平成21年6月18日
於:沖縄
外務副大臣の橋本聖子でございます。本日は、仲井眞(なかいま)知事、高嶺議長をはじめ、沖縄各界の指導者の皆様の御来席を賜り、心より御礼申し上げます。本日は、当初、伊藤副大臣が本レセプションを主催するとご案内しておりましたが、現在開会中の国会における審議の都合上、急遽、私が主催させていただくこととなりました。
私はこれまでにも何度も沖縄を訪れたことがございますが、今回、外務副大臣としては初めて、23日の慰霊の日を控えた沖縄を改めて訪問する機会を得ることができました。国会日程との関係で短時間の滞在ではありますが、関係者の皆様からお話を伺い、沖縄の歴史や平和への思いを新たにし、引き続き今後の職務に邁進する所存です。
さて、今般、約1年9か月にわたって、沖縄担当大使を務めた今井正(ただし)大使が離任し、新たに樽井澄夫(たるいすみお)大使が8代目の沖縄担当大使に着任しました。沖縄担当大使は、地元の方々のお考えをしっかり受け止め、米側と協議し、沖縄の抱える問題・課題に真剣に取り組むという重要な職責を担っています。これまで歴代の沖縄担当大使は、経験豊富な人材が務めてきておりますが、樽井大使も、内閣府の国際平和協力本部事務局長やジュネーブの軍縮代表部大使、アジア局幹部等を歴任した安全保障外交、アジア外交のエキスパートであります。是非とも、皆様の御支援と御協力を賜りたく存じます。
この場を借りて、2点申し上げたいと思います。
第一は、沖縄に駐留する在日米軍についてです。北朝鮮のミサイル発射や核実験にみられるように、我が国を巡る安全保障環境は厳しいものがあります。こうした中で、米軍の抑止力を維持しつつ、沖縄県民の方々の過重な御負担を軽減していくことが、政府の基本的政策であります。普天間飛行場の移設・返還、在沖縄海兵隊のグアム移転、嘉手納以南の施設・区域の返還を含む2006年5月の「ロードマップ」に基づく米軍再編を、何としても実現しなければなりません。そのためには、来る数年間の取り組みが極めて重要となります。樽井大使以下、外務省の沖縄事務所職員、そして、中曽根外務大臣以下、外務本省としても、本日御列席の仲井眞知事をはじめ地元の皆様と引き続き緊密に協力してこれを実現していきたいと考えます。
第二は、沖縄と外務省の関わり方についてです。在沖縄米軍という視点に加えて、外務省ならではの、より裾野の広い協力関係を築きたいと考えています。具体的には、沖縄での国際会議開催、自治体や各種団体が行っておられる国際交流活動の支援等を、より積極的に行っていく所存です。
例えば、2010年のAPEC電気通信・情報産業大臣会合です。これは、地元の皆様と今井前沖縄担当大使が一緒になって東奔西走し、ここ沖縄で開催される運びとなったものです。外務省としては、この会合が成功裡に開催されるよう、関係省庁と連携していきたいと考えています。
また、沖縄には、将来の沖縄、日本、そして世界を背負って立つ潜在性を持った、しかも若い人材があふれていると思います。外務省としても、そうした人材が未来に向け大きく羽ばたけるよう、少しでもお手伝いしていきたいと思います。このような観点から、国際機関への就職に関心のある学生や社会人を対象にしたセミナーを、県の御協力を得て、沖縄で本年秋にも開催したいと考えております。
本日はお忙しい中、沖縄の各界を代表する本当に多くの方々にお集まりいただきました。この機会に、是非皆様のお声やお知恵をお聞かせいただきたいと思います。ありがとうございました。