演説

伊藤外務副大臣演説

国連大学「サステイナビリティと平和研究所」開設記念レセプション
伊藤外務副大臣挨拶

平成21年3月26日(木曜日)18時15分より
於:国連大学2階 レセプションホール

(写真)


 皆様、本日はお集まりいただき誠にありがとうございます。オスターヴァルダー国連大学学長、武内副学長、パライル副学長、この度は、「サステイナビリティと平和研究所」の開設おめでとうございます。心よりお祝いを申し上げます。

 オスターヴァルダー学長は就任当初から、国連大学と日本との関係強化を国連大学の最優先課題の一つに掲げられました。そして、その考えを広く日本国内の関係者に伝える努力をされ、具体的な戦略に基づき、改革を進めておられます。外務省と致しまして、こうしたオスターヴァルダー学長のイニシアチブを大変歓迎しております。

 本日、文部科学省および国連大学協力会と一緒に、このレセプションを主催させていただいたのも、「サステイナビリティと平和研究所」はもとより、国連大学の新しく意欲的な活動計画全般について、外務省として支援していく姿勢を目に見える形で示し、また、同時に本日、お集まりの学術界や産業界の皆様からも、国連大学に一層のご理解とご支援を頂戴する機会と致したいとの思いからでございます。
 国連大学はこれまでにも、たくさんの重要な活動を行っておりますが、「大学」の名を冠しながら学生やキャンパスがないこともあって、日本国内一般には分かりにくく、必ずしもその知名度は充分とは言えませんでした。しかし、今、国連大学はこうした状況を改善するための様々なアイディアを持ち、一つ一つ実現に向けて取り組んでいます。

 このたび開設された研究所は、国連大学に「サステイナビリティと平和」という新しい顔を与えるものです。「サステイナビリティと平和」は、外務省が取り組む国際社会での様々な問題においても、欠かせない概念です。外務省と国連大学は、これまでにも、昨年3月の「東京平和構築シンポジウム」といった平和構築の分野やアフリカ支援といった分野で協力を行ってまいりましたが、「サステイナビリティと平和」の観点から、こうした協力の分野を、今後、更に広げていきたいと考えております。

 また、国連大学が日本の大学との連携により実施する大学院プロラムによって、ここ青山のこの場所に世界の学生や若手研究者が集い、ともに学び、交流する光景がまもなく見られるとのこと、大変楽しみにしております。国連システムで学ぶという特色を最大限に生かして、国連大学が、世界に貢献し得る知見と国際感覚を身につけた人材を育てる場となることを期待しています。
 そして更に、国連大学が「一般市民に開かれた存在」となることを目指していることも、とても嬉しいことです。オーガニック食品のマーケットの開催や、ギャラリーでのアート展示、コンサートなど、普段は国際問題に関わる機会のない人でも、親しみを持って国連大学を訪れることができる、こうした楽しい企画は、将来的に市民全体の国際問題への意識を高めることにつながる非常に有意義なものです。

 国連大学は、世界的な知識のネットワークを持ち、国際社会の課題の解決のために大きな可能性を有する機関であります。本日、お集まりの皆様には、是非、これからは、国連大学にリクエストや提案をどんどん持ち込み、協力を求め、ホスト国である日本としても、一層活用していただくこと、また、その方法を検討していただくことをお願い申し上げます。そうすることが、オスターヴァルダー学長のイニシアチブによる国連大学改革の熱意に応えることとなると思います。

 国連大学と日本とが、世界がうらやむような協力関係を築くために、このレセプションがそのきっかけとなり、将来、国連大学を通じて、日本から世界へ向けての重要なメッセージが次々に発信されていくことを心より願いつつ、ご挨拶に代えさせていただきます。

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