平成20年3月13日
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アフリカ・インフラ・コンソーシアム(ICA)第4回年次会合の開催に当たり、日本国政府を代表して、ひとことご挨拶いたします。
本日ここに、アフリカからアフリカ連合(AU)、アフリカ開発のための新パートナーシップ(NEPAD)、地域経済共同体、また、G8各国、アフリカ開発銀行、世界銀行、EU等、多数の関係国・関係機関の参加をいただいたことを心から歓迎するとともに、アフリカ・インフラ・コンソーシアム第4回年次会合を開催できることを大変喜ばしく思います。
皆様もご承知のとおり、我が国は本年5月28日から30日に第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)を横浜で開催します。私自身、この1月から2月にかけ第10回AU総会に出席するためにエチオピアを訪問した後、総理特使としてモロッコ、ニジェールを訪問し、TICAD IVへの各国首脳の参加を要請してきたところです。
TICAD IVでは政治、経済両面で見られるアフリカの前向きな動きを後押しするために「元気なアフリカを目指して」との基本メッセージの下、1)成長の加速化、2)人間の安全保障の確立、3)環境・気候変動問題への対処について議論し、国際社会の知恵とリソースを結集していきたいと考えています。
「元気なアフリカ」を実現し、アフリカにおける経済成長を加速化するためには、産業振興や貿易・投資促進の基盤となるインフラ網の整備が不可欠です。そして、インフラ網を着実に整備していくためには、アフリカ側においては中長期のインフラ整備計画の策定作業を加速化すること、また、ドナー側においても、広域インフラ整備を整合的かつ包括的に推進することが重要と考えています。また、このような広域インフラ形成はアフリカの地域統合にも重要な役割を果たします。他方、アフリカでどんなに立派なインフラが整備されたとしても紛争により破壊されてしまっては何の意味もありません。
また、アフリカにおけるインフラ整備は、紛争によって破壊されてしまえば無意味となってしまいます。それに加え、紛争自体がインフラ整備を阻害することにも注意しなければなりません。従って、今次会合においてどのように広域インフラを整備するかを議論するだけではなく、紛争をはじめとするインフラ整備の阻害要因を取り除く努力を行うことも重要です。
福田総理は1月のダボス会議の演説で「日本はアフリカや国際社会と協力して、民間投資を引き寄せる魅力的な環境整備に向けて、道路網や電力網等の広域インフラ開発の青写真を示していきます」と述べています。(これに先立って、高村外務大臣も1月初めにタンザニアで行った政策スピーチで同趣旨の内容を述べています。)
G8プロセスから生まれたアフリカ・インフラ・コンソーシアムは、アフリカのインフラ開発について議論する代表的なプラットフォームとして認識されつつあります。このICAを活用して、福田総理、高村外務大臣が述べているようにTICAD IVも見据えつつ、アフリカの広域インフラ開発の青写真を描き、ドナー間の連携を図っていくことは極めて有益であると考えます。
本日からのICA年次会合では、電力、道路、水資源管理などの様々なインフラに関し、ファイナンスや官民パートナーシップなど幅広い側面から議論が行われます。我が国はホスト国として、セッション7をリードしますが、その中では、アフリカ全体に広がりを持つ広域インフラとして、道路網整備と電力網整備に焦点を当てて協力のあり方について議論を行いたいと考えています。いずれのセッションにおいても、活発な意見交換が行われることを期待します。
私は、本日夜、飯倉別館でレセプションをホストいたしますので、その際に本日の議論の成果などを伺えればと思います。
最後になりましたが、本会合の議論が、5月のTICAD IVや7月のG8洞爺湖サミットの議論にも反映されるような有益なものとなることを心から祈念いたします。
ご静聴ありがとうございました。