世界が報じた日本

平成29年12月1日

 最近の海外主要メディアにおける日本関連報道の中からいくつか紹介いたします。メディア側から予め承認が得られたものの中から選んで掲載しています。転載・複製を禁じます。詳細はリンクから原文をご参照願います。

掲載日:

11月23日:

媒体名(国名):

インターファクス通信(露)

執筆者(発信地):

ダリア・モロゾワ外交特派員

(問)現在の日露関係の水準の評価如何。二国間協力を進める上で,顕著な進展があるか。あるとすれば,どの分野か。

(答)日露はアジア太平洋地域の重要なパートナーである。地域の大国である両国が安定した関係を築き,協力を深めることは,地域の安定と発展にとっても極めて重要。
 しかし,残念ながら日露の協力の潜在力が活かしきれているとは言えない。例えば,経済分野では,日露間の貿易額(16年164億ドル)は日中の17分の1,日韓の4分の1であり,日露双方の協力を通じて経済関係はさらに発展する余地があると考える。同時に,日露両国にとって最も重要な課題は平和条約の締結。両首脳は,戦後70年以上経っても平和条約が締結されていないことは異常であるとの認識で一致している。平和条約の締結により,両国関係をその潜在力に見合う形で発展させることが可能になると考える。私はこの状況を打開したいと考えている。日露両首脳は,昨年末のプーチン大統領訪日の際,平和条約問題を解決する自らの真摯な決意を表明するとともに,四島における共同経済活動に関する協議の開始に同意した。日露間ではこうした首脳間の合意事項を着実に実現してきている。私も今回の日露外相会談でラヴロフ外相と率直に話し合い,更なる協力の 促進に向け努力したい。
 日露間では,現在,昨年安倍総理が提案した8項目の「協力プラン」の具体化を進めており,特に,都市環境整備,医療,エネルギーなどの幅広い分野で互恵的な協力が活発化してる。今回,私とシュヴァロフ第一副首相が共同議長を務める貿易経済日露政府間委員会でも,この前向きな流れを更に加速したい。
来年は,「ロシアにおける日本年」,「日本におけるロシア年」。この相互交流年を通じて,幅広い分野で両国国民間の相互理解も深まるものと期待する。

掲載日:

11月22月:

媒体名(国名):

RIAノーボスチ通信(露)

 23日から,河野太郎日本国外務大臣のモスクワ訪問が始まる。河野大臣は,RIAノーボスチ通信社ナカ・クセニヤ記者による単独インタビューに対し,なぜ大臣自身にとって日露関係の発展が 重要なのか,ソ連首脳であったフルシチョフが河野大臣の祖父に贈ったペーパーナイフがどうなったのか,両国の協力の展望が最も開けているのはどの分野か等について語った。

(問)大臣の祖父河野一郎氏は,ソ連との交渉には大変大きな役割を果たした。河野大臣ご自身は,日露外交にどのような思い入れがあるか。

(答)戦後,多くの先達が日露外交の(編集部注:発展の)ために多大な努力を積み重ねてきた。私の祖父もその一人である。今から61年前,祖父は,日本政府全権代表団の一員として訪露し,ニコライ・フルシチョフ共産党第一書記やニコライ・ブルガーニン首相と何度も協議を行った。その際,祖父がフルシチョフ書記から受け取ったペーパーナイフは今でも河野家に保管されている。私が外務大臣に就任することが決まった時に思い浮かんだのがこのペーパーナイフである。祖父の世代の功績を受け継ぎつつ,私自身平和条約締結という残された重要な課題に取り組む 決意を強くしている。
 今,両国の強力な指導者である安倍総理とプーチン大統領の下で,日露関係は大きなモメンタムを得ている。この重要な時に外務大臣を拝命したことは,私にとって幸運な巡り合わせだと感じている。このチャンスを最大限に活かして,これから日露関係の無限の可能性を切り拓くことに貢献したい。

