演説

山中外務大臣政務官演説

「人身取引問題に関する国際シンポジウム」
主催者挨拶
(山中大臣政務官)

(写真)

平成18年2月25日

 只今ご紹介頂きました外務大臣政務官(Vice-Minister for Foreign Affairs)のやまなかあきこでございます。本日は、外務省、国立女性教育会館及び国際移住機関が共催で行うこのシンポジウムに多くの方にお集まり頂き、誠に有り難うございます。また、海外からわざわざお越し下さったパネリストの皆様にも、心から歓迎申し上げます。

 「現代の奴隷制」と言われる人身取引は、重大な犯罪及び人権侵害であり、今日、一層迅速かつ的確な対応が求められている問題であります。特にグローバル化の進展や、経済格差及び貧困の増大に伴って、国際組織犯罪グループ等によって行われている人身取引は、今や国際社会にとって国境を越える地球規模の問題であり、脅威であります。残念ながら、日本もこのような人身取引問題と無縁ではなく、東南アジアや中南米等の女性たちが、人身取引の被害者として送り込まれる目的地の一つになっています。

 日本政府はこの人身取引問題に毅然と立ち向かうため、2004年12月に総合的・包括的な人身取引対策行動計画を策定しました。現在、その行動計画に基づき、政府が一丸となって人身取引の防止、加害者の処罰及び被害者の保護を中心とした様々な施策を講じてきております。本日は、内外から人身取引問題に関する専門家や被害者保護の現場において活躍されているNGOの方々にお集まり頂いております。これら皆様による積極的な議論を通じて、日本を含めた世界の人身取引の現状とその対策について認識を深め、その撲滅に向け一歩でも近づくことができるよう期待しております。

 人身取引を撲滅するためには、政府関係者はもちろん、国民一人一人が、人身取引が日常の生活と無関係ではなく、この重大な犯罪及び人権侵害を決して許してはならないという強い意識を持つことが、非常に重要です。このシンポジウムが、そのような一つのきっかけとなることを心から祈念いたします。

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