外務省セミナー「学生と語る」

開催報告

平成28年1月13日

 平成27年12月18日(金曜日),外務省において平成27年度第2回「外務省セミナー『学生と語る』」を開催いたしました。当日の模様について,アンケートに御協力いただいた参加者の感想を中心に御紹介します。

全体講演:基調講演(13:35~14:35)

テーマ:日本の安全保障政策
講 師:北川克郎 総合外交政策局安全保障政策課長

(写真1)平成27年度第2回外務省セミナー「学生と語る」
(写真2)平成27年度第2回外務省セミナー「学生と語る」
参加者の感想
普段アカデミックな世界にいると,安全保障を包括的に見る機会が乏しい(専門的になりすぎる)ため,外交の広さ,そして全体を把握することができ,大変に興味深い内容でした。
日本の安全保障政策について,集団的自衛権や日中領土問題など個々にしか理解していませんでしたが,講演を聴いて全体像を知ることができました。奥が深く,今後積極的に学びたいと思います。
大学で国際関係論を学んで,学問的に外交や国際関係を見ている日常から,今日は実践的な場での話を伺い,理論と実践のマッチができ,とても有益でした。
外交とは何か,について考える貴重な機会となりました。外交は,今の国際情勢から今後何が起こりうるかを予測し,適切に対策を立てていく,非常に重要な役割を担っていることを理解できました。
講演を聴いて,外交における問題の一つ一つが互いに影響を及ぼし合っていることがわかりました。それに伴い,外務省の取り組む業務と責任の大きさを感じました。
外務省がいかに長期的に戦略を練って,多方面から考えた決定をしているかが分かりました。

全体講演:若手省員の体験談(14:35~15:20)

講 師:山田和花奈 中南米局中米カリブ課

(写真3)平成27年度第2回外務省セミナー「学生と語る」
(写真4)平成27年度第2回外務省セミナー「学生と語る」
参加者の感想
フランクな語り口で,入省までの経緯を伺えたことは入省を目指す私にとって大変有益でした。また1つの案件を1人ですべて回すという具体的な話は,入省後の仕事内容を想像することができ,とても良かったです。
聞きたくてもなかなか聞けない素朴な質問まで答えていただき,面白い体験談でした。いままで中南米の話は伺ったことがなかったので,とても新鮮でした。
外務省が想像以上に幅広い分野の仕事を任せられることを知って驚きました。
女性省員の育児休暇や子連れ留学の話は興味深い内容でした。

分科会(15:40~17:40)

(写真5)平成27年度第2回外務省セミナー「学生と語る」
(写真6)平成27年度第2回外務省セミナー「学生と語る」

 全体講演終了後,6つの会場に分かれて分科会が開催され,各分科会では外務省員によるプレゼンテーション,質疑応答,参加者とのディスカッション等活発な意見交換が行われました。

テーマ:日米外交
講 師:手塚 功 北米局北米第一課課長補佐

テーマ:対ASEAN外交
講 師:田村優輝 アジア大洋州局地域政策課課長補佐

テーマ:国連外交
講 師:岡部桂享 総合外交政策局国連企画調整課事務官

テーマ:対韓国外交
講 師:児玉啓佑 アジア大洋州局北東アジア課課長補佐

テーマ:日本の安全保障政策
講 師:河野 巧 総合外交政策局安全保障政策課課長補佐

テーマ:領土に関わる課題
講 師:花見智幸 国際法局国際法課事務官

(写真7)平成27年度第2回外務省セミナー「学生と語る」
(写真8)平成27年度第2回外務省セミナー「学生と語る」
(写真9)平成27年度第2回外務省セミナー「学生と語る」
(写真10)平成27年度第2回外務省セミナー「学生と語る」
参加者の感想
セミナーを通じて,色々な側面から日米の関係を見て,中国というアクターの動きから,今後日本と米国が共同して取り組まなくてはならない課題が見えてきた気がします。
実践的なグループワークに参加することで,限られた時間内で情報や知識を出し切ることの難しさや,自分の知識の無さを実感することができました。
マルチとバイの両側面から国際貢献を行う棲み分けが大切だということを知りました。国連に対し,日本が漠然と多大な支出金を負担しているのではなく,国際益と国益に照らし,日本の立場を表明し続けていることを知りました。
一つ一つのトピックについてまとまって議論ができ,全体がまとまって考えられました。とくに実務交渉や枠組み作りとナショナリズム,イデオロギーの綱引きの話が,非常に現実に即して興味深い内容でした。
双方向で安全保障を考えることができ,そのため常に「考える」状態で楽しかったです。外交は日本の国益を追求するということと,世界平和のために働きたいということの折り合いをつけるのが難しいと感じました。
領土問題を解決するために国際法が重要な手段ではある一方で,それだけでは解決できないから現在も問題として残っていることが分かりました。

懇親会(18:10~19:30)

(写真11)平成27年度第2回外務省セミナー「学生と語る」
(写真12)平成27年度第2回外務省セミナー「学生と語る」

 分科会終了後に行われた懇親会では,参加学生と外務省員が熱心に語り合う姿が会場の随所に見られました。

(写真13)平成27年度第2回外務省セミナー「学生と語る」
(写真14)平成27年度第2回外務省セミナー「学生と語る」

最後に

 御参加頂いた方々のアンケートでは,参加して良かったという感想をはじめ分科会テーマ,議論の進め方などについて様々な御意見,御提案をいただきました。アンケートに寄せられた御意見,御提案を参考に次回セミナーをさらに充実・発展させて参ります。
 今回,本事業の広報活動に御協力いただきました各大学,大学院等の教育機関の教職員及び関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。


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