演説

金田外務副大臣演説

新型インフルエンザ早期対応に関する東京会議
冒頭セッションにおける金田副大臣挨拶

平成18年1月12日
(英語版はこちら)

各国、国際機関よりご出席の皆様、

 本日、日本政府を代表して、日本政府と世界保健機関の共催で、鳥インフルエンザに起因する新型インフルエンザの早期対応に関する国際会議を開催を宣言できますことは、私にとりこの上ない喜びであります。この場をお借りして、これまでともに準備を行ってきた世界保健機関に謝意を表明します。

 最近の鳥の間でのインフルエンザの流行及び人への感染例の増大は、ヒト-ヒト感染を起こす新型インフルエンザ出現の可能性の高まりを示しています。交通機関の発達した現代では、感染症は国境を容易に越え、瞬く間に世界各国に拡がる恐れがあります。このような状況下では、個人及び地域社会の保護と能力強化を通じて各人が尊厳ある生命を全うできる社会作りを目指す「人間の安全保障」の観点から、各国が連携して新型インフルエンザ感染の世界的な拡がりを抑えるよう努力することが不可欠となります。

 我が国としても、既に鳥インフルエンザの感染例が多く生じているアジア地域の国として、地域レベルでの対応を強化・促進することを目的として、昨年12月、小泉総理が、東アジア・サミットの機会に、アジア地域における鳥及び新型インフルエンザ対策のために今年度約1.35億ドルの支援を行うことを表明しました。その一環として、我が国は、50万人分の抗ウイルス薬の備蓄支援等を行います。日本政府は、アジアがしっかりした対応をとれるよう、地域及び域外の国及びWHOとともに尽力していきたいと考えています。

皆様、

 我々は、既に、WHOの分類によるインフルエンザの脅威段階の「警戒期」に入っています。今次会合は、今後、ヒトからヒトへの感染が始まった時に早期封じ込めを成功させるための必要な前提条件、取るべき具体的な行動、その手順等を整理し、必要な措置につなげていくことを目的としています。「早期対応」に焦点を絞った上で、アジア地域、ドナー諸国及び関係国際機関の専門家が一堂に会してこれらの課題について議論するのは、今次会合が初めてです。皆様には、アジア諸国が新たな脅威に対処するための方策について具体的な提言を行って頂くことを希望します。

 本日及び明日の議論を通じて、鳥インフルエンザに起因する新型インフルエンザの早期対応に関し具体的な取組みが前進することを祈念して、私の挨拶に代えさせて頂きます。

 ご清聴ありがとうございました。

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