(問)国後,択捉,色丹,歯舞での共同経済活動に関し,日本にとって一番魅力的な分野いかん。共同経済活動は平和条約締結につながると考えるか。

(答)豊かな自然,地理的環境といった四島が持つ潜在力は日露双方に魅力的なものである。こうした点も踏まえつつ,今回双方で,両国の法的立場を損なうことなく,四島において行う共同経済活動について,早期に取り組むプロジェクトの候補5件が特定された。すなわち,(1)海産物の共同増養殖プロジェクト,(2)温室野菜栽培プロジェクト,(3)島の特性に応じたツアーの開発,(4)風力発電の導入,(5)ゴミの減容対策である。10月下旬には,5件のプロジェクト候補の具体化を進めるため,第2回目の四島での現地調査を実施した。50人以上の日本の官民の専門家が四島現地に行き,ロシアの地元の人々と様々な土地を訪れた。これはいまだかつてなかった出来事である。これらのプロジェクトはいずれも,日露双方の知見を活用して四島に住む人々の生活を改善し,人的交流の活性化をもたらすものである。
 この様に日本人とロシア人が共に四島の未来像を描くことは,相互の理解と信頼を深めることにつながる。これは,平和条約締結にとって大きなプラスになると確信している。未来志向の発想の「新しいアプローチ」の中で,平和条約締結に向けた突破口を共に見出していきたい。

掲載日:

11月26日:

媒体名(国名):

タス通信(露)

執筆者(発信地):

コプノフ副社長

(問)尊敬する大臣閣下!2016年5月にソチにおいて安倍総理がプーチン大統領と会談し,「安倍プラン」として知られる8項目の包括的協力プランを提案してから,1年半が経過した。この間,日露関係は変化したとお考えか。今の日露関係の現状をどのように評価しているか。

(答)日露両国の間に,戦後70年以上経っても未だ平和条約が締結されていないという事実を非常に残念に思う。日本とロシアは,地域あるいは国際社会における自然なパートナーになれる関係にあり,また日露が緊密に連携することは,地域のみならず,国際社会全体の平和と安定に寄与するものであると思う。
(しかし,)現時点において日本とロシアの貿易額は日中間の貿易額のわずか17分の1でしかない。8項目の協力プランをしっかりと実現していくことで,日露の経済関係あるいは人の交流が 重層的に分厚くなっていくと信じており,一つ一つ目に見える結果を出して,日露両国民の間の 信頼関係を更に強くしていきたいと考える。

(問)安倍総理は,本年9月のウラジオストクにおけるプーチン大統領との会談で,「正に私たち自らの手で」平和条約を自らの手で署名するとの決意を表明された。貴大臣も,外相就任後のインタビューの中で,貴大臣の御祖父様も御父様もこのプロセスに直接関わっており,御自身もロシアとの関係発展に特別の思い入れがあると述べられた。貴大臣御自身は外務大臣として露日関係に 関する問題に多くの時間を割いていらっしゃるか。また,外務大臣として,理想的なロシアとの 関係はどうあるべきと考えるか。

(答)私にとって,日本とロシアの関係は特別なものである。今から61年前に,私の祖父河野一郎が当時の鳩山一郎総理と一緒に,日ソ共同宣言の交渉及び署名のためソ連を訪れた。その際,ニキータ・フルシチョフソ連共産党中央委員会第一書記が私の祖父の前で振り回していたペーパーナイフを祖父がもらって帰ってきたという話を何度も聞いており,そのナイフは我が家に残っている。
 昨日ラブロフ外相と会談をした外務省別館は,61年前私の祖父が宿泊した建物でもあった。昨日シュヴァロフ第一副首相とともに共同議長を行った貿易経済に関する日露政府間委員会は,私の父が1994年に外務大臣として設立した委員会である。
 日ソ共同宣言50周年の記念の年に,河野一郎の孫の私と鳩山一郎総理の孫の鳩山由起夫氏と一緒にモスクワを訪問したが,そのときに「日ソ共同宣言から50年も平和条約がほったらかしにされている」と私はフォーラムで発言した。今や安倍総理を支えて,平和条約を締結させる外務大臣という役職に自分自身が就くこととなり,これだけは,プーチン大統領と安倍総理の二人の任期の間にやり遂げなければならないと思っている。必要なら何回でもこの問題のためにロシアを訪問し,多くの時間を割くつもりであり,日本とロシアの両国の国民に,平和条約を締結してよかったといってもらえる日を待ち望んでいる。

掲載日:

11月19日:

媒体名(国名):

デイリー・スター紙(バングラデシュ)

執筆者(発信地):

