(英文)
- 独外相による公開討論開催への謝辞。児童と武力紛争担当事務総長特別代表及びユニセフ事務局長によるブリーフへの謝意。現地訪問を含む特別代表の積極的なアドボカシー活動及びユニセフの現場における献身的役割への評価。
- 1月のアフガニスタン政府及び6月のチャド政府による児童の徴兵禁止と解放に関する国連との行動計画の署名をはじめとする前向きな進展を歓迎。一方,性的暴力を含め児童と武力紛争に関する課題は未だ大きい。
- 昨年まで2年間にわたり児童と武力紛争に関する安保理WGメンバーを務めた経験も踏まえ,我が国として重視する事項につき3点に絞って述べたい。
- 第一に,学校及び病院に対する攻撃が増加傾向にあるとの報告を深刻に懸念。特に,女子生徒や女学校を狙った攻撃を強く非難。
- 学校・病院施設への攻撃や占拠,生徒,教職員,医療関係者に対する攻撃は,児童の生命を直接奪うのみならず,教育・保健サービスへのアクセスという基本的権利の重大な侵害であり,いかなる状況下でも許されない。特に紛争下においては,教育と保健の権利の保護における安保理の役割は重要。
- この観点から,本日採択される(採択された)安保理決議が,事務総長年次報告書アネックス・リストへの紛争当事者掲載基準を,「学校及び病院に対する攻撃」に拡大したことを,現場の状況改善に向けた重要な一歩として歓迎。
- 第二に,事務総長年次報告書アネックス・リストに約15の紛争当事者が5年以上にわたり継続して掲載されていることを懸念。これら恒常的違反当事者に対し,安保理は既に2004年の決議1539で合意したターゲット措置を強化すべき。
- クマラスワミ特別報告者によるコンゴ民主共和国制裁委員会及びソマリア・エリトリア制裁委員会におけるブリーフの実施,また,コンゴ民主共和国制裁委員会が児童に対する違反の加害者を制裁対象者リストに追加したことを歓迎。児童と武力紛争WGと関連制裁委員会との情報交換の強化,クマラスワミ特別代表やワルストローム紛争下の性的暴力担当事務総長特別代表による関連制裁委員会におけるブリーフの定期化が重要。
- 第三に,国連システムと加盟国が協力して,児童と武力紛争の問題に包括的に対応することの重要性を強調したい。
- 紛争下の児童の保護から平和構築における元児童兵及び性的暴力被害児童のリハビリ,ケア,社会復帰に至る継ぎ目のない支援,また,DDR,治安部門改革(SSR),地雷・不発弾・クラスター弾対策における児童への十分な配慮が重要。
- また,児童と武力紛争WGが,国別事務総長報告書を受けての定期的(ルーティン)な勧告発出にとどまらず,特別代表の緊急声明を受けての特別会合の開催やタイムリーな形でのメッセージ発出を行うことを期待。
- 我が国は,紛争下の状況において最も弱い立場にある児童の保護とエンパワーメントのための支援を実施。一例として,カンボジア等において国際機関への拠出等を通じた地雷被害児童のリハビリや地雷回避教育支援を実施。また,国連人間の安全保障基金を通じて,政治的不安定が続いたコンゴ民主共和国においてコミュニティ・レベルでの教育環境整備及び元児童兵の教育・研修事業を支援。今後ともこれらの取組を通じて,児童を紛争の影響から解放し,彼らに確かな未来への希望を与えていきたい。