外務報道官談話
イラクにおける新大統領の就任及び次期首相候補の指名について
(外務報道官談話)
平成30年10月3日
- 我が国は,10月2日(現地時間),バルハム・サーレハ新大統領(Dr. Barham Salih, President of the Republic of Iraq)が選出されたことに祝意を表します。また,我が国は,同大統領が,イラク憲法の規定に則りアーデル・アブドルマハディー元副大統領(前石油相)(Dr. Adel Abdul-Mahdi)を首相候補に指名し,組閣を命じたことを歓迎し,新政府形成に向けた政治プロセスが進展していることを評価します。
- 我が国は,早期の新政府の形成を通じて,宗派を超えた国民和解が進展し,イラクが国家的統一を実現することが重要であると呼びかけてきています。アブドルマハディー次期首相候補による新政府の形成に全ての関係者が協力し,包括的な安定した政府を形成するよう期待します。
- [参考1]バルハム・サーレハ新大統領略歴
1960年生まれ(クルド人)。1976年にクルディスタン愛国同盟(PUK)に参加。クルディスタン地域政府首相(2001-2004年,2009-2012年),副首相(2004-2005年,2006-2009年)等を務めた。 - [参考2]アーデル・アブドルマハディー次期首相候補略歴
1942年9月8日生まれ(シーア派)。財務大臣(2004-2005年),副大統領(2005-2011年),石油大臣(2014-2016年)等を務めた。2016年2月に我が方招聘で訪日 - [参考3]今後の政治プロセス
憲法上,大統領は,国民議会による選出から15日以内に国民議会内の第一政党(政党連合)から首相候補を指名,同首相候補は30日以内に閣僚名簿を作成の上国民議会に提出し,国民議会の承認を得て,新政府が発足する。国民議会が不承認の場合や組閣が失敗に終わった場合,大統領による首相候補指名から始まる組閣プロセスが再度行われる。