平成18年5月24日
(於:JICA国際協力総合研究所)
御列席の皆様、本日の対話フォーラムの開催にあたり、一言御挨拶を申し上げます。
まず、日本政府を代表して、ジュイニー開発・国際協力大臣及びその同行の方々の訪日を歓迎します。貴大臣が両国関係の一層の強化のために、多大な熱意を持って毎年我が国を実務訪問されていると伺い、その熱意に敬意を表します。
新たな経済・産業復興を目指して、我が国をはじめとする諸外国の知識と技術の導入に奔走される貴大臣は、今日のチュニジアの姿そのものであります。貴大臣の活躍があるところ、将来的な発展は約束されていると申し上げても過言でないと思います。とりわけ、貴大臣は、昨年初夏に、ガンヌーシ首相が愛・地球博賓客として訪日した機会に併せて来日され、名古屋を中心に対チュニジア経済セミナーを開催し、多くの民間経済関係者の関心の惹起とビジネス機会の創出に尽力されました。その努力は、少しずつ実を結びつつあると聞いております。一つの成功例が呼び水となって、両国間の民間ビジネス関係がより一層発展して行くことを希望します。
本年は日本とチュニジアが外交関係を樹立して50周年の慶節年であります。この間、日本とチュニジア両国間では、様々な分野で相互理解と友好・協力関係のたゆみない強化・発展が図られてきました。特に、1996年6月に我が国からは高円宮同妃両殿下の貴国公式訪問、同年7月には貴国のベン・アリ大統領の国賓訪日を契機とする過去10年間の交流の活発化は大いに注目されます。最近では、2004年4月に日本チュニジア友好議連会長である森・前総理が貴国を訪問し、本年1月には河野衆議院議長が貴国を公式訪問しております。また、貴国からは、貴大臣やベン・ヤヒヤ前外相は毎年のように訪日され、我が国に対してチュニジアの魅力を広く発信されておられます。
他方、経済協力の面でも、それまでのJICA/JOCVによる技術協力に加えて、1996年には円借款の年次供与国に指定され、以来、貴国の経済基盤インフラ整備、水資源の確保、産業の育成等に我が国の円借款が有効に活用されてきました。最近では、貴国の先端科学技術・産業協力研究の拠点となるボルジュ・セドリア・テクノパーク建設計画に対する円借款の供与は、日本・チュニジア二国間協力に新たな可能性を開いた協力事例であり、貴国の新たな産業育成に大きく貢献することが期待されております。
本日、ここJICA国際協力総合研修所において、対話フォーラム開催の運びとなりました。本日の会合は、ハンナシ大使閣下の多大な御努力と本日御列席の皆様のチュニジアに対する御関心の賜です。本フォーラムにおいて、更なる関係発展に向けてのアイデア等が交換され、本フォーラムが実りあるものとなることを祈念し、私の挨拶と致します。