外務報道官談話

令和元年7月29日
1 シリア・アラブ共和国のイドリブ県南部及びハマ県北部を中心とする北西部において,軍事衝突が継続し多くの国内避難民が発生するなど,同地域における人道状況が更に悪化している状況を深く憂慮します。こうした状況は,同地域のみならず,中東地域全体の安定にも影響を与える可能性があります。
 
2 我が国は,シリア危機は軍事的手段によって解決できる問題ではなく,政治的解決を追求しなければならないと考えています。そのため,全ての当事者に対し,同地域における非武装地帯設置に関する合意の履行,軍事的措置の即時停止,国際人道法の遵守を呼びかけます。
 
3 我が国は,シリアにおける全ての暴力の停止や人道状況の改善と国連主導の政治プロセスの進展に向けて,国際社会と連携していきます。
 
[参考1]最近のイドリブ情勢
 国連によれば,イドリブ情勢の悪化に伴って,本年4月以降,少なくとも400名以上が死亡し,約44万人が国内避難民となっている。 7月22日には,マアラト・アル・ヌゥマーン( al-Nu’man)の市場に対する攻撃が行われ,39名以上の市民が犠牲となった。
 
[参考2]イドリブ地域における非武装地帯設置に関する合意(ソチ合意)
 2018年9月17日,プーチン・ロシア大統領とエルドアン・トルコ大統領がソチ(ロシア)にて会談を行い,イドリブ地域において非武装地帯を設置することに合意したことを発表した。

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