演説

西村外務大臣政務官演説

シンポジウム「日本における庇護:難民の保護、支援、定住をめぐって」における
西村外務大臣政務官による開会挨拶

平成21年5月13日

皆様、

 本日は、外務省及び国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)共催シンポジウム「日本における庇護:難民の保護、支援、定住をめぐって」にご参加いただき、誠にありがとうございます。両共催者を代表いたしまして一言開会のご挨拶を申し上げます。

 連休中、私は、中央アジア、コーカサス、中東、アフリカ各国へ出張し、各地の難民や避難民の方々と接してきました。グルジアではゴリにある難民キャンプを、ヨルダンではイラク難民キャンプを訪問し、イラク人とヨルダン人コミュニティを融和させようと努力しておられる日本のNGOの方々と意見交換を行い、ジブチやケニアでは、ソマリアとの国境付近で活躍するUNHCR職員やNGOの方々と話す機会を得、心を強く揺り動かされました。

 そして本日、スリランカ情勢の報告を受け、いわゆるノン・ファイアーゾーンの中に、まだ多くの人が人間の盾として残っている現状を危惧しています。

 さて、2008年には1599人が難民申請を行っており、これは過去最高の人数です。日本が頼りにされていることはうれしいですが、我が国の厳しい財政状況の中で保護費の予算を確保することが困難になっています。そして、今後も難民申請者は増加すると思われます。難民条約の締約国として、地方自治体、NGOとも緊密に連携をとっていきたいと思います。

 また、2008年12月、閣議了解にて2010年度からタイの難民キャンプにいるミャンマー難民を、アジアで初の試みとなる第三国定住難民として受け入れることを決定しました。日本語教育、生活オリエンテーション、職業訓練等、しっかりした定住支援を行う必要があると思っています。

 本日は、市民社会、NGO、有識者の皆様から、有意義なご意見を伺えることを楽しみにしています。ご静聴ありがとうございました。

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