情報通信の世界1、2を争う企業がごそっと100社超えるくらい行きました。それ以降今日まで、経団連のミッション、同友会のミッション、関経連ミッション等々がずっと続いて、インドというものとの関係が出来上がりつつありますので、そういったものはきちんとフォローしていく必要があるということが一つです。
 パキスタンに関しましては、インドとパキスタンというのはなかなか難しい関係にあるのだと思いますが、パキスタンにODAをアフガニスタンとのカイバル峠等々の所にいろいろな形でしていることは御存知の通りだと思います。こういったものがODAまたNGOなどいろいろな形でここに作られている施設、学校等々が今上手く行きつつあるという報告を受けているので、そこまで行きたいと思っていたのですが、時間がないのでそこまでは行けないのですが、いろいろな形でパキスタンという国との間のいろいろなものが芽を結びつつあるというところが私共としては大事な所なので、きちんとして、このあたりはアフガニスタンに繋がる国境線を有して、なかなかしんどいところだと思いますし、アフガニスタンは大分落ち着いてきたとはいえ、パキスタンとはほとんど同じ言語を話していますし、いろいろな意味で関係が深いところでもあります。テロ、いろいろな事を考えて私共としては大事にしておかねばならない国だと思っています。

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靖国参拝

(問)今年の元日ないしは三が日に靖国神社に参拝されるお考えはありますか。

(外務大臣)あなたの正月休みの日程も考えて発言をして欲しいということでしょうか。休みを取る都合もあるから、記者のことも考えて休みしにろというようなことで決めることはありませんから。1月1日に参拝するかどうかにつきましては、私の方で適切に判断するとずっと申し上げてきておりますので、適切に判断させて頂きます。

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就任2カ月の成果

(問)就任2カ月では総括はしくにいかと思いますが、今年最後の会見ということでお聞きします。外務大臣としての今年の御自身の仕事ぶりを振り返って達成されたとお感じになりますか。もしくは来年に積み残したとお感じになりますか。御自身の仕事ぶりを評価されていかがでしょうか。

(外務大臣)2カ月ですから。評価としては東アジア共同体、東アジアサミット(EAS)はやはりそれなりの成果だったのではないですかね。いろいろな意見の違いがあるこのアジアの中で、少なくとも世界最大の人口を要するアジアの中で、しかも多分経済的には各地域の中で一番元気のあるアジアの中で、少なくとも資源国のインドネシア、特にITに関するノウハウを伸ばして伸びつつあるインド、資源を持っている豪州を含めて、いろいろ形でこういった形のものが出来た。スタートにつけたというのは成果だと思っています。
 昨日、齋木アジア大洋局審議官が帰国しましたが、北朝鮮と1年間に渡って接触、交渉が正式には出来なかったものが、1月中に交渉再開が出来るという目処がつけられることになったのは、この2カ月半の中で言えますが、これは何も私がやったのも何でもない。これまでの間ずっと長いことこういったものをしてきたアジア大洋州局であったり、いろいろな所の成果に結びついたのだと思っています。出て来た成果だけを見ていかにも2カ月の間に麻生がやったような話とは全然違います。基本的にはそういった成果がこの2カ月間で出たと言えるのだと思います。
 来年については、いろいろまだやらなければいけないことがこの国にはいろいろあります。北東アジアに限らず、日本として国連改革を含め、ODAにつきましても政府系金融機関の一環として今議論が始まったところです。ODAというのは日本にとって外交の極めて大きな柱となりますので、これをきちんと活用できるようにやっていかなければいけないというようなことがいくつもあると思います。そういったところが今言われてパッと思いついた話でしょうか。

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アジア外交

(問)中国、韓国を中心とするアジア外交ですが、今月初め大臣自身もアジア外交演説というものをされましたが、そういう事も踏まえてこれまでの関係と、アジア外交の来年の展望というか見通しはどのように考えていますか。

