外務報道官談話

令和7年1月11日
  1. 昨年7月28日にベネズエラ・ボリバル共和国で実施された大統領選挙は、国内外から、票の集計を含む選挙プロセスの透明性に疑義が呈されてきました。我が国は、投票した全てのベネズエラ国民の意思が尊重されるよう、投票結果の信頼性を裏付ける上で必要な全ての情報が公表され、大統領選挙プロセスの透明性が確保されることを求めてきました。これに対し、ベネズエラ政府が十分な説明責任を果たさないまま、今般、大統領就任式が実施されたことは遺憾です。
  2. 我が国は、与野党間の対話の実施など、ベネズエラにおける全ての関係者の広範な参加を得て、諸問題が解決され、一刻も早く民主主義が平和裏に回復されることを強く求めます。
  3. また、我が国は、現下のベネズエラの経済・社会状況の悪化により、特に脆弱な状況にあるベネズエラ国民に深刻な影響が及んでいること、及び、避難民の流出等により、周辺国を含め地域規模で影響が及んでいることを懸念しています。
    我が国は、人間の安全保障の理念に基づき、避難民を含むベネズエラ国民への民生支援に加え、影響を受けている周辺国に対しても支援を継続していきます。
(参考)ベネズエラ大統領選挙概要
  1. 2024年7月28日(現地時間同日)、ベネズエラにおいて大統領選挙が実施され、29日(現地時間同日)深夜、全国選挙評議会(CNE)は、開票率80%時点で、マドゥーロ大統領が約515万票、ゴンサレス野党統一候補が約444万票を獲得したとの速報を発表し、これを受けてマドゥーロ大統領が勝利宣言を行った。
  2. 現地の報道によると、開票時にCNE本部に野党側証人が立ち入ることができなかった、各投票機械における投票結果を表示する証書が、野党側には一部しか提示されなかった等の問題点が指摘される中で、選挙プロセスの透明性並びに選挙結果に疑義が呈された。
  3. 8月22日、最高裁判所(TSJ)は、マドゥーロ大統領による今次大統領選挙プロセスに関する全ての事案を明らかにするようにとの申立てに対し、CNEによる「マドゥーロ大統領が勝利した」との発表を大統領選挙結果として認定する旨発表。
  4. 9月2日、カラカス裁判所が、ゴンサレス氏への逮捕状を発出。同月7日、ゴンサレス氏が出国し、スペイン政府に政治亡命を要請した。
  5. 2025年1月10日(現地時間同日)、大統領就任式が行われ、マドゥーロ大統領が大統領への就任を宣誓。

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