寄稿・インタビュー

マニラ・ブレティン紙(フィリピン)による安倍総理大臣インタビュー

(2015年11月19日付)

「安倍総理,インフラ開発支援と南シナ海での平和に向けての努力に言及」

平成27年11月20日

 日本の安倍晋三総理は,日比両国の戦略的パートナーシップが既に強化された段階に入っていることを踏まえつつ,フィリピンにおけるインフラ開発計画への支援と,フィリピンの防衛能力強化を支援することによって同国の地域の平和と安定のための努力に対する活発な共同作業を継続することを約束した。
 安倍総理は,マニラブレティンへの書面インタビューで経済開発とともに対中領域問題でもフィリピンを支援していくことを強調した。

 フィリピンは対中領域問題に関して日本の支援を期待できるかとの問に対し,安倍総理は,「フィリピンに対しては能力構築支援や,自衛隊と比海軍の共同訓練を行うなど,地域の安定に資する活動に積極的に取り組んできており,今後とも様々な協力を進めていく所存である」と述べた。

埋め立てに関する懸念
 南シナ海問題については,「我が国は,多くのAPEC参加諸国と共に,南シナ海での大規模な埋立て,施設の建設やその軍事目的での利用を含め,現状を変更し緊張を高めるあらゆる一方的な行動を深く懸念している」旨述べ,海における「法の支配」の観点から,三原則,すなわち,(1)法に基づく主張,(2)「力」を用いない,(3)平和的解決,に基づき行動することが重要であると強調し「緊張を高める一方的な行動を慎むべき」と述べた。

インフラ強化
 フィリピン国のインフラ開発について安倍総理大臣は,フィリピンは,アキノ大統領のリーダーシップの下,力強い成長を遂げており,フィリピンには,英語を話す,若い豊富な労働力という強みがあり,フィリピンに進出している製造業を始めとする日系企業もその恩恵を享受していると述べた。
 しかし,フィリピンが今後,包摂的成長を成し遂げるためには,効率的な人の移動や物流を支えるインフラ整備が不可欠であると強調し,日本は,フィリピンのインフラ整備に対する支援を重視していると述べた。
 先のアキノ大統領訪日時には,両首脳は「マニラ首都圏の持続的発展に向けた運輸交通ロードマップ」に合意した。10月にはフィリピン政府から閣僚級の参加を得て,ロードマップの運営委員会が開催され,充実した議論が行われ,今後も円借款による「南北通勤鉄道計画」を始め,フィリピン国民に広く恩恵が及ぶような事業を推進していく旨述べた。

リスク要因
 インフラ開発の他に,安倍総理大臣は,自然災害,気候変動などの環境問題や,感染症などが,フィリピンの成長と安定を妨げているとして,こうしたリスクを緩和し,生活基準の安定と強化のために,ソフト面を含めたインフラ整備,保健医療などの分野でのセーフティネットの整備,農業生産の向上等の重要を訴えた。「こうした分野で支援を実施していく」と述べた。また,政府からの支援に加えて,安倍総理大臣は,インフラ整備支援,日本の民間企業による投資や企業活動の促進,そして脆弱性の克服と生活基準の安定に向けて,日本はフィリピンの成長を力強く後押しして行く旨述べた。

戦略的パートナーシップ
 アキノ大統領の訪日を通して,安倍総理大臣は,両国の戦略的パートナーシップを強化することができたと述べ,また,両国が国交正常化60周年を迎えることで,来年初めに予定されている天皇皇后両陛下が訪問されると語り,「両国の友好親善が格段に深まることを心より期待している」と述べた。
 今次APEC首脳会議について安倍総理大臣は,アベノミクスの「第2ステージ」の取組を通じた成長戦略や,アジア太平洋地域における質の高いインフラの実現や地域経済統合の推進に向けた日本の貢献について発信したいと考えている旨述べた。加えて,地域経済統合の推進,中小企業の地域・世界市場への参画促進,人材開発,持続可能かつ強靱な地域社会の構築などについて,活発な意見交換が行われることを期待していると述べた。


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