(外務大臣)韓国と中国の話をよく一緒にされる方が多いと思いますが、日中と日韓は違うと思います。なんとなく靖国でひとくくりとなっているようなところもありますが、韓国というのは少なくとも選挙によって大統領が選ばれ、議員が選ばれ、市場主義経済をやっているという意味におきましては、インド同様開かれた民主主義国家という共通の価値観を有しているところだと思います。そこの中において、昔からの関係等々日本との関係というのを挙げていけばきりがなくあるのだと思いますが、少なくとも日韓の関係というのは、スタートした日韓条約が出来た頃に比べて、動いている人数が1日1万人を超え、今年は490何万人まで。昔は1年間で1万人。今は1日1万人以上というところまでいっていますので、関係も決して悪くないという感じがします。一つの問題だけで全体が悪いような話ではないのではないかというのが基本的に感じていることです。
 中国に関して言わせてもらうと、中国は今経済がすごい勢いで伸びていると思います。急激に伸びていると、日本のかつての高度経済成長の時にも似たような問題、公害始め日本もこれまでくぐり抜けてきた多くの問題があったのですが、中国の場合も同様に今、水の問題とか有害物質が流れ込んだとか、急激な経済成長する時に起きる話というのをしているように思いますが、そういった問題を今間違いなく取り組んでいるところなのだと思います。皆、くぐりぬけなければいけない大事なところなので、そういった意味でお互い様、力になれるところがあるような気がします。事実、中国に進出している日本企業が雇用している中国人の数は900万人を超えたと思います。920~930万人にもなっているのではないでしょうか。920~930万人の雇用がそこに作られているということは非常に大きな事なのであって、経済関係もそれなりに上手く転がり始めているような気がします。政治問題などいろいろありますけど、そういった中にあって経済問題というのが大きな柱になります。また経済成長も間違いなくしてきていると思いますし、そういった意味では中国が経済的に大きく伸びてくるというのは、日本として大いに歓迎すべきことなのだと。脅威だ脅威だと、経済的な脅威の話をよくする人がいるが、これはいい意味で、競争相手ができるということはいいことであり、競争というのは基本的にはいいことです、基本的には。従って、中国と日本というのがいろいろな意味で競争し合う。そして中国の経済が伸びる。それは中国にとってもいいだろうし、他の国にとってもそれをマーケットとして見れば非常に大きな要素がありますので、私共としては中国の経済発展は歓迎するという事をずっと申しておりますので、それが確かなところだと思っています。そういった意味でアジア外交全体でいけば、今述べたように東アジア・サミットというのは非常に大きな要素としてこれから出てくるのだと思います。それがいろいろな形で、紆余曲折、EUになるまでには随分時間がかかりました。ましてやこちらは規模も違うし、言葉も勿論違うし、宗教も人種も違い、歴史的な背景も違うところが一緒になるにはいろいろな意味で難しいと思います。EUより更に難しい要素はあると思います。少なくともその中にあって、インド、中国、日本などそういった大きな所、インドネシアもそうだと思いますが、そういった所が頑張って共通の利益ということを考えると、手を組んだ方がお互いのためになるという理解をして、私共としては、中国だけが儲かるとか、日本だけが良くなるということではなくて、皆がよくなっていくのは、結果的に日本も良くなりますし、中国も良くなりますから、そういったことを考えて経済というものは動かすものだと私は思っています。今、言ったようにアジアの中でそういったものが出来るきっかけが出来ていますので、そういったものをきちんとやっていくのが大事なのではないかと思っています。
 よいお年をどうぞ。

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外務大臣会見記録(平成17年12月22日(木曜日)10時42分~於:本省・会見室)

閣議・閣僚懇談会

(外務大臣)中馬大臣から、規制改革・民間開放推進会議の改造方針についての提言等々の説明がありました。日本私立学校振興・共済事業団理事長人事、文部科学大臣から。独立行政法人天然ガス鉱物資源機構の人事について経済産業大臣から話がありました。少子化対策について、これは猪口大臣から、平成17年度人口動態統計の年間推計で、1899年、明治32年以来初めて日本の人口動態統計というのはマイナスになるということは確実ということが、厚生大臣から発言がありました。閣僚懇で私から、IC旅券の話をさせて頂いて、いわゆる偽造パスポートの件については、ICチップを使うことによって、写真の貼り替え等々が行われていたとしてもICチップを使ったパスポートというものを見ると、写真の貼り替えがしてあっても中のチップの顔と貼ってある写真の顔とは違いますから、それで偽造とすぐわかるというものを作って、来年3月から発給を開始します。

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日朝政府間協議

(問)明後日から北京で日朝の協議が行われますが、元はといえば日本側が前回協議で提案をしているわけですが、それに北朝鮮がどのように応じてくるかというところがひとつの焦点になると思うのですが、政府としてどのように協議に臨まれるのでしょうか。

(外務大臣)この種の国との外交交渉をやるにあたって、予見を交えてしゃべるということは、国益に資するとは限りませんからね。少なくとも日本側の提案した3つの話を同時並行してやるということにしていますので、拉致の話等々、核・ミサイルの安全保障の問題、そしていわゆる国交の正常化、この3つというものを同時並行にしてやるということで、これはどれかひとつだけ解決したからそれだけ先に進めるということもしません。この点に対しては従来から申し上げているとおりだと思いますけどね。こちらから言うのは、基本的な姿勢は同じです。

(問)日本側としてはその3つの協議をどうやって進めるかということで、人選の問題も含めてその辺が今回確認できればいいというような感じでしょうか。

(外務大臣)今、24、25日で行う予定にしていますが、基本的にはそれぞれの3つの部会を立ち上げて担当を決めてというのができあがるというのはひとつの前進でしょうね。

