平成21年2月26日
中米統合機構議長国 ニカラグア ジェンスキー外務次官、
中米統合機構加盟各国外務次官、
アレマン中米統合機構事務局長、ご列席の皆様
日本外務省を代表して、遠路訪日された皆様方を心より歓迎いたします。
また、皆様方のご出席を得て、日・中米(SICA)「対話と協力」フォーラムを開催出来ますことを、誠に喜ばしく思います。
1995年に設置されたこの「対話と協力」フォーラムも今年で12回を数え、定期的な政策対話の場として、日本と中米(SICA)の友好協力関係を深め、また相互理解を進める上で重要な役割を果たしてきました。
我が国の中米地域への積極的な関わりの端緒は、1987年に当時の倉成外務大臣がグアテマラを訪問した時のスピーチに遡ります。すなわち、その時日本は、中米諸国において和平が達成された暁には、地域の復興と発展への支援を惜しまない旨表明したのです。そして、内戦が終結し和平が達成された90年代以降、我が国は、地域の平和と民主主義の定着、経済復興と発展のため、主要ドナーとして支援を行ってきました。この間、中米側においては、安定した民主主義社会を構築し、加えて近年の経済統合の進展や域外国との活発な経済連携により着実な発展を遂げています。更に国際場裡においては、我が国にとり心強いパートナーとして良好な協力関係が築かれていることを嬉しく思います。
また、中米(SICA)との間では、2005年に外交関係樹立70周年を迎え、これを日・中米交流年として相互に祝い、東京において開催された日・中米首脳会談では、日・中米関係の中長期的な協力指針である「東京宣言」及び「行動計画」が採択されました。我が国は、「東京宣言」及び「行動計画」に魂を入れるべく具体的な協力案件の実施に努めてきています。「東京宣言」等採択後、4年がたつ今回会合において、改めてその具体的成果について総括的なレビューを行い、友好協力関係を確認すると共に、これをふまえ今後の協力の方向性を討議することは大変有意義と考えています。
更に、「東京宣言」には気候変動問題が含まれていませんでしたが、2013年以降の次期枠組構築を見据え、取り組みの強化が認識されたこの問題について、中米(SICA)諸国との間では、本フォーラムを通じ、きわめて迅速かつ効果的に問題対処にあたっての協力の道筋をつけることが出来ました。その大きな成果の一つが、昨年5月にホンジュラスのサンペドロスーラで開催された気候変動に係る中米・カリブ首脳会合において、我が国のクールアース50及びクールアース推進構想について首脳レベルで賛意を表明いただいたことです。我が国は、ポスト京都議定書枠組み交渉において、中米諸国と緊密な協力関係を維持するとともに、クールアース・パートナーシップに基づき、気候変動に関する中米諸国の取り組みを真剣に支援していく所存です。
また、昨年秋からの世界経済危機は、我が国を含め各国で深刻な影響を及ぼしています。この危機をいかに乗り切るか、各国が保護主義に陥ることなく、いかに開かれた貿易、投資を維持しつつ危機を克服するか、また、この問題について日本と中米(SICA)諸国の間ではいかなる協力関係が構築可能なのか、今回の会合ではそうした新たな課題をも踏まえ、日・中米(SICA)の協力関係の可能性と方向性について大いに議論していただきたいと思います。
我が国は、今回の会合においてSICAのオブザーバー資格獲得の希望を表明します。これは、多くの諸課題を抱える現在の国際社会において、我が国と中米の間でこれまで築いてきた協力関係を更に発展させ、強固なものにしたいとの我が国の意思の表明でもあります。
最後に、本フォーラムにおいて、活発かつ充実した議論が行われ、日・中米関係が一層進展することを祈念し、冒頭の挨拶といたします。
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