国際問題プレゼンテーション・コンテスト

「第35回国際問題プレゼンテーション・コンテスト」開催報告

令和元年10月7日

  • (写真1)第35回国際問題プレゼンテーション・コンテストにおける集合写真

 外務省は,10月5日(土曜日),日本橋社会教育会館にて,大学生を対象とする「第35回国際問題プレゼンテーション・コンテスト」を開催しました。令和初となる今回は,「私の提言 外国人の受入れと共生社会の実現のために」をテーマとして,開会式では中山展宏外務大臣政務官が挨拶を行いました。

  • (写真2)挨拶する中山外務大臣政務官
  • (写真3)中山外務大臣政務官の挨拶の様子
  1.  中山政務官は挨拶の中で,日本人と外国人がお互いに尊重し合える共生社会をどのように築いていくかは,この国に生活する一人一人が直面する課題であり,外務省としても共生社会の実現に協力し,日本の取組をしっかり海外にアピールしていきたいと述べました。また,外務省は,昨年のコンテストで外務大臣賞を受賞した,アフリカからの高校生留学に関する提言も参考とし,アフリカに対する新たな人材育成事業の可能性を検討しており,プレゼンの提言が実際に政策に反映される好事例も生まれていることを紹介しました。最後に,皆さんは全員ファイナリストであり,是非胸を張って,得がたい経験を宝物として持ち帰り,今後の更なる活躍の糧としてください,と本選出場者全員を激励しました。
  2.  第35回となる今回は,21組(29名)の応募があり,事前審査を経て10組(17名)のファイナリスト(PDF)別ウィンドウで開くが本選に進出し, 当日の発表は,発表者の希望を踏まえつつ厳正な抽選を経て決定された順番で行われ,多様な観点やアイディアが披露されました。山脇啓造(審査委員長,明治大学国際日本学部専任教授),岡﨑広樹(芝園団地自治会事務局長),岡部みどり(上智大学法学部国際関係法学科教授)の3名の審査委員からは,温かくも鋭い質問が次々と投げかけられ,スピード感のあるシャープなやりとりが繰り広げられた結果,次の方々が受賞しました。

受賞者の皆さん

外務大臣賞

「第二の故郷プロジェクトと生活総合支援アプリの活用」

  • (写真4)外務大臣賞の受賞者
中央大学法学部国際企業関係法学科
1年 赤羽 健(あかはね けん)さん (左)
中央大学法学部法律学科
2年 及川 奏(おいかわ かな)さん (右)
受賞者の声
 日本の問題を海外の方も交えて解決するのに,地方の人手不足とアプリの活用に重点をおいてプレゼンした。前日ぎりぎりまで準備してきたことが評価されて大変嬉しい。力を貸してくださった諸先輩や先生にお礼申し上げたい。
山脇審査委員長のコメント
 実際に群馬県や千葉県,長野県などがベトナム政府と人材受入れの覚書を締結しているが,それを更に一歩進めて,地方レベルでつながりをつくっていくという提案は,大きな可能性を秘めている。

優秀賞

「外国人アンバサダー制度とふるさと納税制度を活用した外国人受入れ」

  • (写真5)優秀賞の受賞者
中央大学法学部国際企業関係法学科
1年 前中 翔太(まえなか しょうた)さん(左)
中央大学法学部政治学科
2年 浮須 俊樹(うきす としき)さん(右)
受賞者の声
 多くの方の意見を伺いながらアイディアをまとめた。プレゼンを見た先輩方が苦虫をかみ潰したような表情をしていたので,反省ものだなと感じたが,(ユーモアを交えたプレゼンが)良い方に受け取っていただけてよかった。
山脇審査委員長のコメント
 アンバサダー制度は面白い提案で,入国前の段階から選ぶのは大変かもしれないが,地方ごとに実際に既に働いている人の中から選出するのであれば,実現する可能性もあるかもしれない。

奨励賞

「差別とどう向き合うか 3つの“わ”のアクション」

  • (写真6)奨励賞の受賞者
岡山大学経済学部経済学科
3年 坂上 帆夏(さかうえ ほのか)さん
受賞者の声
 まさかこの場に来ることができるとは思っていなかった。同世代の皆さんのプレゼンが素敵で,日本には優秀な学生がたくさんいるのだと知り,やらないといけない課題も分かったが、日本にはまだ希望があるなと感じた。
山脇審査委員長のコメント
 3つの「わ」ということで提言がうまく整理されており、メッセージとしてクリアになっていた。お母様の体験などをヒントにしていたところなどもよかった。

「バリアのない社会を目指して マイノリティ体験型施設「やさしい日本ミュージアム」設立の提言」

  • (写真7)奨励賞の受賞者
明治大学国際日本学部国際日本学科
3年 河井 萌乃香(かわい ほのか)さん
受賞者の声
 マノリティと自分たちで感じている学生にも,前向きにこういう活動ができればよいなという思いで,各種イベントなども調査しながらミュージアムのコンテンツを考えていった。これからも支援活動など頑張っていきたい。
岡﨑審査委員のコメント
 頭では分かっているつもりでも現実になると難しい多文化共生について,体験型で意識を変える機会を,学生が自ら活動して提供するという点がよかった。