(問)事前の北朝鮮側との協議では、その3つの協議を設置すること自体について、受け入れるという考えは向こう側から示されているのでしょうか。

(外務大臣)受け入れるのを条件にこちらは提案していますので、向こうが開催をするということは、常識的には、その3つの部会を立ち上げるというように考えるのが通常だと思いますけどね。

(問)先ほど今回の協議で日本側が提案している3つの分野の協議について、担当者が決まれば一つの前進とおっしゃいましたが、それぞれどういったレベルでの協議を今後考えていらっしゃいますか。

(外務大臣)プロですね。プロでこちら側もそこそこ皆担当を決めて進むようにしていますから。交渉団の団長は佐々江局長。しかし担当する人は、いろいろなその種の分野に関してそれぞれ知見というものを持っていないと。知識とか見識とかを持っていないとなかなか出来ないと思いますので、いわゆるプロというものが必要なのではないでしょうか。そんな感じがします。

(問)3つの分野を全て大使レベルという認識でよろしいのでしょうか。昨日の外務報道官の会見では、国交正常化に関しては大使レベルでという話しだったのですが。

(外務大臣)大使が必ずしもその分野に詳しいとは限りませんから。だからそういった意味では大使という役割にこだわるつもりは全くありません。

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日本の人口減

(問)人口減のことで、まずその原因と、それから政治が何をできるか、何をすべきかという点について、ご助言があればお伺いしたいのですが。

(外務大臣)外務大臣としての所見は特にありません。

(問)一政治家として、あるいはポスト小泉として。

(外務大臣)それは別のときに訊きに来てください。こういう記者会見で皆の前で言うことではありませんから。所管外の話だから。

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日中関係

(問)民主党の前原代表が中国の軍事力増強に関して、現実的脅威と発言されたりしていますが、大臣は中国の脅威論についてどういう認識をお持ちですか。

(外務大臣)年間二桁の防衛費の伸び。17年間連続。その内容が外にはなかなかわかりにくいというのは透明性という点に関しては不信感を煽る事になる。それがきちんと日本のように外にわかってきさえすれば、我々のあれは脅威ではありませんと言わなくてもいい。言わずもがなのことを言わざるを得ないというようなことをやっておられますが、はっきり透明なものになっておきさえすればというような感じはしますから、前原さんが言っておられる言い分は、脅威、不安を煽っておるというのは確かだと思います。

(問)大臣も現実的脅威というような認識を持たれますか。

(外務大臣)隣国で10億の民を持って、原爆を持って、その国の軍事費が毎年二桁の伸び。連続17年間。内容は極めて不透明というのであったら、どんなことになるかなということに関しましては、かなり脅威になりつつある、そういう意識はありますね。

(問)中国を訪れている自民党の逢沢幹事長代理に対して、唐家セン・国務委員が日中の外相会談の早期開催の必要性に言及されたと伝えられていますが、どのように御感想をお持ちでしょうか。

(外務大臣)こちらはいつでも会う用意がありますから。それしか答えようがありません。

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日中韓情報通信大臣会合

(問)1月9日に予定されていた日中韓の情報通信担当省の会合が、準備が整わないということで中国側が延期を要請してきましたが、竹中大臣が出席予定でしたが、この中国側の姿勢をどう思われますか。

(外務大臣)厦門(アモイ)でしたか。この前、私の時は札幌で第3回を王旭東・中国情報産業部部長、陳大済・韓国情報通信部長官としましたが、向こうの準備が出来ていないとなればそれまでのことで、特にそれ以上の感想はありません。

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外務大臣会見記録(平成17年12月20日(火曜日)10時43分~於:本省・会見室)

閣議・閣僚懇談会/麻生外務大臣の神奈川県および山口県、広島県訪問/パレスチナ自治政府立法評議会議員選挙に対する緊急無償資金協力/第13回外務省タウンミーティング

(外務大臣)まず閣議から、平成18年度の予算の財務省原案、17年度の補正予算、18年度の税制改正の大綱について、財務大臣からそれぞれ報告がありました。
 外務省の方としては、パレスチナに対する緊急無償資金協力について。この度、パレスチナ自治政府の中央選挙委員会に対し総額約72万ドルの支援を実施することにしています。
 国立大学法人の人事について、文部科学大臣から。中川農林水産大臣から、WTO第6回閣僚会議の出席について、ドーハ開発ラウンド等々の話について報告があり、同じく二階経済産業大臣から、WTOの報告並びにマレーシア、タイへの出張等々の報告がそれぞれありました。閣議は以上。
 私の方から、在日米軍の兵力構成見直しに関して、沖縄訪問をさせて頂きましたが、来週26日に神奈川県、来年の1月16日に山口、広島を訪問することにしていますので、詳しくは後で書類を見てください。
 今、閣議で言った緊急無償資金協力については、パレスチナのNGOの選挙監視活動等々を支援するなど、いろいろ今回のパレスチナ自治政府の立法評議会議員選挙が10年ぶりに実施されることになりますので、それに合わせて支援をさせて頂くこととし、選挙に関しては、日本からは伊藤信太郎外務大臣政務官を団長とする政府の選挙監視団を派遣することにしています。
 先の話ですが、2月18日、13回目になる外務省のタウンミーティングをイイノ・ホールで行うことにしています。私の方からは以上です。

