寄稿・インタビュー

プラウダ紙(スロバキア)による安倍総理大臣書面インタビュー

(2019年4月24日付)

「安倍晋三:欧州の中心に位置するスロバキアは地理的優位性を有している」

平成31年4月25日

 日本の安倍晋三総理は,プラウダ紙によるインタビューに対し,「勤勉,親切,協調的な国民性が日本にも親しみやすいスロバキアには,既に64社もの日本企業が進出している」と強調した。安倍総理はブラチスラバにおいて,ペレグリニ首相との個別会談と,V4諸国との首脳会合に臨む。

【問】昨年,EUと日本は,自由貿易協定に署名した。日EU経済連携協定は,世界のGDPの約3分の1を占める日EU間の貿易関係の発展において画期的な出来事である。同協定は日本とスロバキアにどのような恩恵をもたらすか。世界の大国である日本からスロバキアへの投資の今後の展望いかん。

本年2月の日EU経済連携協定の発効により,人口6億人,世界のGDPの約3割,世界貿易の約4割を占める世界最大級の自由で先進的な経済圏が誕生しました。この協定は日本とスロバキアを始めとするEU諸国に成長の機会をもたらすだけでなく,世界で保護主義的な動きが広がる中,日本とEUが自由貿易の旗手として,これを力強く推進していくとの揺るぎない意思を全世界に対して明確に示した点で,大きな戦略的意義を有するものであります。

 欧州の中心に位置する地理的優位性があり,勤勉,親切,協調的な国民性が日本にも親しみやすいスロバキアには,既に64社もの日本企業が進出しています。スロバキア政府は現在,イノベーション・研究開発分野の強化にも注力していると承知しており,従来の製造拠点としての強みを活かしつつ,幅広い分野において,今後も活発な活動が行われることを期待しています。

 日EU経済連携協定に加え,7月1日にも発効する予定の日・スロバキア社会保障協定がこれら経済的交流を更に後押しすることを期待しています。また,スロバキアから日本への投資は現在限られていますが,日本への投資も歓迎します。

 ペレグリニ首相から御招待いただき,今回,日本の総理として初めてスロバキアを訪問することを大変嬉しく思います。今回の訪問を通じて,ペレグリニ首相とともに,二国間の投資を更に後押しする方法を議論できることを楽しみにしています。

 日本は1920年に,1918年に独立を果たしたチェコスロバキア共和国と,アジアで最初の国として外交関係を樹立しました。来年は「日スロバキア交流100周年」として,日・スロバキア双方で様々な交流事業を行う予定であります。2020年は東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されるので,人的交流が進むことを大いに期待しています。

【問】日本はアジアの大国として朝鮮半島情勢を注視している。北朝鮮の非核化の可能性をどう見ているか。

【安倍総理大臣】北東アジア地域の平和と繁栄を実現するために北朝鮮問題は避けて通ることができない課題です。

 先般の第2回米朝首脳会談に関し,朝鮮半島の非核化を実現するとの強い決意の下,安易な譲歩を行わず,同時に建設的な議論を続け,北朝鮮の具体的な行動を促していくとのトランプ大統領の対応を全面的に支持しています。

 その上で,日本としては,安保理決議に従って,北朝鮮に対し,核兵器のみならず,生物・化学兵器を含む全ての大量破壊兵器の廃棄と,米国に届くICBMのみならず,日本を射程に収める中距離や短距離の弾道ミサイルを含む,あらゆる射程の弾道ミサイルの廃棄を求めていく方針に変わりはありません。

 朝鮮半島の非核化に向け,今後とも,日米,日米韓で緊密に連携し,中国,ロシア,そして欧州を始めとする国際社会と協力していきます。スロバキアともこの目標に向け,いっそう緊密に連携していきたいと考えています。

 北朝鮮には,豊富な資源があり,勤勉な労働力があります。北朝鮮が正しい道を歩むのであれば,明るい未来を描くことができます。相互不信の殻を破り,拉致,核・ミサイルの問題を解決し,不幸な過去を清算して,北朝鮮との国交正常化を目指していきます。


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