世界が報じた日本

平成28年6月8日

 最近の海外主要メディアにおける日本関連報道の中からいくつか紹介いたします。メディア側から予め承認が得られたものの中から選んで掲載しています。転載・複製を禁じます。詳細はリンクから原文をご参照願います。

掲載日:

5月21日付:

媒体名(国名):

ヘラルドマガジン(英)

執筆者(発信地):

マグナス・ガーダム氏(ヘラルド・タイムズグループ政治編集長)

  63歳のワカコさん,61歳のカズヨさんは,今では1,600人となった海女のうちの2人だ。彼女たちは伊勢志摩半島の海で 50年間もぐり続けてきたが,この道に進む若い女性の後継者が減ってきていることで,今では衰退する伝統を担う一員となっている。
 海女の暮らしは長い間,この国で魅力の源とされていた。海女の存在は1,200年前の文書の中に登場するが,その伝統は数千年前にもさかのぼると言われている。男性は決して潜らないということではない。ただ,女性の体の方が男性と比べて寒さに耐えうるということで女性の方が成功してきたのだ。
 働く女性の役割が重要な議題の一つとなっているG7の場で,世界の首脳たちが考えを巡らすのに際し,海女の生活以上に強烈なシンボルが他にあるだろうか?

掲載日:

5月23日付:

媒体名(国名):

ル・モンド紙(仏)

執筆者(発信地):

フィリップ・メスメール記者(伊勢志摩発)

 まず目に飛び込んでくる英虞湾。青々と茂った島々が入り組む群青色の太平洋,志摩観光ホテル・ベイスイートのロングテラスからは伊勢志摩国立公園が見渡せる。1951年賢島に開業,戦後初の国立公園の真ん中にある西洋式ホテルだ。5月26,27日にはここ三重県伊勢志摩で第42回サミットが開催される。各国首脳は,この地方の魅力を堪能することになるだろう。
 パリ市よりも大きな敷地面積をもつ伊勢神宮は,日本で最初の宗教である神道の中枢で,毎年数百万人の来訪者がある。「神の地」はまた美食の宝庫でもあり,あわび,伊勢えび,ふぐ,海藻,牡蠣から松坂牛まで揃っている。この食物と神との関わりは至る所に存在する。
 地元食材の豊かさを知ってもらおうと三重県は仏人シェフ,シリル・リニャック氏を招待した。彼女が振る舞う料理は,G7公式晩餐時に交わされるはずの外交に関する会話から,首脳たちの気を逸らしてしまうだろう。

掲載日:

5月26日付:

媒体名(国名):

ラ・レプッブリカ紙(イタリア)

執筆者(発信地):

フィリッポ・サンテッリ記者

 神道の聖地である伊勢神宮はサミット開催地の中心にある。伊勢志摩は国内で最も高級な魚が捕れ,何世紀も前から海女が潜り貝類を捕る広大な自然公園である。自然と人間の全体的な調和がある。
 鳥羽で,薄色の木製の橋を渡った。手と口を清めるために川沿いに下りた。巨大な杉の間に入り込み,足下では砂利の音がする。上を見上げて階段を上った。しかし,地上のリーダー達でさえも神社の門の外に止まった。数世紀にわたり天照大神を参拝するために三重県を訪れた数多くの巡礼者(昨年だけで850万人)も同様であった。日本一神聖な神社である伊勢神宮では,そこが人間にとっての限界である。神社の中に天照大神の鏡があることを把握するだけで十分である。
 神の姿は神社外にある自然,例えば川や険しい崖,濃い緑に映し出されている。伊勢神宮を取り囲む自然の要素は神聖である。

掲載日:

5月25日付:

媒体名(国名):

ヒンドゥスタン・タイムズ(インド)

執筆者(発信地):

