寄稿・インタビュー

アル・アハラーム紙(エジプト)による安倍総理大臣インタビュー

(2015年1月17日付)

平成27年1月21日

我々はテロとの戦いに尽力するエジプトを強く支援する,エジプトは中東安定化の鍵である

 アル・アハラーム紙編集長による独占インタビューで,安倍総理は,本日行われるエルシーシ大統領との首脳会談において,エジプトが中東地域の安定・繁栄の要であり,日本はエジプトを力強く支援していく旨伝えると述べた。両国のパートナーシップの原動力である経済関係をより強化するための施策についても協議される。また,安倍総理は,エジプトが安定・繁栄し,地域の星となることを心から期待している旨述べた。

 前回の私の訪問から7年8カ月ぶりに,日本の古くからの友人であるエジプトを訪問でき大変嬉しく思います。また,2011年の東日本大震災後の,エジプト政府・国民からの温かい御支援に対し改めて感謝申し上げます。日本とエジプトとの間の友情と信頼の絆が,今回の訪問で更に深まることを期待します。

 今回の首脳会談で私はエルシーシ大統領に,日本はエジプトを強く支援しており,エジプトと共に歩んでいく国であることをお伝えしたいと思います。更に,日本とエジプト間の経済協力の具体的な方針について,また両国のあらゆるレベルにおける対話と協力を促進してくための方途について,意見を交わしたいと思います。

 両国の経済関係はもっと拡大・深化できると確信しています。例えば,スエズ運河開発計画をはじめとする国家的プロジェクトには,高い技術力を持つ日本企業による更なる貢献の可能性が多く秘められています。今回の訪問には,日本のビジネス・リーダーが同行します。日本政府も,日本企業の進出を後押ししていきます。

 3月にシャルム・エルシェイクで開催されるエジプト経済支援会議は,両国の経済関係を一層高いレベルに引き上げる絶好の機会であり,日本としても参加し,エジプトの発展のために貢献したいと考えています。

 日・エジプト関係の発展は経済だけによるものではありません。発展の基礎となるのは人材であり,人と人の絆です。カイロ大学には40年以上前から続く日本語学科があります。2009年には日本式の工学教育・研究を行う「エジプト日本科学技術大学」が設立され,これまでに69名の修了者を輩出しています。エジプトがアラブ世界における日本発信の中心となっていることを大変嬉しく思います。

 今後も,日本語教育を含む教育・研究分野での貢献,文化交流等の拡充に努めていきます。両国の人々の相互理解を深めていくことを後押ししていきます。

 中東地域は,世界有数のエネルギー供給源と物流の要衝であり,テロ・大量破壊兵器の拡散防止のための重要な地域です。中東地域の平和と安定は,日本と世界の安定に直結します。決して中東は日本にとって遠い地域ではありません。

 現下の中東地域は,既存の国際秩序に挑戦する過激主義勢力が台頭するなど,かつてない困難に直面しているとの深刻な危機感を私は持っています。特に,イラク及びシリアにおいて国境を越えて勢力を拡大するISILは,国際社会の重大な脅威です。

 エジプトをはじめとする地域の大国が中心となって,地域の安定と平和が確保されることを期待します。日本は,「積極的平和主義」の下,こうした努力を非軍事的な分野で力強く支援していきます。

 イスラム社会と過激主義は全く関係がありません。中東の国々が多くの民族・宗教宗派を包み込み,多様性に富んだ寛容な共生社会を築いてほしいと願っています。「和」と「寛容」の精神に裏付けられた,活力ある安定した揺るぎない中東地域を実現するため,日本は積極的に貢献していきます。


このページのトップへ戻る
寄稿・インタビューへ戻る