寄稿・インタビュー

プロトム・アロー紙(バングラデシュ)による安倍総理大臣書面インタビュー


(2014年9月6日付)

平成26年9月10日

「二国間のつながり,旗と稲」

(問)14年ぶりに日本の首相がダッカを訪問することとなりました。この歴史的な訪問に期待される成果は何でしょうか。日本からの投資促進が期待されています。一方,総理はインフラ開発の重要性を以前強調されました。バングラデシュ側は,そのような投資阻害要因に対してどのように取り組むべきでしょうか。

(安倍総理大臣)5月のハシナ首相の公賓としても訪問に続き,4ヶ月後に今度は私が14年振りにバングラデシュを訪問します。これまで両国は強固な友好関係を築いてきましたが,2014年は両国にとって特別な年,飛躍の年です。
 日本は1971年のバングラデシュの独立以来,40年以上の長きに亘り,主要な開発パートナーとしてバングラデシュの発展に貢献してきていることを大変光栄に思います。
 日本は「ベンガル湾産業成長地帯構想(BIG-B)」の下,バングラデシュに対し,経済インフラ整備,投資環境整備及び地域連結性向上に資する開発のため,概ね4~5年を目途に最大6000億円(約60億ドル)を支援することを改めてお約束します。そのうち,既に約1200億円の円借款を供与しました。今後も着実に支援を実施していきます。そのため両国間で緊密な対話を行っていきます。
 「ネクスト11」の一カ国であり経済成長を着実に進めるバングラデシュと「アベノミクス」で回復しつつある日本が,貿易・投資を促進し,ウィン・ウィンの関係で相互利益を追求することが理想です。
そのためにも,より多くの日本企業がバングラデシュに進出することが望ましく,バングラデシュ政府が日本企業のための経済特区の設置を決定したことを高く評価します。
 先般,第一回日バングラデシュ官民合同経済対話が開催されました。これらを通じて,バングラデシュ政府が更に積極的に投資環境の整備を進めて下さることを期待します。
 日本とバングラデシュは一目で似ている点が2つあります。一つは両国の国旗。ハシナ首相は4年前も今年も訪日された際にこの点に触れ,両国の関係をまるで兄弟姉妹のようだと喩えられました。
 もう一つは豊かな水田風景。バングラデシュは「黄金のベンガル」,日本は「瑞穂の国」と呼ばれます。これらの近似はそのまま両国民の心の近さを表していると私は思っています。今回の訪問で両国関係が更に緊密になることを強く期待します。
 今回の訪問を通じて,政治,経済,文化など幅広い分野での包括的パートナーシップを促進し,二国間関係を飛躍的に発展させていきたいと考えています。

(問)近年,アフガニスタン,イラク,パレスチナ,ウクライナ及びアフリカの一部を含め世界の様々な場所で不安定な情勢が見受けられます。このような事態をどのように受け止め,世界平和に向けて日本としてどのような役割を果たしたいとお考えでしょうか。

(安倍総理大臣)いかなる紛争も力ではなく,国際法に基づき平和的・外交的に解決されるべきです。日本は法の支配の重要性を国際社会に対して繰り返し訴えてきました。
 多くの犠牲が発生している中東やウクライナ,アフリカにおける課題についても平和的,外交的解決が図られるべきだと考えます。
日本は,戦後間もない頃から,ODAやPKO活動への参加,対話の促進を含め,さまざまな外交努力などを通じて多くの国際貢献を行ってきました。これら全ての活動は世界の平和と安定に貢献するものです。
 グローバル化と技術革新が進み,大量破壊兵器や弾道ミサイル,国際テロ組織といった脅威が多様化する中,どの国も一国のみで平和と安全を維持できない状況が生まれています。
 日本は,平和国家としての歩みを引き続き堅持し,国際協調主義に基づく「積極的平和主義」の立場から,国際社会の平和と安定及び繁栄の確保にこれまで以上に積極的に寄与していく考えです。


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