外務報道官談話

令和3年12月21日

 香港は、1997年の返還以来、 「一国二制度」の下、多様な意見を尊重する自由で開かれた体制がもたらす繁栄を享受し、アジアの金融センターとして発展してきました。こうした観点から、香港において、自由で開かれた体制が維持され、民主的、安定的に発展していくことが重要であるというのが我が国の一貫した立場です。

 香港における選挙制度の変更については、香港の繁栄を支えてきた香港基本法及び1984年の英中共同声明に基づく「一国二制度」に対する信頼を損ない、香港における高度な自治を大きく後退させるものであり、国際社会からも強い懸念が示されてきました。我が国は、本年3月11日の全国人民代表大会による選挙制度の変更についての決定、本年3月30日の全国人民代表大会常務委員会による選挙制度に関する香港基本法の規定の変更に際しても重大な懸念を強めていると表明してきたところです。今般、こうした国際社会の懸念が解消されることなく、香港において立法会選挙が実施されたことに対して、改めて重大な懸念を表明します。

 日本政府としては、これまでも繰り返し表明してきたとおり、香港において関連の選挙が幅広い政治的意見を代表する候補者を含む公正な形で実施されることが重要と考えており、引き続き、国際社会とも連携して、中国側の具体的な対応を求めていきます。


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