演説

伊藤外務副大臣演説

北朝鮮のミサイル問題に関する国連安全保障理事会の議長声明発出を受けての伊藤外務副大臣記者会見冒頭発言(概要)

平成21年4月13日
於:国際連合日本政府代表部

  1. 本日、国連安保理が4月5日(日本時間)の北朝鮮によるミサイル発射に関し、安保理メンバーの総意として、極めて強い内容の議長声明を発出しました。本日は北朝鮮のミサイル発射後9日目ということで、迅速な発出でした。これは非常に大きな結果であり、関係諸国の努力の結果と考えます。
  2. 日本は今回のミサイル発射後、直ちに安保理会合の開催を要請し、米・韓両国をはじめとする関係国と緊密に連携し、国際社会が一致して強いメッセージを迅速に発出するということを目指して、麻生総理大臣から中曽根外務大臣、現場の高須国連代表部大使、自分も含め、オールジャパンで外交努力を重ねて来ました。その結果、最終局面の11日には、タイでのパタヤにて、麻生総理大臣・中曽根外務大臣がそれぞれ、中国及び韓国等の首脳・外相と協議する等、まさに国をあげて最後まで努力及び調整を行いました。
  3. 自分は日本政府、日本国民が本件を極めて重視しているという姿勢、強い決議が望ましいという我が国の立場を伝えるために、ニューヨークを訪問し、安保理関係国と協議を続けてきたところです。米国、中国、ロシアなどの常任理事国、及び全ての非常任理事国の大使級の方々、並びに現在の安保理議長であるヘラー・メキシコ常駐代表とも会談し、本件について安保理がしっかりとした強い対応をとるべく働きかけを行いました。
  4. 我が国としては、安保理決議が採択されることが最も望ましいと考えていましたが、関係国との緊密な協議の末、安保理の一致した強いメッセージを迅速に打ち出すことが重要であるとの共通理解のもと、北朝鮮によるミサイル発射を安保理決議第1718号違反として非難するとともに、同決議の履行を徹底するための具体的手続を、日程も含まれた形で盛り込むなど、強い内容の議長声明を発出することになりました。今次議長声明は、今回のミサイル発射で最も深刻な危険にさらされた我が国のみならず、北東アジア地域全体の安全保障にとって、重要な意義を有するものと考えます。
  5. 我が国は、北朝鮮が今次議長声明を重く受け止め、安保理決議第1718号を完全履行するよう求めます。また、我が国は、六者会合の枠組みを通じ、拉致、核、ミサイルといった北朝鮮をめぐる諸懸念の包括的解決に向けて、引き続き積極的に取り組んでいく覚悟です。
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