寄稿・インタビュー

「日本、クウェートとの重層的な関係を強調」

令和4年1月7日
  1.  日本の本田外務大臣政務官は、日本とクウェートは、エネルギー部門のみならず幅広い分野での協力を通じて、より重層的な関係を構築してきたと述べた。
  2.  「日・クウェート外交関係樹立60周年記念写真展」に際して行った「KUNA」との独占インタビューの中で、同政務官は、この60年間、日本とクウェートの間では助け合いの精神が生き続けてきたと強調し、「日本とクウェートは、それぞれが歴史的な困難に直面した際、お互いに助け合ってきた。1990年のイラクによるクウェート侵攻に際しては、日本は総額130億ドルの財政支援を行い、アラビア湾に自衛隊を派遣した」と述べた。
  3.  同政務官は、2011年の東日本大震災に際して、クウェートは約400億円相当の原油の無償供与を通じて迅速かつ大規模な支援を被災地に提供し、当該地域の復興を支援したことに触れつつ、さらに、サバーハ前首長からは2012年の訪日時に、津波で損壊した「アクアマリンふくしま」に300万ドル、日本赤十字社に200万ドルの追加供与いただいたと述べた。
  4.  同政務官は、主要石油生産・輸出国としてクウェートが重要な役割を果たしていることを高く評価する旨述べ、「日本にとってクウェートは第3位の輸入先であり、日本は原油の総輸入量の約9%をクウェートから輸入している。また、クウェートにとって日本は第3位の原油輸出先国となっている」と述べた。
  5.  同政務官は、それ以外の経済分野においても、電力・水インフラの開発における日本企業の投資をはじめ、両国の関係は深化してきたと述べ、日・クウェート民間合同委員会について言及し、同委員会の今後の活動に対する期待を表明した。
  6.  政治面に関して、同政務官は、原油輸入の9割を中東地域に依存する日本にとって、当該地域の平和と安定は極めて重要であると強調し、「クウェートは域内バランスを重視し、イラクやシリア等の紛争地域の人道支援を積極的に支えている」と述べ、中東地域及び国際社会におけるクウェートの真剣な外交努力を称賛した。
  7.  同政務官は、クウェート首長家と日本の皇室との長年の友好関係を称賛し、1995年には当時皇太子であった日本国天皇徳仁陛下が日本の皇族として初めてクウェートを御訪問になったことをはじめ、両国の首長家・皇室間で相互に訪問がなされていることに言及した。
  8.  外交関係樹立60周年に際した今後の日・クウェート関係に関する質問に対し、同政務官は、2013年の安倍総理(当時)クウェート訪問時に策定された「包括的パートナーシップ」に基づく政治・経済・文化等の分野での二国間協力は、今後も二国間関係の中核になるだろうと述べた。
  9.  同政務官は、従来の友好関係に加え、日本とクウェートが中東地域及び国際社会における脆弱な地域の安定に向けて協力を強化していくことを望むと述べた。
  10.  同政務官は、「クウェートは中東地域に留まらず、他の地域の課題解決にも積極的に取り組んでいる。さらに、新型コロナウィルスへの対応においても、日本とクウェートは、COVAXファシリティへの支援を通じて、途上国における公平なワクチン・アクセスの確保に共に貢献してきた」と述べた。また、同政務官は、教育及び文化交流における二国間関係も発展していくべきである旨述べた。

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