演説

伊藤外務副大臣演説

平成21年度入省式における伊藤外務副大臣挨拶

平成21年4月1日
於:外務省講堂

(写真)


 皆さん、入省おめでとうございます。
 私は外務副大臣のいとうしんたろうです。

 本日、ここに百二十三名の新しい職員を迎えたことを心から歓迎いたします。中曽根外務大臣は、外国出張中のため残念ながら出席できませんので、大臣に代わり、本日の門出に際し一言お祝いの言葉を申し上げます。

 現在の国際社会では、様々な地域において安定と繁栄のための地域協力や経済統合への動き等、好ましい進展が見られるものの、北朝鮮を巡る問題や国際テロ、大量破壊兵器の拡散、さらには地球大の経済危機、深刻化する地球温暖化など、依然として多くの課題が山積しております。
 これらの非常に多様性があって、また困難な問題に対処するために、国際社会においては、新しい状況に適切に対応できる共通のルールづくりが必要になっています。日本としても、日米同盟の更なる進化、中国、韓国、ロシアなど近隣諸国との関係強化などの二国間の取り組みに加え、紛争地域における平和構築、国際社会の共通課題である気候変動問題、世界経済の安定と繁栄のための政策協調、国際社会における「法の支配」の確立に積極的に取り組み、我が国の国益を確保することが重要です。このような観点から、日本は多くの分野で指導力を発揮し、主体的に発信・行動していくことが今求められています。

 本日、皆さんは、外務公務員としての第一歩を踏み出し、我々の仲間に加わりました。本省と在外公館において、五千五百人余りの職員が、激動する国際社会の中、極めて多様で幅広い業務に従事しています。
 外務省という職場を選択し、社会人として歩み始めた皆さん一人一人が、国際社会の中で日本が果たすべき主導的役割というものを意識しながら、日々の職務に取り組んでいただきたいと思います。この日本という国のために、また地球社会全体のために、自ら何できるか、何を期待されているのかそのことを常に念頭に置おいて、国民の信頼と期待に応えるべく、使命感と誇りを持って全力で職務に邁進されることを期待しております。
 厳しい試練を感じる時もあるかと思いますが、常に明るさ、積極性を失わず、そして、一人一人が地球的規模の大きな視野を持って、世界の多様な人々が共存できるような国際社会を築くために、外務省職員として、そして日本人として全力を尽くすことを大いに期待し、私の挨拶とさせていただきます。

このページのトップへ戻る
副大臣演説平成21年演説目次へ戻る