外務報道官談話
レソトにおける前国防軍司令官殺害事件について(外務報道官談話)
1 6月25日,レソト王国において,マハオ前国防軍司令官が同軍兵士に殺害され,これに起因する政治・治安の混乱により,タバネ前首相を含む全野党党首が国外に退避しました。日本政府はマハオ前司令官の殺害を非難し,御遺族に哀悼の意を表するとともに,レソトの政治・治安状況について懸念を表します。
2 7月3日,南アフリカのプレトリアにおいて,レソト問題を議論するために南部アフリカ開発共同体(SADC)特別首脳会合が開催され,ラマポーザ南ア副大統領がSADCの仲介人として再任されました。日本政府としては,同副大統領をはじめとする地域の取組により,レソトの政治治安が早期に回復することを期待します。
(参考)
1 レソトでは,2014年8月に国防軍による軍事行動が発生したが,SADCの仲介により沈静化。2015年2月,国民議会総選挙が実施され,同年3月,モシシリ首相が就任。
2 2014年8月,タバネ首相(当時)はカモリ国防軍司令官(当時)を罷免し,今般殺害されたマハオ准将(当時)を後任に任命したが,カモリ司令官がこれを拒否し軍事行動を行った為,タバネ首相は一時国外退避した。2015年3月に誕生したモシシリ政権は,マハオ司令官を事実上更迭し,カモリ中将を司令官に復帰させていた。
3 南アフリカ開発共同体(SADC)は,域内の平和,安全保障,政治,開発と貧困対処分野の協力を通じて地域経済統合を目指す地域共同体であり,南部アフリカ15か国が加盟。7月3日のSADC特別首脳会合にはムガベ・ジンバブエ大統領,ズマ南アフリカ大統領,カーマ・ボツワナ大統領,モシシリ・レソト首相他が参加。同特別首脳会合では,レソトの平和と安定のため,ラマポーザ南アフリカ副大統領が仲介人に再任され,今後,事態究明に向けた取組が進めることが確認された。