平成22年10月22日
於:国連大学
御列席の皆様,
御来場の皆様,
御紹介にあずかりました,外務大臣政務官の山花郁夫です。本日,国連デーを記念して,日本も重視する「ミレニアム開発目標(MDGs)」をテーマとしたシンポジウムが開催されますことを,心より歓迎いたします。主催者である国連広報センターを中心とする国連コミュニケーションズ・グループ・ジャパンの皆様に深く感謝するとともに,皆様の日ごろの御活動に改めて敬意を表します。
今から一か月前の先月下旬,菅総理と前原外務大臣は国連総会に出席し,さまざまな会合で開発分野における国際社会の主要なプレーヤーとして,日本が積極的な役割を果たすという決意を発信してまいりました。菅総理は,MDGs国連首脳会合において演説を行い,自身の政治信念でもある最小不幸社会の理念にのっとり,母子保健を含む保健医療と教育分野での日本の具体的な貢献を,「菅コミットメント」として表明しました。
保健医療と教育は,途上国が自律的な発展を遂げていくための基礎となる分野です。しかしながら,皆様も御承知のとおり,MDGsの中でも特に進捗が遅れています。そこで菅総理は,国際社会への日本の「約束」として,保健分野への50億ドルの支援,教育分野への35億ドルの支援をそれぞれ2011年からの5年間で行うことを発表しました。また,支援のあるべき姿を国際社会に示すべく,母子保健支援モデル"EMBRACE"と,基礎教育支援モデル「スクール・フォー・オール」を提案しました。日本は,こうした支援モデルを途上国政府に導入していただき,ドナー国や国際機関も一体となって,MDGs達成に向けて結果を出すことを目指しています。
また,菅総理は来年,MDGs国連首脳会合をフォローアップする国際会議を日本で開催することを提案しました。伝統的なドナー国はもとより,新興国,国際機関,民間セクター,NGO,そして何より途上国自身を含めたすべてのアクターが,首脳会合成果文書で合意された内容をどのような形で実施していくのか,議論を通して共に開発課題に取り組むことが重要です。先日私は,MDGsをテーマに開催されたグローバルフェスタジャパン2010に出席し,市民社会をはじめとする様々なアクターがこの分野において果たす大きな役割を改めて実感しました。日本はMDGsの達成のために幅広い関係者の連携強化を目指します。
今回のシンポジウムのタイトルにも示されているとおり,MDGsの達成は,世界が決めた次世代に対する約束です。残された時間はあとわずかです。2015年までの達成に向けた決意を新たにし,ともに行動するよう訴えるとともに,日本がMDGs達成のために力を尽くすことをお約束し,私の挨拶とさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。