外務報道官談話
女子差別撤廃委員会における対韓国審査に関する我が国の立場について
(外務報道官談話)
1 2月22日(現地時間)にジュネーブで実施された女子差別撤廃委員会69会期において対韓国審査が行われました。
2 日本政府は,慰安婦問題に真摯に対応しており,特に,2015年の日韓合意は,慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的」な解決を確認したものであり,国連等国際社会において,慰安婦問題について互いに非難・批判することは控えることとされています。
3 日韓合意は国と国の約束であり,たとえ政権が代わったとしても責任をもって実施されなければならないことは国際的かつ普遍的な原則です。合意の着実な履行は両国の国際社会に対する責務でもあります。また,合意時点で生存していた元慰安婦の方々47名のうち,7割以上の方々が,合意に基づき,韓国政府が設立し,日本政府が10億円の拠出を行った「和解・癒やし財団」の事業を受け入れるなど,多くの韓国人元慰安婦の方々も合意を評価しています。
4 こうした中で,「性奴隷」という言葉は事実に反するので使用すべきではないというのが日本側の考えであり,この点は日韓合意の際に韓国側とも確認していたにもかかわらず,韓国代表団が今回「性奴隷」との言葉を使用したことは我が国として受け入れられず,極めて遺憾です。日本側は,合意で約束したことを全て誠実に実行しています。日本政府としては,韓国側が合意を「最終的かつ不可逆的」なものとして着実に実行するよう引き続き強く求めます。
[参考]女子差別撤廃条約・女子差別撤廃委員会
(1)女子差別撤廃条約は,男女の完全な平等の達成に貢献することを目的として,女子に対するあらゆる差別を撤廃することを基本理念とする。「女子に対する差別」を定義し,締約国に対し,政治的及び公的活動,並びに経済的及び社会的活動における差別の撤廃のために適当な措置を取ることを求めている。
(2)各締約国は委員会に対し,定期的に条約の履行状況を報告する義務があり(条約締結後1年以内,その後は4年毎),委員会は,各国からの政府報告等に基づき,各国に対する審査を行い,その結果,最終見解を示す。最終見解における勧告に法的拘束力はない。