本日、すべての準備を整え、世界の大海原に出港される海上自衛隊遠洋練習航海部隊の皆様に対し、心よりお祝いと激励を申し上げます。
今回の遠洋練習航海は、海洋国家・日本にとって極めて重要な海上交通路を航海し、アジア、中東、ヨーロッパという多種多様な国々を訪問されると伺っています。その中でも、ルーマニアについては外交関係再開50周年、ギリシャについては修好110周年に当たる記念の年であります。
海上自衛隊の遠洋練習航海は、実習幹部諸官の海上実習訓練と同時に、訪問国に対する我が国の敬意と友好の意思を伝えるものであり、関係国との信頼を深め、友好関係をより強固なものとする意味で極めて重要なものです。
特に、現在、海上自衛隊はインド洋において、補給支援特措法に基づき、過酷な環境の下、各国艦船に対する補給活動に従事し、国際社会から高い評価を受けています。また、ソマリア沖・アデン湾における海賊対処のため、海上警備行動により派遣された部隊が、護衛活動を実施しています。この、海賊対処については、海上における航行の安全を図る世界的な取組への貢献であるとともに、我が国国民の生命・財産を直接的に守る崇高な任務でもあり、大いに敬意を表する次第であります。
これらの活動と極めて関係の深い海域を、皆様が先輩方の活躍を肌で感じながら航海し、訪問国との親善を深めることは、我が国の外交をつかさどる外務省の観点から見ても大変意義深いものです。
今回旅立たれる皆様が、海上での厳しい訓練を乗り越えられるとともに、寄港する国々の文化や人々との触れ合いを通じてシーマンシップと豊かな国際感覚を一段と深め、逞しい幹部自衛官に成長されることを期待しております。
最後に、遠洋練習航海部隊の安全な航海を祈念し、また、河村練習艦隊司令官以下、隊員全員の元気な姿での帰国をご祈念申し上げて、私の祝辞といたします。
平成21年4月16日
外務大臣政務官 西村 康稔