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米軍再編

(問)米軍再編に関連して、予算が成立した来年4月頃、米軍再編の推進法案を国会に提出するという一部報道があったのですが、事実関係を教えてください。

(外務大臣)新聞を見ていないから知らないですけれども、俺が知らないんだからないね。

(問)その報道の中での話ですが、普天間基地のキャンプ・シュワブへの移設に関連して、公有水面の使用権限を今の県知事から国に移すというものも盛り込むという報道だったのですが、今回の普天間の移設に関連して一部公有水面に移設先がかかると思うのですが、そういったことが以前も一部報道がありましたが、そういう検討はされているのでしょうか。

(外務大臣)前に出た時にも答えたと思いますが、今、そういった話を少なくとも外務省やら他省との間で検討しているという事実はありません。

(問)先週、米軍再編の日米審議官級協議がありましたが、あまり具体論には入らなかったという事ですが、米国側には米国側の事情もあるということで、3月の最終報告に向けて、3月という期限の見通しについて今の時点でどうお考えですか。

(外務大臣)全部が全部きちっとその場で3月なのでこれでぴたっとというようにいくかと言われれば、それはなかなか難しいとは思いますけど、大筋合意してますので、基本的に合意の線でやれるように頑張っていかなければいけないところだと思います。丁寧にやっていかなければいけないところですよ、こういうのは。

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ODA予算

(問)財務省原案でODAを3.4%マイナスで7年連続減少ということですが、これについてのお考えをお聞かせ下さい。

(外務大臣)これは補正と一緒にたしてみないとなかなか言いにくいところだと思いますので、財務省の官庁用語で言えば「枝ぶり」としては補正と合わせて見たところではそこそこなものが取れているという感じになるのだと思います。ODAというのはやはり日本の外交にとっては非常に大きなものだと思いますし、今回の香港のWTOの会議においても、LDC(Least Developed Countries)いわゆる後発開発途上国の中でも日本を高く皆が評価し感謝するのはここだと思います。特に今回は開発のシステムごと日本としてはやりますというのも提案しています。そういったものが今回のWTOの最後の会議でも、皆、製造、販売、購入等々いろいろなものをパッケージで出せるのも、こういったものと密接に結びついているところでもあります。やはりいろいろな意味でODAというのは、単なる金をばらまくというような話が新聞にはよく書いてあるけど、戦略的に使われている部分というのを見ていただかんといかんところです。昔はこれを戦略的に使うとけしからんという話が多かったんですよね、確か。しかし最近は戦略的に使ってないのがけしからんという話になってますでしょ。そういったところはちょっとよくわからないところですが、ODAというのは非常に日本の国にとって大きなもの、外交の大きな柱だと私共はそう思っていますので、今後ともこれは有効に使っていかなければならないものだと思っています。

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オリンピック出場の年齢制限

(問)オリンピックのことで伺いますが、フィギュアスケートの浅田真央選手が年齢制限でトリノ・オリンピックに出場できないことがいろいろ議論を呼んでいますが、御自身のオリンピック出場の経験などからして何か御感想をお持ちでしょうか。

(外務大臣)15歳以下はルールで出られないんだろ。わーわー言ってますけど、それはおたくが言っているのであって、本当に言ってますか。15歳と決められてダメなのに日本だけ例外にしろという話をしろと言っているわけ。それは言ってる方がおかしいですよ。ルールというのはそういうものじゃありませんから。

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盧武鉉・韓国大統領の訪日

(問)盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の年内の来日はもうないという判断でよろしいのでしょうか。

(外務大臣)こちらはいつ来て頂いても構わないとは思いますが、今12月20日、ちょっと年内に来られてもなかなか、とは思いますね。

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日朝協議

(問)日朝協議なんですが、今日20日ということなんですが、依然、状況変わらずという状況なのでしょうか。

(外務大臣)状況は変わらずというのは。

(問)北朝鮮側からの明確な返答はまだないという。

(外務大臣)いろいろ交渉をしているかと言われれば交渉の手の内はしゃべるはずありませんから、検討中としか答えようがないものです。だけど、いろいろな形で接触がゼロかといえば、あります。だからそこのところで、じゃあ年内まとまるかといえば、まとまるはずの予定がその日によって変わったりするというのは、この種の国際交渉ではよくある話ですから、最終的なことが決定されない限りは何とも言えないところですから、検討中としか言いようがないということです。

