外務省セミナー「学生と語る」

令和6年2月21日
外務省セミナー「学生と語る」聞く・会う・語る 外務省の仕事から国際情勢まで。会場:外務省 東京メトロ霞が関駅下車A4又はA8出口すぐ 開催日:令和6年2月8日木曜日 13時から14時30分:全体会(受付時間:12時30分から12時50分)14時50分から16時50分:文科会/17時から17時45分:外務省員と懇談会 応募締め切り/1月25日木曜日 応募資格・全国の大学生、大学院生

 令和6年2月8日(木曜日)、令和5年度外務省セミナー「学生と語る」を外務省で開催しました。今年のプログラムは、開会式の後、激動する国際情勢と外交政策をテーマとした基調講演、若手省員の体験談で構成する「全体会」(オンライン視聴の参加者を含む)を、次に、「我が国の国連外交」、「開発協力政策」、及び「安全保障政策」の3つのテーマ別の「分科会」を、そして最後に、「外務省員との懇談会」を行いました。対面、オンライン参加者あわせて計165名の学生に参加いただき、誠にありがとうございました!

開会挨拶

小林麻紀 外務報道官

小林外務報道官による開会挨拶

 小林外務報道官から冒頭の辞として、世界が歴史の転換点にあり、日本も厳しく複雑な安全保障環境に直面している中、グローバルな諸課題の解決に国際社会の一層の協力が必要であり、将来を担う方々に、日本の外交政策の現場や国際情勢に対する関心を深めてもらうことが「学生と語る」の事業目的であると述べました。

 また、外交は、国内において、政策としての支持があること、国外で日本への理解と共感を得ていくことが重要であり、日本のプレゼンスを上げることにも繫がること、日頃からの疑問も含め、闊達な議論を交わして頂きたい等を述べました。

基調講演

テーマ:激動する国際情勢と日本外交
講師:木戸大介ロベルト 総合外交政策局 総務課 外交政策調整官

木戸外交政策調整官による基調講演

 木戸外交政策調整官から、外務省の多様な分野・地域を担当する課室での勤務、宮内庁への出向、在フランス日本国大使館での勤務等、これまでの外交官としての経験と各々での役割について、臨場感あふれるエピソードを交えつつ、国際情勢と日本外交について講演が行われました。学生からは、「外交は堅いものだと思って緊張していたが、講演が楽しく、外交を身近に感じることができた」等の声がありました。

若手外務省員による体験談

講師:髙栁 啓太 大臣官房人事課 課長補佐

髙栁課長補佐による体験談

 髙栁課長補佐から、米国研修後の在中国日本国大使館における若手外交官としての仕事の裁量の大きさ、研修言語ではない国での勤務経験、その後のG7広島サミット関連業務等、外交官として働くことの醍醐味について、自身の幅広い実体験を交えた講演が行われました。学生からは、「自分と近い世代の若手外交官の人柄や仕事の内容について知ることができ、外交の仕事を具体的にイメージすることができた」等の声がありました。

分科会

 3つの分科会では、それぞれのテーマについて、外務省員の講師によるプレゼンテーション、質疑応答、講師から提示されたテーマに関する少人数でのグループ討論、同討論を踏まえた代表学生による発表が行われ、全体を通して活発な議論が行われました。

テーマ:国連外交(未来サミットに向けて)
講師:中林祐一 総合外交政策局 国連企画調整課 課長補佐

分科会(国連外交)の様子
参加者によるグループ討論の様子

 中林課長補佐から、国連の現状、国連創設75周年記念宣言、未来サミットの概要等の説明後、「未来サミットにおいて、日本として取り上げるべき優先議題」をテーマとしたグループ討論を行いました。学生は、現在の国際情勢も踏まえた上で、日本が世界をリードすべき取組について活発に議論し、平和構築、人間の安全保障、安保理改革、開発協力、教育等、様々な提言がありました。学生からは、「今後国連の動向について外交という新たな視点から注視できるようになると思った」等の声がありました。

テーマ:開発協力政策(開発協力大綱の改定とODA70周年)
講師:千々部 克洋 国際協力局 政策課 課長補佐

分科会(開発協力政策)の様子
参加者によるグループ毎の発表の様子

 千々部課長補佐から、ODAの概要や最近のトレンド、開発協力大綱の改定、パレスチナやウクライナへの実際の対応例等の説明後、国際協力70周年記念にかかる大臣スピーチの3本柱をテーマにしたグループ討論を行いました。学生からは、改定された開発協力大綱を踏まえつつ、過去、現在、未来の視点から等、様々な提言がありました。学生からは、「事前に調べた際には気づけなかったODAの意義や日本のスタンスについて学ぶことができた」、「現状の問題や各ステークホルダーの存在など多方面に気を配りながらディスカッションでき、非常に有意義な時間を過ごせた」等の声がありました。

テーマ:安全保障政策(新たな国家安全保障戦略下での安全保障政策の新展開)
講師:鈴木 聡一郎 総合外交政策局 安全保障政策課 課長補佐

分科会(安全保障政策)の様子
参加者によるグループ討論の様子

 鈴木課長補佐から、日本の安全保障政策として国際会議で打ち出すべき3本柱をディスカッション・テーマとする主旨説明を行った上で、グループ討論を行いました。学生からは、法の支配、海洋安全保障、新領域の安全保障、さらにハードやソフト面での政策等に関する様々な提言がありました。鈴木課長補佐から、それら発表を踏まえつつ、日本周辺の安全保障環境や新たな国家安全保障戦略下での政策等について、自身の実務経験を交えながらの講義及び質疑応答が行われました。学生からは、「色々な視点から安全保障について考えられ、大学の学びと結びつけて理解が深まった」等の声がありました。

外務省員との懇談会

懇談会の様子1
懇談会の様子2

 令和元年度から4年ぶりに開催された外務省員との懇談会では、全体会、分科会講師を含む外務省員計16名が出席し、外交政策や外務省の仕事について、参加した学生との間で自由で活発な質疑応答が行われました。参加者からは、「さまざまな分野、言語を専門として働く外務省員から、自分が知りたいことについて、身近な距離で話を聞くことができた」等の声がありました。

参加者の感想

  • 講演者の熱意あふれ、時にはユーモアもある語りにより、集中力を保ちながら、スムーズに理解を進めることができた。
  • 初めて聞く話ばかりで、外務省員へのイメージが変わった。
  • 堅い講演をするのではないかとの予想に反して、想像以上に面白く、且つ、わかりやすい話がとても好印象だった。
  • インターネットには載っていない、外務省員の視点でしか語られないようなエピソードが大変興味深かった。
  • 国際情勢だけでなく、外務省員のキャリアに関して詳しく知る事ができた。
  • 実体験をもとに外務省入省後のキャリアを具体的にイメージできた。
  • 多くの知識を持っている同世代の人達と出会えて非常に刺激を受けた。
  • 講演はもちろん、学生間の議論もでき、いい機会になった。
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