演説

関口外務大臣政務官演説

第4回 国際教育協力日本フォーラム
(JEFIV: Japan Education Forum IV
2007年2月7日 国連大学
関口外務大臣政務官 主催者代表挨拶

(写真)主催者代表挨拶を行う関口政務官
主催者代表挨拶を行う関口政務官

本日は、「第4回国際教育協力日本フォーラム」にお集まり頂きましたことに、心より御礼申し上げます。主催者である外務省を代表し、一言御挨拶申し上げます。開発途上国における教育の発展に向けた努力を支援するための国際協力のあり方について、自由かつ率直に意見交換する場として開催されてきたこのフォーラムも、今年で4回目を迎えました。今回も、海外からご来訪の方々も含め、教育の第一線でご活躍の実務者や研究者の方々をお迎えしてこのフォーラムを開催できますことは、この上ない歓びであります。

教育は、人間一人ひとりが、自らの才能と能力を十分に伸ばして自己実現を図り、尊厳をもって生活することを目指す人間の安全保障を実現する上で不可欠の要素です。また教育は国家の経済社会開発の前提であるだけでなく、国境や地域を越えての異文化共存や国際平和の基礎でもあります。我が国は、教育による人づくりを国づくりの基礎として位置づけ、発展を遂げてきたという自国の経験に基づき、ODAをはじめとする国際協力においても教育分野を重視して参りました。事実、我が国の国際教育協力は、2000年から2005年の6年間で約48.25億ドルにのぼり、フランスに次いで世界第2位となっております。

残念ながら世界には、今なお7千7百万人以上の子どもたちが教育を受ける機会を奪われており、また識字能力のない成人が約7億8千万人存在しています。こうした状況に対し、国際社会では、全ての人々に基礎的教育の機会を提供することを目指す「万人のための教育(EFA: Education for All)」の実現に取り組んでいます。また、ミレニアム開発目標(MDGs: Millennium Development Goals)も国際社会が協力して達成すべきゴールの一つに、初等教育の完全普及を掲げています。

我が国は、こうした国際社会共通の目標の達成に貢献するため、2002年のG8カナナスキス・サミットの機会に、「成長のための基礎教育イニシアティブ(BEGIN: Basic Education for Growth Initiative)」を発表しました。これに基づき、教育へのアクセスの拡大、質の向上、そしてマネジメントの改善の3点を重点項目として、学校施設建設といったハード面の支援と、理数科分野を中心とした教員訓練やカリキュラム改善、学校運営能力強化支援などといったソフト面での支援とを組み合わせた協力を推進してきました。また、高等教育や技術教育・職業訓練など、開発途上国の国づくりを支える人材を育成するための支援も積極的に行っています。こうした支援に加え、EFAの旗振り役であるユネスコに日本が設置している信託基金を通じて、教育関連の様々なプロジェクトの実施にも協力しています。

我が国としては、ODAが、国民の理解と支持を得て、開発途上国における多岐に亘るニーズに応えていけるようにするため、援助スキームの一層の連携や他のドナー国や国際機関、更に大学や民間企業、NGO等々との協力を推進し、教育分野を含め、我が国の国際協力の戦略的活用に努めていく考えです。

本年は、2000年にEFAダカール目標が策定されてから、2015年という達成期限に向けた折り返しの年にあたります。EFAの達成には、教育へのアクセスのみならず、質の高い教育を提供することが不可欠であることは言うまでもありません。本日のフォーラムを通じて、教育の質の向上に向けた我が国の取組について活発な議論が行われ、我が国のこれまでの取組とその成果について、関係者の皆さまに理解を深めて頂くと共に、今後の教育協力のあり方等について有意義な議論が行われますことを祈念して、私の挨拶に代えさせていただきます。

御清聴有り難うございました。

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