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消費税率引き上げ

(問)2007年以降の消費税率引き上げをめぐって、小泉総理等の発言が相次いでいますが、大臣御自身のお考えはいかがなのでしょうか。

(外務大臣)経済閣僚に聞いた方がいいんじゃないか。外務閣僚に聞く話、外務省に聞く話とは思わないけど。

(問)大臣個人としてのお考え、政治家としてのお考えを。

(外務大臣)ここは個人発言をする場所じゃないから。別に会いに来たら話してあげるよ。見たことないから、知らない人とはあまりしゃべらないようにしてるし、あなたの顔は初めて見るし、初めて見た人にいきなりすぐしゃべるような、それほど人がよくないんだ。

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外務大臣会見記録(平成17年12月16日(金曜日)11時00分~於:本省・会見室)

閣議・閣僚懇談会/イラク国民議会選挙

(外務大臣)閣議の方から、政策評価に関する基本方針について、総務大臣から発言があり、同じく地方の自主自立の拡大並びに地方議会制度の在り方に関する地方制度調査会の方針について、両方とも総務大臣。同じく平成17年度白書について総務大臣から発言がありました。私からは、小泉総理の東アジア首脳会議等への出席についての報告をし、同じく私のWTO第6回閣僚会議の出席について報告をしました。少子の状況及び少子化の対処策について、猪口国務大臣から発言があり、文部科学大臣からスウェーデンの出張報告があり、官房長官から高円宮憲仁親王殿下第二女子典子女王殿下の英国旅行についての話がありました。閣議については以上。
 次に私の方から、昨日木曜日、イラクの国民議会選挙が行われました。少々の騒ぎはあったにしても、爆発等々の大きな事故も混乱もなく実施されたということで、これはイラクの政治プロセスとしては大きな進展だったと歓迎をしているとともに、イラクの移行政府としては、今の暫定政権というか移行政府としては、大変喜ばしいことだったと思いますので、イラク国民に対して、また暫定政府、移行政府に対して祝意を表したいと思っています。なかなか、民族、宗教、難しい問題がいっぱいあるところでもありますので、新政府がどれくらいできるか、今から選挙の結果が出るのに最低でも2週間くらいかかるだろうと言われていますので、そういった意味では、きちんとしたものができあがることを期待すると同時に、少なくとも今回、予想に反して非常に大勢の人が投票をしたために本来の投票時間だった7時から17時までというのを18時まで1時間延長している等々、国民の意識というか参加意識が高まったということは良かったことなのではないかと思っています。いよいよイラク人による国造りというのがこれで始まる態勢ができあがったことになりますので、誠に喜ばしいことだと思いますし、私どもとしても引き続き協力をしていかねばならんところだと思っています。そんなとこです。

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日朝協議

(問)北朝鮮に対する国連の、北朝鮮の人権状況に対する非難決議、これは早ければ明日くらいに本会議で採択されるという見通しのようですが、そういったことをふまえて、今後日本としてどういう人権外交を展開していくか、その考えをお願いします。

(外務大臣)日本だけで、拉致の話だけでというのは、なかなか理解が得にくいところでもありますので、この国連で拉致という言葉が正式に総会の場で使われる、本会議の場で使われるというのは初めてのケースなので、こういったところまで、これまでずっとやってきた成果が今出てきているのだと思っています。いずれにしても、これは日朝間だけでやれる話でもありませんので、国連の場においても、このような形で正式に北朝鮮に対して、拉致という問題は非人道的、いわゆる国際社会では認められない行為なんだということがきちんと出されるということが大変良いことなので、こういった形で人権というものに対してもいろいろな形での圧力が高まっていくということは大事なところだと思っています。

(問)日朝の政府間対話なんですが、日本政府としては年内、あともう2週間程しかございませんが、あくまで年内再開の道筋を探るという対処なんでしょうか。

(外務大臣)可能な限り年内の開催ということで調整をしていることは事実です。まだ現段階で決まってはいません。

(問)その調整している過程では、前回日本政府が提案した3つのものを同時に進めるというものについて、北朝鮮は前向きな反応なんでしょうか。

(外務大臣)比較の問題で難しいけど、前に比べたら前向き。今まで日朝交渉に応じなかったわけだから。前に比べたら前向き。その前向きというのが、新聞記者用語の前向きというのはものすごく定義が幅広いでしょう。だから、どれが前向きで、その程度で前向きと言うんですかなんて言われたんじゃかなわないからね。前向きの定義が難しい。だから、今までに比べたら前向き。開催に。

(問)次の協議が再開された場合に、日本が提案したものを北朝鮮が受け入れるというような雰囲気はあるのですか。

(外務大臣)自分の都合の良いところ悪いところいろいろありますからね。だからそこのところは、なかなか交渉の仕方としては難しいところです。

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イラン大統領の発言

(問)イランの大統領がホロコーストは作り話だというような発言をして欧米が猛反発していますが、日本政府はどういうスタンスですか。

(外務大臣)アウシュビッツの話は、少なくともいろいろな形での証拠があり、写真等々を含めて、あれが技術の進歩による偽造写真である、作成されたものであるということにでもしない限りは。作られたものであるという事を証明する術がありますかね。今ならCGなどいろいろなものがありますから可能かもしれませんが、あの時代からある写真ですから、きちんとしたものとして残っていて、後で作った話とは言えないのではないですか。無理があるような気がしますけど。だからどうするというわけではありませんが、相手にされる話だろうかという感じはしますけど。

