演説

山根外務副大臣挨拶

英国主催ソマリア首脳級会合 山根外務副大臣ステートメント

2012年2月23日(木曜日)
於:ロンドン

英語版

 議長,
 ご列席の皆様,

(冒頭)

 ソマリアが約20年にわたる混乱を経て,平和と安定の実現に向けた転機を迎えている中で,ソマリア首脳級会合を主催されたキャメロン首相のイニシアティブを評価し,敬意を表します。

(TFGに対する支援)

 アル・シャバーブがモガディシュから撤退した今,ソマリア暫定連邦「政府」(TFG)を中心としたソマリア統合を一層推進するために,国際社会はTFGに対する支援を強化すべきです。

 この観点から,我が国は,第一に,TFGの治安能力強化を支援してきており,TFG警察官5000人以上の給与を手当し,昨年ジブチで訓練を実施した警察官500名はモガディシュで警備に当たっています。第二に,貧困が海賊やテロの原因であるとの認識の下,我が国は職業訓練やインフラ整備等を実施してきており,貧困層約2万人の雇用創出やモガディシュ港の整備を支援しています。

 我が国は対ソマリア支援の主要ドナーとして,ソマリア国民の将来のために共に取り組む意思のあるすべての地域やパートナーと協力する用意があり,政府間開発機構(IGAD)への協力案件を含めた4500万ドルの支援を新たに国際社会と協力・連携して実施する所存です。我が国は,英国が提案する安定化基金(stability fund)も含め,各国による様々な取組みが適切に調整された上で実施されることを期待します。

(AMISOM)

 アフリカ連合ソマリア・ミッション(AMISOM)が貴い犠牲の上に築いた機会を逃さないために,AMISOMの持続的な資金手当について,安保理が建設的な決議を採択したことを歓迎します。

(ソマリア海賊問題)

 ソマリア海賊問題への対処においては,我が国は2009年以来護衛艦二隻とP-3C哨戒機2機を恒常的に展開し,IMOのマルチドナー基金の9割以上拠出してきています。また,海賊の訴追支援等のために設置されたUNODCが管理する国際信託基金に対して今般新たに200万米ドルを拠出し,最大の拠出国です。今後とも関水事務局長率いるIMOと緊密に連携していくとともに,ReCAAP情報共有センターの経験を含むアジアの海賊対策の経験をソマリア周辺国に伝えることにより,同地域での海賊対策に役立てたいと考えております。かかる目的のために同センターに対しても56万ドルを今般新たに拠出することとしました。

(結語)

 TFG自身がロードマップに従って憲法制定や政治改革を行わなければ国際社会の支援は水泡に帰しかねません。TFGの一層の取組みに加え,国連がTFGと協働して政治プロセスの進展に一層貢献することを期待します。我が国としても,国際社会とたゆまぬ努力を続けていく考えであることを改めて述べ,私のメッセージといたします。

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