演説

武正外務副大臣演説

平成21年度「平和構築人材育成事業」
シニア専門家向けコース開講式
武正公一外務副大臣挨拶

平成22年1月6日
於:国連大学(エリザベス・ローズ・ホール)

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(写真)


御列席の皆様

 本日は、平和構築人材育成事業・シニア専門家向けコースの開講式にご参加いただき誠にありがとうございます。

 シニア専門家向けコースは、2007年に開始されたこの事業を、これまでの実績を踏まえて拡充する一環として、本年から新設されたものです。この重要な立ち上げの年に、民間企業、政府機関、国際機関、NGO、ジャーナリズムなど様々な分野において各々優れた職務経験や専門知識を有し、かつ、平和構築の現場に活躍の場を求める高い志にあふれた、日本から10名、その他のアジア各国から9名の研修員をこのコースに迎え入れることができ、心からうれしく思います。

 平和構築において、人道支援、法の支配の強化、人権の擁護、選挙支援、社会・経済の復興・開発の促進などの活動、また、それらの活動を支える事務的業務、広報、物資調達などの活動を担う文民は、中核的な役割を果たしています。昨年の7月のG8ラクイラ・サミット首脳宣言においても、文民の能力強化は世界的な課題として、その重要性が強調されています。我が国としても、平和構築の現場において、実際の活動に従事し貢献することのできる人材を、日本及びその他のアジア各国から輩出するこの事業を、我が国の平和構築に向けた努力の重要な柱の一つと位置付けております。
 
 過去2年間のこの事業の修了生は58名に上ります。また、本年度事業の本コースの研修員29名も国内研修を終えて、海外実務研修の準備を進めているところです。修了生は、既にアフガニスタン、スーダン、シエラレオネ、東ティモール、スリランカなどにおける国連PKOミッションや国連機関の現地事務所を始めとする平和構築の最前線において活動しており、その活躍ぶりは高い評価を受けています。

 シニア専門家の参加は、この事業に更なる進展をもたらしてくれるものと期待しております。研修員各々の豊かな人間性に裏打ちされた職務経験や専門知識は、平和構築という新たな挑戦の場であっても必ずや生かされるものと確信しています。また、我が国において内向き志向が広がっていると指摘される中、シニア専門家の皆様が活躍する姿は、若者たちにも勇気を与え、平和構築に対する人々の理解を更に深めてくれるものと考えています。

 最後になりましたが、この事業の立ち上げの時期から惜しみない協力をいただいている広島平和構築センター(HPC)、国連ボランティア計画(UNV)を始めとする関係者の皆様に改めて心からの感謝を申し上げます。また、日本政府として、HPC及びUNVと共に、研修員の皆様の努力を最大限支援していくことを約束いたします。

 御清聴ありがとうございました。

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