外務報道官談話

平成28年11月25日

1 11月24日(現地時間),バグダット南方約100キロに位置するヒッラで,イスラム教シーア派の宗教行事「アルバイーン」に参加した巡礼者を狙ったとされる爆弾テロが発生し,少なくとも80名が死亡し,多数の負傷者が出たことに強い衝撃と憤りを覚えます。我が国は,亡くなられた方々及び御遺族に対し心から哀悼の意を表するとともに,このような無辜の一般人に対する卑劣な行為を断固として非難します。

2 10月17日,イラク政府がISIL(イラク・レバントのイスラム国)に占拠されているモースル解放作戦の開始を宣言して以降,イラク国内では本件も含めISILの犯行と思われるテロ事件が多発しており,一般市民に被害が広がっていることを深く憂慮します。我が国は,改めてイラク政府とその国民に対し,強い連帯の意を表するとともに,イラクの平和と安定のために,引き続き最大限の協力を行っていく考えです。

(参考)
(1)「アルバイーン」とは,預言者ムハンマドの孫フサインが殺害されたとされる命日(「アーシューラ」)から40日目に実施される喪明けの儀式で,シーア派イスラム教徒にとって重要な宗教行事の一つ。11月20日に実施された「アルバイーン」では,数百万規模の信者がイラク中部のカルバラーに向け巡礼を行った。

(2)本件事案による邦人の被害は確認されていない。

(3)10月17日,アバーディー・イラク首相は,イラク第二の都市でISILに占拠されているモースルの解放作戦の開始を宣言し,現在も作戦が継続中。


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