平成22年11月15日,イスラマバード
日本の外務大臣政務官を務める菊田真紀子です。
日本政府を代表し,今般の洪水の犠牲になられた方々及びそのご家族に,改めて深い哀悼の意を表すとともに,被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。
我が国は,パキスタンが地域の安定に果たす役割を重視し,従来より政府のテロ対策や経済改革に向けた努力を積極的に支援してきました。
今般の洪水は,パキスタン政府及び国民が直面する新たな挑戦です。パキスタン政府が,引き続き中長期的な復旧・復興,また,国内資源の動員及び効果的な活用において主導力を発揮されることを期待します。
我が国は,今日まで,国際緊急自衛隊ヘリコプター6機と要員約520名の派遣と2度に亘る医療チームを派遣すると共に,緊急人道支援やシンド州の農村部の道路・橋梁の修繕など早期復旧に向けた支援を実施してきました。
これらの支援に加え,我が国は,今般,新たに5億ドルの支援を実施する方針であることを表明致します。具体的には,洪水被害が甚大なハイバル・パフトゥンハー州の農村部の道路・橋梁の修復や,洪水災害復興のために必要な食糧や肥料・種子等の輸入に必要な資金を供与するためパキスタン政府に対し,総額約2億3千3百万ドルの新規円借款を供与致します。更に今後,国会の承認が得られれば,国際機関を通じ約2億6千7百万ドルの支援を実施します。これにより,我が国の洪水災害に対する支援は総額約5億6千8百万ドルとなります。
9日,菅総理は,ザルダリ大統領と電話会談を行い,大統領の指導力の下,洪水被害からの復興を果たし,テロ対策と経済改革への取組を加速させるよう,我が国として支援していく旨伝達しました。我が国は,パキスタン政府が今次会合での議論を迅速に具体化していくことを期待すると共に,今後も国際社会と協力し,パキスタン政府の努力を力強く支援していくことをここに改めて強調したいと思います。
最後に,今回のフォーラム開催に向けて御尽力いただいた関係者の皆様に感謝致します。シュクリア