世界が報じた日本

(8月13日~19日)

平成26年8月21日

掲載日:

15日付:

紙面(国名):

インターナショナル・ニューヨーク・タイムズ紙(米)

執筆者・掲載欄・発信地:

マーティン・ファクラー東京支局長

 安倍総理は,保守派の支持者をなだめながらも,日中首脳会談の可能性に対するドアを開いておくことを期待して,15日,議論の的となっている靖国神社への参拝を見送り,玉串料を奉納した。しかし,中国及び韓国の反発を避けるための試みであろうか,総理は,右派支持者らの参拝要請にもかかわらず,彼らに加わらなかった。しかし,総理の自粛の表明は,少なくとも日本の近隣諸国にとっては十分でない可能性がある。中国及び韓国政府は閣僚の参拝を批判しており,中国は,日本が依然として戦時中の侵攻について十分に反省していないことの表れだと述べている。中国の反応が,日中間の緊張緩和を目指す最近の外交努力を妨げるほど強いものであるかどうかは,まだ不明である。先週,日中両国の外務大臣は,ミャンマーで行われた地域安全保障会議の際に,安倍氏が総理に就任してから初の会談を行った。岸田大臣はミャンマーで,ユン・ビョンセ韓国外務大臣とも会談し,中国同様に領有権及び歴史を巡り関係が悪化している韓国との関係修復に努めた。韓国の朴大統領は15日,日本の政治家たちは日韓両国の溝をさらに深める行動をとっていると非難した。日本の菅官房長官は同日,閣僚らの参拝を弁護し,国のために命を犠牲にした人々に尊崇の念を表することは政治家として当然と述べた。この発言は,アジア内での靖国神社についての認識の大きな相違を浮き彫りにしている。日本国内の保守派の多くは,戦死者を追悼するものに過ぎず,米国のアーリントン国立墓地と大して違わないと述べている。しかし,中国と韓国では,日本が軍国主義を悔い改めないことの象徴と見なされている。

掲載日:

13日付:

紙面(国名):

フランクフルター・アルゲマイネ紙(独)

執筆者・掲載欄・発信地:

カーステン・ゲルミス記者

 安倍総理は,女性推進を単なる社会政策ではなく,「日本の成長戦略の中心」と捉えている。たとえ保育施設を整備する計画が実現したとしても,仕事の現状が変わらない限り,高度な教育を受けた女性がキャリアと育児の間で選択を迫られることになる。森特命大臣は,この点について,省庁が変わる必要があるとして,自身の所管チームにおいて,男性による子育てを奨励している。税法も男女同権の目標に立ちはだかっている。世界第三の経済大国である日本は,移民を拒んでおり,女性就業率の向上のみが持続的な経済成長を保証する。しかし,古い文化から脱却したくないのは,高年齢の男性だけではない。世論調査では,若い日本人女性がグローバル化の圧力の下で,再び閉鎖的な社会における伝統的な役割分担を志向する傾向が見られる。

掲載日:

12日付:

紙面(国名):

ラクヤット・ムルデカ紙(インドネシア)
タイトル:
外務大臣,インドネシアを訪問:日本とインドネシア,「心の友」として互いを助け合う

執筆者・掲載欄・発信地:

書面インタビューに基づいた記事

 インドネシアの発展のために協力していくとの日本の姿勢は不変だ。「私はこのようなインドネシアとの関係を一貫して重視している。」と岸田大臣は述べた。岸田大臣によると,日本とインドネシアは,自由,民主主義等の基本的価値を共有する戦略的パートナーであり,ウィン・ウィンの経済関係を通じて共に成長を遂げてきている。スマトラ島沖大地震や東日本大震災のような難局の際には,「心の友」として,互いに助け合い乗り越えてきた。岸田大臣によると,安倍総理は,大統領選挙の結果発表の翌日に,直接ジョコ次期大統領にこの考えを伝え,両国の戦略的パートナーシップを一層発展させるよう協力することで一致した。「今回,自分のインドネシア訪問を皮切りに,地域の安定の確保,互恵的な経済関係の一層の強化等で,次期政権とも緊密に協力していく考えだ。」と岸田大臣は説明した。岸田大臣によると,日本は,インドネシアが「動的均衡」の考えに基づき,地域の平和と安定のために積極的な役割を果たしてきたことを高く評価しているという。自分自身,マルティ外相と,互いをファーストネームで呼び合う信頼関係を築き,数多くの外相会談や国際会議の機会を通じて,国際社会の課題に共に貢献してこられたことは大きな喜びであるとも述べた。南シナ海をめぐる問題については,地域の平和と安定に直結する,国際社会全体の関心事項だ。日本としては,先般シャングリラ・ダイアログで安倍総理が述べたとおり,海における「法の支配」の三原則を全ての関係国が遵守すべきと考えている,と岸田大臣は述べた。

掲載日:

9日付:

紙面(国名):

ニュー・ライト・オブ・ミャンマー紙(ミャンマー)

執筆者・掲載欄・発信地:

大臣事前書面インタビュー

 ASEAN関連外相会議は,日本とASEANの協力の強化,アジア太平洋地域各国の間の信頼醸成の促進のための重要な機会です。この機会を通じ,この地域における平和と繁栄の実現に向けた我が国の考え方を積極的に発信し,参加国との連携を確認したいと考えています。ASEAN地域フォーラム(ARF)においては,私としても,議長国であるミャンマーとも緊密に連携し,地域にとって特に重要なこれらの問題について率直な議論を行いたいと考えています。今回の東アジア首脳会議EAS参加国外相会議では,地域情勢に加えて,日本としてEAS強化の方向性を打ち出したいと考えています。そしてその結果を,今後の首脳レベルでの議論に繋げていきたいと思っています。ASEAN+3(日中韓)協力においては,金融・食料安全保障など様々な分野における実務協力を議論したいと思っています。日メコン外相会議においては,「東京戦略2012」及び「行動計画」に基づく日メコン協力の進捗及び方向性を確認したいと思っています。ワナ・マウン・ルイン外務大臣を始め各国外相との間で忌憚のない意見交換を行うことを楽しみにしています。

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