外務報道官談話

令和3年11月18日
  1. 11月15日(モスクワ時間)、ロシア政府が実施した自国の衛星をミサイルで破壊する衛星破壊実験により、多数の宇宙ゴミ(スペースデブリ)が発生しました。同日、我が国も参加する国際宇宙ステーション(ISS)に多数の宇宙ゴミが接近し、搭乗員は一時ISSに係留されている宇宙船内に退避する事態に見舞われました。
  2. 多数の宇宙ゴミを発生させる衛星破壊行為は、無差別に軌道上の宇宙物体の衝突リスクを高めることとなり、持続的かつ安定的な宇宙空間の利用を損なう無責任な行動です。宇宙空間の重要性が高まる中、今回の衛星破壊行為は、宇宙空間の平和的利用及び安全保障上の観点からも懸念せざるを得ません。また、2007年にロシアを含む国連宇宙空間平和利用委員会(COPUOS)加盟国の全会一致で採択された「スペースデブリ低減ガイドライン」では、長期に残留する宇宙ゴミを発生させる形での軌道上の宇宙物体の意図的破壊は回避されるべきとされています。今回の実験は同ガイドラインの内容に反するものです。
  3. 日本政府として、今般の実験に対する懸念を表明するとともに、ロシア政府に対して今後このような実験を行わないよう求めます。
  4. 宇宙空間の平和的利用の確保は重要であり、持続的かつ安定的な宇宙空間の利用のため、国際的なルール作りが必要です。日本政府は、引き続き、関係国に対し、長期にわたり軌道上を周回する宇宙ゴミの発生及び拡散を防止するための責任ある行動を求めていくとともに、宇宙空間における「責任ある行動」に関する国際場裏での議論に積極的に取り組んでいきます。

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