演説

柴山外務大臣政務官演説

RCA政府代表者会合開会に際しての柴山大臣政務官挨拶

平成21年4月21日

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 タン・ベトナム原子力委員会議長(:前回会合の議長として、開会においては議長役を務める。)、

 各国のRCA政府代表者の皆様、

 本日ここに、第31回政府代表者会合が開会しましたことを、心よりお喜び申し上げます。日本政府を代表し、この会合に参加されるために訪日した各国の政府代表者の皆様、各国代表団の皆様を心から歓迎申し上げます。

 RCAは、他の地域協力の先駆けとして1972年に作成されました。その後、RCAは、加盟国とIAEA事務局の努力と貢献によって着実な発展を続け、今や、他の地域協力のモデルケースと評価される枠組みとなりました。トレーニング・コースやワークショップの開催等を通じたRCAの取組みは、原子力分野の中心的役割を担う人材の育成に貢献しています。

 財政面においては、RCAの活動資金の約8割は、IAEA技術協力基金から支払われています。我が国は、国内経済が極めて困難な状況であった時期を含め、ここ約40年間、技術協力基金における割当額を全額拠出し続けています。我が国は、今後ともこの貢献を継続していきます。また、RCAの活動資金の約2割は、RCA加盟国の特別拠出によって賄われています。我が国は、RCAの重要性、意義を高く評価し、これまでもRCA加盟国の中で最大の特別拠出を行ってきているところであり、今後ともRCAへの貢献を継続したいと考えています。

 放射線利用技術は、医療、農業、工業等の分野で重要な役割を果たしてきています。特に、放射線によるがん治療は、「人間の安全保障」の観点から、国際的な注目を集めています。我が国は、最新鋭の小型重粒子線治療装置を建設中の群馬大学、医療用の重粒子線がん治療装置を世界で初めて開発・建設した機関である放射線医学総合研究所などの協力を得て、医療分野のプロジェクトに積極的に貢献してきています。近年では、医療分野のプロジェクトのリード・カントリー・コーディネーターを務めると共に、我が国においてほぼ毎年トレーニング・コースを開催し、RCA加盟各国の研修生を受け入れてきました。現在も放射線医学総合研究所においてトレーニング・コースが開催されており、11カ国19名の研修生が参加しています。24日には同研究所へのテクニカル・ツアーを開催しますので、トレーニングの模様を是非視察いただきたいと思います。有意義な視察になるものと確信しています。

 最後に、この会合の開催に当たりご尽力いただきましたRCAフォーカル・パーソンを始めとするIAEAの皆様のご尽力に対し、心から感謝申し上げます。また、日頃よりRCAの活動の推進にご尽力されているRCA地域事務所の皆様、各国の関係機関の皆様に敬意を表します。この政府代表者会合を契機として、RCAの活動が一層推進するようお祈り申し上げ、歓迎の挨拶といたします。

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