寄稿・インタビュー

カンティプール紙及びカトマンズ・ポスト紙(ネパール)による
河野外務大臣書面インタビュー

(2019年1月9日付)

「日・ネパール間の経済関係を一層強化する」

平成31年1月10日

 日本の河野太郎外務大臣が9日からネパールを訪問する。日本の外務大臣によるネパールへの公式訪問は7年ぶりとなる。河野大臣が今回の訪問目的,日ネパール関係,二国間の課題について,カンティプール紙に語った。

【問】今般の河野大臣のネパール訪問は,2012年以来の外務大臣の訪問となるが,訪問の目的如何。

【河野外務大臣】私は今回,ネパールの経済発展・民主主義定着・ガバナンス強化等の分野での経済協力を強化し,現在の良好な両国関係を更に強固にしたいとの思いからネパールを訪問しました。ネパールは友好国であると同時に,国際社会の安定と繁栄にとっても重要な国です。

 昨年11月にはギャワリ外務大臣に訪日いただきました。今度は,私がギャワリ外務大臣のご招待を頂き,ネパールを訪問し,ギャワリ大臣を始め,ネパール政府要人の皆様にお会いできること,また日本人の憧れであるヒマラヤの山々やカトマンズ盆地の文化遺産を見ることが出来,大変嬉しく思います。

 日本とネパールは,1956年の国交樹立以降,経済協力,文化,観光,草の根レベルでの民間交流等のあらゆる分野での交流を通じて,友好関係を築いてまいりました。そして,これまで両国は困難に直面した際には,互いに助け合ってきました。日本が2011年に東日本大震災で,また2016年に熊本地震で被害に見舞われた際,日本のネパール人コミュニティーの方々は,いち早く被災地に駆けつけ,ダルバート(注:ネパール料理)やネパール産コーヒーを配り,被災者を励ましてくれました。

 また,ネパールが2015年の大震災で被害に見舞われた際,日本は緊急援助隊や支援物資を送り,復興段階においては学校,住宅再建を含め,災害に強い国づくりに協力してきており,ネパールの人々に寄り添ってきています。日本とネパールの友情は,困難な時にも互いを尊敬する思いやりの精神から成り立っています。今回のネパール訪問を機に日本は地域の安定と発展に向け,ネパールと一層緊密に協力していきたいと考えています。

【問】今後どのような分野で,日ネパール関係の拡大の可能性があると考えるか。

【河野外務大臣】近年,二国間の人物交流はますます頻繁になり,2017年に,ネパールを訪問した日本人は27,000人以上,日本を訪問したネパール人は39,000人以上となりました。

 昨年6月に合意に至った両国間の航空協定の改正は,今後の直行便再開につながり,一層活発化している人と人との交流に更なる弾みをつけるものと考えています。また,昨年11月にギャワリ外務大臣が訪日された際に東京で開催されたネパール投資セミナーには,定員を大きく上回る参加者が集まったと聞きました。これは日本企業のネパールへの関心と期待の大きさの表れだと思います。このようなセミナーや両国の経済界の交流を通じて,今後,両国の経済関係が更に深まり,日本企業の進出や投資の促進につながっていくことを期待します。

 さらに,2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて,福島県田村市,長野県駒ケ根市や兵庫県神戸市がネパールから参加するオリンピック・パラリンピック選手の受入れを行う予定です。ホストタウンを通じて,日ネパール間のスポーツ交流や地域間交流が更に進むことを確信しています。

 こうした交流に加え,私は,観光分野でも両国関係の更なる拡大の可能性に期待しています。ネパールには,美しい山々,歴史的な建物が沢山あります。既に,美しい山々に魅了された日本人が,大勢トレッキングに訪れていますが,今後の直行便の再開が更に多くの日本人をネパールに導くことになると確信しています。ネパールの観光開発について,日本としては,観光セミナーの開催等様々な形で協力していきたいと考えています。日本とネパールはこれらの多くの分野でまだまだ協力関係を広げていく可能性を秘めています。私も引き続き尽力していく考えです。

【問】日本はネパールの友人として,長年に亘りその発展を支援しているが,日本政府のネパールの開発協力についてのビジョンいかん。日本の協力の優先事項は何か。

【河野外務大臣】日本はネパールの友人として,ネパールの発展に長年寄与してきました。支援分野は農業,保健医療,教育,運輸交通,電力,民主化・平和構築等と多岐にわたります。ネパールは,2015年の大地震による苦難を乗り越え,新憲法に基づく選挙を経て,連邦制の定着や中所得国への移行に向けて取り組んでいます。日本は,ネパールが掲げる「繁栄したネパール,幸せなネパール人」の取組を後押しすべく,(1)震災復興・災害に強い国づくり,(2)社会・経済基盤整備,(3)貧困削減・生活の質向上,(4)ガバナンス強化・民主主義基盤制度づくりの4つの重点分野における支援を引き続き進めていきます。

 また,ネパールでは総人口の約6割が農業に従事しており,農業は重要分野です。西郷駐ネパール大使は農業の専門家であり,同大使を通じて,農業国であるネパールの生産性向上に向けた協力も進めていきたいと考えています。日本の支援が,ネパールの発展と日・ネパールの友好関係の一層の強化に繋がることを強く期待します。


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