平成21年6月16日(火曜日)
ベロ・ナイジェリア投資促進委員会総裁閣下、
バーキンド・ナイジェリア石油公社総裁閣下、
各州知事閣下、
柳田JETRO理事殿、
講演者の皆様、
ご列席の皆様、
本日は第2回日本・ナイジェリア・ビジネス投資フォーラムにお招きいただき、ありがとうございます。
ナイジェリア投資促進委員会のベロ総裁をはじめ、多数のナイジェリア側関係者の皆様に日本にお越しいただき、今日のフォーラムが開催される運びとなったことを大変嬉しく思います。
ナイジェリアは、豊富な天然資源を有し、アフリカの中でも日本企業の関心が高い国の一つです。私自身、ナイジェリアとの貿易投資促進、なかでもエネルギー分野での関係強化には強い関心を寄せております。特に、昨年9月、TICADⅣフォローアップの一環として派遣された貿易投資促進合同ミッションのうち、中・西部ミッションの団長として、ナイジェリアを含む諸国を訪問したことは、この地域の現状をこの目で確かめる絶好の機会となりました。
この訪問では、ジョナサン副大統領をはじめとする多数の閣僚の皆様と率直な意見交換をすることが出来ました。また、ナイジェリア投資促進委員会には、日本・ナイジェリア・ビジネス・フォーラム第1回会合を主催していただきました。この場をお借りして、改めてナイジェリア側関係者のご協力に感謝申し上げます。今回、ナイジェリアで開催されたフォーラムのフォローアップとして、今回第2回日本・ナイジェリア・ビジネス投資フォーラムが日本で開催されることは、日本との貿易・投資促進に向けたナイジェリア側の並々ならぬ意欲の表れであると感じています。日本側としても、この期待に応えるため、TICADⅣで打ち出した「2012年までに対アフリカ投資を倍増するための支援」という約束に基づき、支援を行っていきたいと考えております。
また、この訪問では、ナイジェリアのプジョー社の工場も視察しました。実際の能力に比べ、稼働率は十分ではありませんでしたが、ナイジェリアは元々市場としての規模は大きいわけですから、今後の景気回復に応じて、稼働状況が改善することを期待しています。
近年、日本とナイジェリアの間の要人往来は、ますます緊密になっています。昨年、ヤラドゥア大統領、ジョナサン副大統領が訪日されたのに加え、今年は、今月1日から3日、マドゥエケ・ナイジェリア外務大臣が日本を訪問されました。訪日中、マドゥエケ大臣は、中曽根外務大臣と会談を行い、日本とナイジェリアの間の特別なパートナーシップをさらに強化するコミュニケを発表し、両国関係の新たな一歩を踏み出しました。この会談の際、中曽根大臣より、我が国がナイジェリアに対する円借款の再開を決定したことを正式に伝達いたしました。今後、我が国としては、円借款を活用して、具体的にどのようなプロジェクトを支援していくかについて、ナイジェリア側と十分協議しながら、検討を進めていきたいと考えています。
マドゥエケ大臣とは、訪日中、私自身も会談させていただく機会がありました。その際、マドゥエケ大臣は、ナイジェリア経済発展のための重点分野として、天然ガスの有効利用と太陽光発電についてお話しを頂きました。天然ガスは、日本企業も大きな関心を寄せている分野であり、日本政府としても、どのような支援が可能か、官民一体となって知恵を絞っていきたいと思います。また、太陽光発電は、日本が高い技術を誇る分野です。日本が打ち出した「クールアース・パートナーシップ」の下、日本の先端技術を活かした支援について前向きに検討していきたいと考えています。
また、昨年の貿易投資促進合同ミッションの際には、双日がナイジェリア石油公社との間でガスパイプラインの建設に係る協力についてMOUを締結し、LNG生産等の将来の上流部門参画を目指しています。私も、先月G8エネルギー大臣会合に出席した際、ルクマン石油大臣と会談し、天然ガス、LNG等の上流部門での日本の権益確保について大臣のご支援をお願いいたしました。これを機に、二国間のエネルギー部門における協力が更に進むことを期待しています。
一方、現時点でのナイジェリアへの我が国企業の投資件数は、残念ながら、ナイジェリアの経済規模やポテンシャルに比べれば、あまりに少ないといわざるを得ません。財務省の取りまとめた資料によれば、報告ベースで、2006年の新規投資件数は製造業4件、2007年は非製造業3件以下となっています。他方で、私の地元から、中小企業でありながら、リスクを取ってナイジェリアの鉱物資源分野に進出している企業もあります。また、昨年、住友化学が新たな蚊帳の生産拠点をナイジェリアに設置することを決定し、2009年中の工場稼働を目標としていると聞いております。ご出席の企業の皆様にも、ナイジェリアの現状をご自身の目で確認していただくとともに、是非リスクを取ってナイジェリアに進出していただきたいと思います。
他方で、投資誘致のためには、ナイジェリア側でも、治安やインフラなど、改善の余地のある部分もあると思います。また、先ほど言及したナイジェリア進出企業からは、ナイジェリア側の許認可がなかなか下りないという問題も聞き及んでおり、行政手続きの円滑化もナイジェリア側に期待されるところです。我が国としては、ナイジェリアの投資環境の整備、日本企業が進出しやすい環境づくりのためには、どのような支援や施策が有効か、ナイジェリア側や企業の皆様のご意見も伺いながら考えていきたいと思っております。
今回のフォーラムで、ナイジェリアとの貿易、投資の有望性が日本企業に広く認識されるとともに、活発な議論を通じて、今後の貿易・投資に向けた有意義な示唆が得られることを期待しています。
ご清聴有り難うございました。