レザウル・カリム外交記者

 短期間であるが重要な訪問を行うため,本日ダッカに到着した河野外務大臣は,デイリー・スター紙の外交記者であるレザウル・カリムに対し,日本による開発協力,対バングラデシュ投資,インフラや電力関連事業について語った。河野大臣は,ロヒンギャ問題についても話した。本独占インタビューは,大臣の当地訪問前に,日本大使館を通じて日本の外務省に送った質問をもとに行われた。

(問)日本のODAによるダッカ都市交通整備計画及びマタバリ超々臨界圧火力発電計画の進展状況と完成見通し如何。また,昨年7月ダッカで起きたテロ事件以降,バングラデシュのインフラ整備に対する日本の支援が滞っているように見受けられるが,今後の日本の支援の展望如何。さらに,バングラデシュの日本企業向け経済特区における日本の支援如何。

(答)日本とバングラデシュは,良好な二国間関係と国民同士の絆に支えられ,本年国交樹立45周年を迎えました。両国間の友好関係は,1973年,日バ関係の強化に大変ご尽力頂いた,国父ムジブル・ラーマン首相を日本にお迎えしたことから始まります。同首相を父とし,その意思を引き継がれたハシナ首相のすぐれたリーダーシップの下で,バングラデシュは目覚ましい発展を遂げています。この記念すべき年に日本の外務大臣としてバングラデシュを訪問することを大変嬉しく思います。
 日本は,バングラデシュの主要なドナー国として,貧困対策やインフラ整備,自然災害に対する脆弱性克服を後押しする協力を実施しています。中でも,2014年の首脳会談の際に両首脳間で合意された「ベンガル湾産業成長地帯(BIG-B)」構想の下,質の高いインフラ整備,投資環境整備,地域連結性強化に向けた協力を加速しています。
 昨年7月のダッカ襲撃テロ事件において,日本の国際協力事業関係者を含む多数の尊い人命が奪われたことは極めて残念なことです。改めて卑劣なテロを断固として非難しますが,バングラデシュ政府が厳格なテロ対策の下,邦人を含む外国人の安全確保に努めていることを評価します。日本はテロ事件で犠牲となった方々の志を受け継ぎ,国際協力事業関係者の安全を確保しながら,積極的に協力を継続していきます。
 「黄金のベンガル」の前途は希望に満ちています。自由で開かれたインド太平洋の実現にむけても両国の協力の可能性は広がっています。私自身,包括的パートナーシップに基づく二国間関係を一層発展させるべく先頭に立って汗をかきたいと考えています。

掲載日:

26日付:

媒体名(国名):

スター紙(マレーシア)
タイトル:
男女間の格差縮小のために

執筆者(発信地):

アイビー・スーン同紙編集者

 今般開催されたWAW!では各種分野での女性参加の重要性が強調された。男女平等とは通常人権問題としてとられるが,日本では経済問題として理解されているようだ。出生率の減少,労働人口の減少,少子高齢化などの問題要素が取り上げられている中,女性は未活用資産だと日本政府は気づいたようだ。WAW!の基調講演で世界銀行のゲオルギエヴァCEOは,「経済に女性をより一層取り込むことで更にGDP 9%の増加が見込まれる」と述べた。
 日本は近年,女性の職場参画に向け様々な取り組みを行っている。他方,今年発表された世界経済フォーラム(WEF)の世界男女格差年次報告書2017によると日本は114位との結果が発表された。その中で開催されたWAW!において国連女性機関のラクシュミ・プリ最高責任者代理は「改革を推進してきている安倍総理に敬意を表明したい,これからも新たな政策を導入し,改革のペースを一層速めていただきたい」と述べた。また,イバンカ・トランプ・アメリカ大統領補佐官は「真の経済成長を達成するために,世界人口の約半数を占める女性の中心的役割をウーマノミクスは認識している」と同補佐官はWAW!の講演で述べた。
 日本の高等教育分野での男女の比率は縮まっていると,WEFの統計による結果が出ている。男女の差は教育面においてはあまり見られない,しかし,多くの女性は家族かキャリアの選択を迫られるようだ。大沢真知子日本女子大学現代女性キャリア研究所所長は「我々の研究によると約3百万もの女性が職場復帰したいと望んでいる」とし,「職場復帰を望む女性にとって経済的要素は大きい。高いインフレ率,教育費の高騰,給与の伸び悩み等,家庭の収入を増やし,子供を塾に送りたい母親は多い」と説明した。しかし,職場復帰する女性の多くは不正規雇用の形態が多く,将来性も不安定である。「子育てとキャリアの両立が可能な環境作りが重要である」と同所長は述べた。