(問)特に今の段階でイランに対して何か対応を考えているわけではないということですか。

(外務大臣)今の段階ではありません。

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イラク武力行使の正当性

(問)ブッシュ米大統領がイラク戦争の大義を巡って、多くの情報は誤っていたと認められましたが、改めてイラク戦争の開戦の時に日本政府がすぐ支持したことについてどうお考えになりますか。

(外務大臣)日本のイラクに対しての話に関しては、1990年からかな、2002年までのトータル約12年間にわたってイラクに対しては査察の受け入れなどいろいろ話がありましたし、その前の90年には北部においてマスタード・ガスだったかな、糜爛性のガスだったと思いますがそういった大量、いわゆる化学兵器というようなものを使ったという過去の経緯がありますから、そういった意味では国連としてはきちんとした査察を受け入れるべしという累次にわたる勧告という平和的解決の機会を与えたにもかかわらず、全く答えようとしなかったというのが一番の背景なのだと思います。そういった意味では私共としては基本的にはそれが全ての基であって、大量破壊兵器はその時にはなかったかもしれませんが、その前に使ったという事は事実ですから、そういった事も考えて、国連の何番だったかな、あれに基づいて全体で最終的に決定したということだと思いますので、大量破壊兵器があったという情報が間違っていたという話をブッシュ大統領が認めたとか認めないという話になっているのだと思いますけど、しかしそれによってイラクへの攻撃の判断を間違えたとは言っておられないと思います。従って、情報収集が間違っていたという点はあったのかもしれませんが、少なくともイラクに対して国連決議に基づいての攻撃は間違っていなかったという考え方と同じだと思っています。

(問)感情論になるかもしれませんが、誤った情報に基づいて起きた戦争を、この結果を見ると、あの開戦の時にすぐに支持したというのはやや拙速だったのではないかという気もするのですが。

(外務大臣)意見の分かれるところだとは思いますが、少なくともサダム・フセインという人の存在というものが、あれによってサダム・フセインが起こすいろいろな可能性というものはあれ以降全くなくなりましたから。そういった意味では9.11のあの騒ぎ以来、一連の関係でずっと起きている話ではあると思いますが、少なくともそういった面からいくと、米国の攻撃自体の判断としては、後世に歴史家が決めることなのかもしれませんが、少なくともイラクから発せられるテロの脅威は著しく減退したことは確かなのではないでしょうか。そういった意味では私共としては早かったと言えば、逆にいろいろな意見が出てくるのであって、いや遅かったんだという人もいますから、もっと早くすれば大量破壊兵器を発見することができたはずだとか、これは昔から意見が分かれるところですから、一概に遅かったとか早かったとかいうのをこの時点で決断、判断、評価をすべきものだとは思いません。

(問)大臣が決断する立場にあったとしたら、同じ決断をしましたか。

(外務大臣)仮定の問題については答えないことにしていますので。

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外務大臣会見記録(平成17年12月13日(火曜日)10時57分~於:本省・会見室)

閣議・閣僚懇談会/麻生外相のASEAN関連会議出席

(外務大臣)閣議、破綻金融機関金融担当大臣の方から、金融再生法に基づいて一連の話が出ていますので話がありました。総務大臣から、地方交付税の特別交付税の12月交付の対向についての話がありました。私の方から、東アジア首脳会議等々、外相会議の出席について報告をし、イラクについての緊急無償資金協力について、特別措置法によって派遣期間が延長になりますので、それに関連しての国連開発計画についての話。環境大臣から、第11回の条約の締約国及び京都議定書の第1回締約国会合の報告等々がありました。以上です。

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内政

(問)総理が内政懇で来年9月の総裁選に関して、安倍官房長官に「逃げては駄目だ」という言い方で出馬を強く促す発言をされたことが反響を呼んでいますけれども、大臣どのようにお聞きになったか教えて頂きたいと思います。

(外務大臣)まず最初に、今の話は、私は新聞を読んでいないから内容は本当かどうかわからない。だから迂闊には答えられない。何かそれが問題なんですか。どこを問題としたいんでしょうか。

(問)総理のその発言は、安倍さんに肩入れした発言とも受け止められていますけれども、それを総裁候補の一人としてどのようにお聞きになったのかということで、不安や関心があるのですか。

(外務大臣)関心があると思われているほど関心がない、まず最初に。それが一つ。それから、なんでしたか。

(問)「逃げては駄目だ」と。次期総裁選。

(外務大臣)次期総裁選、逃げては駄目。ちょっと言葉が少なすぎじゃないか、これは。ちょっと、質問する以上、ちゃんと質問した文、しゃべった文章そっちは書いてあるんだろうから、書いた文章言ってください。

