平成19年10月27日
於:国連ハウス ウ・タント国際会議場
外務大臣政務官の宇野治でございます。国際協力を担当する外務大臣政務官として、本日のシンポジウム開催にあたり一言御挨拶申し上げます。
皆様も御存じのとおり、我が国政府は、来年5月28日から30日まで横浜において開催される第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)及びこれに続く7月の北海道洞爺湖サミットを一貫して外交上の最重要行事として位置づけ、全力で準備を進めております。
アフリカ問題の解決なくして21世紀の世界の安定と繁栄はあり得ません。貧困、紛争、HIV/AIDSといった現在の国際社会が直面する問題の多くがアフリカに集中しています。冷戦終焉後の1990年代はじめ、各国にいわゆる「援助疲れ」が見られたり、国際社会のアフリカへの関心が低下している時期に、我が国は1993年に第一回のTICADを開催し、国連などと協力して国際社会の目を再びアフリカに向けるきっかけをつくりました。その後、1998年及び2003年にTICAD II及び IIIが開催され、TICADは、アフリカ開発の理念や重点をアフリカ諸国とそのパートナーが議論し共有する場として重要な役割を担って参りました。TICAD III以降は3回の閣僚会議やビジネスフォーラムなども実施されるなど、TICADのプロセスは拡がりを見せています。
この間、アフリカも大きく変わりました。最近では、NEPAD(アフリカ開発のための新パートナーシップ)やアフリカ連合の成立などアフリカ自身のオーナーシップの意識も高まり、平和の定着、民主化の進展や、着実な経済成長など、政治・経済両面でアフリカに前向きな兆しが見えてきています。このような変化を後押しするため、TICAD IVでは、「元気なアフリカを目指して」を中心的メッセージとして、経済成長の加速化、「人間の安全保障」の確立、そして、環境・気候変動問題への対処を重点に、具体的な取り組みを進めたいと考えます。
また、TICAD IV及びそれに向けたアフリカ開発の議論においては、市民社会の皆様の積極的な参加がますます重要となっています。すでに、何度も定期協議会を行うなど、外務省とNGOの皆様との間では活発な意見交換が行われてきていると承知しております。TICAD IV・NGOネットワーク(TNnet)が主催でされる本日のシンポジウム』において、アフリカ、日本などの市民の皆様の間で活発な議論がなされ、TICAD IVに対する様々な貴重な御提言や御意見をいただけることを期待しております。
今日、ここで改めて来年のTICAD IVに向けて我が国政府一体となって、全力で取り組むことを表明させて頂くとともに、本シンポジウムの成功を祈念致しまして、私のご挨拶とさせて頂きたいと思います。
御静聴ありがとうございました。