掲載日:

11月17月:

媒体名(国名):

Europe 1ラジオ局(仏)
タイトル:
高齢化対策に取り組む日本

執筆者(発信地):

フランソワ・クレマンソー国際部長

 フランス人ジャーナリストのフランソワ・クレマンソー氏(日曜紙JDD)はEurope1ラジオ局での国政情勢に関するコメントで,17日には,安倍総理の所信表明演説を控えて,日本の少子化問題および移民問題を以下のように取り上げた。
 日本は外部では北朝鮮と中国の脅威に直面しているが,内部では高齢化の危機に直面しており,10月の衆議院選挙で続投を決めた安倍総理はこの問題にも取り組まなければならない。日本の総人口は1億2,700万人だが,その26.6%が65才以上で,今や75才以上の高齢者のほうが14才未満の子どもよりも多い。今週面談した経済学教授の試算によると,このまま,何の対策も講じなければ,日本の人口は向こう100年間で半減してしまうという。こうした展望は遠い未来のことで,ほとんどSF的だと感じている日本人も多いだろう。しかし現実に,老齢年金制度は既に破綻しつつあり,75才以上の高齢者の死亡コストは過去最高を更新し,高齢の親の世話をするために退職を余儀なくされる若いカップルすらいる。
 こうした傾向に歯止めをかけるために,安倍総理はどのような対策を提案するだろうか。恐らく出産を促進する優遇税制や本格的な家族政策を打ち出すだろう。日本ではこれまで本当の意味での家族政策がなかったので,部分的にフランスの例からヒントを得ることができるだろう。また,高齢者の介護のためには,海外から看護人や専門家を雇い入れることも可能だが,十分な時間をかけて日本語の修得を訓練することが条件になる。
 さらに,移行期には,研究開発とイノベーションを推進し,生産性を向上させ所得水準を引き上げ,若い国民に子どもを作る意欲を持たせる必要がある。同時に高齢者の通常の介護を担当できるロボットを開発し,家族が介護のために労働時間を奪われることを回避する必要もある。
 しかしこの問題の中心にはタブーがあり,それは移民だ。ドイツをはじめとして,少子化と高齢化に直面した他の国々は全て,過度の不安感を抱かずに,移民の受け入れによる解決を図った。単に労働力を補充するだけでなく,人口減少対策を目的とする移民だ。一方,自らのアイデンティの中に閉じられた島国である日本は,移民の受け入れを自らの存在を脅かす脅威と受け止めている。日本の人口に占める移民数は2%に過ぎないが,多くの日本人はこれでも既に多すぎると感じている。

掲載日:

10月24日:

媒体名(国名):

GDIP(ウクライナ)
タイトル:
角駐ウクライナ大使インタビュー

執筆者(発信地):

角駐ウクライナ大使

(問)日本とウクライナは,25年間の間に様々な分野において協定を締結している。これまでに締結された協定にはどのようなものがあるか。また,今後どのような分野での協定を検討していきたいか。

(答)日本とウクライナがこれまでに締結した協定には,(1)ウクライナの核兵器の廃棄に関する協定,(2)技術協力と無償資金協力に関する協定,(3)原子力発電所事故への対応に関する協定,(4)投資の促進及び保護に関する協定がある。今後については,ITや安全保障の分野での協力拡大を検討していきたい。ただし,一足飛びに協定ということではなく,協議を積み重ねる中で段階を踏んでいく必要がある。

(問)日本はウクライナにおいて様々なプロジェクトを行っているが,最も成功しているものは何か。

(答)代表的なものとしては,ボリスピリ空港ターミナルの改修・拡張工事やトヨタ「プリウス」と三菱アウトランダーPHEV車を警察車両として導入支援したこと等が挙げられる。また,日本は2014年のマイダン革命以降,国別では最大規模となる18.6億米ドルの支援を表明しており,とりわけ11億米ドルの円借款によるボルトニッチ下水処理場改修計画が着実に実施されることが重要である。

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