(問)来年の総裁選に関して、党内から安倍さんを温存すべきだという声が出ていることに対して、チャンスはそうないんだから・・・

(外務大臣)温存すべきだと言った人がいるんだ。

(問)います。

(外務大臣)誰が。

(問)党の幹部が言っているのに対して総理は・・・

(外務大臣)党の幹部って誰。複数以上いるということみたいだね。

(問)森さん。

(外務大臣)森さんて、一人だね。

(問)はい。

(外務大臣)質問するときに、テレビの前で質問するときにいい加減な質問に答えていい加減な答え出してそれを後々言われたんじゃかなわんからね。だから、きちんと、質問の意味をきちんと言った上で前提条件をはっきりしてしゃべらないと、まともにストレートに聞くというところだけは新聞記者として唯一ほめてあげるところだと言って前にほめたと思うので、質問するならきちんと前提条件をおいて質問しないと、後であのときこう言ったじゃありませんかと、今度また別の記事にして飯食おうったって、そういうような話に乗るほど、それほど人良くないから。きちんと前提条件をおいてしゃべって。

(問)はい。それで、そういう、森さんがそう言ったことに対して、総理は、「チャンスはそう無いんだから逃げたら駄目だ」と出馬を強く促したんですけれども。

(外務大臣)それのどこが問題なんですか。

(問)その感想をお伺いしたいということなんですが。

(外務大臣)感想。

(問)安倍さんという個人名を出して、後継として安倍さんを肩入れしたとも受け取れる発言なんですけれども、それに対して。

(外務大臣)まず、肩入れしたとも思わないし、それからチャンスはそう無いから逃げちゃ駄目だというのは、安倍晋太郎先生のことを考えたろうし、いろんな条件で考えれば普通の話なんじゃない。取り立てて、あんまりニュースがないからどうしてもこれを取り立ててニュースにして地方に流す通信社のネタにしようっていう意図はわからないでもないけど、あんまりそんな重大な発言ですかね。と、僕はそう思う。

(問)内政懇談会で、総理が民主党との大連立について含みを持たすような発言をされました。連立が出来るかどうかは情勢による、任期中の来年9月までに出来るかその後にできるかは予測できないがというような言い方をしたのですが、衆院選で大勝しましてですね、民主党と連立する必要性はあるとお考えですか。

(外務大臣)民主党と連立を組む必要性があるかは、憲法改正、教育基本法等々いろいろ大きな話がありますから、そういった意味では多くの理解を得るというのが正しいと思います。その時に民主党という党はどういった形で、例えば今言ったような大きな問題を、この間の時みたいに2票差で半分ずつみたいな話に割れるということになるのかならないのか、こういった国の根幹に係わる問題をきちんとまとまってできるかできないかというのは大きなところだと思います。そのために党が割れるか割れないかというのは、正直他の党のことなのでちょっと何とも言えませんね。その時の状況にならないと。という感じはしますけど、10カ月くらい先の話でしょうから。民主党の党大会は9月でしょ。自民党と同じ時期でしょ。9 カ月くらい先の話ですからそれまでいろいろ煽って書いておられたらいいのではないですか。

(問)内政懇談会で、「チャンスというのはそう来ない。準備のない人はチャンスが来てもつかめない。困難に直面して逃げたらダメじゃないか」と総理はおっしゃったのですが、これは一般論としても十分通じると思うのですが、麻生大臣の準備の程はいかがですか。

(外務大臣)そうですね、あなたが思っておられる「準備が出来ている」という答を聞きたいのだろうけど、最近の生活状況にいたらとてもそんな準備は出来ません。今日からまた香港でしょ。なかなかそういう準備を出来るような時間的余裕がない。せめて、夜、寒い中立たされるあれだけ減らしてもらおうと。夜回りを止めてもらえると準備が進むと思うので、協力してもらえれば、夜回りは是非止めてもらいたい。率直な意見です。

(問)大臣がおっしゃる総裁選に向けた準備というのはどういった準備なのでしょうか。外交で成果を挙げることも準備ではないのでしょうか。

(外務大臣)どうでしょうね。外交ってそんな票になりますか。

(問)私はそれも大臣が外務大臣として何らかの成果を挙げることを判断されることもそれに繋がると思うのですが。

(外務大臣)外交というのはあまり基本的には選挙で票にはならないものなのですよね。しかし今随分時代は変わっていますから、そこのところはわかりませんが、外交というのが票になったというのは少なくとも過去にはあまりないと思います。ですからそういった意味では何とも答えようがありません。ただ、その時間を票を持っている人と話をしたり面会したりした方が票になる。選挙の基本はそうですけどね。

