エタ・バンダAU閣僚執行理事会議長
ジャン・ピンAU委員長
AU加盟国大臣・代表団長
(冒頭)
第17回AU閣僚執行理事会の開催にあたり,心からのお祝いを申し上げます。また,この開会式においてスピーチの機会を特別に頂戴し,大変光栄に存じます。
まずはじめに,去る11日にカンパラで起きたテロ事件の犠牲者及びそのご家族に,そしてウガンダ国民の皆様に,心からお悔やみを申し上げます。我が国政府は,あらゆるテロを非難するとともに,いかなるテロ行為も正当化し得ないことをあらためて強調します。
本日は,日本政府の代表として,日本の対アフリカ外交についてお話ししたいと思います。
(TICAD,G8ムスコカ・サミット)
最初にTICADについて申し上げます。御承知の通り,本年5月,タンザニアのアルーシャにて,岡田外務大臣出席の下,アフリカの多くの国の閣僚の参加を得て第2回TICAD閣僚級フォローアップ会合を開催いたしました。先般カナダのムスコカで行われたG8サミットにおけるアフリカ首脳との議論において,菅総理は,アルーシャでとりまとめられた「アフリカの声」を世界に発信しました。また,「ムスコカ・イニシアチブ」の下,今回のAU総会のテーマでもある母子保健分野で日本が2011年から5年間で最大約500億円規模,約5億ドル相当の支援を追加的に行う旨を表明しました。
菅政権においても,対アフリカODA倍増をはじめとするTICAD IVの公約を着実に実施していく日本政府の方針に変わりはありません。また,日本政府は,アルーシャで岡田大臣が表明した約束の実現にも既に着手しております。具体的には,第一に,母子保健を含むMDGs関連分野については,次回フォローアップ会合までに約10億ドルの支援を目標に実施中です。第二に,インフラ・農業分野への支援については,円借款の積極活用を図り,今後2年間で最大20億ドル相当のインフラ案件を実施すべく取り組んでいます。第三に,貿易投資の促進のため,本年秋に官民合同ミッションを派遣すべく,現在,準備を進めているところです。
本年9月には,MDGs国連首脳会合が開催されます。日本は,アルーシャでの議論,G8ムスコカ・サミットでの議論を踏まえ,人間の安全保障の考え方に基づいて,国際社会の議論に積極的に貢献していきます。
(日・AU関係の強化)
次に,日本とAUとの関係について申し上げます。日本としては,アフリカの開発及び平和・安全保障の両分野において,AUがますます大きな役割を果たしつつあることを歓迎します。8月初めに予定されているピンAU委員長の訪日を大きな節目として,日・AU間の協力関係を一層強化していきたいと考えます。
開発の分野ではすでに,先般のアルーシャ会合に向けた準備プロセスにおいて,AU委員会の積極的な参画を得たところです。今後とも,アフリカ諸国へのインフラ支援や人材育成といった協力を進めていくとともに,汎アフリカ大学構想への支援も検討していきたいと思います。
また,平和・安全保障の分野では,日本としてこれまで以上に積極的に貢献していく考えです。私が一昨日までスーダンを訪問し,南北スーダンの関係者と有意義な意見交換を行ってきたのもその一環であります。日本は,この分野でのAUの努力を支援すべく,AU平和基金への拠出,アフリカのPKO訓練センター支援等の協力を引き続き行っていきます。
(グローバルな課題への取組)
御列席の皆様,日本は,アフリカ諸国とこれまでに築いてきた太い絆と信頼に基づき,気候変動や国連安保理改革等グローバルな課題の解決にも力を合わせて貢献していきたいと考えます。
気候変動については,日本は,すべての主要排出国が参加する公平かつ実効的な国際的枠組みを構築する新しい1つの包括的な法的文書の速やかな採択を目指しています。アフリカ諸国との対話や,コミットした3年間150億ドルの支援の着実な実施,10月の森林保全と気候変動に関する閣僚級会合の主催等を通じ,日・アフリカ協力を強化していきます。
また,安保理改革についても,国際社会を代表するにふさわしい正当性を備えた安保理を早期に実現する必要があります。日本は,アフリカの代表性向上を含め早期に具体的な成果を得るべく,アフリカ諸国と協力していきたいと考えます。
(結語)
最後になりましたが,今回のAU閣僚執行理事会における議論が,アフリカ諸国の開発目標の実現や地域の平和と安定のために実り多い成果をもたらすことを心から期待しています。
ご静聴ありがとうございました。
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