演説

吉良外務大臣政務官演説

第6回アジア不拡散協議(ASTOP VI)吉良外務大臣政務官冒頭スピーチ

平成21年12月11日

  • (吉良外務大臣政務官の写真)

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ご列席の皆様、

 第6回アジア不拡散協議に、日頃から不拡散問題を担当しておられるアジア各国の当局の幹部の皆様をお迎えできることを心からうれしく思います。

 この協議は2003年以来、毎年、我が国が主催し、アジアにおける不拡散体制の強化に向けて、有意義な議論を積み重ねてきています。参加各国の積極的な協力に、改めて心から感謝の意を表します。

ご列席の皆様、

 2009年も終わりに近づいていますが、本年は不拡散を担当する者にとって、特に動きの多い年となりました。また、来年は、核拡散防止条約の再検討会議も予定されており、軍縮・不拡散の促進に向けて、国際的な機運が一層の盛り上がりを見せるものと思います。

 その一方で、地球温暖化対策としても、国際的に原子力エネルギーの利用を求める動きが活発になってきていると承知しています。原子力の平和利用は核不拡散条約にも定められている各国の権利です。しかし同時に不拡散との両立も重要であり、そのこと自体は誰にも否定できないと思います。

 この協議は、率直な議論を通じて不拡散政策に関する問題意識を共有し、それを踏まえて、とるべき措置を共に考えていく場です。

 不拡散に関してアジアにとって今年大きなイシューとなったのはやはり北朝鮮の核・ミサイルの開発の問題です。先日米国の特使が訪朝する等、六者会合の再開に向けた努力が続いていますが、引き続き安保理決議の履行を通じ、北朝鮮に対し、核の保有は許さないとの国際社会の強い姿勢を示し続ける必要があります。

 イランの核問題についても、国際的な不拡散体制を堅持するため、安保理決議の履行を続けながら、イランに対し、IAEAを含む国際社会への協力を呼びかけていく必要があります。

 こうした地域の問題の他にも、本日の協議では、IAEAによる保障措置の問題や、原子力の平和利用、PSIといったテーマについても議論されると承知しています。活発な意見交換が行われることを心から望みます。

ご列席の皆様、

 我々アジアの国々がこのような挑戦にさらされている中で、不拡散体制の強化に貢献していくことは、我々の安全と地域の安定を保つ上で非常に重要です。

 我が国としても、引き続き軍縮・不拡散分野で主導的な役割を果たしていく決意であり、本日の議論が、不拡散体制の強化に向けて我々が共に歩んでいく基礎を作るものとなることを心から期待していることを申し上げ、挨拶といたします。

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