演説

藤村外務副大臣演説

パキスタン洪水被害に関する国連総会特別会合
藤村外務副大臣 ステートメント

平成22年8月19日
(於:ニューヨーク)

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  • (写真)国連総会特別会合でのステートメント

トレイキ国連総会議長、
クレーシ外務大臣、
各国政府及び国際機関の代表者の皆様、

(冒頭)

 今般の洪水により犠牲となられた方々のご冥福をお祈りするとともに、御遺族に深い哀悼の意を表します。また、被災された方々にお見舞い申し上げます。さらに、援助活動を懸命に続けているパキスタン政府、各国政府、国連・国際機関、NGOの関係者の方々に対し、心から敬意を表します。さらに、今次会合を主催する国連、特に潘基文国連事務総長及びトレイキ総会議長のイニシアティブを歓迎します。

(本会合の意義、パキスタン支援の重要性)

 今回の洪水被害は甚大であり、多くの人命や財産を奪うとともに、パキスタンの経済・社会システム全体に深刻な影響を与えています。特に、衛生状態の悪化や水・食糧の不足といった緊急人道支援に対するニーズが引き続き高いのに加え、破壊された道路、橋、通信等のインフラや農業基盤の再建、保健・衛生状態の改善など生活基盤の復旧も急務の課題です。このような困難な状況を回復するためには、引き続き、パキスタン政府と国際社会が一致団結して、緊急支援に注力するとともに、復旧・復興に向けて取り組み、災害と貧困の悪循環を食い止めなければなりません。

(我が国の支援概要)

 我が国は、パキスタン政府の要請と8月11日に国連が発表した緊急アピール(初期緊急洪水対策計画)を踏まえ、被災者に対する人道的支援のために、これまでに約1,440万ドルの支援を発表し、現在鋭意実施しているところです。今般の我が国の支援は、緊急無償資金協力(計1,300万ドル)、緊急援助物資の供与(約20万ドル)、及びジャパン・プラット・フォーム(JPF)を通じたNGOの活動への支援(約120万ドル)からなります。 
 我が国としては、引き続き、被災者への支援が速やかに届けられるよう、パキスタンの現地ニーズに応じた人道支援活動を積極的に実施してまいります。その関連で、ヘリコプターによる支援物資輸送及び被災者移送のニーズが高いことを踏まえて、19日(日本時間)、ヘリ派遣の所要の準備を開始しました。
 そして、貧困層の災害への脆弱性を緩和するためにも、可能な限り、パキスタンの緊急支援・復旧・復興の各段階に応じた取組を継ぎ目なく支援するとともに、我が国自らのこれまでの災害経験から培われた知識や技術を活用した支援も今後検討していく所存です。この観点から、我が国は、世界銀行及びアジア開発銀行(ADB)が実施する被害ニーズ調査(DNA)に参加することとしました。

(結語:参加国へのメッセージ)

 今回の洪水被害は、パキスタンが建国されて以来最大の自然災害の一つであり、現在は、パキスタンにとって試練の時と言えるかもしれません。我が国は、パキスタン建国以来の強固なパートナーであり、同国が困難に直面したときは常に支えてきました。昨年4月には、友人であるパキスタンを支援するべく、東京で、パキスタン・フレンズ会合及び支援国会合を開催しました。我が国は引き続き、パキスタン政府の被災地域の安定と再建に向けた取り組みを国際社会と協力しつつ、最大限後押ししていく所存です。パキスタン政府・国民の力強いオーナーシップの下で、早期に復旧・復興が達成されることを期待します。
 被災された方々が、この困難を克服し、復興を通じて再起されますことをお祈りいたします。

 ありがとうございました。

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