平成21年7月1日
シン・チャオ(こんにちは)。
本日はようこそいらっしゃいました。日本政府を代表して、皆様の訪日を歓迎し、一言ご挨拶申し上げます。
近年、日本とベトナムの関係は、外交、経済、文化などあらゆる分野で大きく発展しています。昨年は、日本とベトナムが外交関係を樹立して35周年を迎え、多くの記念行事が行われました。今年に入ってからも、両国要人が頻繁に往来しており、2月に皇太子殿下がベトナムを御訪問され、4月にマイン書記長、5月にズン首相が訪日されました。また、中曽根外務大臣が5月にハノイを訪問しています。私自身も3年前と昨年、二度ベトナムを訪問し、ベトナムの国民の勤勉さ、誠実さ、そして国づくりをしようとする熱情に大きく感銘を受けたところであります。
近年、日本ではベトナムに対する関心が非常に高まり、多くの人が観光客やビジネスでベトナムを訪れています。東京には、たくさんのベトナム料理レストランがあり、フォー(ベトナム風うどん)は人気のメニューとして多くの日本人にも親しまれています。私も、昨年9月に東京で行われた「ベトナムフェスティバル」に参加し、ベトナムの有名な歌手や若い音楽団の演奏を聴く機会がございましたが、多くの観衆で会場が盛り上がる様子に、ベトナムの活気を強く感じました。
現在の親密な日越関係の背景として、文化的な類似性が挙げられます。先ほどもベトナムの勤勉性ということを私は挙げましたけれども、これは元来日本にも内在している性格のものであります。ベトナムのソフトウェアの会社を訪れると、そこでは非常に日本語を流ちょうに話すベトナム人がいます。「どれ位日本語を勉強したのですか」と聞いてみるとわずか1年か2年なのです。しかも日本に来たことがない。それで日本語を流ちょうに彼らは話しています。これらの例からわかるように、日本とベトナムには言語・文化などの面で、いろいろ共通点があると思います。実際にどんな類似点や相違点があるのか、これから皆様自身がホームステイや学生との交流で日本の社会や文化を経験する中で、探していただきたいと思います。それと同時に、ベトナムの学生の代表として、素晴らしいベトナムの文化や言葉を多くの日本人に伝えていただきたいと思います。
今日ここにお集まりの皆様は、ベトナムの中でも最も優れた方々であると思います。それぞれ学問やスポーツ、社会活動で素晴らしい成績をおさめ、貢献をしている皆様です。ひとりひとりが自分がベトナムの大使だという意識を持ち、今回の日本との交流を通じて、深く日本を理解すると同時に、ベトナムの日本での理解を深めることにより、日本とベトナムをつなぐ架け橋となっていただくことを強く期待しています。
最後に、今回のプログラム実施に御尽力頂いた両国の関係者の皆様に対して深く御礼申し上げます。皆様が、日本での10日間元気に、有意義に過ごされることを祈念するとともに、皆様ひとりひとりの人生が輝くものであること、そのことを通じてベトナムが発展し、また日本との関係が大きく未来へ発展することを祈念して、結びの言葉とさせて頂きます。