「海外から学ぶ多文化共生 日本の隠れた魅力を引き出せ」

  • (写真8)奨励賞の受賞者
早稲田大学文化構想学部文化構想学科
4年 本田 智巳(ほんだ ともみ)さん(左)
慶應義塾大学法学部政治学科
2年 小溝 舞(こみぞ まい)さん(右)
受賞者の声
 所属大学が違う二人がチームを組んで参加したのは,今夏の第71回日米学生会議で出会ったのがきっかけ。社会問題について公の場で学生がプレゼンできる機会はあまりないので、こうした機会を設けていただき幸せで,楽しかった。
岡部審査委員のコメント
 日本の魅力をいかに外国人の受入れにつなげるかという視点が,国際社会における日本のプレゼンス向上にもつながるユニークなもので,よかった。

その他のファイナリストの皆さん

「選ばれる国,住みたくなるマチ,そしてジモトへ」

  • (写真9)その他のファイナリスト
聖心女子大学文学部国際交流学科
3年 五味 恵美(ごみ めぐみ)さん

「地域社会から日本を照らす! 芝園団地自治会の取り組みと多文化共生への手がかり」

  • (写真10)その他のファイナリスト
京都大学文学部社会学専修
4年 今岡 哲哉(いまおか てつや)さん(左)
京都大学文学部社会学専修
4年 佐藤 慧(さとう けい)さん(右)

「多文化共生社会の基盤となる日本語教育の充実化の重要性」

  • (写真11)その他のファイナリスト
神奈川大学外国語学部中国語学科
4年 佐々木 聖瞾(ささき せいしょう)さん(右)
 
(注)左はアシスタントの趙(ちょう)さん

「共生社会×地方創生」

  • (写真12)その他のファイナリスト
中央大学法学部国際企業関係法学科
1年 新井 馨(あらい かおる)さん(左)
慶應義塾大学経済学部経済学科
1年 杷野 真弓(はの まゆみ)さん(中)
慶應義塾大学法学部法律学科
2年 山口 翔太郎(やまぐち しょうたろう)さん(右)

「国内問題を改善するために重要な外国人受入れへの提言」

  • (写真13)その他のファイナリスト
拓殖大学国際学部国際学科
3年 鈴木 崇弘(すずき たかひろ)さん(右)
早稲田大学教育学部社会科
3年 梓 祐太(あずさ ゆうた)さん(左)

講評(山脇審査委員長)

 本日の「国際問題プレゼンテーション・コンテスト」に参加された皆様,大変お疲れ様でした。限られた時間の中で,しっかり準備をされてアイディアを練り,プレゼンの練習も相当されたのかなと,我々審査委員一同感じました。
 今回のプレゼンの中では,地方における受入れの問題を取り上げたものがいくつかありました。今年の4月に特定技能の受入れ制度が始まった中で,どうしたら,外国人の方たちに地方に来てもらい,定着してもらえるのかというのは,今,日本政府や自治体あるいは企業が頭を悩ませている問題だと思います。今回,大学生の皆さんからいくつもの提案があったということが印象深かったです。
 今日の提言の中で,いろいろ良いアイディアが出ました。今回は,東京で開催されたわけですが,それぞれの地方の皆さん,大学生も含めて,自治体,あるいは企業,NPOの皆さんが,それぞれの地方においてこうしたコンテストを行って,様々なアイディアをその地方ごとに考えていければ,素晴らしいと思いました。
 今回の多文化共生というテーマは,入管法が改正されて,これから本格的に日本政府や社会が取り組んでいく大きなテーマなので,ぜひ皆さんも,これからも関心をもって,更に研究を続けていただきたいと思います。

アンケートで寄せられた主な声

  • 「テーマ設定は少し広すぎたかもしれないが,いい意味で自由度が高く,身近でタイムリーだった」
  • 「学生の提言は,具体性が低い傾向は否めないものの,それぞれ独自の視点で面白く,傾聴に値した」
  • 「優秀な学生と交流でき,自身の成長につながった」
  • 「プレゼンの仕方の参考にもなり,学ぶことが多く,同世代として刺激を受けた」
  • 「ファイナリストを5組から10組に増やすなど,工夫が見られた」
  • 「1組当たりの持ち時間(プレゼン10分+質疑6分)が少し短く感じたが,質問によって,どの程度考察されているかがよく分かった」
  • 「発表要旨集もあり,一人一人のプレゼンをゆっくり楽しめた」
  • 「グループでの参加ができるようになった点も面白かった」
  • 「できればテーマの発表をもっと早くしてほしい。本選出場決定から本番までの期間も少し短い」
  • 「とてもよいイベントだと思うので,高校生以下の世代などにももっと周知すべき」など。

交流会

 コンテストの後,ファイナリスト,審査委員及び歴代先輩方による同窓会組織(FRU)との間で交流会も行われ,交流促進のために学生に用意された「ファイナリスト名刺」も早速活用しながら,賑やかで貴重な意見交換の場となりました。

[参考]
 本コンテストは,日本の将来を担う全国の大学生が,日本の外交政策や国際情勢等に対する関心や理解を深め,同世代の仲間との切磋琢磨や交流などを通じて,国際社会で活躍できる能力を高める機会とすることを目的として,外務省が毎年実施しています。


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