平成18年2月14日
ご列席の皆様、
本日、BWC東京セミナーが皆様のご出席を得てここに開催されることを、大変喜ばしく思います。このセミナーに出席するために来日頂いた皆様を心から歓迎申し上げます。
ご存知の通り、日本では、地下鉄サリン事件を引き起こしたオウム真理教がボツリヌス毒素や炭疽菌によるテロを試みた経緯があります。今日、生物テロは現実の脅威と認識され、今日の安全保障における主要な課題の一つと位置づけられております。
こうした国際社会への新たなチャレンジに立ち向かうためにも、生物兵器を包括的に禁止する唯一の国際的枠組みである生物兵器禁止条約(BWC)の強化が必要です。
BWCに検証措置を導入する試みが頓挫して以来、我々は同条約を強化すべく三年間に渡り議論を積み重ねてきました。今年は五年に一度の運用検討会議の開催が予定されており、BWCにとって重要な一年であります。同条約が有効に機能していることを国際社会に示すためにも、次回運用検討会議では条約の強化に向け、BWCに今日的意義を与える形での最終宣言の発出を目指すべきと考えます。
我が国としては、国家的な生物兵器開発を抑止すべく、また生物テロ等「新たなチャレンジ」に対応すべく、BWCの強化に今後とも積極的に取り組んでいきたいと考えます。我が国は、次回運用検討会議が成功するよう、主要関係国・機関と連携しつつ積極的に貢献していく所存です。
本日のセミナーは、BWCに向けた我が国の関心の高さの表れです。来るべき運用検討会議の成功に向けて関係者が議論する場を設けることができたことは、大変光栄です。
本日は、次回運用検討会議議長に内定しているカーン大使をはじめ、次回会合に向けた準備を実質的にリードされる方々にご出席いただいております。幅広い経験を有する関係国・国際機関、著名な有識者の皆様が、それぞれの立場から知恵を出し合い、実りある議論が行われることを期待します。
ご静聴ありがとうございました。