演説

伴野外務副大臣演説

OSCE首脳会合における伴野外務副大臣スピーチ

平成22年12月2日

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議長,
御列席の皆様,

<冒頭・総論>

 11年ぶりのOSCE首脳会合開催にあたり,ナザルバエフ大統領が発揮されたリーダーシップに,深く敬意を表します。本日は,時間の関係上,二点に絞って申し上げます。

<東アジアの安全保障環境と日本の安全保障政策>

 先ず,ここアスタナを真中とする,広いユーラシア大陸をはさんだ環大西洋地域とアジアの安全保障は分かちがたく結びついています。特に,北朝鮮の核及び弾道ミサイルの開発は,日本及びアジア太平洋地域の安全保障に対する直接の脅威であり,その拡散は欧州を含め,国際社会全体に危険を及ぼします。また,日本には北朝鮮による拉致問題という人道上の問題もあります。先日の北朝鮮による韓国の延坪(ヨンピョン)島に対する砲撃は,韓国のみならず地域の平和と安全を損なう許しがたい行為です。我が国は,国際社会との連携の下,北朝鮮を強く非難し,韓国の立場を強く支持しています。日本は,諸問題の解決のために北朝鮮が累次の国連安保理決議や六者会合共同声明に従って具体的な行動を取ることを求めます。また,日本は,中国との戦略的互恵関係の推進に取り組む一方,中国による透明性を欠いた国防力の強化や,インド洋から東シナ海に至る近年の海洋活動の活発化に懸念を有しているのも事実です。このような情勢の下で,日本は自らの安全と国際社会の安定を確保していくために,自らの防衛力を整備しつつ,日米安保体制を中核とする日米同盟を一層深化・発展させ,日米のみならず,アジア太平洋地域,さらには世界の安定と繁栄に貢献していきます。

<OSCEへの日本の協力>

 次に,安全保障問題に取り組むにあたり,OSCEは,政治・軍事面のみならず,経済・環境や人権など,包括的な観点を重視してきました。このアプローチは,日本が推進する「人間の安全保障」の理念と共通するものです。
 日本は,OSCEによるアフガニスタンへの関与及び取り組みの強化を特に歓迎します。また,新たにパートナーとなったオーストラリアとも協力しつつ,アジア太平洋地域とOSCEをつなぐ橋渡し役として,引き続き国際社会の平和と安定に尽力することをお約束し,私のスピーチを締めくくらせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。

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