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日朝協議

(問)日朝協議について伺います。北朝鮮は六者協議については米国側の金融制裁を問題にしていて、早期再開に難色を示しているようなのですが、日朝の方はどうなのでしょうか。見通しとしては、あまり北朝鮮側が拒否しているという感じはないのでしょうか。

(外務大臣)少なくともマカオの話を基にしてそれをネタにして六者協議に絡めるというのは、六者協議とは全然別の話を基にして、六者協議の開会を延長もしくは阻止するというのは全く手段として如何なものかと思います。このマカオの話というのは法律の執行だけの話ですから。マネーロンダリングを北朝鮮がしたのが発覚したという話でしょ。それがいきなり日朝協議に関係するかと言われても、それはなかなか常識として通る世界ではないと思います。日朝というのは、六者協議というのは車の両輪みたいなものですから、そういったものが二つ回っていくと一番いいと思いますが、日朝の方は日朝の方でやらなければいけませんから、いろいろな形で進めて行くという点に関しては従来通りいろいろ努力しているところです。

(問)年内開催は。

(外務大臣)年内開催に行けるかどうかは、相手がある話ですからなかなか難しいです。

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外務大臣会見記録 (平成17年12月6日(火曜日)15時30分~於:本省・会見室)

閣議・閣僚懇談会/麻生外相のASEAN関連会議出席/齋賀人権担当大使の任命

(外務大臣)今朝の閣議では私の方から12月2日からの米国訪問の報告をし、同じく、モーリタニア・イスラム共和国新政府との関係について、新たに12月6日付けで同国外務・協力省に対して、日本と同国との友好関係を継続を通報。クーデターのようなものが起きてますので。
 額賀防衛庁長官からイラク・クウェート訪問についての報告があり、財務大臣の方から7カ国財務大臣中央銀行総裁会議についてのロンドンでの会議の話があり、中川農林大臣からスイスのWTOの交渉の少数国閣僚会議の報告があり、続いて二階経済産業大臣の方からWTOの少数国閣僚会合についての報告がありました。
 その後、閣僚懇談会では文部科学大臣の方から学校における安全対策等々の話があり、同じく国家公安委員長の方から発言がありました。閣議、閣僚懇談会については以上です。
 私の方からは、12月8日(木曜日)から10日(土曜日)までASEAN+3外相会議、日・ASEAN外相会議、及び東アジア首脳会議参加国による外相会議への出席等のためマレーシアを訪問することになります。今回の一連の外相会議等を通じて、東アジアの将来に関する日本としてのビジョンを示すということと、かつ将来の東アジア共同体形成も視野に入れて、安定した豊かな東アジアというものを作り上げてく目標で各国が一致できるよう、議論に積極的に参加をしていきたいと思っています。また、できてかれこれ30年になります、いわゆる友好諸国の歴史を有している東アジア地域協力の中核であるASEANとの関係を一層強化していきたいと思っています。
 続いてよく御質問がありました人権担当大使については、齋賀富美子駐ノルウェー兼アイスランド大使を「人権担当大使」に任命をしております。ご存じの方もいると思いますが、国連の女子差別撤廃委員会などに長くいた経験がありますので、そういった経験もかったところでもあります。また齋賀大使の他、外務省本省においては山中外務大臣政務官を北朝鮮の拉致問題を含む人権担当政務官として活動してもらうことにしております。

(問)齋賀さんの発令はいつかということと、後任のノルウェー大使については。

(外務大臣)後任のノルウェー大使は兼務です。任命は本日です。

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北朝鮮の人権問題

(問)米国のレフコウィッツ人権問題特使は、北朝鮮の人権問題に関して積極的に関与していくというか行動計画のようなものを作ろうということを表明されていますが、そうした米国側と協調して北朝鮮の人権問題の改善に当たっていく考えは、この大使の任命でお持ちでしょうか。

(外務大臣)二国間だけでなかなか事の決着を見ないというのはこれまでの経緯からも明らか。従って、一国でも多い方が良いに越したことはないというのが、まず大前提だと思います。また、国連の総会において、拉致という言葉が正式に使われたという形になりましたので、そういった意味でも、私どもとしては、今米国を含めていろいろな形の北朝鮮に関しての問題というのはこの際大いにいろいろな国と一緒にやった方が良いということははっきりしていると思います。他にも人権は、各国他にもいろいろありますので、北朝鮮だけに限って、日本は他の国の人権に興味がないかのごとく思われるのはいかがなものかと思いますので、いかにも日本は自国の人権以外には興味がないように思われるようなことにはならないように、そこのところはよろしくお願いします。

(問)先程の北朝鮮の問題で、今、米朝間で六者協議の再開の条件として、米朝間の協議をする必要があるというような趣旨のことを北朝鮮がどうも発信しているようなんですが、これの日朝間への影響はどうご覧になりますか。

(外務大臣)いわゆるマカオの話でしょうか。少なくとも、六者間の枠外の話を持ち込んでこの種の話をどうかしようというのは、あまり建設的な話ではありませんね。

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