ジャヤント・ジェイコブ記者

 日本は,モディ政権が国内政治かつ戦略的理由から優先的地域としている北東部において,更に2つの道路プロジェクトへの資金提供に強い関心を示している。同地域での道路改良に,正しくは671億円の援助を約束している日本政府は,バングラデシュとミャンマーに通じる国道40号と55号に着目している。しかし,連結性には問題が残っており,日本がその隙間を埋める手助けをしている。水路に通じる道路ネットワークは,北東部を頻繁な往来のある商業ルートにし,北東部に多大な経済的後押しをもたらす可能性を秘めている。
 JICAの広報担当者は,「安倍総理は,北東部における道路連結性のための円借款に向けた日本の関心を表明した」と述べた。地滑りが起きやすい国道55号の,シリグリ~ダージリン間の斜面保護のための最終的な資金援助の詳細が検討されている。日本はバングラデシュ国境に近いメガラヤ州の,シロン~ダウキ間をつなぐ国道40号の改良にも協力する予定。

掲載日:

5月26日付:

媒体名(国名):

プロトム・アロ紙(バングラデシュ)
タイトル:
日本の投資計画には,バングラデシュが含まれている

執筆者(発信地):

アノワール・フセイン記者他

 日本は世界において,向こう5年間で2000億ドルのインフラ投資を行う予定。アジアやアフリカ諸国も含まれるが,主要な投資先はバングラデシュである。5月23日に,安倍総理がG7サミットに照準を当て,「質の高いインフラ輸出拡大協力」という計画を発表した。日本外務省によると,日本は運輸セクターの他に石油・ガス,病院建設に投資を行う。
 日本外務省関係者は,「このアウトリーチ会合の主な目的は,継続的な開発成長を続けていて,投資先として相応しいこれらの国々から意見を聞くこと」であると述べた。
 大鷹外務副報道官は記者団に対し,日本は質の高いインフラ開発を重視していると述べた。JICA関係者は,日本はベンガル湾産業成長地帯(BIG-B)を創る計画があり,その一環としてマタバリ火力発電所の建築や,他の国からの投資も呼び込むために,経済特区(SEZ)の設置を計画していると述べた。

掲載日:

5月26日付:

媒体名(国名):

スタンダード紙(ケニア)
タイトル:
経済がG7サミットの主要議題

執筆者(発信地):

グラハム・カジルワ記者

 本日開幕するG7サミットでは,世界経済情勢が議論の中心となる。石油価格の低下,中国の経済危機により不確実性が増している昨今の世界経済情勢に鑑みて,G7の首脳は経済を軌道に戻す方策を提示することで成長を確実にするための最善策を示す。 昨日実施された日本の外務省によるブリーフィングで発表されたサミットの議題によると,会合では持続可能な成長のための質の高いインフラ投資が推進される。これにより寿命の長い雨風にも強いインフラが建設される。また会合では女性のエンパワメントに関して議論し,女性の役割を更に促進させる国際的な気運を高める他,経済成長を妨げる汚職を撲滅する方策を強化する協力に関しても議論される。

掲載日:

5月27日付:

媒体名(国名):

デイリーモニター紙(エチオピア)
タイトル:
アフリカにおけるインフラ投資の拡大を目指す日本 別ウィンドウで開く

執筆者(発信地):

ビニヤム・タメネ記者

 持続可能な質の高い開発を推進する日本は,アフリカにおいて質の高いインフラを推進する用意があると述べている。日本企業の海外進出を支援するべく,2020年までに100の国・地域と投資協定を締結する目標を日本が発表した直後,その関心が表明された。
 この新しいイニシアティブは,日本が1年前に中国主導のアジア・インフラ投資銀行設立に対抗する形で発表された,1,100億米ドル規模のアジアにおける質の高いインフラ開発プログラムを拡大するものである。政府関係者によると,この新イニシアティブは,インフラ整備のために年間930億米ドルが必要とされるアフリカに焦点を置いたものとなる。しかし,外務省関係者によれば,どの程度の規模の資金がアフリカに流れるかを明らかにするには時期尚早とのことであり,また,大鷹正人外務副報道官は,日本政府は,他の施策も活用しつつ,今後5年間でこの資金を世界中のインフラ・プロジェクトに供与すると述べた。

世界が報じた日本へ戻る